バリ島の兄貴の関連本になりますが、兄貴邸で2ヶ月間の異文化交流生として過ごされた宮田莉奈(みやた・りな)さんの本を読みました。Kindle版のみになります。
兄貴こと丸尾孝俊さんの本は、これまでにも数多く紹介しています。その兄貴が始めた事業の1つなのですが、異文化交流生ということで、バリ島の兄貴邸で働きながら生活することで、兄貴の教えを学んで成長してもらおうというものです。
兄貴は、日本の未来を創るお母さんに育ってほしいという願いがあり、そういう女性を順次受け入れています。宮田さんは、第88期生になります。
ではさっそく、一部を引用しながら本の内容を紹介しましょう。
「「 幸せ」 とは、 日々、 毎日 自分 で 身 に つけ て かかる もの や。 例えば、 でき なかっ た こと が 出来る よう に なる、 お日様 が 登っ て いる こと とか、 些細 な 事 を 見つけ て かかる こと で、 幸せ に なる。 決して、 誰 かに 与え られる もの では ない。」(Kindle の位置No.89-91)
宮田さんが「幸せ」の定義を尋ねた時の兄貴の答えです。他のものや環境や人から与えられるものではなく、今あるものの中に見つけるのが「幸せ」だと言われています。
宮田さんが「幸せ」の定義を尋ねた時の兄貴の答えです。他のものや環境や人から与えられるものではなく、今あるものの中に見つけるのが「幸せ」だと言われています。
この本は、宮田さんが兄貴と接する中で教わったこと、気づいたことが、端的にまとめられています。
「相手 を 信じ て、 頼り に し たら ええ ん や。」(Kindle の位置No.618-619)
信頼関係を築く方法について尋ねた宮田さんに、兄貴はこの一言を返しています。兄貴は、相手から信頼されるかどうかを問題にしていません。ただ自分が相手を信頼するかどうかだけを問題にしているのです。
もし、相手が自分を裏切ったとすれば、それは自分の尽くし方が足りなかっただけだ、という考え方なのですね。だから、相手に対して恨みを抱くことがありません。
「「あの なぁ。 掃除 って、 ご 主人 が いる とき に し たら あか ん って 知っ て た?」
「ええ! ご 主人 が いる とき に 掃除 し ては いけ ない ん です か!」
「当たり前 や ない か! 平日 共稼ぎ で あっ ても、 早く 戻っ て 掃除 すん ねん。」
これは、宮田さんが女性だから、兄貴はこう言われているのだと思います。つまり、女性の立場からしたら、完全に男性を立てるようにしなければ、アゲマンにはなれないよ、という教えなのです。
「え えー! 奥さん が 掃除 し てる 姿 を 見る と 旦那 さん は、 稼が ない ん です か?」
「はい。 気の毒 だ から、 手伝い ます。 身体 休まり ませ ん。 結果、 仕事 行っ て フラ フラ になり ます。」
「ああ あー。 なるほど ー。 でも、 奥さん も 旦那 も 正社員 なら、 大変 です よね?」
「いや、 でき ます。 旦那 が 風呂 入っ てる 間 に 掃除 出来る やん。」
「そういう こと です ね。 では、 子育て を 一緒 に やる のは どう です か?」
「子育て は お前 が やん ねん。 旦那 が 子育て に 参加 する のは し たい とき だけや。」
「あー、 そう な ん です ね。 では、 旦那 が 可愛い 女の子 と 話し て たら、 焼い たり し ませ ん か?」
「あの なぁ。 それ は お前 だけ です。 焼きもち や 嫉妬 は 未熟 って こと や。」
「一緒 に なっ て、 可愛い ねー 言う ん や。」
「なるほど ー。 では、 共稼ぎ だ から、 何 でも 半分 ずつ やるのは どう です か?」
「無い です。 そんな 嫁 は いり ませ ん。」
「えー! そう な ん です ね。」
「旦那 の 年収 を 伸ばす 奥さん は、 自分 の こと で 倹約 し、 旦那 には 倹約 さ せ ませ ん。 男性 心理 として は、 申し訳 無い として、 一生懸命 頑張り ます。 旦那 に 倹約 さ せると 旦那 は 稼げ ませ ん。」
「では、 小遣い 制 とか が ダメ って こと です か?」
「全然 だめ。 ブー。 クズ。 カス。」」(Kindle の位置No.788-801)
夫婦のあり方について、兄貴と宮田さんのやり取りが面白いので、少し長いですが引用しました。
これは、宮田さんが女性だから、兄貴はこう言われているのだと思います。つまり、女性の立場からしたら、完全に男性を立てるようにしなければ、アゲマンにはなれないよ、という教えなのです。
では、男性からすればどうか? おそらく、奥さんのためにも懸命に仕事をして稼いで、大きな人間になれよ、ということではないかと思うのです。
相手に何かを求めるのではなく、自分が相手のために何ができるかが重要なのです。それは、男と女で立場が違うから、やることが違ってくるかもしれませんが、その思いは同じなのではないかと。
「まず なぁ、 おじいちゃん、 お ばあちゃん に 預けろ と 思う よ。 うち の 孫 見 て み て ー って、 近所 から そこら 回る やろ。 そしたら、 いろんな 人 に 可愛がっ て もらえん ねん。 これ で、 成長 率 バッキバキ や。」(Kindle の位置No.925-927)
子育てで重要なのは老人の活用だと兄貴は言います。これは、私がお勧めする「神との対話」でも言われていることですね。
「今、 公民館 空い てる やろ? そこ に おじいちゃん、 お ばあちゃん 集め て、 子ども の 面倒 を 見 て もらう ねや。 両親 共働き の ところ 多い から、 そういう 子ども 見 て もらう ねん。 家 で 独り 寂しい 思い を し なく て 済む やろ? ほんで、 おじいちゃん、 お ばあちゃん に 日本 の 伝統 や 道徳、 モラル、 マナー、エチケット を 教え て もらう ねや。」(Kindle の位置No.951-954)
私も、老人ホームに保育園を併設して運営するのが、子どもの教育のために良いことではないかと思っています。
「「あの な、 もっと 人 に 会っ た 方 が 良い と 思う よ。 ほんで、 人 と 人 を 繋ぎ まくる ん ねん。 人 を 幸せ に 豊か に し て 笑顔 に し て たら、 落ち込ん でる 暇 無い で。」」(Kindle の位置No.992-994)
落ち込んだり、鬱になったりする人は、自分の殻に閉じこもってしまいがちなのです。だから自分のことは放っておいて、他人のことにかまけるのだと兄貴は言うのです。
鬱から自殺してしまう人も多いですが、自分のことにかまけず他人のことにかまける、他人事を自分事にする、という兄貴の教えを、ぜひ知ってもらいたいなぁと思うのです。
最後に宮田さんは、異文化交流生という体験の素晴らしさを、次のように語っておられます。
「異文化 交流 生 の 素晴らしい ところ は、 良い 教え の 話 を 聞く だけでは なく、 実践 する こと によって 体得 し て いく こと だ と 思い ます。
私 は 人生 の 中 で、 人 に 怒ら れ た こと が あまり あり ませ ん でし た。 しかし、 兄貴 に ダメ な ところ を 徹底的 に ご 指摘 いただける ので、 自覚 でき、 改善 出来る と 思い ます。
兄貴 は、 常に 私 たち の 成長 を 願っ て 接し て ください まし た。 歴史、 文化、 経済 の 事 など、 本 や セミナー では 知る こと が 出来 ない 事 も、 たくさん 教え て いただけ まし た。」((Kindle の位置No.1089-1093)
まさに、理論だけでは不十分で、その実践が伴わなければならないのです。理論と実践は、この幸せ実践塾でも大事にしていることです。実践しなければ、考え方の習慣は変わりませんから。
兄貴の側で暮らして、兄貴の素晴らしさを存分に体験された宮田さんが、わかりやすく兄貴の教えの素晴らしさを語ってくれています。
異文化交流生に興味がある方はもちろん、兄貴の教えをもっとよく知りたい方へも、お勧めの本だと思います。
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