2021年10月26日

血管が詰まらない、切れない100のコツ



老人介護施設で働いており、最近は老人介護、看取り、認知症などに関心があって、そういう本でピンとくるものを読んでいます。
この本は、そういう中で見つけたものですが、私が読みたいというより、施設の利用者様が読みたいかなぁと思って買ったものです。

案の定、想定したように通り一遍の内容でした。
50人くらいの専門家の方が、それぞれ「これが役立ちそうだよ」というものを紹介しているだけで、全体的に統一感があるものではありません。
実際のところ、たとえば塩が高血圧につながると言う人もいれば、逆に塩の取り過ぎは無関係と言う人もいて、ある意味で支離滅裂です。
与えられたページ数も限られているようで、「これがいい」「これが役立つ」の根拠も薄弱だし、何も示していないものも多々あります。

そういう本なので、積極的にお勧めするつもりはまったくありません。ですが読んでみて、いろいろ感じる部分はあったので、そのことを記録に残しておきたいと思います。編集は主婦の友社です。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

血管が詰まったり、切れたりすることは、脳卒中や心筋梗塞などの重大な発作を起こすだけでなく、さまざまな病気や症状につながることがあります。
 日本人の死亡理由の上位に挙げられる血管のトラブルは、文字通り血管の障害によって起こります。大きく分けると、血管が詰まる「梗塞」と、血管が破れる「出血」、また、脳の場合では血管が破れることで脳と頭蓋骨の間にある水(髄液)に出血する「くも膜下出血」があります。
」(p.10)

脳細胞は身体の中で最もたくさんの酸素とブドウ糖を消費しますが、これらを蓄えることができません。詰まったり破れたりした血管の先に血液が送られなくなると、とたんに酸素やブドウ糖が不足して、脳の神経細胞が傷つけられてしまいます。すると、身体のマヒや、言語・視覚障害などの症状がもたらされたり、最悪の場合は死に至る場合もあるのです。また寝たきりやボケなどの原因にもなります。
 血管が詰まる、破れるなどの問題は、老化やストレス、悪い生活習慣などによって血管が傷むことに起因しています。
」(p.10-11)

このように、血管が詰まったり破れたりすることが、私たちの健康にとって大きな問題につながるということです。そしてその原因は、老化や生活習慣、そしてストレスだということですね。
このような前提をもとに、ではどうすればこういう問題を起こさなくて済むようになるのか、というのがこの本のテーマになります。


ペンや箸をぽろりと落とす、ろれつが回らなくなる、思うように話せない、手足や顔面にしびれがある、ものが二重に見える、片側の目が見えにくい、視野の一部が欠ける、食べ物が飲み込みにくい、などの症状に思い当たる節があれば、脳梗塞の前ぶれである「一過性脳虚血発作」が疑われます。繰り返し起こるようであれば、大きな発作の可能性も高くなります。即刻、大きな病院で検査を受けてください。」(p.13)

これも最近はよく知られるようになりましたね。上記のような変調が続くようなら、受診してみると良いかもしれません。
ただし、だからと言ってこれだけで脳梗塞とは言い切れません。実際のところ私は、ろれつが回らないということが続くために大学病院などでCTやMRTの検査を受けましたが、まったく正常でした。つまり原因不明ということです。
ストレスではないかと言われましたが、逆にストレスから解放されたところでしたので、医師のなんでもストレス説にはうんざりしたものでした。


高齢者の場合、これらの発作が多発するのは冬場ですが、働き盛りの中高年では身のまわりの環境が変化しやすい4月に多く発症します。ところが、曜日や時間帯を見ると、土曜日や日曜日、あるいは深夜0時〜3時に多発しています。不思議なことに、勤務中ではなく、休日や深夜に倒れたり亡くなったりしているのです。
 つまり、病気の背景にはストレスがあり、発作のきっかけはリラックスにあると考えられます。
」(p.19)

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、心筋梗塞などが起こるタイミングには、上記のような特性があるのですね。
ストレスが原因と言われますが、ストレスが溜まった後のふっと気を抜いたタイミングで、上記のような発作が起こりやすいというのです。

そうだとすれば、私がストレスから解放されたタイミングでろれつが回らなくなったというのは、あり得ることかもしれません。
けれども、そういうことを大学病院の医師は何も説明しなかったし、最新鋭の機器で検査しても異常は見つかりませんでしたよ。そういうことがあった、ということは述べておきたいかと思います。


健康な人ならば、食事によって血糖値が上昇しても、一定のラインを超えることはありません。しかし、糖尿病にかかると、高い値が続いたままになり、血管や臓器が糖によって傷つけられてしまいます。これが、糖尿病の三大合併症といわれる、神経の病気、目の病気、腎臓の病気をはじめ、さまざまな病気の原因につながります。」(p.47)

高血糖が続くと、どうして合併症などの問題が起こるのか? 実はまだ正確にはわかっていません。
増え過ぎたブドウ糖は血管の壁にある内皮細胞に入り込み、活性酸素が発生させ、血管を傷つけてしまうと考えられているようです。あるいは、細胞内のたんぱく質に結合して細胞が変質し、正常な機能を保てなくなる。つまり血管の細胞が傷つくことで、その部位の正常な機能が損なわれる、ということが考えられています。

このようなことがググればわかるのですが、この本にはそこまでの詳細な説明はありませんでした。


糖尿病、肥満、高血圧、脂質異常症などの病気は総じて「生活習慣病」と呼ばれています。生活習慣の管理を怠ることで発症しやすいこれらの病気は、「ひとつの病気」と捉えることもできます。肥満から高血糖、脂質異常症になるというように、連鎖して引き起こされることも多いからです。」(p.50)

メタボリックシンドロームと呼ばれるように、要は肥満が諸悪の根源なのだと思います。
しかし、「肥満」「高血圧」を「病気」と説明するのは、いささか乱暴かと思いますね。


じつは、高血圧の明確な原因はほとんどわかっていません。この原因不明の高血圧は「本態性高血圧」といって、3000万人以上いる高血圧症患者の95%を占めています。」(p.55)

つまり、ほぼほぼ原因不明だということです。にも関わらず、高血圧の原因は塩の摂り過ぎだという決めつけだけはするのですね。

高血圧が慢性的に続くと、血管は次第に弾力性を失って硬くなり、ボロボロになったホースのようにもろくなります。すると、ちょっとしたことで詰まってしまったり、破裂しやすくなったりするのです。そこに繰り返し高い圧力がかかれば、最悪の場合、脳梗塞や心筋梗塞などの命を左右する病気が引き起こされます。」(p.56)

何となく納得してしまいそうなのですが、因果関係が明らかではありません。
高血圧だから血管が弾力性を失うのでしょうか? そのことは証明されているでしょうか?
原因はわからないけど高血圧が続くと血管がボロボロになって梗塞や出血などが起こる。こう説明すると、まずは高血圧を治しましょうということになり、降圧剤の処方が正当化されるわけです。

しかし、本当にそうでしょうか? 少なくとも、この前に紹介した「やっぱり高血圧はほっとくのが一番」によれば、必ずしもそうとは言い切れないとなります。


調べていくうちに、人によって脂肪蓄積の分布には差があることや、CTスキャンを用いた検査法で内臓脂肪の状態を知ることができることを突き止めました。そして、世界で初めて、学会で内蔵肥満に関する発表を行いました。さらなる研究で、内蔵肥満になると糖尿病や脂質異常症、高血圧をはじめとする生活習慣病にかかりやすくなるということもわかりました。」(p.59)

同じ肥満であっても、皮下脂肪が多い肥満と内臓脂肪による肥満では、健康に与える影響が違うということですね。
ただこれも、因果関係なのか単に相関関係なのかははっきりしていません。いずれにせよ、肥満、つまりメタボを解消することが重要だと言えるでしょう。


青い部分はカリウムとカルシウムが豊富で、カリウムには血圧を上げる原因であるナトリウムを排出する働きがあり、高血圧の予防、改善にパワーを発揮します。利尿効果も高く、筋肉のエネルギー代謝を高めるため、血糖値が気になる人にも有効です。カルシウムが骨粗鬆症の改善にもつながるほか、βーカロテンとビタミンAには、視力低下や爪・髪の傷み、抜け毛などの予防が期待されます。」(p.98)

これはネギに関する記述ですが、食べ物によって病気の予防につながるという代表的な記述を1つ取り上げてみました。
読んでわかるように、どれほど効果があるのかという科学的な根拠はまったく示されていません。試験管内でこういう効果があったということは事実でしょうけど、それが人体においてどれほど病気の予防に役立つのか、科学的な根拠はどこにもないのです。
ですから最後に「改善にパワーを発揮します」「有効です」、挙げ句は「期待されます」とごまかしてますよね。


脳の血管にとって大切なのはコレステロールです。コレステロールが不足すると、血管の壁が薄く弱くなり、脳卒中や脳梗塞を起こす可能性がぐんとアップするのです。ところが、コレステロール値が正常値を少しでも超えると「卵や肉を控えなさい」と指導されます。実際、心臓の血管である冠動脈に悪玉コレステロールが沈着すると動脈硬化を起こすのですが、日本での心筋梗塞発生率はアメリカの1/3〜1/4程度。それよりは同じ血管の病気でも、日本に多い脳梗塞を心配するべきなのです。」(p.116)

このように、コレステロールが高いことより低いことの方が問題だという指摘もあります。
医師や研究者によって見解に違いがあるということは、それだけまだはっきりしていないということの証左ですね。


アメリカでの約20万人を対象とした健康調査でも、塩分摂取量の多い人ほど心臓病や脳卒中などによる死亡率が低くなることが明らかになっています。加えて、グルジア共和国のコーカサス地方では100歳以上の長寿者たちの塩分摂取量はかなりのものですが、みな元気で健康です。当地の長寿学研究所のダラキシビリ教授は「塩は体を温め、気力・体力を増し、健康を保つうえで一番大切なものである」といいます。また「塩は体にたまると確かに生活習慣病の原因になる。しかし、労働や運動で発汗して排出すれば何ら問題はない」ともいっています。
 つまり、「塩を多くとる=高血圧・脳卒中の原因」ではなく、「塩を体にためる=高血圧・脳卒中の原因」となるのです。
」(p.120-121)

これは、これまでにも本を紹介している石原結實氏の記述ですね。一言で塩分量と言っても、食べる量だけを考えても意味がありません。必要だからこそ食べるべきなのですから。
では、どのくらいだと食べ過ぎなのか? 私はやはり、身体の声に耳を傾けるべきだと思うのです。


やせると血圧やコレステロール、血糖値が下がり、メタボリックシンドロームを回避できることは、皆さんご承知の通りです。ところが、いざダイエットを始めても、「続かない」「リバウンドした」など、やせられない人は少なくありません。
 そこで、実際にわたしが3ヶ月で73kgから64kgにまでやせた「ボールペン1本ダイエット」を紹介します。やり方は、1本のボールペンとメモ帳、体重計を用意して、毎日の体重を量ってグラフ化するだけ。自分の現状を見つめ直すことができ、ダイエットできるという仕組みです。
」(p.162)

これは「測るだけダイエット」とか「記録するだけダイエット」と呼ばれるダイエット方法ですね。私も試したことがあります。
1本のボールペンかどうかは意味がないので、「ボールペン1本ダイエット」という名前はあまり賛同できませんがね。

まあこれも1つのやり方だと思います。それよりも「やっぱり高血圧はほっとくのが一番」にもあったように、「食べない」ということが確実で核心をついているかと思います。


ということで、今の私からすると、それほど役立つ内容ではなかったのですが、記録としてブログ記事に残しておこうと思います。

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posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 21:45 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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