2021年10月11日

認知症にならない29の習慣



鎌田實(かまた・みのる)さんのご著書は、すでに何冊か紹介していましたが、縁あって鎌田さんが住んでおられる長野県茅野市の住人になったこともあり、何冊か鎌田さんの本を買ってみました。その中の1冊です。

最近は、看取りとか認知症について関心があります。なので、鎌田さんが実践しているという認知症対策に興味があったのです。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

僕が信州に赴任したのは40年前。当時の長野県は脳卒中が多く、不健康な地域でした。脳卒中は病院で命を助けても、まひや認知症などの後遺症が残ります。地域に戻った患者さんの家では、介護地獄が待っていました。」(p.2)

食事や運動などの生活習慣について知ってもらい、生活パターンを変えてもらいました。その結果、長野県は平均寿命日本一の長寿県になりました。
 そうやって培ってきた健康づくりのノウハウは、認知症予防にも共通するものが多くあります。
」(p.2)

長野県の寿命だけでなく健康寿命が長くなったのは、鎌田さんたちの活動によるものが大きいと言われていますね。そのノウハウを、この本で紹介するということです。


老化をすすめるものとして「慢性炎症」と「フレイル」(虚弱)が注目されています。この2つの予防は、老化にともなって増える高血圧や糖尿病、動脈硬化、脳卒中、がん、うつ病などを防ぎ、要介護状態にならないようにするのと同時に、認知症の予防にもつながります。」(p.3)

運動が認知症予防に効果的というデータは世界中のさまざまな論文で発表されています。特に、ウォーキングのような有酸素運動と、スクワットのような筋肉を刺激する運動の組み合わせは、認知機能の向上に効果があるとされています。」(p.4)

老化をすすめる慢性炎症を抑えるには、野菜をたっぷりとることが大事です。野菜の色素には抗酸化力があり、慢性炎症を抑えてくれます。また、魚にはDHAやEPAといった脳の血流を高めるオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。筋肉の材料となるタンパク質も豊富で、フレイルを防ぎます。」(p.4)

認知症の予防は大切ですが、認知症の予防のために生きているわけではありません。健康にいいからといって、つらいことをイヤイヤ続けるのは苦行です。
 脳は、好きなことや楽しいことをすると、前向きになり活性化します。特に、人と楽しみを分かち合ったり、社会とかかわって自分の能力を発揮するという喜びは、人生の原動力になります。楽しむことは、認知症予防には大切なポイントです。
」(p.5)

以上がこの本で示される予防方法の本質ではないかと思います。運動、食事、考え方ですね。
特に最期の脳の活性化に関する考え方は重要かと思います。運動も食事も、イヤイヤやっててはダメなんですよ、ということですからね。


彼は、大学病院で、認知症かどうかを調べる4つの検査を受け、軽度認知障害と診断されました。その後、認知症デイケアに通い、認知力アップトレーニングや絵画療法、楽器の演奏、筋トレなどに取り組みました。結果、3年ほどで健常な認知機能になり、軽度認知障害から回復することができたのです。」(p.15)

つまり、早期発見することで認知症予備軍が認知症にならずに済む、ということのようです。

しかし、これは一例ですし、この対策が本当に効果があったのか、放っておけば認知症になったのかなど、実際のところはわからないと思います。
この本全体を通じて感じたことですが、よく「これによって認知症の発症率が○%下がった」という研究結果を紹介されるのですが、私は疑問に感じます。
なぜなら、たしかにそういう研究はあるのでしょうが、脳卒中などによる脳機能障害以外では認知症の原因は不明だからです。何かによって何十%も違いがあるなら、それが原因だと断定できるでしょう。でも、そうはなっていないのです。

鎌田さんは、そういうことも理解されておられると思いますが、こういう本でそこの正確性を追求しても売れなくなりますからね。したがって、やや煽るような、断定するような書き方になっているのも仕方ないことだと思います。

ですが、読む方としては注意が必要だと思います。ここに書かれた方法をやれば、認知症にならずに済む、ということではありません。
そこをはっきりさせないと、予防を怠ったから認知症になったのだ、認知症になった人が悪い、という誤解も生じかねませんからね。


糖尿病の人は血糖値が正常な人に比べて約2倍、認知症の発症リスクが高くなります。血糖値が上がると慢性炎症が進むため、認知症のリスクが高くなると考えられているのです。」(p.27)

これも同様ですね。「2倍」という言葉に驚かされますが、仮に正常な人の認知症発症リスクが1%なら、糖尿病の人は2%ということです。こう言われると、大差ないなぁと思いませんか? その傾向がある、とは言えると思いますよ。糖尿病は身体のあちこちで悪影響を与えるものですからね。


肥満も要注意です。中年期に肥満だった人は認知症リスクが高い、と発表したのはスイスのジュネーブ大学の研究です。
 特に、BMI30以上の人は要注意ということがわかりました。
」(p.29)

これも糖尿病と同様ですね。認知症に限らず、肥満が身体の健康に悪影響を与えるという傾向については、以前から言われていることです。肥満が認知症の原因ではありませんし、この記述ではどの程度の影響かもわかりません。


アメリカのヴァンダービルト医学校の研究では、野菜ジュースを週3回以上飲む人は、1回以下の人よりも、アルツハイマー型認知症の発症率が76%も少ないという報告をしています。」(p.38)

これも同様ですね。どんな研究なのかもはっきりしません。もし本当に76%も発症を抑えることができるなら、アルツハイマー型認知症の原因は野菜不足、あるいは野菜ジュース不足だと言えるではありませんか。
野菜ジュースは飲まないけど、野菜を食べている人はどうなのでしょう? 野菜ジュースと言っても、にんじんジュースかもしれないし、トマトジュースかもしれません。その違いは? 1回にどの程度飲んだのでしょう? 100ccですか、200ccですか? フレッシュか濃縮還元かの違いはないの? などなど、ツッコミどころはたくさんありますよ。

ですから、こういうのは単に「傾向があると考えられる」くらいに思っておけばいいと思います。


僕は、卵を一日に約3個食べます。タンパク質が多く、認知機能の維持によいと注目されているコリンが含まれているからです。オススメは鎌田式ウーロン卵。ウーロン茶と少量のめんつゆにゆで卵を漬けるだけです。卵黄コリンは、脳内に吸収されやすいといわれています。」(p.46)

何だか健康オタクっぽい話になってきましたね。でも、よくよく考えてみれば、この本で紹介しているのは鎌田さんが実践しておられる健康法なのです。
健康法というのは、何も認知症対策だけではありません。健康であれば認知症対策も含まれるわけですから、そういう観点から、鎌田さんが「これが良さそうだ」と思われて実践されていることを、ただ紹介しているだけの本なのです。


国立長寿医療研究センターは、腸内環境が認知症に強く関連があるとする論文を発表しています。腸内の細菌状態が脳の炎症を引き起こす可能性があるといいます。
 僕は、腸内細菌の善玉菌を増やすために、発酵したものを毎日食べるようにしています。納豆、みそ、チーズ、ヨーグルト、麹などです。
」(p.60)

これも同様ですね。発酵食品が腸内環境を整えるのに役立つ、ということは言われています。食べて悪いことはないでしょう。健康にも役立つと思います。


ビールに含まれるホップの苦味の成分、イソα酸が、アルツハイマー型認知症を予防するという研究があります。」(p.64)

これも同様ですが、個人的には採用したいですね。(笑)


脳を活性化するには、いつもと違うことをして、マンネリから脱することが大事です。新しいこと、苦手だと思って避けてきたことにも、どんどん挑戦してみましょう。」(p.86)

脳を使うこと、刺激を与えることは、老化防止に役立つと言われています。マンネリは刺激がないということですから、こういうことも大切だろうと思います。


認知症の一般的な症状に、アパシーがあります。何事にも無関心で、無気力になることです。人間は何かをしようという意欲があってはじめて行動するので、意欲そのものが低下すれば、身体活動も減り、脳機能も衰えていきます。認知症の人の約半数に、このアパシーがみられると報告されています。」(p.100)

アパシーに陥らないためにも、日ごろから脳が喜ぶことをやりましょう。脳は楽しいこと、好きなことには集中力が高まり、感動した出来事は記憶に強く残ります。」(p.100)

これもそうなのですが、アパシーだから認知症になるわけではありませんからね。認知症の人の多くがアパシーになっているというだけです。
したがって、アパシーにならないことが認知症予防になる、と言い切れるものではないでしょう。

ただ、心身の健康を保つ上で、先ほどのマンネリ防止と同様に、脳を活性化させてよく使うことを心がけるということは、大切なことではないかと思います。


最近、僕は、ワーキングメモリという短期記憶に問題が出てきたかなと思っています。軽度認知障害(MCI)のもう一つ前段階ぐらいになってきたと思って、もっと積極的に生きようと決め、地域包括ケア研究所をつくり、所長になりました。」(p.111)

ここが面白いと思いました。つまり、これだけの認知症対策を続けてこられた鎌田さんであっても、認知機能が衰えてきているということですからね。

ただこれも、この認知機能の衰えが認知症につながるものかどうかは何とも言えません。因果関係はないのかもしれませんし。
現に、鎌田さんのような対策をほとんどしない人でも、認知症にならずにいる人もいれば、逆に健康に気をつけていた人が認知症になるケースもあります。


読者のなかには、「認知症になったらおしまい」というイメージをもつ人がいるかもしれません。しかし、「認知症=何もできない人」というのは大きな誤りです。
 脳の機能の一部がそこなわれても、できることはたくさんあります。現存能力を生かしながら、自分の「居場所」や「役割」を持ち続けることが、脳にいい刺激を与える。脳を刺激すれば、進行を遅らせ、いい状態を長く保つことができるーー好循環を生み出します。認知症になったからといって、人生をあきらめる必要はないのです。
」(p.114)

僕には佐藤さんの言葉で忘れられない言葉があります。

「認知症になって不便なことは増えたけれど、不幸ではありません」

 本当にその通りだと思います。
」(p.115)

ここまで、認知症をいかに防ぐかという対策を語ってこられた鎌田さんですが、最後に本質的なことを書かれているなと思いました。
要は、認知症を恐れてはいけないのです。不安を動機として認知症対策に汲々となってはダメなのです。これで認知症が防げるかもしれないけど、防げないかもしれない。それはそれでいいじゃないか。認知症になったからと言って、不幸になるわけじゃないんだから、認知症の人生を楽しめばいい。
私はここから、そういう鎌田さんのメッセージを汲み取りました。


たくさんの対策があるので、それらすべて忠実にやろうとすれば無理があるし、おそらくやる気も失せてしまうでしょう。
適当にやるのがいいと思います。何が効果的なのか、まだわからないのです。ですから、自分に合ったものを採用し、これで自分はより健康的に生きられると信じて、実践することだと思います。

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タグ:鎌田實
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 08:37 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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