2020年06月22日

すべては今のためにあったこと



修養団の元伊勢道場長・中山靖雄(なかやま・やすお)氏の本を読みました。2013年発行の本ですから、かなり古いものです。何かに紹介されていて、興味を抱いて買ったものです。

修養団という団体のことは、すでに知っていました。数年前に神渡良平さんの「照隅会」のゲスト講師として、修養団の寺岡賢(てらおか・まさる)氏が来られたからです。

どんな方なのかも存じ上げず、どんな話をされるかもわからずに聞いたのですが、聞いているうちにだんだんと前のめりになりました。そのくらい、感動的な講演だったのです。

あまりに感動したので、たしかDVDも買ったと思ったのですが、よく覚えていません。このブログで紹介したと思ったのですが、紹介していないようです。(寺岡氏の講演は、こちらのYoutube動画でご覧いただけるようです。)

ということで前置きが長くなりましたが、そういうことがあったので、「修養団」と聞いただけで、この本は間違いないと思って買ったのです。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

私たちは今こうしてここに生まれてきているわけですが、古来ずっと続いてきた夫婦がいなければ、生まれることはできませんでした。「いもおせ」つまり、「夫婦」が、命をつなげてきたことで、私たちは今ここに生を受けているのです。
 じつは、夫婦というものは、お互いの魂を磨くために出会っています。思いがけない心を湧かせ合い、それに気づきお互いが綺麗になっていくというご縁なのです。
」(p.23)

修養団は伊勢にありますが、伊勢は「いもおせ(妹背)」のことだと言います。そこで、まずは夫婦のことを語っています。

夫婦は、互いの魂を磨くための存在。だからぶつかりあう。ぶつかり合いながら、磨かれ合っていく。なので中山氏は、いっぱい喧嘩するようにと結婚式で話すのだそうです。日々の修養のために、もっともふさわしい相手と結婚するのですから。


人生では、自分の力ではどうしようもないことが起こることがあります。そういう時こそ、「いいふうに」取れるかどうかが大事です。しかし、そのことは頭ではわかっていても、実際にその場ではなかなか考えられないものです。ですので、日頃からの修養が大切なのですね。」(p.143)

私の家内のモットーは、
 「済んだことはみんないいこと。これから起きることもみんないいこと。わたしに悪いことが起ころうはずがない」
 です。済んだことはみんないいことですし、これから起きることもいいこと。そういうふうに思えたら、今の人生をすべてこのままでやらせてもらうというだけになります。そうしたら、いいご縁がどんどん湧いてくるのです。
」(p.143 - 144)

実際は、悪いこともいっぱい起こります。しかし、その時は、そのように生きていくしかないのです。どんな出来事にあっても、自分が悪いことだと思わなかったら、それでいいのですから。
 天がそれを起こされたのだから、「あっ、そうなんですか」というだけのことです。それを苦にするか苦にしないかだけのことです。
」(p.144)

起こることはすべて必然で無駄がない。すべては完璧で最善だ。私がいつも言っていることですが、そういう心構えですね。


ある時、中山氏が、講演が立て込んでいて食事の時間が取れず、移動中のタクシーの中で買った巻き寿司を食べようとしたことがあったそうです。タクシーの運転手に断りをいれようとしたら、「やめてください」と拒否されたのだとか。

まさか断られるとは思っていなかったので、中山氏はむっとしたそうです。黙って食べても良かったところをわざわざお願いしたのに、それを断るとは何事だ!、客を客とも思ってないのか! という思いです。それで、隠れて食べてやろうかと考えたそうです。

しかし、すぐに考え直したのだとか。冷房が効いた車内に寿司の臭いが残れば、次の客が嫌がるかもしれないし、そのことで客が運転手に文句を言ったら、運転手も困るだろうと。

それで中山氏は、運転手にお詫びして、お寿司をカバンに戻したそうです。

このように、自分を育てるために、天がいろいろなお役の命と出会わせてくださる「仕合わす世界」「出会わしの世界」があると思うのです。
 どんな出会いも、理由があって出会っているのです。
 そして出会いはみんな、自分のためにあるのです。
 いろいろな出来事が起こることで、人はみな自分と出会っていきます。いい人でありたいと思っていても、思いがけず湧かされるいやな思いが誰にでもあります。そういう出来事に出会いながら、「ああ、自分にはこういう一面があったのだなぁ」と自分のことを一層理解する。そして、人のこともよりわかって生きていけるようになるのです。
」(p.153)

嫌な出来事も、何か気づきを与えてくれます。それは1つに、自分自身の意識していなかった一面です。そこに気づくことで、改めることができ、より素晴らしい自分になれます。

その気付きによって、出来事そのものに感謝することができます。嫌な他人に対して、出会ってくださってありがとうございます! と言えるのです。


中山氏には4人の息子さんがおられるそうですが、4人とも不登校がひどかったそうです。「一難(男)去ってまた一難(男)」などと面白いことをおっしゃられますが、実際その時には大変だったことでしょう。

ご自身が、他の人に対して人生の道を語りながら、自分の子どもたちは良い子に育っていない。自分の子どもでさえまともに育てられない人間が、他人に対して偉そうなことを言う資格があるのか? と悩まれたことでしょう。

中山氏は外に出て仕事をされるので、子どもたちと直接に向き合うことは少なかったようです。しかし奥様は、毎日家で引きこもっている息子さんたちと接するのですから、より大変だったかもしれませんね。

家内は家内なりに悩んだうえで、息子が学校に行かない日を「今日子どもが学校へ行ったら交通事故に遭って死ぬ日」と、自分で決めたのです。」(p.165)

その日、もし息子さんが学校へ行ったら、交通事故で死んでしまう。学校へ行かなかったら、他人から「中山先生の子なのに・・・」などと陰口を叩かれる。どっちがいいのか? と自問したのです。

そしたら、ぐうたらしていても、何をしてもしなくても、生きていてくれていたら、それでいいなぁと思えたのですね。
 これは自分の研修だと受け止め、息子のことは「これでいいんだ」ということにして、自分がこの出来事を乗り切るために、息子が交通事故に遭う日にしておこうとしたのです。
 そして、私たち夫婦にすれば、「子どものためになるなら何でもします」という気持ちになってくる。
」(p.165 - 166)

このように見方を変えることによって、相手(息子さん)を変えようとするのではなく、自分が変わろうとした。自分がやるべきことをしっかりやっているかだけを考えようとしたのです。

私も時々、妻の言動が気に障ることがあります。しかし、「もしこれが妻との最後の日だったら・・・」と考えて、妻に対して優しい自分でありたいと思うのです。


テレビや新聞で、子どもの虐待などそういう事件を知った時、自分とは関係のないことだと思われますか? それとも自分にもそういう種があると思いますか?
 そういう事柄に出会った時、虐待した人をただ一方的に責めるのではなく、私の中にあるそういう種を自覚させてくれているんだ、と受け止めてみてください。
」(p.169)

他人事ではなく、自分事として出来事を捉える。これを「居合わす」という日本の考え方だと中山氏は言います。すべての出来事は、自分が何かに気づくために起こっている。そういう考え方が大事なのです。


どんなご縁であっても、自分のためにその出来事に出会わせてもらっています。そのことを本当に納得し、「こういうご縁だったんだなぁ」と心から思えた時に、自分が解放されるのです。」(p.173)

辛く困難な出来事であっても、それも自分のため。それを心から納得すれば、自分が解放されるのですね。

中山氏は、学びに来ておられたご夫婦のエピソードを語られています。ある時、5歳になる娘さんが交通事故で亡くなられたのだそうです。その時ご夫婦は、事故を起こした人のところへ会いに行って、土下座をして詫びられたそうです。自分たちの気付きのために、人を跳ねて死なせるというご縁に会わせてしまったことを詫びたのですね。

娘を失った悲しみや、相手を許しがたいという思いもあったでしょう。けれども、真実はそうではないと理解しておられたのです。すべての出来事は、自分の気付きのために起こっている。それが真実なのです。

この話には後日談があります。30年後、娘さんの墓参りへ行ったら、ちょうどその事故を起こした人と出会ったのだそうです。その人は、30年間、1日も事故を起こしたことを忘れたことはなかったと言います。そして、許してくれたご夫婦の恩を忘れず、自分も他の人を許そうと思って生きてきたのだと。また、そのご縁を与えてくれた娘さんを神様のように思い、感謝し、お詫びしながら生きてきたと言うのです。

ご夫婦の生き方が、交通事故を起こしてしまった人の生き方にも、大きな影響を与えたのですね。人は責められて変わるのではなく、受け入れられて変わるのです。


出来事を完全に肯定する。それが、この本全体で語られていることだと思いました。すべての出来事は、今の自分のために起こるのです。

ただそれに気付けるかどうか。それだけが問われています。その気づきを得るために、日々の修養が大事だということなのですね。

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posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 18:29 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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