久しぶりに斎藤一人(さいとう・ひとり)さんの本を読みました。一人さんの新刊が出ると知って、予約購入したものです。
最近は「ふわふわ」というキーワードが重要だ、というようなことを話されているようです。本書にも、それについて書かれた部分がありました。
以前は「ツイてる」というキーワードが重要だと言われてましたが、時代が少し変わってきたようです。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「あなたには、あなたにしか出せない愛がある。
一人さんには、一人さんなりの愛がある。
ただ個性を出せばいいわけじゃない。
個性に愛をのせ、あなただけの豊かな愛の表現をすること。
それが「私は私」です。」(p.2)
ある時ふと、「私は私」というメッセージが降りてきたのだそうです。それが本書のタイトルです。
その意味を、一人さんはこのように語っています。
なお、一人さんは自分のことを愛し、敬意を払っておられるので、自分を「一人さん」とさん付けで呼ばれています。これも有名な話ですよね。それに習って私も、「アカさん」と呼んでいますがね。(笑)
「この世界は「違う」ことが当たり前で、「違い」しかありません。
なぜ1つひとつ違うのか答えられる人はいないと思うし、それは一人さんにもわかりません。
ただ、神様がそういうふうに決めてくれているんだろうね。
神様のすることに間違いはないから、なにかそうしなきゃいけない理由があるんだろうと思います。
みんな違っていいし、すべての違いはそれが必要だから存在している。違いが求められ、違いを認めて活かすことで世界は生成発展していく。
そんなふうに、どんな違いにも重要な意味があるんじゃないかなって。」(p.13)
その必要性がどんなものかはわからなくても、この世がこうであるにはこうであるべき理由があるのだ、という確信を持たれています。
実際、すべてのものは似てはいても個々違います。それぞれに特徴があります。雪の結晶でさえ、一つひとつ違うと「神との対話」でも言っていますから。
ですから、違っていて当然だし、違っていていいのです。一人さんは、そういう「違い」を大切にしてきたそうです。
「どう見たって欠点にしか思えないような要素でも、それは間違いなくあなただけの宝物だし、ぜんぶあなたの素敵な個性です。
どんな外見だろうが性格だろうが、あなたにしか持てない、この宇宙にたったひとつの宝石なんだ。
いまはまだそこに磨きが足りていない「原石」なだけで、磨けばびっくりするほど輝きを放つようになる。
その輝きに、癒されたり救われたりする人がたくさんいるの。」(p.17)
欠点というのも個性なのですね。だから欠点をなくそうとするのではなく、それを個性だと受けとめ、磨くことが大切なのだと一人さんは言います。
たとえば飽きっぽいというのも、見方を変えればあれこれ関心を示す好奇心旺盛だとも言えるわけです。怒りっぽいも、正義を貫こうとする情熱が強いとも言えます。
だからその個性の良い面を見て、そこを活かすようにしていけばよいのです。
「いまの自分でいい、このままでいいっていう安心感がないと、誰かと比べては落ち込み、がんばっても思いどおりになれない自分に絶望するだけなの。
そういう人はなんでもいいから、まずはひとつ、自分のダメなところをゆるしてごらん。自分を無理に捻(ね)じ曲げようとせず、「それでもいいよね」って自分を認めてあげることだよ。」(p.25)
もっと自分に優しくしなさいと「神との対話」でも言っています。ありのままの自分を受け入れることは、自分を愛することですから。
「そうやって荒削りの個性を磨いたとき、あなたはあなたにしか出せない愛を放つ。
それが「私は私」っていう言葉のほんとうの意味です。
世の中では、自分らしさを勘違いしている人も多いけど、自分らしさってたんに個性を丸出しにすればいいわけじゃない。
あなたにしか出せない愛を出すことなんだ。」(p.29)
最初にも書かれていた内容ですが、ここでは具体的な個性の磨き方を示した上で、同じようにまとめています。
たとえば、人のアラ探しばかりしてしまう人なら、観察力が高いのですから、その観察力を人の良いところを探す方向で使えばいいのです。その転換をさせてくれるものが「愛」なのですね。
「深い慈愛で光り輝く神様がこの体のなかに存在するのだから、愛のない人がいるわけがない。
いくら愛がないように見える人でも、それは愛を忘れているだけで、愛を思い出せばいつだって愛の光で輝き出すんだよね。
そのために、個性を磨くの。
個性を磨くって、曇りかけている愛を磨いて光を取り戻すってことなんです。」(p.30)
愛のない人はいない。ただ愛を忘れているだけ。一人さんはそう信じて疑わないようです。
「神との対話」でも、私たちの本質は神そのものであり、神であることを忘れているだけと言っています。通じるものがありますね。
「それと愛の場合、ベースに「手伝ってあげたら相手が喜ぶかな?」「こんなふうに言ったら嫌な気持ちにならないかな?」っていう、受け取る側に寄り添う気持ちがあるものなんです。
だから、相手がどう受け取るか考えながら行動するし、もし相手にちょっとでも不快感を与えてしまったと感じたら、すぐに謝って言動を改めるんだよね。」(p.41)
愛は義務感でもないし、下心もないと一人さんは言います。ただ相手に喜んでもらいたい。だから、自分の思いを否定されたとしても、相手を恨んだり責めたりすることはないのです。
実際、相手がどう感じるかは相手次第ですから、どのやり方が正しいかどうかなんてないのです。強いて言えば、相手が喜ぶやり方が正しい。相手を喜ばせるという目的に適っているという意味で、正しいのです。
「だからあなたはただ、愛の押し売りに屈しなければいい。
愛の押し売りをされたときは、徹底的に拒否しなきゃいけないし、嫌なものは嫌だと言えばいい。
それが相手への愛だし、もちろん自分への愛でもあるよね。」(p.53)
いくら動機が良かれと思ってのことであっても、愛は押し売りをしません。ですから、押し売りするならそれは本当の愛ではないのです。
そして、自分を愛するのであれば、自分が要らないと思っている愛の押し売りは拒否すること。それが自分への愛であり、ひいては相手への愛になるのです。
一人さんは、はっきりと「ノー」と言うことを勧めていますが、どうしても角が立つことが気になるなら、馬耳東風で聞き流すのが良いとも言っています。いつかは相手も諦めるでしょうからね。
「私たちは、もともと愛と光の存在です。
いろんな常識や観念にとらわれて愛の出し方を忘れている人でも、愛の出し癖さえつけたら、いくらでも愛は出せるようになるの。
なにも特別なコツなんていりません。失敗しながらでも出しているうちにどんどんうまくなるし、大きな愛が出せるようになるから。
という意味で言えば、愛を出すコツがあるとしたら、あきらめないで出し続けることだろうね。」(p.75)
考え方というのは習慣なのです。その習慣を変えるには、つまり新しい習慣を身につけるには、失敗しながらも繰り返すことです。自転車に乗るのと同じですね。
「自分の意見をはっきり言えない人ってけっこういるんだけど、遠慮してると、自分が苦しくなるんです。
はっきり言うと角が立つとか、相手に嫌われるとか心配するんだけど、一人さんに言わせると、そんなことであなたを嫌うくらいなら、もともとその程度の関係だったんだよね。」(p.83)
人間関係においては、こういう割り切りが大事だと思います。そうでもしなければ自分に正直になれないし、自分に正直になれないということは自分を愛せないということですから。
「我慢に我慢を重ねて完全に相手を嫌いになってしまったら、その気持ちは必ず相手にも伝わるし、お互いに嫌な気持ちになるよ。憎み合うことになる。
そのほうが、よっぽど角が立つでしょ?
だからこそ、もっと軽い気持ちで自由に離れたり近づいたりすればいいんだよ。」(p.85)
友だちだからとか家族だからというような他人の価値観で自分を縛り、自分に正直になれなかったら、自分が苦しくなるし、その我慢に我慢を重ねた上で爆発すれば、相手だっていい迷惑です。爆発する前に、さらっと本音を言った方がいいんですって。
「だから、あなたが誰かを変えたいと思ったときは、あなたがいま以上にじゃんじゃん愛を出せばいい。
そしてその姿を、変えたいと思っている人に見せたらいいの。
相手があなたのことをかっこいいとか、素敵だと思ってくれたら、あとは勝手にあなたの真似をし始めるからね。」(p.91)
他人をもっと素晴らしい人に変えたくて、いろいろアドバイスしたって無意味です。その人自身が変わりたいと思わなければ、絶対に変わりませんから。
だから、自分にできることはアドバイスすることじゃなく、見本(手本)を見せることなのです。子育ても同じですね。
「経営者って、
「従業員のみんなは楽しく仕事ができているだろうか?」
「取引先のj会社に無理をさせていないだろうか?」
「お客さんは喜んでくれるだろうか?」
って、隅々まで気配りができるの。
いつもみんなに喜ばれる方法、みんなに優しい道について考えている。」(p.110)
私自身も経営者だったことがありますが、どこまでこういう考えを持っていただろうかと思うと耳が痛いですね。上手くいかないと、つい他人のせいにしてしまうことが多々ありました。
「意志はいつだって自由に変えていいし、本来そういうものなんです。
一瞬で形を変える雲みたく、ふわふわで軽やかなのが意志なの。わかるかい?
この、本来の意味を取り違えているから、意志って聞くだけでみんなガチガチなものを想像しちゃうけど、意志は別に貫き通すようなものじゃないよ。
その視点で言えば、愛が大きくなるのに比例して、意志はますます軽やかになるだろうね。
なぜなら、自分にもほかの人にも自由をゆるすのが愛だから。」(p.117)
意志は強いのが良いとか、固いのが良いと思われがちですが、一人さんはそうではないと言います。それは、過去の自分の決断にさえとらわれないという自由こそが、愛だからなのですね。
「神との対話」でも、愛は自由だと言っています。今ここに生きるなら、その時の意志を尊重することが自由であり、愛なのです。
「こういう大事な決断は、自分の気持ち以外のことで判断してはいけないんだよ。
まわりの目や常識を気にして自分の気持ちを押し殺してしまうと、ことあるごとに「あのとき貸したお金があればなぁ」って悔しさがよみがえってきたりして、結局後悔するの。
つまり、あなたからずっと負の波動が出続ける。」(p.119)
大事な人からお金を貸してと言われた時、常識や世間体など、他人の価値観で判断してはいけないのです。今の自分にできないことなら、「できない」とはっきりと断ることですね。それもまた愛なのです。
「愛があるから会社も成功するし、人生もうまくいく。
そんな背景から考えると、一人さん流のキャリアは「愛のキャリア」ってことになるんだろうね。
じゃあ愛のキャリアとはなんですかって、簡単に言うと「気づき」だよね。
魂が成長するような気づきを重ねることで、愛のキャリアも積み上がる。」(p.123)
経験を重ねることで気づきが得られます。その気づきによって、より愛に近づいていける。これが愛のキャリアであり、愛のキャリアを積めば、すべてが上手くいくようになると一人さんは言うのです。
「最近、一人さんは「ふわふわ」という言葉をみんなにお伝えしているんです(※)。
簡単に説明すると、この言葉を声に出してつぶやいたり、心のなかで唱えたりすると、言霊(言葉に宿るエネルギー)の力で心が軽くなって愛が膨らむよ。神様から応援してもらえるよってことなんだけど。
なぜ唱えるだけでそんな不思議なことが起きるのかというと、「ふわふわ」という言葉が時代を象徴しているからです。「ふわふわ」はこれからの世の中を表す言葉だし、いまの時代に必要なムードを意味するからこそ、ものすごく大きなエネルギーがのっているんだよね。
だから実際にやってみてもらえるとわかるけど、ただ「ふわふわ」って言うだけなのに心が軽くなる。いいことがいっぱい起きるんだよね。」(p.134−135)
物事を深刻に考えたからと言って上手くいくわけではない。むしろ軽く考えて、解決手段を委ねてしまった方が良いアイデアが浮かんだりして上手くいく。そのために「ふわふわ」と唱えるといいよとのことです。
これが本当かどうかは何とも言えません。おそらく一人さんにも説明できないのでしょう。けれども、やってみて損することでもないので、思いついた時は「ふわふわ」と言ってみてはどうですかね。
「たとえば、自分や大切な人に深刻な病気が発覚したとするでしょ?
そのときに、慌てふためいて「どうしよう、どうしよう」ってパニックに陥るのと、「大丈夫、大丈夫。どうせうまくいくから」って明るく考えるのとでは、その後の病状って絶対に違ってくると思うんです。
心をふわふわに軽くして、うまくいくから大丈夫、なんとかなるって思っていると、不思議だけど、ほんとうに現実もそうなる。」(p.137)
「波動の法則から言えば、暗い波動を出せば暗い現実になるのは自然の流れだし、明るい波動を出せば、いつも明るい現実が引き寄せられる。ごくごく当たり前のことなんだよね。」(p.142)
「引き寄せの法則」的には、まさにそういうことですね。ただ、それでも上手くいかないこともある。そういう結果も受け入れる覚悟が大事だと、私は思っています。
その覚悟がなければ、テクニックとしてこういう「引き寄せの法則」を使おうとするので、動機が不安(恐れ)のままだからです。執着心が残っているので、結果は上手くいったりいかなかったり、ということになるかと思います。
「ふわふわ」という言霊の使い方として、一人さんは面白い使い方を1つ示していました。これ、最幸です!
「たとえば、ものすごく腹の立つことがあるとするじゃない。誰かにムカついたり、イラッとしたり、そういうときにはこう言えばいい。
「バカヤロー! ふわふわ〜♪」
「クソジジィ、いい加減にしろ! ふわふわ〜♪」
こんなふうに、怒りの反射でつい荒っぽい言葉を使っちゃったときなんかは、お尻に「ふわふわ〜♪」って添えるの(笑)。」(p.144−145)
これは面白いですね。私もさっそく使ってみようと思います。
「だから一人さんは、どんなピンチに陥っても笑い飛ばしたし、あらゆる問題を笑ってる間に解決してきたの。大したことないと思っていれば、ほんとうに大したことない状況になるんだよね。」(p.147)
現実を深刻に捉えないだけでなく、その状況を笑い飛ばすことですね。人生は楽しむことです。何があろうとも。
「というか、そもそもこの地球上では、いくら自分の過去世を知りたくても、それを知る確実な術(すべ)はないでしょ?
つまり「地球では、不思議なことを詳細に知る必要はない」というのが神様の意向なんだよね。肉体を持って生きているあいだは、そういうのを知らないほうがいいから、よくわからないようにしてあるんじゃないかな。
不思議なことは、魂があの世に帰ればぜんぶわかるだろうし、それでいい。私はそう思っています。」(p.177)
私も同感ですね。スピリチュアルなことを完全に理解しようとする必要はないと思います。だって、わからないように生まれてきているのですから。
今、わかることをわかって、それで生きていけばいい。こういう考え方は、とっても共感しますね。
一人さんの本はどれも、とても読みやすいです。なのでサクサクと読めてしまいます。
それでいて内容が非常に濃い。引用部分もたくさんになりました。
ただ、一人さんの基本的な考え方がわかれば、どれか1冊でもしっかり読み込むことで、多くのものが得られるかと思います。
本書では、「私は私」の意味と「わくわく」という言霊の情報だけでも十分かなと思います。ぜひそのエッセンスを知って、あとは実践していただければと思います。
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