2022年12月24日

筋肉ががんを防ぐ。



これも本の要約をしているYoutube動画を観て、興味を抱いた本になります。
サブタイトルに「専門医式 1日2分の「貯筋習慣」 大腸がん 乳がん 対策」とあります。「専門医式」という言葉はちょっとどうかなという気もしますが、1日2分から始めて貯筋習慣を身につけることで、ガンの予防になり、健康的な身体が得られるという内容になります。

これまでにも、「2度のがんから私を救った いのちのスクワット」「ひざ・股関節の痛みは週1スクワットで治せる」など、健康のための筋トレ本をいくつか読んできました。
健康のためには食事、運動、睡眠が重要だということは、もう言われるまでもないことでしょう。しかし、それでもまだまだ知らないことがあり、より良い食事や運動や睡眠のための方法、知恵があると感じています。
なので、気になったらこうやって本を読んだりして、知識を得るようにしています。今回も、ふと出会った本ですが、読み進めてみると「これはいいなぁ!」と感じることが多々ありました。

著者は医師でヘルスコーチの石黒成治(いしぐろ・せいじ)さん。運動という重要ではあっても継続しづらいものを、どうやって継続させるのかという知恵が、たくさん詰まった本になっています。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

男性でも女性でも、がんで手術をする人の腹筋は筋肉も筋膜も薄く、簡単に切ることができました。進行がんで栄養状態が悪い人だけではなく、早期がんの人でもおなかの筋肉が薄かったのです。」(p.2-3)

外科医の手術経験から、ガンと筋肉量に相関関係があると感じておられたようです。

がんは高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症と同じく生活習慣病の一形態と見なされるようになり、その予防法は体の慢性炎症を抑えることであるという結論がでています。慢性炎症を抑えるためには、環境要因や生活習慣を変えることです。その結果、がんの90%は予防できるという見解になっています。」(p.4)

これはまったく知りませんでしたが、医学界の常識になっているのでしょうか?
石黒さんは、このことからも定期的な運動がガンを予防すると言われています。

40〜50代を中心に、これまで全く運動をやってこなかった人、どちらかというと運動が苦手な人を対象に、1日2分から始められる自宅でできるトレーニングの方法を伝えます。」(p.6)

運動習慣がガンを予防すると知っても、実践できる人は少ないと石黒さんは言われます。だから本書では、そういう人でも実践できて、運動を習慣化できる方法を示しておられるようです。


1960年代の男性喫煙率は80%を超えていますが、2018年は27%に低下しています。喫煙率は減っているのに肺がんは増え続けている。そもそも喫煙率の低い女性の肺がんが増えている。そのような状況にもかかわらず、禁煙を積極的に推し進めても肺がんが減少するとは思えません。本当の意味でがんを予防するための情報が国民に積極的にアナウンスされていないのです。」(p.19)

喫煙習慣がガンの発症率を高めると言われていますが、どうやら喫煙率との相関はないようですね。
こういう事実を知らずに、専門家の言うこと、政府の言うことを信じてしまっている。そういう現実がありますね。

免疫力が低下している状態を10年以上放置しない限り、「目に見える形のがん」になるまではなかなか進行しないわけですから、がんにならないこと(がんと診断されないこと)はそれほど難しいことではありません。」(p.21)

ガン細胞は毎日生まれていますが、それが免疫作用によって排除されています。したがって、医学的に「ガン」と認定される1cmほどの塊に肥大化する約10年間、免疫作用が抑制されなければ、ガンにはならないのですね。

筋トレすることで得られる効果は全身の慢性炎症の改善です。筋肉は動かせば動かすほど筋肉からミオカイン(myokine)と呼ばれるサイトカイン(細胞間の伝達物質)を放出します。このミオカインには炎症を抑える物質が含まれており、筋トレを繰り返すことで全身の炎症が改善していきます。」(p.23)

以前紹介したスロースクワットの本では「マイオカイン」と言っていましたが、本書では「ミオカイン」となっていますね。いろいろ言い方があるのでしょう。

がんは体の中の慢性炎症が持続することによって発生します(Immunity.2019)。全身の炎症が起これば筋肉はどんどん退縮していきます。僕がおなかの手術をした多くのがん患者さんの筋肉が萎縮していたのは、慢性炎症の結果だったのです。がんを予防するためには慢性炎症を改善することです。そのためにはまず、良い食習慣を形成することが重要です。しかしそれだけでは十分ではありません。筋トレをして筋肉自身から出る抗炎症物質を使って全身の炎症を改善することも併せて必要です。」(p.23-24)

慢性炎症には、やはりまずは食事を見直すことですね。その上での筋トレです。

あらゆる原因での死亡に関しては、筋トレでも有酸素運動でも死亡率の低下を認めました。しかしがんによる死亡率だけを検討したところ、筋トレのみの群、筋トレ+有酸素運動の群は、がん死亡率の有意な低下を認めましたが、有酸素運動のみの人はがん死亡リスクの低下は認められませんでした(Am J Epidemiol.2018)。」(p.24)

運動が健康に良いことは確かですが、有酸素運動と筋トレ、つまり遅筋と速筋のどちらを鍛えるかによって、効果に違いがあるようです。

リンパ管はリンパ球、樹状細胞などの免疫細胞や抗体などの免疫因子を運ぶ役割があります(Cell Mol Life Sci.2013)。リンパ管の途中途中にはリンパ節と呼ばれる結節状の組織が存在します。リンパ節は免疫細胞の貯蔵庫として働きます。
 血管とリンパ管の最大の違いは、血管は心臓がポンプとして血液を送り出すのに対して、リンパ管にはポンプにあたるものが存在しないことです。静脈と同じく逆流防止の弁はついていますが、そのリンパ液をリンパ管の中を流すためには外力が必要です。呼吸の動きや皮膚の緊張、動脈の拍動、姿勢の変化などでもリンパ液は移動しますが、最大の外力は筋肉を動かすことです(Physiol Rev.1990)。リンパは平均分速20ml程度で流れていますが、運動時にはこの速度が10倍以上になります。
」(p.25)

免疫を効果的に働かせるためには、リンパ液の循環を良くすることが大事ですが、そのためにも運動が良いようですね。


絶食時間が経過するにつれて成長ホルモンの分泌量は亢進(こうしん)していきますので、空腹であればあるほど成長ホルモンの分泌が刺激されやすい状態と言えます。そのため、いつ筋トレをするのがいいのか?という疑問に対しては、1日の最初に食事をとる直前に行うのが最も効率的だ、と言えます。そのため多くの方にとっては朝行うことが成長ホルモン分泌刺激の効果が一番良い時間帯となります。」(p.32)

運動は習慣化しなくては意味がありませんが、では1日のうちのいつやるのがいいかと言うと、成長ホルモンの分泌の観点からは、朝食前が良いということですね。
それとともに、朝起きてすぐというのは、比較的に予定が立てやすい時間帯とも言えます。私も今、朝起きてから間もない時間帯に運動をやっています。

健康のために行うトレーニングはあくまでも継続することが一番の目的です。そのためには毎日できるようなトレーニングを行う必要があります。自宅での自分の体重のみでのトレーニング(1回11分)を週3回行うだけで身体能力は向上します(Int J Exerc Sci.2021)。逆に毎日行うには、翌日に疲れを残さないように気をつけなくてはいけません。」(p.33)

筋トレは、高荷重の運動ですが、筋肉量を増やすには筋肉を休ませる時間が必要です。ボディービルのような目的だと、トレーニング後2〜3日は休ませないといけません。筋トレをする場合は、こういうことも考えないといけませんね。


ここから、日本人に多い大腸がん、乳がんについて取り上げ、その対処法としての筋トレを解説しています。まずは大腸がんから。

大腸がんの大部分はポリープから発生しますが、大腸ポリープを引き起こす原因は大腸粘膜の慢性炎症です(Int J Mol Sci.2020)。腸の中の炎症を引き起こす原因には、食事、環境要因、運動不足、ストレス、毒素など様々なものがあり、原因を1つに絞ることはできませんが、最もわかりやすい腸の中に炎症を起こす状態といえば便秘です。」(p.40)

大腸がんの予防には、まずは便秘を改善することですね。
便秘の改善には食事なども重要です。本書では、排便に役立つ筋肉を鍛えることも重要だとして、いくつかの筋トレメニューが紹介されています。


次は乳がんです。

看護師の健康調査を扱った研究では、夜勤で夜にライトを浴びている人は進行乳がんのリスクが上昇することが報告されています(Environ Health Perspect.2017)。世界保健機関(WHO)の一機関である国際がん研究機関(IARC)は、「概日リズムの乱れを伴う交代勤務は、ヒトに対しておそらく発がん性がある」としています。」(p.66)

夜勤がある仕事はリズムが乱れやすく、それが乳がんリスクに影響しているようです。私はやっていませんが、老人介護施設でも夜勤はつきものです。ある意味で職業病とも言えるのでしょうかね。

50歳から79歳のアメリカの女性7万4000人のデータからの解析では、1週間あたり40メッツ運動する人は全く運動しない人に比べて22%乳がんのリスクが低下します(JAMA.2003)。これは週あたりの運動量が増加するにつれてリスクは低下していました。メッツ値40は、週5日1時間のジョギングの運動に相当するのでかなりの運動量です。
 実際には週3回30分程度の運動(10メッツ)でも、18%低下します。特にやせ形の人(BMI>24.13)ではその傾向が顕著で、1週間あたり40メッツ運動する人は37%、10メッツでも30%の乳がんリスクの低下を認めています。
」(p.70)

運動が乳がんリスクを下げるという研究もあるのですね。ただ太っている人は、運動だけでは効果が薄く、やはり減量が必要になるようです。

サルコペニアの人はサルコペニアではない人に比べて、5年後、10年後の生存率が明らかに低下し、その死亡リスクは2.9倍でした。サルコペニアの人は、筋肉量が正常な人に比べて年齢が高く、脂肪の量も少ない傾向であったため、この影響を取り除いた解析を行いましたが結果は同じく筋肉量が少ないと死亡リスクは上昇していました(J Cancer Surviv.2012)。特に閉経後乳がんの患者(年齢55歳以上)ではサルコペニアの人ほど死亡リスクが高くなります(BMC Cancer.2020)。」(p.73)

筋肉量が一定量より少ない状態をサルコペニアと呼んで、健康に対する大きなリスクがあるとされています。そういう筋肉量が減少した状態だと、ガンに罹った時の死亡率が上昇するようです。

褐色脂肪を増加させる一番の刺激は寒冷刺激です(Diabetes.2015)。寒くなると熱を産生しなくてはいけないので体は褐色細胞を増やします。そして運動もまた褐色脂肪を増加させると考えられています。」(p.79)

首周りから背中にかけて多くある褐色脂肪は、通常の脂肪細胞と異なり、熱を産生して代謝を高める働きがあります。その部分を筋トレで刺激して褐色脂肪を増やすことで、肥満の解消につながります。また、背中の肩甲骨周りの筋肉を鍛えることは、乳がんのリスクを下げることにもなるそうです。

この後、本書では、乳がん予防のための筋トレメニューも紹介されています。


次はガンから離れて「転倒骨折」を予防するテーマになります。歳を取って恐いのは転倒ですね。すぐに骨折し、動けなくなります。もちろん、運動そのものができなくなりますから、筋肉量が著しく減少しますね。

転倒して背骨や大腿骨頭(大腿骨の骨盤側の根本)が骨折して動けなくなり、入院することによって全身の筋肉が萎縮し、立ち上がれないほどのダメージを受けます。高齢者は10日間の安静入院で全身の筋肉の30%を失ってしまいます(Extrem Physiol Med.2015)。その中でも特に失われるのは足の筋肉です。高齢になるとたかが1回の入院で回復不能なレベルまで弱ってしまう可能性があるのです。」(p.92)

私も老人介護施設で働いているので、この現実を経験しています。

しかしいくら骨の密度を上げる薬を使っても骨折する人は減少していません。それはなぜか? 骨折する一番の理由は骨が弱いからではないのです。転倒するから骨が折れるのです。高齢者全体の約20%に少なくとも年間1回は転倒し、転倒の5%程度に骨折が生じます。」(p.93)

骨粗鬆症の対策として、骨密度を高める薬を飲んだり、カルシウムを補給したりしていますが、あまり効果はないようですね。

骨折の多くは尻餅をついて倒れたときに起こります。臀部の筋肉が少ないためにショックを吸収できず骨が折れるのです。」(p.93)

つまり、転倒しても骨折しないためには、クッション代わりになるお尻の筋肉量を増やすことが重要なのですね。

もちろん、足の筋肉、体幹の筋肉は重要ですが、重点的に鍛えて欲しい筋肉があります。それはお尻の筋肉、中殿筋(103ページ参照)です。
 中殿筋は、骨盤横側の筋肉で、片足で立つとき歩くときによく使う筋肉です。骨盤が安定すればより長い時間片足で立っていることができるので歩幅が広がります。
」(p.94-95)

高齢者ですり足で歩く人が多くいますが、それも転倒のしやすさにつながってます。そしてすり足になる原因は、中殿筋の衰えなのですね。

要介護となる一番の原因は転倒、骨折や膝や腰の関節痛などが原因で、自力で動くことができなくなることです。動けなくなると筋肉量が減少しさらに歩行能力が低下します。すると外出しようとする気力がなくなり、その結果、家に引きこもってしまいます。動けなくなることが精神的・心理的なフレイルを憎悪していきます。」(p.96)

以前、「道路を渡れない老人たち」という本を読みました。歩く速度が遅すぎて、青信号の間に道路が渡れなくなって、外出しなくなるお年寄りの問題を取り上げていました。
筋力の衰えは、生活力や生きる意欲にまで影響してくるのです。


筋肉をつけたいと思っている人で、筋トレの前後でプロテインを熱心に飲んでいる姿を見かけますが、僕自身はプロテインをサプリメントとしてとってはいません。理由は、たんぱく質をたくさんとれば筋肉がたくさんつくわけではないからです。」(p.96)

よってある程度の年齢になると、いくらたくさんたんぱく質を摂取しても分解されにくいため、十分なアミノ酸を吸収することができなくなります。」(p.97)

筋肉を合成するにはタンパク質が必要ですが、それは一旦アミノ酸に消化分解されてから吸収されます。消化のためにはペプシンという酵素が働かなければなりませんが、胃酸が十分に出て強酸性にならないと効果が高まらないのだそうです。けれども加齢によって胃酸の分泌が少なくなる。だから、タンパク質を多く摂っても、アミノ酸に分解されなくなるのです。

まずは筋トレを行いつつ内臓脂肪を落とし慢性炎症を改善することがプロテインを摂取することよりも先決です。」(p.98)

吸収されたアミノ酸から筋肉を合成するには、インスリンが働く必要があるのだそうです。けれども糖質を過剰に摂取していたり、体内に慢性炎症があると、インスリンの効果が減弱してしまうと石黒さんは言います。
したがって、タンパク質を多く摂取することよりも、まずは肥満を解消し慢性炎症を改善することを優先すべきなのですね。

すなわち安静時と異なり、筋力トレーニングを行った場合はそのトレーニング直後には年齢が上がるにつれて多くのたんぱく質摂取をした方が筋肉合成には効果がいいということになります。無理して40gのたんぱく質を摂取する必要はありませんが、少なくとも20g程度はとりたいです。20gのたんぱく質は肉や魚では100g程度ですので、プロテインパウダーなど使用しなくても十分食事から摂取できる量だと思います。」(p.99-100)

消化吸収が十分な状態で筋肉合成を誘導するのに必要なタンパク質の量は、安静時の1食あたりは22歳で0.4g/kg、71歳で0.24g/kgという研究があるそうです。つまり高齢者は1日3食で0.72g/kg(体重50kgの人なら36g)のタンパク質を摂取すれば良いことになります。
筋トレをした場合は、高齢者は少なくとも1食20gのタンパク質摂取が必要だと石黒さんは言います。さらに40g摂取すると、20gの時より32%ほど筋肉合成の反応が向上するという研究もあるそうです。

1食20gのタンパク質を3食まんべんなく摂取するのがよいという話は、他でも聞いたことがあります。タンパク質は肉や魚、卵、大豆などに多く含まれますが、穀物や野菜などにも少なからず含まれています。なので、意識して肉、魚、卵、大豆などを食べていれば、自ずと達成できる量ではないかと思っています。


元々やせ形で筋肉量が少なく、運動経験、筋トレ経験がない人は筋トレを開始してもなかなか目に見える変化が起きません。それは筋たんぱく質の合成反応(同化反応)が減弱している同化抵抗性(アナポリックレジスタンス)の状態にあるからです(Front Nutr.2021)。同じく、同化抵抗性のある人がプロテインを飲んでアミノ酸吸収量を増やしても、筋細胞そのもののたんぱく質合成を起こしにくいため効果はありません。」(p.100)

よって継続的にトレーニングを繰り返すと、同化抵抗性があってもどこかの段階で筋肉合成が促進されてきますので、信じてトレーニングを継続すればいいのです。」(p.101)

筋肉内の毛細血管が少ないと、同化抵抗性というものが出てくるようです。なので、まずは筋トレで刺激を与えて十分な毛細血管が作られるのを待つ必要があるのですね。


ここまでで、筋肉量を増やして筋力を高めることが重要だという話は終わりです。ここからは、そのための筋トレをどうやって行うかという話になります。

ですが知識として理解したとしても、実際に筋トレを開始する人は少ないはずです。そして筋トレを継続できる人はおそらく1%もいないのではないでしょうか? 実際に日常生活に筋トレを導入していくためには作戦が必要です。」(p.112)

では、全く運動習慣のない人がこのような運動習慣を身につけるのにどれくらいの期間が必要だと思いますか?
 僕の個人的な経験では2年から3年かかると思っています。
」(p.112)

自重トレーニングだと1日30分を週6日、ジムなどで高負荷トレーニングを行うなら週3日だそうです。このような習慣を身につけることが重要なのですが、その習慣が身につくのに2〜3年かかるのですね。

私も今は朝のHIITやスロトレをやっていますが、まだ始めて3ヶ月にもなりません。この程度だと、いったん休んでしまうと、そのままなし崩し的にやめてしまう可能性が高いですね。

筋トレ開始の最初の1ヶ月の目標は毎日2分間の筋トレを行うことです。」(p.112)

運動を行う時間はなるべく一定にすることも習慣化には必要です。おすすめなのは朝行うこと。1日のなかで予定が最も狂いにくいのは朝です。」(p.114)

私も毎朝2分間のHIITをやっています。運動を習慣化するには、まずはハードルを思いっきり下げることが重要なのですね。
以前、ジョギングを習慣化するための方法として、着替えて運動靴を履いたらOKにする、というものがありました。続けることが最優先なので、何をするかは二の次なのです。

実際筋トレを始めても最初は見た目の筋肉は全く変わりません。そしておなかやお尻の脂肪も減ることはありません。それは初めは筋肉組織そのものが炎症状態にあるから。筋トレを行って炎症状態からまず脱出しないと筋肉組織は筋繊維の合成を増加できないのです。」(p.115-116)

そのため筋トレ開始時は、筋トレをする楽しみを別のところに見いだした方が継続できます。それは筋トレすることが楽しいと感じる人と一緒に筋トレすることです。」(p.116)

筋トレによる数値の変化や見た目の変化に期待すると、上手く行かないようです。筋トレ仲間は、家族や近所にいなくても、今はオンラインのコミュニティもありますからね。筋トレ仲間を作って、筋トレを楽しんでやることが継続のためのコツのようです。

ノルマが2分間の筋トレの習慣は3〜4か月で習慣化します。もちろんノルマが2分間なのであって、実際は2分以上行うことの方が多いはずです。2分をクリアできたら次の段階は、4分から5分の筋トレです。」(p.117)

4分の筋トレを欠かさず毎日できるようにする意識付けには、6か月から1年かかります。その間は筋肉がついたり、脂肪が減ったりするといった短期的な結果が目に見えなくても、継続していれば筋肉の代謝機能は格段に改善していきます。」(p.117)

少しずつハードルを上げていって、目標とする筋トレ量へと近づけていくことですね。それにしても、貯筋習慣を身につけることは、なかなか根気がいることです。


たった2分、たった4分の筋トレで効果があるのか? と疑問に思うかも知れません。もちろん残りの23時間56分を全く運動しなければ、効果がないことは明らかです。筋肉を使えるようになるためには筋肉自体にも筋肉を動かすことに慣れてもらうしかありません。そのためにはいつも動かし続けることです。」(p.118)

1回のスキマ筋トレは30秒から1分で十分です。そのとき重要なことは立ったまま気軽にできることです。」(p.118)

ノルマは朝の2分とか4分の筋トレだとしても、それ以外の日常生活の中で、思いついた時に立ったまま、あるいは座ったままでできる筋トレをどんどんやることが重要なのですね。
もちろん本書には、そういう筋トレについても解説してあります。


医学文献を読みながら感じたことは、筋トレの重要性に関する知見の集積の高まりは、この20年あまりで腸内細菌が健康の鍵であると認識されて研究が加速度的に進んでいるのと同じ現象です。これからの健康の鍵は、薬やサプリメントで達成されることはなく、腸内環境と筋肉を維持する生活習慣であることには疑いがありません。」(p.138)

本書では、たくさんの論文から研究結果が引用されています。筆者の思い込みではなく、こういう事実を前提とした論理展開は、私の好むところです。
そして私も、健康のためには食事、運動、睡眠が大切なのは当然ですが、食事で言えば腸内環境を整えること、慢性炎症を抑えること、酸化(活性酸素)や糖化(AGE)を抑えることが重要で、それらはいろいろ関連しあっていると思っています。また、食事とともに重要なのが筋肉量や筋力を増やして維持することだとも感じています。


たしかに筋肉量や筋力を増やして維持するには運動、とりわけ筋トレが大事なのですが、それがわかっていても継続できないという問題があります。本書は、そこに鋭く切り込んでいると思いました。
まずは毎朝2分間の筋トレ習慣からですね。私も継続しようと思います。

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タグ:石黒成治
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 06:22 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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