釣ったようなタイトルにしちゃいました。インパクトがありそうでしょ?
間違いなく出て行ったのですが、家出とか別居ではありません。
イギリスへ向かったのです。
と言っても、オリンピック観戦が目的でロンドンへ行ったのではなく、友だちの結婚式に参列するためにマンチェスターへ向かったのです。
彼女のタイ人の友だちが、イギリスで結婚式を挙げるので。
たまたまオリンピックの期間と重なったのですが、オリンピック観戦をするかどうかは知りません。
最近は少し、妻の気持ちが荒れ気味でした。
何かあると、「愛していないの?」と、責めるように言われるのです。
初めてイギリスへ行く不安もあったでしょうし、私と離れるのがたまらないということもあったようです。
すみませんね。別にのろけているわけじゃないのですが、どう冷静に考えてもそうなのですから。
昨日は妻と、バンコク都内のエッカマイという場所にできたばかりの、ゲートウェイというショッピングモールへ行きました。
BTS(高架鉄道)のエッカマイ駅から直結している便利な場所。
日本料理のレストランが、たくさん入っていました。
まだ一部オープンしていないところもありましたが、どこもプロモーションをやっていて、お客さんで溢れていました。
ただ妻が言うには、BTSアソーク駅から直結しているターミナル21の方が良いとのこと。
まあ、規模が違いますからね。
おそらく上の階にファッションに関する店がなかったのが、妻の関心を引かなかった原因のようです。
24時間オープンのスーパーマーケットは、ターミナル21にはないからと評価していましたが。
入り口には巨大な招き猫が立っていました。
店内にも招き猫やらダルマなどのオブジェがあり、幸運を招き寄せようという作戦です。
仙台七夕まつりと書かれたブースでは、短冊に願い事を書いて笹に結ぶという日本の行事を体験することもできました。
妻はこういうのが好きで、何やら書いていましたよ。
金魚すくいなどもやっていましたね。
そんなひとときを過ごして帰宅し、DVDなどを見て時間を過ごしました。
飛行機は深夜3時頃出発のアブダビ行き。そこで乗り換えてマンチェスターへ。約18時間の長旅です。
準備はだいたいできているようなので、あとは時間を待つばかりです。
留守中に私が困らないようにと、洗濯物も完全に済ませておいてくれました。
夜9時を過ぎた辺りから、雨が降ってきました。しかも風がけっこうあります。
タイの雨は、たいてい1時間ほどでやみます。ですから、あまり心配はしていませんでした。
しかし、11時近くになっても、まだ雨が降っています。
「これは、いつもの雨とは違うな。」
そう思って表のアソーク通りを見ると、車は少なく、空車のタクシーもまったく走っていません。
12時くらいに出発すると言っていますが、タクシーが拾えるかどうかが心配になってきました。
雨が降ると、とたんに拾いにくくなるのがバンコクのタクシーなのです。
「11:45くらいに出るわ。」
そう妻が言うので、それが良いと思いました。少しでも、余裕を持っていたいのが、私の考え方なので。
けれども、11:45を過ぎても、まだなんだかんだと準備をしていて、焦る様子がありません。
私は妻を急かそうと思ったのですが、ちょっと考えてやめました。
だって、当の本人が焦っていないのですから。私が焦らせて、不安がらせる必要はないのです。
ダメならダメで、そのときに別の方法を考えればいい。
結局、妻が出ていったのは、12時ジャストでした。まあ、そんなものです。
アパートの下に降りて、表までタクシーを拾いに行くと、外からタクシーが人を乗せて入ってきました。
すぐさまそれに乗ろうと決めて、建物の入口に取って返します。
客が降りるのも待たずに運転手に行き先を告げ、行ってくれるかどうか尋ねるとOKとのこと。安心しました。
ところがそのすぐ後、次から次へとタクシーが入ってきます。
なぜかちょうど帰宅ラッシュだったようです。
「そうか、心配することなかったなあ。表を走る空車のタクシーは少なくても、乗って帰ってくるタクシーがあるんだものなあ。」
それまで不安に思っていた自分が、なんだか滑稽に思えてきました。
タクシーに乗り込んだ妻は、ずっと手を振っていました。
私も、タクシーが通りに出て見えなくなるまで、立って見送りました。
「イギリスのお土産は何がいい?」
その日、そう聞いてきた妻に、私は言ったのです。
「別に何も欲しくないよ。あなたが無事に帰ってくるなら、それが一番のお土産だから。」
これからしばらく、独身生活に戻ります。それもまた、楽しいものです。



