2021年12月17日
マンガでわかる 鏡の法則
あの「鏡の法則」がマンガ化されました。
かつて「鏡の法則」をネットで公開したら、読んだ人の9割が涙したことが判明。そこで出版されたのですが、著者の野口嘉則(のぐち・よしのり)さんは、頑なに無料公開を主張されたとか。なので、「鏡の法則」の内容そのものは、今でも無料で見ることができます。
ただ、それによって不明な点も明らかになり、さらに付け加えてできたのが「完全版 鏡の法則」です。
この本は、その「完全版 鏡の法則」を脚色してマンガ化することで、より面白く読めてわかりやすくするものだと思いました。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「「必然の法則」というのがありましてね。」(p.42)
「人生で起きるどんな問題も
何か大切なことを気づかせてくれるために起きるんです
偶然起きるのではなくて 起こるべくして必然的に起こるんです」(p.43)
私も常々こういうことを言っています。人生で起こることはすべて必然で無駄がなく、完璧なのだと。そういう視点に立つことが大事なのではないかと思います。
「自分が不完全な人間であるように
父も不完全で不器用な人間であることを理解すること
父の言動の裏にある愛情に気づくこと
してもらっていることに感謝すること
感謝の気持ちを言葉にして伝えること
これって…夫に対してするべき考え方だ!
私はいつしか彼に対して感謝することを忘れていた!」(p.50)
主人公の秋山栄子のセリフを引用しましたが、こういうことなんだなぁと思います。
自分が不完全だと思うなら、他人の不完全さを許したらいいのです。単に自分とは質が異なっているだけなのですから。
そして、親に対して許せない感情が抑圧されていると、それを解消するための現実が引き寄せられるのですね。
「この法則は、仏教の因果応報という考え方をはじめ、世界の伝統的な宗教や東洋哲学の教えの中にも見られます。
そして、人生において困難な問題に直面したときに、この法則の観点から考えることで、その問題に対処するためのヒントを得られることがしばしばあるのです。
つまり私たちは、自らの人生に起きていることを見ることによって、自分の心のありようを推察することができ、それによって、自らを変えるためのヒントを探っていけるわけです。」(p.62)
「「原因」と「結果」の法則」で言われるように、私たちの思考が原因であり、この世の現実は結果であるという考え方があります。「引き寄せの法則」もそれと同様ですね。
そういう法則があるとすれば、この世は自分の思考の鏡像だと言えるのです。そうであれば、その鏡像を見て正すべきは原因である自分の思考だ、ということになるのではないでしょうか。
「「ゆるす」というのは、相手の行為をよしとすることでもなければ、大目に見ることでもありません。また、「相手が悪い」と思いながら、我慢することでもありません。
「ゆるす」とは、過去の出来事へのとらわれを手放し、相手を責めることをやめ、今この瞬間のやすらぎを選択することです。」(p.69)
この「ゆるす」という定義を読んで、ジャンポルスキー氏の「愛とは、怖れを手ばなすこと」に書かれていた文を思い出しました。それを紹介しましょう。
「ゆるしは上に立って行うことでもなければ、自分が気に入らない相手の行動を我慢したり、大目に見たりすることでもありません。ゆるしとは、相手が自分を傷つけたという誤った解釈を正すことです。」(「愛とは、怖れを手ばなすこと」 p77)
つまり、自分の解釈(見方)次第でどうにでもなるということです。だからこそ、自分の見方が自分のために役立っていなかったと認めて、考え方を変えることが「ゆるす」ということなのです。
「あなたが誰かのことをゆるそうとするときに、ゆるす前にやっていただきたいことが二つあります。
一つ目は、相手の言動によってあなたが振り回されたり傷ついたりする状況が、今も続いている場合です。そのような状況が続いているならば、まずは現実的な対策を講じて、あなた自身をしっかり守ってください。」(p.70)
まずはその状況から逃げ出す、ということも含めて、状況を変えるということですね。相手との境界線を引いて、自分自身を守ることです。今の状況が続くことで耐えられない苦痛があるなら、逃げることですよ。
いじめを受けている時もそうです。耐えられないなら、学校や会社へ通うということをやめるという選択肢があることを、ぜひ知っておいてほしいです。
「ゆるす前にやっていただきたいことの二つ目は、感情を吐き出すことです。相手に対する怒りやうらみ、あるいは、相手との関係の中で自分の中に生じた悲しみや苦しみなどを、外に吐き出す必要があります。」(p.72)
感情を抑圧することが問題だということは、お勧めしている「神との対話」でも言っています。
ただ、感情を吐き出すと言っても、相手に怒りをぶつけることではありませんよ。自分の外に出して、つまりはしっかりとその感情を味わって、受け入れることです。
「また、親が子どもに、「あなたの人生なのだから、あなたが自由に決めたらいいのよ。私は干渉しないよ」と言葉ではいっておきながら、親にとって受け入れられない選択を子どもがしたときは、ため息をついたり、悲しい表情になったり、不機嫌になったりして、間接的に子どもに干渉し、子どもを意のままにコントロールするケースもあります。」(p.130)
これは実際によくあります。話してみると、自分はわかっているかのように言うのですが、行動がまったく伴わないケースですね。
そういう人は、実際はよくわかっていないのです。だから「知行合一」になっていないのです。
「つまり、子どもの反抗期というのは、子どもが自立していくために通る関門であるとともに、親が子離れをして自立していくために通る関門でもあるのです。」(p.132)
最近は「親離れ」だけでなく「子離れ」という言葉も、ふつうに使われるようになりました。子どもに依存してしまう親の問題は、以前からずっとあったのです。
「まず一つ目のこと、つまり、親との間にどうやって境界線を引けばよいかについてお話ししましょう。
今も親から干渉されることが多いようなら、まず物理的に距離を取るのが有効です。」(p.136)
同居しているなら、まずは別居することです。一人暮らしを始めることです。逃げることです。それが境界線を引くということですね。
「そこで、親に対して「ノー」ということが必要になってきます。「いろいろ心配されるのは負担だからやめてほしい」「ほうっておいてほしい」「私の人生に干渉しないでほしい」といったメッセージをはっきりと」伝える必要があるのです。」(p.137)
「それと同時に、何かの選択をするときに、親の期待に応えようとするのをやめ、自分の気持ちをできるだけ優先して選択するようにします。
親が望んでいないことであっても、自分がしたいことがあるのなら、それを選ぶことにトライしてみるのです。」(p.137)
子どもの反抗期というのは、親の期待(望み)よりも自分を優先するための通過儀礼なのかもしれませんね。
「罪悪感を抱えつつ親の期待を裏切っていく覚悟、罪悪感を味わいながらも親をがっかりさせていく覚悟が必要なのです。」(p.139)
「お話ししたように、親に対する怒りを抑圧していると、その怒りが自分に向かうようになり、自責の念や自己嫌悪に悩まされるようになってしまいがちです。」(p.141)
アドラー心理学の解説本で、「嫌われる勇気」という本がありますが、まさにそういうことですね。
たとえ嫌われるとしても、それを受け入れることです。そこに踏み出す「勇気」が必要です。
アドラーは「課題の分離」と言っていますが、相手の課題にむやみに立ち入らないこと、自分は自分の課題を優先的に考えることが、何よりも大切なのです。
先に引用したように、野口さんは、まずは境界線を引くこと、次に感情を外に出すことが大切だと言います。
「この二つの作業に取り組むことによって初めて、親を心からゆるすことができます。親の呪縛から解放されることによって初めて、親に心から感謝することができます。親と適度な距離を取ることによって初めて、無理のない、幸せな親子関係を築いていけるのです。」(p.143)
人間関係において大切なのは、どんなに親しい関係であっても、自分という枠を守ることなのでしょうね。それがあって初めて、他人を受け入れる、つまり「ゆるす」ということができるのです。
「もしもあなたが、誰かに対して「どうしてもゆるせない」という思いを強く持っているなら、その人に対して「ゆるすための8つのステップ」に取り組もうとは思えないかもしれません。あるいは、取り組み始めたもののステップ3以降に進めない、といったケースもあると思います。
そんなとき、ゆるすことができない自分を責めないでください。自分が深く傷ついていることを理解し、ゆるせない自分をゆるしてください。」(p.153-154)
野口さんが、他人をゆるすための8つのステップというものを紹介しています。しかし、そのゆるしのステップに進めないという感情が自分の中にあるなら、それを受け入れることが大切だと言うのですね。
ただ、そうやってゆるせる気持ちになって、相手にその思いを伝えた時、相手がそれを受けとめてくれないこともあります。
せっかく感謝の気持ちを伝えたのに、受け入れてもらえない。そういうことはよくあります。そういう時のために、知っておくべきことがあります。
「感謝の言葉や謝る言葉を伝えるときは、見返りを期待せず、相手に伝えることだけを目的にすることをおすすめします。相手が受け取ってくれようとくれまいと、伝えることができたらそれでOKとするのです。
もしも拒否されたなら、それは、相手がそれだけ傷ついているということです。それは相手の弱さなのです。あなたが責任を感じる必要も、あなたが巻き込まれる必要もありません。」(p.156)
これもまさに「課題の分離」ですね。そして、「神との対話」でも言うように、結果に執着せずに、行為に情熱を燃やすということです。
「人生で起こるどんな問題も、何か大切なことを気づかせてくれるために起こります。そして、あなたに解決できない問題はけっして起きません。
あなたの人生に起きる問題は、あなたに解決する力があり、そしてその解決を通してより幸せな人生を築いていけるから起こるのです。」(p.157)
これが、野口さんがもっとも伝えたかったことだと言います。だから、安心していていいのです。すべてのことは必然で無駄がなく、最善で完璧なのです。
改めてこの「鏡の法則」は素晴らしいなぁと思いました。
すでに多くの方に読まれていますが、さらに多くの方に、もっともっと多くの方に、ぜひ読んでいただきたいと思うのです。
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