坂爪圭吾さんがSNSで絶賛されておられたので買ってみました。坂爪さんとはお会いしたことがありますが、著者のムラキテルミさんとはお会いしていません。坂爪さんは親しくされておられるようなので、どんな方なのか興味がありました。
読んでみて思い出したのですが、この本の内容は以前、WEBサイトで見ているように思いました。特徴的な挿絵にも記憶があります。そして、石原結實医師の指示に従って癌を治されたということも思い出しました。
ではさっそく、一部を引用しながら本の内容を紹介しましょう。
「ムラキさんは、純粋無垢、純情一直線の一途な方ですから、熱情のあまりこの「極く少食法で、どんなガンも治せる」というような印象を与える表現が時々出てきます。しかし同様のガンを患っている方がすべて、ムラキテルミ式の食事療法をやれば治る。などとは、医師の立場からは、とても言えません。しかし、ムラキテルミさんが「悪性の肝臓ガンを極く少食で治した」という事実は、厳然として存在します。」(p.7)
冒頭にある石原結實医師の推薦文です。特に余命宣告されたような癌患者や関係者は、藁にもすがる思いで治る方法を探しているものです。それに対して希望を与えることは意味があるとしても、絶対という保証はできないと釘を差しておられます。
「DR.石原「全ての病気の原因は1つ
血液の汚れ‼
血液の汚れの原因は2つ
1.低体温 と
2.食べすぎ です。
ガンは、
血液の浄化装置ですから
怖れることはありません」」(p.31)
石原医師の著書も以前紹介していますが、ガンというものも絶対的な「悪」ではなく、理由があって存在するという考え方ですね。それが、汚れた血液を浄化するために存在するということです。
そうであれば、血液を汚れたままにしておいてガンだけ除去しても無意味です。だから血液をきれいにすることを勧められるのです。
「家族や財産に恵まれて幸福だったヨブは、すべてを失い、重い病気にかかります。信仰も篤いヨブは、「何も悪いことをしていないのに、なぜこんな目に遭うのか」と嘆くのですが、神さまから、「私の与えることに文句を言うのか」と叱られてしまいます。やがて「今までこれだけの幸せをいただいたのだから、神様がご用意くださるなら、不幸も喜んでいただこう」と思えるようになるのです。」(p.88)
クリスチャンだというムラキさんは、聖書のヨブ記の一節を話して、自分も同じような心境だと言います。
病気とか事故とか、そうなってほしくないと思うことがあります。しかし、どんなに生き方を正して健康的な生活を心がけたとしても、そういう状況になってしまうことはあるのです。
そういう時、天を恨んだり、自暴自棄になってしまうこともできますが、ヨブのように受け入れて穏やかに生きるという選択肢もあるのです。
「その当時、日本ではまだハルステッド法(大胸筋とともに癌を切除する方法)が主流でしたが、カナダでは、すでに温存療法が主流になりつつあったそうです。コータック療法もこの温存療法の進化した方法といえます。」(p.112)
ムラキさんが出会った癌サバイバーのお一人、すみれさんが乳がんを克服された事例に書かれています。コータック療法という名前を知らなかったのですが、高知大学医学部など、一部の病院でしか行われていないようです。
癌患者さんが、あちこちの病院で治療法を探し回るという話をよく耳にしますが、現場の医師が知らないことはあり得るとしても、日本ではまだ、治療法や事例に関する情報を一元管理して提供するというシステムが整っていないのでしょうかね。
「食を慎み、体温が上がれば、体内神秘の力が動いて、体が治癒のシナリオも書いて勝手に「病気」を治癒します。「気」の浄化に必要なのは、浄化し易い体内環境だけでした。
「空腹」であること。「体温が高い」こと。この2つだけです。」(p.125)
ムラキさんは、ガンが治った後も好転反応のような症状が次々と襲ったことを書かれています。その最後が、腎臓結石でした。
ムラキさんは癌になる前、腎臓の働きが悪くなっていたのです。ムラキさんの身体は、癌を治して、やっと本丸の腎臓を治す働きができるようになった、ということかと思います。
江戸時代の有名な人相観(観相家)の水野南北が、人相を観ても当たらない人がいて、そういう人は食習慣が違うということに気づいたそうです。そこで「人の運は食にあり」として残したのが次の言葉です。
「腹八分目で医者いらず。腹六分目で老いを忘れる。腹四分目で神に近づく。」
この言葉は、インドのヨガの教義という話もありますが、少食が健康長寿につながるということは、現代科学でも動物実験でわかっていることです。また、動物が病気になった時は食べずにじっとしていることからも、断食が健康に良いとも言われています。
現代の栄養学はカロリー信仰のようなものがありますが、それでは説明できない少食を何年も続けておられる方や、さらに進んで不食の方もおられます。そういうことも考えると、栄養を摂るのが身体のために良いという考え方は、疑ってかかってもいいのではないかと思っています。
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