日本講演新聞の魂の編集長こと水谷もりひと(みずたに・もりひと)さんの新しい本が出版されると知って、予約して買いました。
水谷さんの本は、これまでに「日本一心を揺るがす新聞の社説3」や「日本一心を揺るがす新聞の社説 ベストセレクション」などを紹介していますが、新聞に書かれた社説の文章が秀逸です。
日本講演新聞の関連で言うと、先日、中部支局長の山本孝弘さんが書かれた「「ありがとう」という日本語にありがとう」を読んで紹介したばかりです。
読み終えて、この2冊は合わせて読んでほしいなぁと思いました。
ではさっそく、一部を引用しながら本の内容を紹介しましょう。
「理想を生きるということは、自分を好きになり、自分のために生きることです。
それはすなわち、誰かを幸せにし、
誰かの人生を応援することとイコールであることを、
私は50歳を過ぎたあたりから気が付きました。
だから、自分の人生が変わるような素敵な話を聴いて、
感動したり、感涙したりしたことは、独り占めせず誰かに伝えてきました。」(p.4)
「はじめに」で、水谷さんはこう言われています。
この本は素晴らしい本だから、大切な人にプレゼントしてほしいと言われます。
それは、文章が素晴らしいからではなく、ネタ元の人や書籍や映画が素晴らしいからだと。
たしかに水谷さんの文章は、こういう話を聞いたとか、本で読んだ、映画で観たなど、ネタ元の紹介があります。それで私も、紹介される本を何冊も買って読んだのです。
私はこの本を、今働いている施設に寄贈するつもりです。この施設で働いておられるスタッフの方、また利用者様が手にとって、何かを感じてもらえるといいなぁと思っているのです。
「人生は何で構成されているのか。
それは、ズバリ、「習慣」です。
「人生は習慣でできている」とか「習慣が変われば人生が変わる」
そんな言葉をどこかで聞いたことはありませんか。」(p.15)
この序章にも書かれていましたが、私はマザー・テレサの「行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。」という言葉を思い出します。
他でも何度も耳にしたのでしょう。ですから今、私は、思考を変えるのも習慣によるものであり、思考の習慣が人生を創ると考えています。
「まず、比較的変えやすい言葉の習慣から手を付けましょう。
つまり口癖です。
愚痴、不平不満、悪口・陰口は絶対言わないと決めましょう。
「大丈夫」「できる」「ありがとう」など、ポジティブな言葉を意識して使いましょう。」(p.17)
これは小林正観さんや斎藤一人さんなども言われてますね。
言葉を変えれば思考が変わり、行動も変わります。思考、言葉、行為は、創造のための3つのツールだと、お勧めしている「神との対話」でも言っています。
では、「02 命ある限り、この人生を輝かせよう」からです。
「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」(致知出版社)の7月31日のページに書かれた話が取り上げられています。長男を白血病で亡くし、その8年後に次男をプールでの事故で亡くした塩見志満子さんの話です。
「しばらくして、同じ高校教師の夫が大泣きしながら駆け付けました。
妻の心境を察したのか、夫は志満子さんを近くの倉庫の裏に連れていって、
とんでもないことを言い出しました。
「これはつらく、悲しいことや。だけど、犯人を見つけたら、
その子の両親はこれから先ずっと
自分の子どもは友だちを殺してしまった、という罪を背負って生きていかないかん。
わしら二人が我慢しようや。うちの子は心臓まひで死んだことにしよう。
校医の先生に心臓まひで死んだという診断書を書いてもらおう。
そうしようや。そうしようや」」(p.32)
毎年、命日になると、次男の墓前に花が飾られているそうです。もし学校を訴えていたら、お金をもらうことはできたとしても、こんな優しい人を育てることはできなかった。志満子さんは、そんなふうに考えたそうです。
「志満子さんの壮絶な人生を紹介して、
「被害者は加害者をゆるしたほうがいい」とか
「ゆるすという行為は美しい」とか、
そんなことを言いたいわけではありません。
思ったことは、自分が抱えている苦悩なんて取るに足りない、
微々たるものだということです。
まだまだ自分は甘いと思ったのです。
もっともっと頑張れると思ったのです。」(p.34)
この最後の一文に、頭をハンマーでガツンと殴られたように感じました。そして、泣けてきました。
「そうだよ、まだまだやれるよ。もっとやれるよ。これからだよ。」と、自分を叱咤激励したくなったのです。
次は「05 苦しみや悩みにこそ意味がある」からです。
この話の元ネタは「ぼくの命は言葉とともにある」(致知出版社)という本です。兵庫県尼崎市の小林書店の「本の頒布(はんぷ)会」で送られたものだそうで、これは年会費を払うことで月に1冊、店主の小林由美子さんの選書が送られてくるものだそうです。
著者は福島智さんで、原因不明の病気で視力を失い、聴力まで失うことになった。見えない、聞こえないという状況になって、生きていく意味があるのかと考えたそうです。
「「今も苦悩の日々です」と福島さんは言います。
しかし彼は「苦悩にこそ意味がある」と考えています。
「何者かが自分に苦悩を与えているのだろう。
その苦悩は自分以外の誰かの命を輝かせるために
どうしても必要なものなのだろう。
それが使命なら果たさなければならない。
それが運命ならくぐらねばならない」と。」(p.57)
「人には役割があります」というセリフを、大河ドラマ「篤姫」で聞いたことを思い出しました。「宇宙戦艦ヤマト」に感動したのも、それが自分の運命なら受けて立つしかないという覚悟を見せられたからです。
そんなことを思いながら、また泣いてしまいました。私が置かれた状況は、福島さんほどひどいものではありません。ですが、私には私の役割がある。私の人生を私らしく生きていこうと思ったのです。
次は「07 クレージーな夢を叶えることの意味」からです。
元ネタは全盲の岩本光弘さんの講演からだそうです。ブラインドセーリングで太平洋を横断することを夢見て、辛坊治郎さんと一緒に旅立ったニュースがありましたね。残念ながら失敗に終わりましたが、その時、散々に叩かれたそうです。「見えないからこそ見えた光」(ユサブル)に、詳細が書かれているとか。
その後、ヨットのことはまったくわからないダグラス・スミスさんというアメリカ人から誘われて、再び挑戦することになったそうです。そして2019年4月、その夢が叶ったのです。
「「僕よりすごいのは、ヨットのことを何も知らないのに、
全盲の僕が操縦するヨットに乗り込んできたダグラスです」
「クレージー」は和訳すると放送禁止用語の日本語です。
ですが、案外そんなおかしな連中が社会を、
そして時代を変えてきたのです。
クレージーな夢を叶えるということは、
そういうことかもしれません。」(p.74)
言われてみれば確かにそうです。ダグラスさんは、岩本さんの思いに感じるものがあったのでしょうね。あなたはヨットの操縦ができるし、私は2つの目で見ることができるから、2人が力を合わせれば夢を叶えられるなんて、なかなか言えませんから。
この話を読んで、私はドン・キホーテを思い出しました。他の人からバカにされますが、それでも自分思うがままに突き進む。それがクレージーであり、人を感動させ、時代を変えていくのだと思います。
次は「11 大丈夫、トンネルの先には光がある」からです。
つい先日、引退を表明されたように記憶していますが、卓球の石川佳純選手の話です。石川選手にも暗いトンネルの時期があったそうです。ついには世界ランキング72位の選手にすら完敗してしまった。そんな石川選手の浮き沈みのドラマが、NHKスペシャルで放映されていたそうです。
「「勝ちた過ぎるとダメですね」と一言。
「勝ちた過ぎる?」、聞いたことのない日本語でした。
「『勝ちたい』『結果がほしい』ばかりだと何をやってるのか分からなくなる。
『なるようになる』という気持ちにならないと……。
次の試合がちょっとだけ楽しみになりました」と笑ったのです。
不思議なことに、次の試合から石川選手に勝ち星が戻ってきました。」(p.99)
この話を読んで、次の格言を思い出しました。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」
結果に執着していると、かえって思い通りの結果が得られなくなるのです。動機が恐れ(不安)だから、それが現実になるのですね。
だから、結果を手放すこと。行為に情熱を燃やすこと。つまり、結果を恐れずにやってることを楽しめばいいのです。
次は「16 素敵な思い込みを上書き保存する」からです。
映画「アイ・フィール・プリティ」の内容が紹介されていて、主演のエイミー・シューマーという女性お笑い芸人が、太め体型にコンプレックスを持っているOLのレネーを演じていたそうです。
レネーはある時、頭を強打してから、自分が理想的な体型になっていると錯覚するようになりました。自己肯定感が高まり、自信たっぷりに振る舞うようになったレネー。しかし、また頭を打つことがあって、これまでの自己認識が夢であったと気づくのです。
「2枚の写真をスクリーンに映し出しました。
「こっちが魔法にかかっていた時の私で、こっちが本当の私よ」と言うのですが、
会場の人たちは「どっちも同じじゃん」と反応します。
レネーがもう一度よく見てみると、確かに同じ写真です。
ということは「魔法」ではなく、「ただの思い込みだった」と気づくレネー。
そしてこう語りだしました。
「子どもの頃、みんな自信に満ちていた。
太っていても、パンツ丸出しでも気にしなかった。
みんなどこで自信をなくしたの? いつ自分に疑問を持ち始めたの?
自分で自分を素晴らしいと思える強さを持ってもいいんじゃないの?
子どもの頃の自信を忘れないで! だって私は私なのよ」
会場は拍手喝采となりました。
みんな何かしら自分にコンプレックスを持っていたのです。
自分のことを「すごい」「できる」と思っている人もいますが、
「何をやってもだめ」「イケてない」と思っている人もいます。
どちらも間違いではありません。
その人の思い込みなのですから。」(p.137-138)
ちょっと長かったのですが、論点がわかるよう引用しました。
自己認識というのは、自分が勝手に「自分はこうだ」と思いこんでいる、つまり勝手に信じているものなのですね。
そうであれば、自分に都合が良いように自己認識を変えればいい。「私はすごい」と決めればいいのです。
それが結論なのですが、そうは言われても簡単ではないとも言えます。だって、すでにそう信じているのですから。
そのためには訓練が必要かもしれないし、そもそも思考の習慣を変えるためにたゆまぬ努力と一定の時間が必要です。私がお勧めする「鏡のワーク」も、そのための方法の1つなのです。
私も、内向的で小心者だと思っていますが、この傾向はなかなか変わりません。今でこそ、自信があるように見えると言われることもありますが、根となる性格は、そう簡単には変わらないのです。
それでも、変えていこうとすることに意味はあると思うし、実際、ずいぶんと変わったなぁと感じます。他人からどう見えようと、私自身の中で自分の成長が確認できるなら、それでいいと思っています。
次は「17 平和とは、肯定し承認すること」からです。
作家の寮美千子さんの話です。「あふれでたのはやさしさだった」(西日本出版社)に書かれている話ですが、私も日本講演新聞の記事で知って、この本を読んで紹介しています。
「彼らは幼少期から、何を言っても否定される家庭で育っていました。
常に大人から叱責され、攻撃されてきました。
だから奈良少年刑務所の教官たちは、「否定しない」「注意しない」「指導しない」
そして「ひたすら待つ」という全承認の場を作っていました。
否定されない環境の中で少しずつ心を開いていくと、
少年たちは自ら成長していくというのです。
寮さんは言います。
「マスコミで目にする凶悪な少年犯罪は、社会に表出した最悪の結果だけ」と。」(p.147)
誰一人として、他人を苦しめたくて行動する人はいない。それでも犯罪など他人を苦しめる行動をしてしまうのは、そうせざるを得ない事情がある。私は、そう思っています。完全性善説の立場です。
なぜなら、私たちの本質は愛そのものであり、存在するのは愛しかない。それがお勧めする「神との対話」で語られていることであり、私もそうだと思っているのです。
最後は最終章で、「人生を面白がっているあなたへ」というタイトルです。
まず水谷さんが宮崎中央新聞社に入社してから、その会社の代表になる経緯について書かれています。これは、ここにもあるように、奥様の松田くるみさんが書かれた「なぜ、宮崎の小さな新聞が世界中で読まれているのか」(ごま書房新社)に詳しく書かれていましたね。
そこから、岡根芳樹さんの「セールスの絶対教科書」(HS)の話が取り上げられます。私もこれを読んで、セールスを極めることと人生を極めることは、実は同じなんだなぁと思いました。
「「失敗してもいいからやってみなさい」と言う大人はいなかったと思います。
だから、挑戦することに心理的なブレーキがかかってしまうのです。
そのブレーキを外す魔法の言葉を、桑森は師匠から教えられました。
それが「面白がる」です。
断られたら、その断り文句をネタ帳に書いて面白がるのです。
そんな言葉をたくさん集めて、将来成功体験を語る時のネタにするのです。
主人公が何も挑戦しないドラマはきっとつまらないでしょう。
いつだってこの人生ドラマの主人公は自分です。
だったら面白くなりそうな道を選んでみましょう。
失敗してもいいから。」(p.181)
私も、近々退職します。冒険です。挑戦です。詳しくは、私のYoutube動画をご覧になってくださいね。
人生は思い通りになりません。だからこそドラマは面白いとも言えるのですね。
そうであれば、「私の人生」というタイトルのドラマを、どれだけ面白いものにできるか、楽しんだらいいと思うのです。
私は、これまで20年以上、日本講演新聞(旧「みやざき中央新聞(通称:みやちゅう)」を購読してきましたが、先月いっぱいで解約しました。
これは、日本講演新聞がダメだということではありません。もちろん、ダメな点もいくつかあって、私も苦言を呈したことがありました。けれども、購読をやめる主たる理由ではありません。
そうではなくて、これまでの習慣を変えようと思ったのです。今回の退職も同様です。その退職することで生活が一変するこのタイミングで、他のこれまでの習慣を変えてみようと思ったのです。
それ以上の理由はありません。変えることで何が得られるのか、そんなことも考えていません。ただ変えてみる。強いて言えば、面白そうだからです。
日本講演新聞の購読はやめますが、これまで多くの本を紹介していただいたり、いろいろな考えを教えてくださったことには感謝しています。
そして、こういう単行本の形で出版されるものがあれば、積極的に読んでみたいと思っています。
【本の紹介の最新記事】
愛を感じました〜。
愛のあるコメント、ありがとうございました。