2020年12月10日

学校は行かなくてもいい



これも誰かがSNSで紹介していた本だと思うのですが、気になったので買ってみました。著者は小幡和輝(おばた・かずき)さん。不登校の経験者ですが、自ら事業を立ち上げて活動しておられます。

この本では、不登校経験者の実例を紹介しつつ、無理して学校へ行く必要はないということと、行かないことでどういう問題があるか、またどうすれば上手くやっていけるかなどを伝えておられます。

本のサブタイトルには、「親子で読みたい「正しい不登校のやり方」」とあります。不登校で悩んでいるのは子どもだけでなく、親御さんもまた悩まれるのです。その両方に、この本は朗報になるだろうと思います。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

僕は、自分に人並み外れた行動力があるとは思っていません。その時々で夢中になれるものを見つけることができただけです。それがゲームであり、イベントだったということ。そして、これまでの人生でいくつか選択をしてきた中に、「学校に行かない」という選択肢もあったということです。「人生を変えるきっかけ」の中には、もしかすると「学校へ行かないこと」だって含まれるのかもしれない。良い意味で。」(p.6 - 7)

小幡さんは、小学校2年の途中から不登校になり、10年くらい不登校だったそうです。その後、定時制高校に入り、和歌山大学に入学されたとか。学生をしながらも、イベント好きが高じて始めた事業をされています。それを、特別な行動力のお陰ではなく、たまたま好きなことがあって、それをやってきただけだと言われるのですね。

学歴が重要とか、高校くらいは出ておけとか、大人は大人の勝手な価値観を子どもに押し付けようとします。しかし小幡さんは、そんな価値観に従わなくても、他に道はいくらでもあると言うのです。


不登校になる理由−−いじめ、クラスになじめない、先生が嫌い……。いろいろな理由があると思う。でも、つらかったら行かなくていいというのが僕の意見。
(中略)
その第一歩として、僕は「学校に行かない」という選択肢があったと思っている。そういう選択肢があることを、こうしてみんなに伝えることもできる。
 でも、僕にできるのはここまで。あとはキミ自身で決める必要がある。なんたってキミの人生なんだから。
 我慢して学校に行くという選択肢だって当然ある。でもそのときには、「何のために学校に行くのか、何をするために学校で勉強をするのか」をちゃんと考えてみてほしい。
」(p.66 - 67)

選択肢は学校へ行くことだけではないのです。それをわかった上で、自分で選択することが重要なのですね。


引きこもるときって、まずは安心して引きこもりたい。「学校に行け」とか、「今やっていることは間違っているんだ」とか言われて、焦燥感を覚えるとか、そういう状態になっていると心が弱って安定しないので、学校に行ったところで行けるようにはならないと思うんですね。
 今思えば、ちゃんと引きこもらせてくれたことはすごくありがたかった。
」(p.80)

学校に行くのがつらい時、無理やり行かせようとしても、けっきょくは上手く行かないんですね。親など身近な人が理解してくれて、安心させてくれて、居場所を作ってあげることが大切なのです。


雄介 自分の経験を話すのは怖かったけど、実際に話してみたら拍手をもらえて、「あっ」て気づいた。乗り越えたというのとは違って、納得できた感じ。今までの経験は誰かに話すためにあった出来事なのかもしれないって思った。この瞬間が人生の転機だったかな。」(p.92)

不登校経験者3人で結成されたバンドのメンバー、山崎雄介さんの言葉です。その時はどんなに最悪だと感じたとしても、後になってみれば、このために必要な経験だったのだと気づくことがある。だから、人生の経験はすべて無駄ではないし、完璧で良いことなのだろうと思います。


私は不登校という、自分の子育てを試される大きな壁にぶち当たりました。その壁を乗り越えるには、本当に大切なものを見極めて守ることだと考えました。本当に大切なもの、それは娘の笑顔でした。」(p.145)

不登校の子ども持った母親の言葉です。最初は何とか学校へ行かせようとするのですが、子どもがどんどん暗くなっていって、ひょっとしたら死んでしまうかもしれないと感じた。その時、一番大事なものは何なのか?ということを考えたのだそうです。それは、子どもが生きていてくれること、明るく笑っていてくれること。そのためなら、他のことは些細なことだと気づいたのです。


不登校というのは、いわゆる「一般」から外れた行為であり、理解され難いために批判されることが多いでしょう。そうやって責められることで、さらに重荷を背負うことになりがちです。

けれども、学校へ行くということは、1つの選択肢に過ぎないのだという見方をすることで、道は開かれると思うのです。不登校だから「悪い」わけでも「ダメ」なわけでもありません。そのことは、小幡さんなど、この本に登場する人たちが証明しています。

この本を読めば、不登校を安心して行えるよう、ハードルが下がるように思います。悩んでいる方には、ぜひ読んでいただきたいなぁと思いました。


<関連サイト>
小中学生で不登校でも将来は大丈夫

小幡和輝オフィシャルブログ | 不登校から高校生社長へ

book20201210.jpg
 
タグ:小幡和輝
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 17:52 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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