2023年03月19日

102歳 一人暮らし。



趣味の新聞折りをしていたら、新聞の広告に載っていて、思わず買っちゃった本です。私に縁のある広島の100寿者の本だったのでね。
著者というか主人公は石井哲代(いしい・てつよ)さん102歳です。その日常を綴った中国新聞の連載記事をまとめたのが本書になります。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

ああ、気持ちいい。いま昼寝から覚めたところです。朝から畑に出てしっかり体を動かして、お昼をいただいてからくーっと一眠りしました。一人暮らしですけえな。誰にも気兼ねせず、のんきなものです。夜、眠れますかとよう聞かれますが、心配には及びません。床に就けばストン、グーなんでございます。」(p.2)

冒頭で哲代おばあちゃんはこのように言っています。老後を幸せに生きるには、こういうストレスフリーの生活が重要だなぁと思います。


哲代おばあちゃんの健康で長生きの秘訣は何か? 哲代おばあちゃんは次の8つの習慣を大切にしてきたと言っています。

一、朝起きたら布団の上げ下ろし」(p.8)

畳に布団を敷いて、それを畳んで押し入れに入れる。日本では普通に行われていたこの習慣を、哲代おばあちゃんは大切にしているそうです。
ただ、だんだんと大変になってきたので、押し入れに上げるのをやめたり、介護用ベッドに変えたりしてきているそうですが、それでも掛布団だけは廊下の押し入れまで運んで収めているとか。

二、いりこの味噌汁を飲む」(p.9)

私の田舎でも、出汁はいりこでとるのが一般的でした。ただ、ふやけたいりこが好きじゃなくて、私はいりこ出汁を好まなくなりましたけどね。
まあ出汁は何にせよ、毎日味噌汁を飲むという習慣は良さそうですね。

三、何でもおいしくいただく」(p.10)

一日三食、好き嫌いなく何でも食べるそうです。特に野菜炒めが多いとか。

四、お天気の日にはせっせと草取り」(p.11)

草取りという作業は、案外くたびれます。そんな地道な作業をコツコツやり続けること。これも健康に役立ちそうです。
他には生ゴミを堆肥にするとか、新聞の脳トレをやるとか、20年前に先立たれたご主人と会話をするとか、柔軟体操をするという習慣を持たれているそうです。


生まれて初めてインフルエンザの予防注射をしました。かかったりせんと思うけど、今年から週1回、デイサービスに行き始めたから注射せんといけんそうです。注射はあんまり好きじゃありません。」(p.30-31)

つまり、予防注射など射たなくても、健康で元気に暮らしてこられたのです。それを介護サービスを受けるために仕方なく受けることになった。
私が勤める施設でもそうですが、半ば強制なんですよね。効果があるかどうかなど二の次。不安や恐れから、他人の自由を奪っています。
哲代おばあちゃんの、本当は射ちたくないんだという気持ちが伝わってきます。


正月には早いけど干していた黒豆を炊きました。黒豆は「苦労豆」。苦労しますようにと願って黒豆をいただくんです。苦労することで見えたり感じたりすることもあるでしょう。どう乗り越えようかって考えますもんね。
 苦労のない人生はつまらんです。
」(p.41-42)

苦労が自分を鍛えてくれる。だから好んで苦労を買って出る。そういう人生哲学が見えてきます。
私も子どもの頃、母から山陰の麒麟児こと山中鹿介の話をよく聞かされました。「願わくば、我に七難八苦を与えたまえ」と三日月に祈ったという逸話です。「若い頃の苦労は買ってでもせよ」という話も聞いて育ちました。


一、物事は表裏一体。良いほうに考える
 物事には必ず表と裏があります。ほら、おばあさんの手を見てごらんなさい。手の甲はしわしわですが、ひっくり返せばつるつるです。一方向から見るだけでは分かりません。例えば受験に失敗して本命じゃない学校に行ったとしても、そこで生涯の友に出会えるかもしれんでしょう。失敗もひっくり返して、良いほうに考えるんです。失敗にとらわれてばかりじゃ劣等感に包まれて人生が曲がってしまう。人間がこもう(小さく)なってしまいます。
」(p.52-53)

生き方上手になる5つの心得ということで、哲代おばあちゃんの考え方が紹介されています。
これなども本当にそうだなぁと思います。起こった出来事は変えられませんが、見方はいくらでも変えられますからね。

この他の生き方上手になる心得は、喜びはオーバーアクションでということ、人をよく見て知ろうとすること、マイナス感情は笑いに変換すること、手本になる先輩を見つけることが書かれていました。どれも大切な生き方だと思いましたが、引用は割愛させていただきます。ぜひ、本を読んでくださいね。


同じ一生なら機嫌よう生きていかんと損じゃと自分に言い聞かせとります。不機嫌になることは捉え方を変えて受け流す。特にこの10年ほどは穏やかに人の話を聞けるようになりました。」(p.68)

自分の機嫌は自分で取ること。そのために見方を変える習慣を身につけることですね。

情けないことも、しんどい思いも全部自分の心です。引きずるのも打ち切るのもやっぱり自分次第ですけんね。自分の心は自分で育てるしかない。いくつになっても切磋琢磨ですな。
 101歳じゃのうて、1歳の誕生日を迎えたと思うとります。人生の再出発です。まだまだいけると思うとります。自分で限界を決めたらいけません。何をするのも本気で取り組みますよ。
」(p.70)

100歳を超えても、まだまだ成長しようという意気込みが見て取れますね。


「笑」という字にしようかしら。一昨年、昨年と春に数週間入院しましたから、元気な一年にしたいですね。みんなと仲良く笑って過ごしたい。それだけを願っています。」(p.102)

2022年の抱負を漢字一文字で表現するとすれば、という問いへの答えです。久しぶりに毛筆で書かれたという文字は、「笑う」でした。漢字一文字やないやんけ〜!(笑)

感情が波立っているうちに言い返してはいけません。その時はすっきりするかもしれんんが、のちに必ず後悔するけんね。私の母はよく「つばを3回飲み込みなさい」と言うとりました。そう、ちょっと間をつくることです。そうするうちに心が落ち着きます。相手のことを「悪い人ではないんじゃがななあ、この年になってはもう直らんなあ」なんて、冷静に考えることができます。」(p.119)

腹が立った時の対処法を問われて答えたものです。言い返したくなる気持ちをぐっと堪えて時間をおけば、冷静に客観的に考えられるようになる。アンガーマネジメントとしてよく知られた手法ですが、哲代おばあちゃんはお母様の教えとして身につけておられるのですね。


80歳を過ぎたあたりからかなあ、考えても仕方のないことを受け流すのがうまくなった。降参するのが早くなったんでございます。悪口言われても、この人は気の毒な人じゃなと思うし、自慢話ばかりする人も容認してあげるん。自分の「うらやましい、うらやましい」の心にふたをして人を褒めるんです。人は人、自分は自分。違っていて当たり前。私は元気で生きとるだけで上等と思えるようになりました。
 気張らず飾らず、あるがままを受け入れる。自分を大きく見せんことです。煩悩やねたみといった、しんどいことは手放すに限ります。その代わり、うれしいこと、楽しいことは存分に味わうの。感情の足し算、引き算をうまいことやっていくしかありません。元気でいるためには、まずは「心」ですから。
」(p.134-136)

年を取って人間が丸くなるというのは、こういうことかなぁと思いました。


【哲代おばあちゃん流 私らしくいるための五カ条】
一、自分を丸ごと好きになる
二、自分のテンポを守る
三、ひとり時間も大切
四、口癖は「上等、上等」
五、何気ないことをいとおしむ
」(p.138-139)

いつもへらへら笑っている哲代おばあちゃんですが、若いころはいろいろぶつかることも多く、苦労することがあったようです。
特に子どもができなかったことが辛かったと言います。昔は、嫁の仕事の第一は跡取りを残すことでしたからね。

でもね、私には教員の仕事があったからずいぶん救われたんです。嫁という立場だけならこの家にはようおらなんだ。学校では子どもたちを存分にかわいがって、自分らしくいられました。子どもたちの親とも親しゅうなってね。自分が生きる場所がちゃんとあったから家でも頑張れたんかもしれません。」(p.140)

ご主人は毎晩のように人を呼んで大酒を飲む。そこにお金を使うので、生活費を稼ぐためにも働かざるを得なかったと哲代おばあちゃんは言います。でも、そのことが幸いしたのですね。


どこにでもいるような普通のおばあちゃんのように見えますが、100歳を超えてにこにこ笑いながら生きておられるというのは、やはりいろいろ気づいて、学んで、成長された証なのだなぁと思いました。
私も、こういう百寿者になってみたいですね。実際に何歳で死ぬかはわかりませんが、いつもにこにこ笑っている人を目指したいと思いました。

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posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 19:53 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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