私の友人でもある「ぱっさん」こと木場秀俊(きば・ひでとし)さんが初めて本を出版されるとのことだったので、予約して買いました。
発行は2022年8月24日となっていますが、一般への販売開始は9月2日から。9月3日に届いて、4日から読み始めました。
180ページほどだし行間も広めで、ボリュームはそれほどありません。1〜2時間もあればサクサクと読める内容です。
体裁は、19の質問に対して、ぱっさんが答える形になっています。
カウンセリングや相談業もされていたぱっさんが、多くの人の悩みに答えてくれます。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「例えば、やりたいことが2つあったら、どっちかを優先しなきゃいけないし、どっちか諦めなきゃいけないわけじゃないですか。それが幸せなのか、不幸なのか。ずっと幸せでいられるっていうのは、幸せだって思い込むこと以外、可能にする方法がないと思うんですよね。」(p.5)
つまり、何かすること、達成する、所有する、というような外部要因で幸せを考えていると、幸せだったり不幸だったりするんです。常に幸せでいるためには、「幸せ」を選ぶしかない。つまり、自分のあり方の問題だということです。
「幸せになる必要性というか、義務がなくなると、ようやく自分の人生の本質と向き合わなきゃいけなくなる。たぶん老後とかに起きてくる問題なんですよね。どうやって生きていこうか、どうやって死んでいこうかといういう問題。やるべきことはもうない。じゃあ自分っていうものは、一体何者なんだろうかっていうことと、毎日向き合うことになる。」(p.6-7)
「禍福は糾える縄の如し」と言うように、外部要因を根拠としていれば、幸せだったり不幸だったりという人生です。その時、幸せにならなきゃと「幸せ」に執着していると、もっと大事なものが見えてこないとぱっさんは言います。
それが自分自身と向き合うということですね。自分と向き合うことで気づきに至る。まあその伏線として、導入として、幸せに執着し、がんばっても上手くいかないことを経験するってことがあるんだと私は思います。
Q02「「生きる」ってどういうことですか?」という質問に、「煩わしさ、そのものです。」と答えている章です。
「みんな外側を整えるために、スピリチュアルやろうとするんですよ。スピリチュアルって違う、もっと内側なんですよ。本当のスピリチュアルって、人生って面倒くさいよね、って気づいてからなんですよ。そこの面倒くさいよね、じゃあそっちはそっち、こっちはこっちって考えて、内側のことに集中し始めると、外側のことも付随して整っていくのです。」(p.23)
「悟りって、なんか魔法みたいな感じで説明している人とかいらっしゃるんですけど、そういうものではなくて、もう本当に全部諦めて、諦めるっていうのも内側を向くために諦めるんです。どこを幸せにするの? っていうことなんです。」(p.25)
「引き寄せの法則」を駆使しようとする人は、まさに「外側を整える」ことを目的として、スピリチュアルを利用しようとしているんです。スピリチュアルが手段で、外側世界が目的になっています。
けれども本当は、外側世界のことはもうどうでもいいや、と切り離しておいて、自分の内側に入っていく。本当の自分に正直になろうとする。そうすることで、いつの間にか勝手に外側の世界が上手くいくようになる。私も、そんなふうに考えています。
「死ぬときにどんな状態が理想的なのかというと、内側の自分ですよね。外側で満たそうとしていた自分っていうのにまず気づいて、そうじゃない、外側で満たすのではなくて、内側で自分を自分のために大事にする。そんな状態です。そんな生き方をしようと、まず決めることですよね。」(p.26-27)
「外側に興味があるうちはね、思う存分やったほうがいいです。やりたいことがあるのに、内側に目を向けるっていうのって無理なんです。」(p.27)
人それぞれ発達進化の段階があるので、赤ちゃんにいきなり立って走れと言ったって無理。それは「助長」です。だから私も、暴走族をやりたいならやらせてあげたらいいと言うのです。
いずれその時が来れば、自然と自分の内側を見つめるようになります。そのためにも、無理をして背伸びをしちゃダメなのです。
次はQ07「何もかもうまくいかないときの乗り越え方を教えてください。」という問いに、「理想の人生をイメージして追求していくだけで充分なんです。」と答えている章です。
「私の動画の中で、ひたすら「大丈夫」って唱え続ける動画があるんですけど、「これ以上のヒーリング動画はないです」みたいな感じで出ていたんです。そのブログを書かれた方が、その「大丈夫」を、ひたすら聞いてくださったそうなんです。
それと一緒だと思うんです。結局今の現状って、八方塞がりだって思ってるとしても、八方塞がりの状態っていうのはいつか抜けるんですよ。それは何でかと言うと、生きていれば状況は変化するんですよ。
そのときに、八方塞がりなままなんだって思っていてもね、状況は変わるんです。結局時間が経つっていうことが一番有効なんですよね。」(p.67-68)
私も大失恋した時、時間が心を癒やしてくれたって実感しました。そして仏教でも「諸行無常」と言っていますが、お勧めする「神との対話」でも、すべては変化すると言っています。だから、何とかなるんですね。
次はQ12「「自分軸で生きる」にはどうすればいいですか?」という問いに、「自由に生きてください。」と答えている章です。
「あるものに対して、抵抗するから病気になる。流されてたらどうですかね。どうせ、できることしかやってないですよ。
自分軸って、常に自分のことを見つめてあげる心のことだと思うんです。自分軸って定まっているんだと思い込んでいるとしたら、その人は絶対自分軸じゃなくて、理想の自分を思い描いてるだけで、嘘つきですよ。そんな不自然な生き方している生物いないですよ。」(p.111-112)
「かくあるべし」という考え方にしがみついて、そういう執着心を手放さないから本当の自分が見えてこない、自分に正直になれないんですね。
次はQ16「友達が少ないのですが、どうしたらいいですか?」という問いに、「”仲の良さ”ではなく尊重し合えるかどうか。会う頻度も関係ありません。」と答えている章です。
「その人はね、いついかなるときでも、自分が無理のない範囲で私のことを助けようとしてくれるんです。私と意見が対立することもあるんですよ。意見が対立するときも、その友人は私を認めてくれるんです。対立しながら認めてくれるってすごいですよね。その友人は、私と相反する考え方もするんです。ただ共通してるところっていうのは、お互い自由でいようとするところなんです。この部分は、他の友達よりも遥かにお互い尊重し合ってるんです。
実は、今まで実際に対面で会ったことって1回しかないんです。けれども5年ぐらいずっと友達です。私がいついかなる、どんな状態のときでも、同じように接してくれたのって彼だけなんです。」(p.142-143)
実はこれ、私のことなんです。本当ですって。ぱっさんがYoutube動画で親友をカミングアウトしていて、そこで私の名前が出たのでびっくりしたことがありました。たしかに少しは期待していましたが、本当に私とは・・・と絶句しましたよ。
この相手を自由にさせるってことは、私が常に心がけていることでもあるんです。なぜなら、愛とは自由だから。そして、私はそのように生きようと決めたから。
だから妻に対しても「あなたは自由だよ」って伝えてきました。妻の友人から、彼女が私を気に入っている点は自由にさせてくれることだ、と聞いたことがありました。その時、本当に嬉しい気がしました。
ぱっさんが私のことをそう思ってくれて、喜んでくれている、認めてくれているというのが、私にとっても喜びです。
次はQ18「死んだあとも輪廻転生が続くのですか?」という問いに、「そんなことより「今」に集中しましょう。」と答えている章です。
「自分が死んだら、魂は次の生を迎えると考えていると思うんですけど、Aさんが転生して、Aさんの魂として次の人生を歩むかどうかは、そうなる可能性も、ならない可能性も両方ありえると思ってください。魂を一つの個体として考えすぎているんですね。」(p.154)
「ということは、自分がもし死んだとしても、この世の中に何か影響していくわけです。何かに影響を与えている、誰かに影響を及ぼしているんです。その誰かに及ぼした影響というものが、どこかの誰かのエッセンスになっている。これが、現実的に考えるといわゆる輪廻なんです。」(p.159-160)
つまり1つの魂が、何回も生まれ変わるという時間軸で考えると、真実が見えてこないんですよ。だって真実の世界は時空がないのですから。
喜多川泰さんの小説「ソバニイルヨ」では、死んだ犬の原子が世界中に均等に散らばるとすると、常に身の回りに(あるいは自分自身の中に)その犬の原子が何百個も存在することになることを示しています。また、新井満さんの訳詞で有名になった「千の風になって」でも、死んだ後は1000の風になって、つまり無限の存在として宇宙に遍在していることを示しています。
だからスピリチュアルでは、「あなたは私だ」みたいなことや「ワンネス」などと言うのです。そして、ある特定の有名人の生まれ変わりだという人が多数いるということも、これで説明できるかと思います。
最後はQ19「占いやスピリチュアルって本当に役に立ちますか?」という問いに、「「役に立つか」頼るのではなくて武器として使う。」と答えている章です。
「占いで、ここが未来ですよって言われて、当たっても当たらなくても極論どちらでもいいんです。占いなんて、当たっても当たらなくてもよくて、前に進めるようになったら気分が良くなるじゃないですか。そういうときに、未来がここだよって言ってあげると、前に進み始めることができる。そのことに価値があるんです。」(p.165-166)
「未来がこうなるから、あなたはこうしなさいって言われる類の占いを信じるのは不健全ですね。それは支配だと思います。選択肢が広がるような、占いの仕方が一番いいと、そう思うんです。」(p.168)
私は基本的に占いは信じません。と言うか、占いに身を委ねるような信じ方はしません。
なので、基本的には占いをしてもらうことはありませんが、おみくじを引くことはあります。またネットで「○月生まれの人は・・・」という情報を見たりもします。
それを見て、当たってるなぁとか、当たってないなぁとか、楽しむだけですね。また悪い占いは信じなくて良いと小林正観さんも言われるように、私も信じません。なので、その占いが悪い方角とか示していても、無視して自分がやりたいようにやります。
けっきょく、何を選択しようと魂の導きから外れることはないので、それが現世的に不利益であろうとどうしようと、魂レベルでは大したことはないし、そうなっても大成功なんですよ。
私はそういうふうに考えます。でも、それをまだ絶対的に信じられない人は、占いを少し頼ってみるのも、悪いことではないでしょうね。
質問に対して、明後日の方向の答えをバンとぶつけてきて、それがいかに筋が通っていて、また質問者の問いの本質に対して的確な答えになっているかを、後から説明するようなスタイルですね。いかにもぱっさんらしいスタイルです。
きっと頭がいいのでしょうね。私も自分で頭はいい方だと思うのですが、おそらく種類が違うのでしょう。私はどちらかと言うと、地道に積み上げていくような考え方なので。
そういう違う論の進め方は、とっても刺激になります。また論の進め方は違っていても、本質的な部分で一致している部分が多いというのも、「やっぱりそうだよねぇ」と感じられて心地よかったです。
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