友だちの「ぱっさん」こと木場秀俊(きば・ひでとし)さんの2冊目の本が出版されると知って、予約して買いました。
ちなみに1冊目は「あきらめの「幸福論」」で、昨年の9月にすでに紹介しています。
本書は、今は宮古島で悠々自適な生活をしているぱっさんが、自分がそうなれた理由を論理的に解説しつつ、誰にでも同じことができるんだよと伝える内容になっています。
私は、ぱっさんがまだブレイクする以前から存じ上げているのですが、あれよあれよと言う間に、お金をどんどん稼ぐ人になっていきましたね。そういうことを思い出しながら、ぱっさんの秘密は何だったのかを考えながら読みました。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「おっしゃるとおり、私よりお金を持っている方はいくらでもいるでしょう。
でも、私ほど自然体に生きていて、お金を引き寄せている人はなかなかいないと思います。
魚が水を意識せず泳げるように、鳥が羽を意識せず飛べるように、私はお金を意識せず稼ぐことができます。
その理由は大きく分けて2つ、「マインド」と「方法」です。」(p.5)
お金を意識せずに稼げるようになったポイントは、マインドと方法だとぱっさんは言います。
「特に、昔の私のようにお金で困った経験を持っている人ほど、がんばりすぎてドツボにはまります。」(p.6)
マインドで重要なのは、「頑張って働かないとお金は稼げない」というマインドを変えていくことですね。
「逆にいえば、催眠の力はそれくらい強烈であり、私たちのマインドを思うままに変容させることができるのです。」(p.7)
2つ目のポイントの「方法」とは、「催眠」だとぱっさんは言います。催眠を使って自分のマインドを変えることが、意識せずにお金を稼げるようになるポイントなのですね。
「お金の問題だって、もちろん催眠で解決できます。
むしろ私の経験上、お金に関する困りごとや、「お金持ちになりたい!」という願いに関しては、催眠を使うのが一番効果的といえます。」(p.8-9)
霊視や占いだけでなくカウンセリングもしていたぱっさんは、多くの人の相談を受けて、催眠が効果的だと思われるようになったそうです。
「そして本書の最後には、本書限定の観るだけ、聞くだけで金運レベルがアップするヒーリング動画へのリンクを設けました。本書で学んだこととあわせて視聴すれば、強力な武器になるでしょう。」(p.10)
催眠と言っても、自分でそんなことができるのかと疑問に感じるかもしれませんね。自分でできるようになるための懇切丁寧な説明もありますが、ぱっさんの動画を視聴するというのが手っ取り早いのかもしれません。
「ただし、ここで残念なお知らせです。
お金が欲しいと思っているうちは、いつまでたっても大金は入ってきません。」(p.21)
「「お金というのは、自分のマインドとイコールである」
このようにとらえられるようになればいいんです。
すると、お金に対する見方が変わり、その結果、大金を手にすることができるようになります。
お金に愛されるマインドになるというわけです。」(p.21)
お金を稼ぐための具体的な方法を探しているうちは、おそらくまだお金に執着しているのでしょうね。その執着心の表れが「お金が欲しい!」という思考なのです。
「お金が欲しい!」という思考は、「お金が欲しい!」という現実を引き寄せますからね。つまり、「まだお金が足りない」という現実です。
逆に、「もう十分にお金がある」「とっても豊かだ」というマインドは、お金を引き寄せるのです。
「別の言い方をすると、「こうなれない自分を知っている」ともいえるでしょう。
ようするに、本人は意識の深い部分で、自分はそのようになれないとわかっているからこそ、「なりたい」という意識が生まれるということ。」(p.27)
「なりたい」という思いは、「なれない」という信念が生み出している思考とも言えますね。そしてその信念が現実を引き寄せます。
「心が「ある」という状態だと、「ない」を埋めるための仕事ではなくて、「ある」状態から仕事をするようになるので、お金が楽に入ってくるし、ちゃんと稼げるようにもなります。
たとえば、単価を3割増しにする交渉だってできるようになります。
「別の仕事に変えたって問題ないし、なくなってもかまわない仕事だ」
と思っていれば、単価アップの要望はためらいなく伝えられるもの。」(p.31)
「「こんなにやっているのだから、お金という名のご褒美が欲しい」
これこそ、お金のない人や、お金から愛されていない人の思考癖です。
「ご褒美はいらない」
「この仕事がなくなってもかまわない」
こんなふうに思える人のほうが、じつはお金に愛されているのです。」(p.33)
雇用手や顧客に対して、何の懸念もなく単価アップを要求できるかどうか。それによって自分の信念がどうであるかがわかりますね。
「「これだけのお金をください」
あなたは、誰に対しても、どの場面でも、このように堂々とギャラの交渉ができますか?
なんのためらいもなく交渉ができるのであれば、おそらくお金に困ることもなく、すでにお金に愛されているはずです。」(p.50)
これは、自分に対する「自信」がないとできませんよね。多くの人の場合、まず自信がないから、それを埋めたくて他人からの評価を求めています。
「ですが、そのような人は、見返りやご褒美を求めているわけではありません。
親切にしたいから、そうしているだけなんです。
なので、業務外のことをしてお金をもらえなくても、文句も言わないし、お金を求めたりもしません。」(p.56)
ぱっさんは、いろいろな国を旅行してみて、その国の人々の思考や、その背後にある信念に触れた経験があるそうです。
アメリカでは、決められたサービスしかしないというのが一般的ですが、中には日本人のようなホスピタリティのある人もいたとか。でもそういう人は、見返りを求めていたのではなく、ただそうしたいからしていたのですね。
ここが、日本人との大きな違いだと思います。日本人は、そうしなければならないという同調圧力によって、そうしていることがほとんどだと感じるからです。
「「今、君と一緒にフェスに行くことが大事! 君といて楽しいし、フェスはその日しかない。音楽を楽しみたい衝動は、明日あるかわからないんだから」
このマインドが彼らの幸せであり、けっしてお金が基準ではないように感じました。
彼らにとっては、楽しそうなことや興味があるもの、行きたい場所があることこそが人生の幸せなのです。
「まずはお金を稼いでから……」というマインドはありません。
ですので、「お金は、持っている人からもらえばいい」というマインドが自然とできあがります。」(p.61-62)
これは南米の国で、お金がないのにフェスに行きたくて、臆面もなく「お金をちょうだい」と言う人がいたことから、ぱっさんが感じたことです。
こういう文化の違いは、海外へ行くとよくわかりますね。私もタイで暮らして、そういう文化の違いに驚かされましたが、そのお陰で「こんな考え方でもOKなんだ」と気づき、より自由になれたように思います。
「たとえば、あなたがミネラルウォーターやサプリの広告を見て、
「これは健康に効果があるから、飲んだほうがいいんだろうな」
と思って、購入したとします。
それ自体、あなた以外の外側からの情報です。
そして、それに反応して購入したということは、
「健康のケアをしないといけない」
という観念が、あなたの中に根付いているということ。
ケアをしなきゃと思ったということは、自分をまだ十分には大事にできていないことの裏返しです。
すると、ここで「不足感」が生まれてしまいます。」(p.66-67)
私たちのネガティブな信念は、こうやって外部からの情報によって作られるという話ですね。
健康に効果があると言われ、それを信じて買うという行動を起こせば、内部にある「健康という状態にはまだ不十分だ(不足がある)」という信念を強化することになるのです。
「では、その不足感や承認欲求を肥大させないようにするには、どうしたらいいのでしょうか?
それは、自分の内側と向き合うこと、です。」(p.69)
お勧めしている「神との対話」でも、自分の内側に入っていくことの重要性が語られています。
ぱっさんは、自分の内側と向き合うために、スピリチュアルが助けになると言います。守護霊の言葉、自分の直観など、受け取るメッセージによって、自分の内側と向き合うきっかけになるからだと。
後半は、ここまでのマインドの説明から離れて、実際に自分のマインドを変える実践を紹介しています。
まず最初は、自分のマインドを知るためのワークです。12の質問に答えていくことで、それがわかるようになっています。
そして、よくマインドブロックと呼ばれるように、どうしても変えられない否定的なマインドと向き合う必要が出てきます。ぱっさんは、その否定的なマインドをトラウマと言っていますね。
そんな変えがたいトラウマであっても、必ず変えられるとぱっさんは言います。
「結論からいうと、環境が変わるまでは、ブロックのヒーリングを続けてください。
ようするに、きちんと成功体験を得るまで、です。」(p.128)
ブロックのヒーリングについては、詳しいことは本書をお読みくださいね。これを続けていれば、必ず成功体験をすることができると言うのですね。
ぱっさん自身、親からブロックをもらっていて、お金に困っていたと言います。けれども、じっくり時間をかけて信念・価値観を変えていくことで、マインドを変えることができたと言っています。
「たとえば、母親から「あなたは何をしても無駄よ」と言われたことが原因でいつも自信がなく、それゆえにマインドが書き換えられないとしましょう。
そのブロックを解消するには、どうすればいいのか。
母親ができなかったことをするだけでいいんです。
例を挙げるなら、母親ができなかった縄跳びを跳べるようになったり、母親が苦手だったメイクをしたり、何でもかまいません。
そうするだけで、
「私は母親と違う人間なんだ」
と納得でき、ようやく自分と向き合う準備が整うのです。」(p.166-167)
「もし自分に課題があると気づいたら、簡単にマインドを変えられることから取り組んでみましょう。」(p.167)
「課題を乗り越えるのは、筋トレと一緒です。」(p.167)
いきなり100kgのバーベルを持ち上げるのは無理でも、毎日少しずつトレーニングを重ね、徐々に重いバーベルに挑戦していけば、いつかは100kgだって持ち上げられるでしょう。
自分のマインドを変えるということへの挑戦も、同じことなのですね。私はこれを、小さなバンジーを飛び続けると言っています。
「イメージとはスピリチュアルの根幹です。
内側のエネルギーそのものです。
私はそのエネルギーが地球も、またこの宇宙そのものも動かしているのだろうなと思っています。
私に降り注ぐあきらめなかった夢こそが、この世界の神からのメッセージでありスピリチュアルそのものだと思うのです。」(p.196)
ぱっさんの動画でありましたが、「世界」というのは「内側」と「外側」の2つしかなく、「内側の世界」が「スピリチュアル」だと言われていました。なるほど、そういう言い方もあるなと思いました。
ぱっさんは、内側を整えることによって、自然と外側が整ったのだろうと思います。
しかし、動画の中でも言われていましたが、内側が癒やされたとしても、外側が変わらないということはあります。ただ、それでも本人は満足していて、何も問題視しなくなるはずです。状況が同じでも、本人が問題と感じてないのであれば、外側の世界でも癒やされている、ということになりますよね。
ワークや具体的な方法については、引用を省きました。そこはぜひ本書をお読みください。
私は、特に前半部に書かれたぱっさんのスピリチュアル的な考え方について、非常に共感するものがあります。
たとえそのアプローチは違ってはいても、同じ方向を見ているなと思うのです。それが端的に現れているのが、「脅さない」「不安を煽らない」という姿勢です。
有名なスピリチュアリストや心理カウンセラーやスピリチュアル的な本をたくさん出版している著者であっても、不安を煽っていたなら私は共感できません。賛同できません。その人のスピリチュアル的なレベルを疑います。
これが、私のスピリチュアルに関する根幹的な考え方です。だって、そうでなければ理屈に合わないのですから。
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