2023年04月05日

酵素で腸が若くなる



これもYoutube動画で紹介されていた本です。
以前にも「善玉酵素で腸内革命」という酵素に関する本を読んでいますが、そちらの本は酵素を食べることを勧めているものではなく、善玉菌や体内の酵素を働かせるようにする方法について書かれたものでした。

本書は、著者の鶴見隆史(つるみ・たかし)医師が、ご自分のクリニックで患者さんに対して実践している酵素を活用した健康法になります。
積極的に酵素を摂取することを勧めている点で、上記の本とは違いがあります。1つの考え方として、参考になるかと思いました。


ではさっそく、一部を引用しながら本の内容を紹介しましょう。

また、最近では、腸でつくられる「短鎖脂肪酸」が、免疫力とも深くかかわっていることがわかってきました。
 こうした腸にいい食生活のキーワードとなる栄養素が、本書の主人公であり、私が長年治療に活用してきた「酵素」です。
 酵素とは、生物のあらゆる生命活動にかかわる、とても重要なものです。この酵素が体内に豊富にあるかないかで、あなたの健康は左右されます。
」(p.4)

腸活で短鎖脂肪酸が健康に役立つことは、他の本でも語られていることですね。本書では、酵素の保有量が健康に関係しているという視点が述べられていおり、そこが特徴的だと思いました。


あとで詳しく説明しますが、酵素とは生命活動に不可欠な物質です。微生物を含む全ての生物の体内に酵素が存在し、あらゆる化学反応を媒介しています。人間の体内には2万種類以上の酵素が存在しています。
 その酵素に今、健康長寿という観点から注目したいのは、酵素に寿命を支配している側面があるからです。
」(p.16-17)

年をとると、若いときより酵素産生能力が低下していくため、徐々に減少していくのです。
 限られた産生能力の中で、毎日のように酵素を酷使していくと、老化とともに酵素が次第に減少し、その限界に達すれば「死」に至るというのが酵素寿命説です。
」(p.20-21)

人の寿命を決める要因として、「酸化ストレス説」「テロメア説」「老化遺伝子説」などがあるそうです。しかし鶴見医師は、それらよりも「酵素寿命説」の方が大きな要因だと考えておられるようです。
体内の酵素量は老化とともに減少していきますが、約半分くらいにまで減った時、寿命を迎えると鶴見医師は言われます。だから、酵素の消費を減らすことや、補うことが寿命を延ばすことにつながるという理屈ですね。


食物繊維の摂取量と相関する大便の量は、やや多いほうが間違いなく健康的なのです。
 第二に重要なことは、食物繊維の豊富な生の野菜や果物が「酵素」の宝庫であるということです。しかも同時に、ファイトケミカル、ビタミン、ミネラルといった抗酸化栄養素の供給源です。
」(p.25)

最近の日本では、大腸癌が急増しているそうです。その原因の1つが、食物繊維不足だと言います。
食物繊維の摂取が多いアフリカの田舎の人たちは、1日に400〜600gもの排便をしますが、肉食の欧米人だと40〜100gほどでしかないのだとか。それだけ食物繊維の摂取が少ないということです。


ネコの糞便はとても臭いですが、これはインドール、スカトールが多量に含まれているからなのです。肉を食べすぎる食生活を続けていると、人間の糞便もネコ以上に臭くなってしまうというわけです。」(p.50)

おならの成分のほとんどは窒素で、他に水素や炭酸ガス、メタンが主成分だそうです。これらは無臭のガスで、臭わないそうですね。
臭いニオイを発するのはインドール、スカトール、アミンなどで、タンパク質を分解する時に生じるガスだそうです。したがって、臭いおならが出る時は、肉などタンパク質の食べ過ぎで、消化不良による腐敗が起こっているのだと鶴見医師は言うのです。


小腸には無数の絨毛部があり、ここから私たちは消化のプロセスを経て分解された栄養素を吸収し、体内に取り込んでいます。ところがこの絨毛部が炎症を起こし、普通なら絶対に吸収しないはずの大きな分子を、血液中に取り込んでしまうことがあります。
 すると、本来それは血液中に存在しないものなので、私たちの体は防御のためにアレルギー反応を起こします。これが引き金になって、ぜんそく、花粉症、アトピーといったアレルギー症状や、膠原病、クローン病、潰瘍性大腸炎、さらに多くの神経疾患が起こるというのです。
 それがリーキーガット症候群です。
」(p.56-57)

リーキーガットという言葉も、最近はよく聞くようになりました。

この2つの経験が幼少時から継続している人は、リーキーガット症候群になりやすくなるのです。
 リーキーガット症候群にならなくても、「薬」と「ショ糖(白砂糖)からつくられた甘いもの」は、人間の体にとって、毒以外の何ものでもありません。
」(p.58)

子どもの頃によく風邪をひいて薬を飲んでいたという経験と、甘いお菓子をよく食べていたという2つの経験が、リーキーガット症候群を引き起こす原因になると鶴見医師は言います。西洋医学の薬には否定的なお考えのようです。

私も、薬は毒だと思っていますし、砂糖は健康に悪いと考えています。そういう点では同感ですが、リーキーガットに関係するかどうかはよくわかりません。本書でも詳しくは説明されていませんでした。


酵素生活の一番のポイントは、生野菜・果物中心の食事にあります。しかし、それ以外の生活習慣も重要です。
 例えば、体内での代謝(無毒化)に多くの酵素を必要とするアルコールや、西洋医学で処方される薬はできるだけ遠ざける、タバコは吸わない、といった節制も必要です。
 そして、酵素を活性化させるために毎日積極的に歩く(ウォーキング)、たまには消化器官を休めて酵素を温存するために数日のファスティングをするといったことをおすすめしています。
」(p.72)

私たちは、なぜ毎日たっぷりと寝る必要があるのでしょうか?
 その理由は、夜眠っているあいだに酵素をつくっているからです。
」(p.73)

酵素を補って無駄遣いをせず、酵素を活性化させるようなライフスタイルを「酵素生活」と呼んでいるそうですが、単に酵素を多く含む生の野菜や果物を摂取するだけでなく、毒物を摂取しないことで酵素を無駄遣いしないことや、運動や睡眠も重要だということです。


確かに肉類に含まれるタンパク質は、私たちの体にとって大切な栄養素のひとつです。しかし、現代人は総じて動物性タンパク質をとりすぎており、今さら補給する必要などありません。むしろ動物性タンパク質の過剰摂取は、不足以上に体に悪い影響を与えます。」(p.75)

タンパク質の消化には時間がかかる、つまり多くのエネルギーを必要とすることが、健康に悪影響を及ぼすと鶴見医師は言います。消化酵素が大量に必要になることで、酵素の無駄遣いになるというわけですね。

私はこれまでに、タンパク質が重要だとする本も読んでいます。1日約60gのタンパク質を摂取することが推奨されていて、その基準からすると、毎日肉や魚を食べなければなりません。
けれども、「THE BLUE ZONES 2ND EDITION」に書かれていたように、長寿地域の人たちの食生活では、肉や魚をそれほど多く食べていないという事実があります。
人間に近いとされるゴリラは、果物など生の植物を食べています。それであの筋肉を作っているという事実からすると、それほどタンパク質を意識して摂取しなくてもいいのかなぁとも思えてきます。


そこで解熱鎮痛剤は、この酵素の働きを邪魔(阻害)することで発熱を抑えるのです。」(p.97)

解熱鎮痛剤は、プロスタグランジンという物質の産生を抑えるのだそうです。このプロスタグランジンというのは、発熱を司令する脳の中枢に対して、免疫システムが外敵と戦闘中だから発熱させてという情報を伝える物質で、シクロオキシゲナーゼという酵素が働いて作られるのだそうです。その酵素の働きを阻害するのが解熱鎮痛剤なのですね。
解熱鎮痛剤に限らず、多くの対症療法の薬は、体内の酵素の働きを阻害することによって、症状を緩和させるものだそうです。つまり、せっかくの自然治癒力の働きを弱めているとも言えるわけですね。


しかし、日本では一般に酵素への理解が浅く、いまだに「酵素をとっても消化されてしまうので意味がない」とか「酵素を外からとると体の酵素産生能力が低下する」などという人がいます。
 これらは多くの誤解に基づいていますが、ひとつ反論するなら、外からとって体の産生力が減るのは「ホルモン」です。一方、酵素は外からとればとるほど体によいのです。
」(p.111)

最初に紹介した以前に読んだ本では、酵素を摂取しても意味がないと書いてありました。なぜなら、酵素とはタンパク質の一種でもあり、消化されてアミノ酸に分解されなければ体内に吸収されないからです。
ここでそのことに触れられていたので期待しながらこの部分を読んだのですが、まったく反論になっていませんね。どう誤解なのかもわからないし、1つ示された反論が反論になっていません。

私たちの体に必要な栄養素は、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素に加え、食物繊維、水、ファイトケミカル、そして酵素の9種類です。
 この栄養素を腸で吸収できるようなサイズに分解する作業のことを「消化」といいます。ただし、ビタミン、ミネラル、酵素はとても小さなものなので、分解作業をしなくても体内に吸収することができます。
」(p.113)

酵素は小さいからそのまま吸収されると鶴見医師は言います。でもそうすると、タンパク質は大きいからそのままでは吸収されないという説に矛盾します。どういうことなのでしょう? 同じ「タンパク質」であっても、種類が違うのでしょうか?
このへんのことはまったく書かれていないので、何とも言えません。そうかもしれないし、そうでないのかもしれない。私としては、こういうところをきちんと書いてほしいなぁと思います。


本書では、なぜ老化とともに酵素が減っていくのかも説明されていません。酵素の量をどうやって測っているのかもわかりません。また、酵素の使用を減らして温存すれば、寿命が伸びるという研究論文があるのかどうかもわかりません。
鶴見医師は、ご自身が提唱される酵素生活が健康長寿に役立つと主張されていますが、そういうことは実感としてあるのでしょう。けれどもそれが、勧めておられるファスティングや運動による効果なのか、果物や野菜を多く食べる効果なのか、生野菜による効果なのか、何とも言えません。酵素サプリも推奨されていますが、それがどれほど効果があるのかもわかりません。すべて、鶴見医師の主観にすぎないように思います。

ただ、主観だから間違っているとも言い切れません。科学的には証明されていなくても、正しいということはあるのです。
なので、こういう考えをされてる医師がおられるということを知って、自分で判断するしかないと思うのです。

私は、毎日、生野菜を食べていますが、肉や魚、卵などの動物性タンパク質もよく摂取しています。しかし、これだけタンパク質を食べてきたのに筋肉量が増加していなかったことがわかったので、今度はタンパク質の摂取を減らしてみようかとも考えています。
自分の体で、いろいろ試してみることが重要だと思うのです。それで自分の体が心地よいかどうか、健康になるかどうか、身体の声をよく聞くことですね。

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タグ:鶴見隆史
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 08:07 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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