2021年10月31日

ようこそ感動指定席へ!



これも日本講演新聞(旧「みやざき中央新聞」)で紹介されていた本です。
「日本一心を揺るがす新聞の社説」という本の広告に興味を抱いて読んだのが、「みやちゅう」との出会いでした。それからWEB版に変更し、ずっと読み続けています。

今回読んだ本も、中日新聞のコラムを集めたもの。その内容は、「みやちゅう」と同様に暗い世相を伝えるものではなく、ちょっとほろりとするような日常的な出来事を、読者からの投稿をもとに伝えています。コラムの執筆者は志賀内康弘(しがない・やすひろ)さんです。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

本書は、中日新聞の愛知県内版(169万部発行)で連載中のコラム「ほろほろ通信」のベストセレクションです。勝手な想像ですが、ご家族や職場を含めると500万人位の方に読んでいただいているかもしれません。2006年4月にスタートし、現在までに掲載された約310編の中から、99編を選び出しました。
 「ほろほろ」とは、花びらや葉っぱ、そして涙が静かに零れ落ちる様のこと。心がポカポカして、ときには胸が熱くなる「ちょっといい話」のコーナーです。
」(p.3)

このコラムの連載が始まるとき、編集者さんから二つの点を依頼されました。一つは「投稿者が主役で基本的に実名」であること。いま一つは、「物語性を重視し教訓話にしない」ことです。」(p.4)

そのため、すべてが実名入りの「実話」です。「事実は小説より奇なり」と言います。実話だからこそ、心の奥底にジーンと沁みます。」(p.4)

このようにコラムのことを紹介されています。「ほろほろ」という言葉は、花や葉が散る様にも用いる言葉なのですね。どことなく切なくも感じますが、「ほろり」というのはちょっとした感動に涙がこぼれそうになる感じ。そういうニュアンスが伝わってきます。


7年間の連載を通じて「感動・いい話の法則」を見つけました。それは、「○○なのに○○だ」という意外性です。分かりやすい例で言うと、「小柄なのに大リーガー」。そう、イチローのことですね。」(p.5)

そしてもう一つの法則。それは、「ピンチに天使の登場」です。」(p.5)

ヤンキーな兄ちゃんが優しい行動をとったとか、想定外の大変なことが起こった時に、ふと出会った人に助けられた、というようなことですね。まさにこの本は、そういう話がいっぱい載っていました。


p.30には「拍手で迎えられて」という話がありました。
バス旅行で土産物屋へ行ってバスへ戻った時、買った物が入った袋を忘れてしまったことに気づきます。外に出て立ち寄ったところを探してみるも見つからない。悲観してバスに戻ると、1人の乗客がトイレの扉の内側のフックに似たような袋があったと教えてくれます。

急いで行ってみると、たしかにありました。しかし、バスの乗客には長い時間待たせて、大変な迷惑をかけてしまった。大ひんしゅくを買ったと思い、文句の1つも覚悟してバスに戻ったら、みんなから「良かったね」と拍手で迎えられた、という話です。

まさに「ピンチに天使」ですね。そして、「怒られても当然なのに、一緒に喜んでくれた」という意外性。こういう体験をすると、人っていいものだなと思うし、自分も同じようなことがあったらイライラせずに優しい気持ちでいようと思いますね。


p.86には「内定取り消しを巡って」という話があります。
工業高校の男子生徒が、リーマンショックに始まる不況で内定取り消しになったそうです。もうすでに他の企業の採用は終わっており、途方に暮れてしまったのだと。

その時、担任の先生や校長先生が奔走してくれて、企業に再考を頼み込んで、内定を復活させてもらえたそうです。彼は皆勤賞の真面目な子で、きっと御社の役に立つ人材だからと口説いて。

しかし入社後、景気が回復せずに自宅待機が続いたそうです。給料は少なく、転職の話もあったとか。しかし、その会社に残ると言って、頑として転職話に乗らなかったのです。

自分が大変な時に救ってくれた会社を裏切りたくない。たとえ損をしても、そういう生き方こそが自分らしい生き方だから。
そういう思いが伝わってくるような話で、私もほろりとしてしまいました。


p.122には「ニコニコになあれ」という話がありました。
2歳の娘さんの子育てに忙しい高校の養護教員の女性。遊びながらゆっくりと朝食を食べる娘さんに、ついイライラしてしまうことがありました。

そんなある朝、娘さんを急がせて車に乗せて保育園へ行こうとした時、娘さんから呼びかけられたそうです。

「何?」と聞くと、「お母ちゃん、ニコニコしてよ」と言う。さらに人さし指をクルクル回して「ニコニコになあれ、お母ちゃん」と。保育園で覚えたのか、まるで魔法の呪文(じゅもん)のように唱えた。
 忙しくて、心がささくれ立っていた。そのことを幼いながら感じ取っていたのだと思うと、申し訳なくて泣けてきてしまった。「ごめんね、お母ちゃんプンプンして」と言うと、もっと泣けてきた。さらに「お母ちゃん泣いちゃだめ、ニコニコになあれ」と言う。
」(p.122-123)

大事なのは、何かを思い通りにこなすことではなく、ただ幸せであることだけなのに。ついつい忘れてしまいがちなんですよね。


そんなに大げさに感動するような話はありません。本当にちょっとほろっとするような話ばかり。でも、だからこそ気楽に読めるし、ちょっと考えさせられるのかもしれませんね。

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posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 12:35 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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