2023年05月01日

すごい腸とざんねんな脳



これも本の要約を伝えるYoutube動画を観て、興味を抱いて買った本になります。
著者は大学院の医学研究科で生体免疫栄養学を研究されている内藤裕二(ないとう・ゆうじ)教授です。

読んでみて感じたのは、Amazonのレビューにも書かれていたように、やや専門用語が多くて難しい表現が多いということと、誤字がけっこう多いということです。校正する人も、やや難解な文章に手こずったのかもしれません。
文献を参照できるようになっており、論拠を示しておられる点は良いと思いますが、読者は私のような素人だという点を考慮されておらず、専門用語でさらっと説明されてる箇所が多い点は、編集者の力不足を感じてしまいます。

しかしながら、書かれている内容は素晴らしいものがあると思います。この本だけでなく、他の本などでも情報を得ているので、難解な部分もありながら、こういうことだろうなと本質を読み取ることができました。


ではさっそく、一部を引用しながら本の内容を紹介しましょう。

1930年ごろからマウスやラットの腸内を無菌にするとどうなるかという研究が始まりました。
 すると2つのことがわかりました。一つは腸内を無菌にして育てると、長寿になるということです。もう一つは、腸内細菌は、私たちがかかるあらゆる疾患に大きな関わり合いがあるということがわかってきました。
」(p.3)

無菌マウスのことは知っていましたが、無菌だと長生きするというのは知りませんでした。
でもそうなると、腸内細菌は不要なのではないかという疑問が湧いてきますね。

実は腸内が無菌状態だと大きな影響があるのです。無菌状態のマウスは学習能力がなかったり、物覚えが悪かったり、ちょっとしたことで興奮するマウスになってしまったのです。
 脳の中を調べると神経細胞が発達していないことがわかりました。つまり、脳の発達には腸内細菌の力が不可欠であることがわかったのです。
」(p.4)

脳が発達せず、ちょっとしたことをストレスに感じる。発達障害のようになるのですね。
でも、そんなにストレス耐性が低いのであれば、ストレスを原因とする疾患にかかりやすくなって、早死しそうな気もしますが・・・。


具体的には脳と腸はホルモンや細胞に指令を与えるサイトカイン(血中を流れる情報タンパク質)などを利用し、自律神経系のネットワークを介した作用によって、互いに影響しあう関係にあるのです。」(p.16-17)

腸から脳へ、脳から腸へと情報を伝達し合っている。脳から腸へは当然のことですが、実は腸から脳をコントロールしている一面があるということが、大きな発見だったようです。
そしてその腸も、単に内蔵としての腸だけでなく、その中に寄生する腸内細菌が大きく影響している。こういう関連がわかってきたようです。


健康な日本人106人と欧米、中国など11ヵ国755人の腸内細菌叢のメタゲノム解析の結果によれば、日本人の腸内細菌叢には、食物繊維を発酵させるいわゆる善玉菌が多く見られます(文献5)。この発酵反応によって生まれた水素を利用して、酢酸を生成する細菌の遺伝子を持っている人が多いようです。」(p.29)

なお、この研究では不思議なことに日本人と中国人では、遺伝子的に似ている部分が多いのにもかかわらず、腸内細菌叢はまったく異なることがわかりました。ところが、遺伝子的に似ているところがない中国人とアメリカ人の腸内細菌叢のほうが似ていることがわかったのです。腸内細菌叢が大きく変化する理由は、宿主の居住場所であるであることがわかっています。その理由として腸内細菌叢が食習慣によって大きな影響があることを示しています。」(p.29)(原文ママ)

他の地域だと、食物繊維の発酵によって生じた水素はメタン生成に消費されるのだそうです。食習慣の違いによって、腸内細菌叢が違ってきて、その生成物も違ってくるということですね。
それにしても、もっとしっかりと校正して、読みやすい文章にしてほしいものです。日本語としておかしいでしょう。

日本人の特徴的な腸内細菌叢は、日本食の中の発酵食品が大きな要因であるとする研究もあります。日本の伝統的な発酵食品である甘酒、みそ、塩麹などには、麹が使われています。この麹の中の一部は、大腸まで直接到達し、腸内細菌の餌になっていることが分かっています。
 また、漬物や納豆、しょうゆなどの乳酸菌による発酵食品は、日本人の腸内細菌叢のバランスに影響を与えていることがわかっています。
」(p.30)

日本の伝統的な発酵食品が、その特徴的な腸内細菌叢の育成に関与していることは想像できますが、漬物はともかく、納豆やしょうゆを乳酸菌による発酵と限定してしまうのはどうかと思います。乳酸菌発酵が関与していることは確かですが、それよりも納豆菌や酵母の働きの方が大きいと思うので。


食事から摂取した必須アミノ酸(主にはトリプトファン)から、腸内細菌のはたらきでセロトニンのモトがつくられます。それが脳に届くとセロトニンとなり、リラックスや幸福感などの感情を発生させます。腸内環境が良いと十分な量のモトが脳へ送られるため、セロトニンが増えて精神状態が安定する一方、腸内環境が悪いとセロトニンが足りずにイライラや不安感の原因になります。」(p.32)

幸せホルモンと呼ばれるセロトニンも、そのモトが腸で作られており、そのために腸内細菌が重要だということです。なおトリプトファンは、大豆や牛乳、米などの穀類に多く含まれているそうです。

今日は「脂のこってりしたものが食べたいな」とか、「あっさりした食事がしたい」という考えは、自分の意思で行っていると思っている人も多いでしょう。しかし、それは間違いかもしれません。なぜなら腸が決めている研究結果があるからです。」(p.38)

以前に紹介した「あなたの体は9割が細菌」でも、寄生する微生物が宿主の行動を決めているという話がありましたね。腸内細菌も生存競争をしていて、自分たちが有利になるような食事を宿主に対してさせようとしている。そういうことがあるのかもしれません。


実は腸内細菌は、老いを促進したり、遅らせたりする老化時計の役割があることが、最近、明らかになりつつあるのです。」(p.51)

詳細な内容は本書をご覧ください。多様な腸内細菌が生育することが、老化防止に役立つとのことです。


ニワトリの卵がよい例で最初の血管は卵黄を入れる袋にでき、この卵黄の袋が体に取り込まれて、のちの腸管になります。
 動物の進化の上でも、個体発生においても、まず腸ができます。体づくりのスタートが腸であることからも、腸という器官の重要さが理解できるでしょう。消化管は「第二の脳」と呼ばれるように、固有の神経系が発達し、その神経系は脳とは独立しています。
」(p.61)

腸の独立性がわかりやすい例は、毒物や腐った物を食べた時です。実をいうと脳の危険察知能力というのは、あまり優れていません。
 危険なものが誤って胃腸に入った時には、消化管は嘔吐と下痢で対応します。これは、腸が独自で行う防衛システムとも言えます。
」(p.61-62)

多細胞生物には脳がない生物はいますが、脳があって腸がない生物はいません。ヒドラをはじめとしてイソギンチャク、クラゲ、ウニ、ナマコなどがそうです。脳がなくても神経はある。それで生存して、進化成長できるようになっています。
つまり、まずは腸だけの生物から始まって、後に脳を持つ生物へと進化したと考えられます。生存のためには腸は必要でも、脳は必要ではないとも言えるのです。


定量的PCR法による解析の結果、大うつ病患者群(n=43)のビフィドバクテリウム属やラクトバチラス属の占有率は健常者群に比較して有意に低下していて、ラクトバチルス属の総菌数も低下傾向にありました。」(p.64)

要は、うつ病の人の腸内細菌を解析したところ、健常者と比べて大きな違いがあったということです。
長々と関連することが書かれているのですが、要は腸内細菌叢の乱れがうつ病発症の原因に関与している可能性が示唆されているのです。

こういうところ、もっと素人にもわかるような文章で的確に表現してくれたら、その部分を引用できるんですがね。他に引用できる文がなかったもので。


最近の研究により人の炎症・免疫反応を抑制的にコントロールする制御性T細胞と呼ばれるリンパ球が存在することが明らかとなっています。この制御性T細胞を活性化するためには、腸内細菌のなかでも酪酸という短鎖脂肪酸を産生する酪酸産生菌が重要な役割をすることも解明されています。実は、この酪酸産生菌が少なくなると炎症・免疫反応をコントロールできなくなり、新型コロナ感染症(COVID-19)が重症化します。」(p.92)

酪酸菌の免疫制御効果については、以前に紹介した「花粉症は1日で治る!」にも書かれていました。
コロナでは、後遺症も問題になっていますが、これも腸内細菌が関係していると言われているようですね。


柳沢博士らが実施した、65歳以上の非認知症者を対象とする5年間にわたる調査では、睡眠不足や昼間の眠気があると認知症の発症リスクが4倍に増大するようです。肥満気味かつ睡眠不足の人の睡眠時間を増やす実験では、毎日平均1.2時間多く寝ることで、1日の食事摂取が平均270キロカロリー減ることがわかりました。つまり慢性的な睡眠不足を解消できれば、さまざまな病気の原因となる生活習慣病を予防し、認知機能を保つなど、老化スピードを遅くする可能性があるわけです。」(p.96)

結果、全死亡リスクは男女とも睡眠時間7時間を低値とするJ字型の関連が示されました。全死亡率が最も高かったのは、男女とも10時間以上でした。寝不足も寝過ぎも死亡の危険因子となっていました。」(p.97)

睡眠時間と老化や、認知症などの病気の発症について関連性があるということですね。
この後、睡眠時間だけでなく睡眠の質も同様に関連性があることが書かれています。

睡眠を快適化するためにはトリプトファンの多い食品を摂ることが勧められていますが、同時に腸内環境を良くしておくことが必要です。腸内環境が乱れていると摂取したトリプトファンのほとんどが腸内細菌叢によって食べられてしまいます。このことから、腸内環境を良好に保つことが、睡眠にとって必要なことなのです。」(p.105-106)

トリプトファンはセロトニンの材料です。またトリプトファンは、腸内細菌の餌にもなっているようです。なので、腸内細菌によって消費される以上のトリプトファンを摂取しないと、人間が利用できない。というように読み取れるのですが、やや疑問が残りますね。


結果、エピガロカテキンガレートはアッカーマンシア・ムシニフィラ菌を増加させ、さらに胆汁酸の代謝を進めることによって脂肪肝の抑制作用を発揮していることを明らかにしています(文献70)。
 また、長寿者においてアッカーマンシア・ムシニフィラ菌の占有率が高いことも示されています。
」(p.132)

アッカーマンシアが増えることで、肥満抑制、代謝改善、脂肪肝抑制などの効果がることが動物実験で示されているそうです。
アッカーマンシアは、リーキーガットを防ぐということが、他の本でも書かれていました。


中年期に長期にわたって抗生物質を使用すると、腸内細菌叢が変化する結果、その後の人生で認知能力が低下する可能性があることを示す論文が発表されました(文献84)。」(p.144)

抗生物質が腸内細菌叢にダメージを与えることで健康被害を及ぼすことは、他の本でも示されています。

糖尿病に罹患すると、認知症のリスクが2倍程度高くなるとされています。ところが、GLP-1受容体作動薬が糖尿病に広く使用されるようになり、認知症の発症に対する影響が評価されました。」(p.147)

消化管ホルモンのGLP-1は、糖尿病の予防や改善に役立つことが示されています。それを薬によってGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)と同様の作用をさせることで、同様の効果が期待されるということです。

糖尿病の原因は実はインスリンの不足ではなく、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの暴走だという説が有力になっています。そのグルカゴンの暴走を制御するのがGLP-1なのだそうです。これは本書ではなく、Youtube動画から得た知識です。


最近の医学研究では、便秘は多くの病気の始まりであることが明らかになってきました。便秘でない人と比較して便秘の人は10年後、15年後の生存率が有意に低いことが示され、慢性腎臓病、急性心筋梗塞などの病気を発症するリスクが高いこともわかってきました。」(p.152)

サルコペニアとは、加齢による筋肉量の減少および筋力の低下のことで、フレイルとは加齢により心身が老い衰えた状態のことです。このサルコペニアやフレイルと慢性便秘に密接な関連があることもわかってきています。」(p.154)

慢性便秘症の原因についても腸内環境が関連していることが明らかになっています。腸内細菌のディスバイオーシスにより、短鎖脂肪酸、特に酪酸が減少していること、大腸内の二次胆汁酸が欠乏していることが、大腸通過時間が遅延した型の便秘症の原因のようです(文献93)。さらに、腸内細菌のディスバイオーシスには、動物性高脂肪食の増加、食物繊維の摂取不足、体内時計の異常、さまざまな薬剤などが関わっていることもわかってきています。」(p.154-155)

便秘は脳にも影響します。便秘の人を15年間追跡した研究では、毎年、直線的にパーキンソン病が増加することが報告されています。」(p.156)

こういった成績は、短鎖脂肪酸の減少が中枢神経の炎症を引き起こし、パーキンソン病の要因とされるαシヌクレインの異常凝集につながる可能性を示しています。」(p.158)

たかが便秘と馬鹿にできませんね。便秘解消のためにも、腸内環境を良くすることが重要で、腸内細菌の餌になる食物繊維の摂取がポイントになるようです。

私は最近、食物繊維を多く摂取するようになったせいか、便秘とは無縁になりました。ほぼ毎日快便ですし、便量もかなり増えました。


ヒトの腸内には細菌数以上のウイルスの一種ファージがいます。ゲノム解析手法の進歩とともに新種のファージや抗菌物質が続々と発見されています。」(p.168)

存在するウイルスを調べたところ、驚いたことに、発見された14万種のウイルスのうち、半数以上が未確認の新種だったとのことです。分析の結果、ヒトの腸内には14万2809種のウイルスが存在し、細菌や古細菌に感染するバクテリオファージから構成されていることが判明しました。
 腸内に存在するバクテリオファージや細菌は、ヒトの腸の健康に大きな影響を与えているとみられています。
」(p.168-169)

細菌だけでもものすごい種類と数で驚くばかりなのに、さらにその細菌に感染するウイルスもたくさんいて、それが私たちの健康に関係しているということだそうです。これはまったく知りませんでした。


これまで紹介したように、腸内環境を普段からいかに整えるかということが私たちの体をコントロールしている腸や脳を健康に保つことができる秘訣となります。そこで、重要になるのがプレバイオティクスです。これは宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分のことをいいます。」(p.182)

代表的なプレバイオティクスは、難消化性オリゴ糖と一部の食物繊維です。オリゴ糖には多種類あり、フラクトオリゴ糖、乳糖果糖オリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などが広く利用されています。」(p.183)

私もフラクトオリゴ糖をコーヒーに入れて飲んだりして、酪酸菌を増やすように努めています。また、食物繊維も多く摂取しようと思って、もち麦や押し麦など大麦や、オートミールを食べるようにしています。

DSSTスコアのプラトーは、34g/日の食物繊維摂取量で明らかになり、食物繊維の摂取量が多いほど、60歳以上の高齢者の認知機能の特定の要素が改善されると考えられました。」(p.184)

ある研究で、平均食物繊維摂取量が17.3g/日だったそうです。その分析で、食物繊維の摂取量がDSST(数字記号置換テスト)の成績と正の相関があると示されたとか。つまり、34g/日以上の食物繊維摂取があれば、DSSTの成績が有意に高くなるということです。

つまり、日本人の高齢者では、野菜とその構成栄養素の摂取量が多いほど、認知症のリスクが低いことがわかりました。野菜が豊富な食事は、アジア人の認知症リスクを軽減するのに有益かもしれません。」(p.186)

野菜を摂取すれば食物繊維も摂れますし、ビタミンAやCなどのビタミンやミネラルも多く摂取できますからね。

食物繊維を含む食品の多くは、「水溶性」と「不溶性」の両方を含んでいますが、水溶性食物繊維は特に、コンブやワカメなどの海藻類、大豆、大麦、野菜や果物、イモ類、コンニャクなどに含まれています。研究では、特に水溶性食物繊維を多く摂っている人で、要介護認知症の発症リスクがより低下する傾向が見られます。」(p.188)

私も60歳を超えたので、認知症のリスクが高まっていますから、こういう部分がすぐに目に止まります。


その結果、日本人では5つのエンテロタイプに分類されること、とくに、ビフィドバクテリウム属が優勢なエンテロタイプが日本人に特徴的であること、さらには、それぞれのエンテロタイプが疾患の有病率に関連していることを報告しました。健常人は主にB型、E型に含まれることが多く、A型、D型ではさまざまな疾患のリスクが高い結果となりました。」(p.195)

A型はルミノコックス属、ストレプトコッカス属が多いタイプです。このタイプは腸内細菌叢に大きく目立った特徴はありません。食生活では、高タンパク質と高脂肪食との関連があります。肉類やラーメンなどを好んで食べるタイプです。疾患のリスク、特に心疾患、高脂血症、糖尿病などメタボリック症候群の高リスクです。

 B型は、低炭水化物、高タンパク質の食事と関連があります。あまりご飯やパンなどの糖質は取らず、豆類などの植物性タンパク質を摂取するタイプです。バクテロイデス属と低脂肪食で増加する酪酸産生菌として重要なフィーカリバクテリウム属が多いタイプです。

 C型は、B型と同様にバクテロイデス属が多いが、フィーカリバクテリウム属が少ないタイプで、脂肪摂取が少ないと考えられます。また、エネルギー摂取率からは最も炭水化物に偏っていて、全体的に栄養不足なタイプです。

 D型はビフィドバクテリウム属が平均よりも大幅に多いタイプです。それ以外はA型に類似していて高脂肪食、高タンパク食と関連しています。

 E型は食物繊維が多い食事と関連があるプレボテラ属が多く、5つのタイプのなかで最も健康的なタイプではないかと考えられ、5つのなかで最も脂質から得るエネルギーが少ないタイプと考えられます。
」(p.196-197)

日本人の腸内細菌叢を分析した結果からも、食物繊維を多くして脂質を減らす食事が健康に役立つことがわかります。
私は以前は、低炭水化物の高タンパク質を考えて食事をしていました。今は高食物繊維の低動物性タンパク質にしています。いずれも脂質は少なめですね。


解析の結果、コーヒー摂取量が多いほど認知症の発生率は低下し、摂取最大の1日3カップ以上摂取のグループの発生率は飲まないグループの0.53倍と計算されました。この関連性はどの年代でも見られ、女性より男性で顕著のようです。さらに、興味深いことは、緑茶摂取量との相関は弱かったことです。」(p.205)

しかし、コーヒーの健康促進効果は腸内で発生する可能性があり、コーヒー摂取による腸内環境を良好にするプレバイオティクス効果は、ヒトとマウスのビフィズス菌の増加、およびラットのバクテロイデス門に対するファーミキューテス門の比率の変化などが、動物と人間で観察されています。」(p.205)

コーヒーを飲む人の方が健康だという研究結果は多数あるようです。認知症にも効果があるというのは驚きですね。
その効果を生む要因は、腸内細菌にあると見られているようです。


多様な食事を摂れば、多様な腸内細菌が生息し、腸内環境が良好に保たれる。このように多様な腸内細菌叢が健康長寿につながる可能性が指摘されています。」(p.208)

腸内細菌叢も多様であることが望ましいようです。そのためには、やはり偏食を避けて、いろいろなものを食べるということがいいようです。


大麦には異なる働きをする「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」がバランス良く含まれていて、とくに水溶性食物繊維であるβグルカンが多く含まれているのが特徴です。」(p.217)

私も毎日大麦を食べるようにしています。もち麦や押し麦を、玄米と合わせて炊いたものになります。


健常者の糞便を病気の人に投与するという「糞便移植療法」の顕著な有効性が報告されたのは2013年です。難治性、再発性のクロストリジウム腸炎の患者に健常者から採取した糞便を大腸内視鏡を使用して移植すると、腸炎が治癒し、再燃しなくなり、その有効性は93.8%と報告されました。」(p.222)

糞便移植療法については、他の本でも書かれていました。内視鏡を使わずにカプセルに封じて経口投与する方法もあるようです。
これ自体を「気持ち悪い」と考える人もいるかもしれませんが、そもそも母親の腸内細菌を子どもに移すのに、自然に行われている方法であるということも、他の本には書かれていました。
それだけ、腸内細菌の状態を整えることが、私たちの健康にとって重要だということなのですね。


専門用語が説明もなく出てきて難しいとか、そもそも書き方に難があるとか、誤字が多いという点は、最初に指摘した通りです。
それとともに、タイトルはちょっとツリですよね。「すごい腸」はわかりますが、「ざんねんな脳」に関する記述はほぼありませんでした。
内容的には知っていることが多く、私にとっては再確認するような内容となっています。

そういうことを理解した上で、読んでみるのもアリかと思いますが、私としては、以前に紹介した他の本をお勧めしたいと思います。

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タグ:内藤裕二
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 08:06 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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