2020年05月16日

たった1つ変わればうまくいく



今回は医師の鎌田實(かまた・みのる)さんのエッセイ集です。前にも「がんばらない」という本を紹介しましたが、それと同じ時期に購入してあったものです。

この本も、単行本は2007年発行で、文庫化されたのが2011年となっています。ちょっと見方を変えるだけで、感じ方が変わるし、幸せでいられるというようなことを、タイトルと、そしてサブタイトルの「生き方のヒント幸せのコツ」で表しています。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

彼女はこんなことを言った。「亡くなっていたのは悔しいけど、見つかってよかった」。四千人近くの人が未だに行方不明となっているなかで、遺体が見つかったことを素直に喜んだのです。あるがままを受け入れようとしています。この方はさらに話してくれた。「父と母がいっしょでよかった。二人が離ればなれだったら、二人ともさぞ寂しかっただろうし、怖かったろう」。こうやっていいこと探しをするのだ。さらに続けた。「父は生前、お酒を飲むと、最後は家だ、家だぞ」と繰り返していた。父と母は、自分の家の瓦礫の下で発見された。両親を一度に失ったことは悔しいけど、父が望んでいたように家で亡くなったのがせめてもの慰めだと、私に語ってくれました。「それでも人生にイエスと言う」という人間の強さをまざまざと見せつけられました。
 ほんの少しなんだ、たった一つでいい、ちょっと、考え方が変われば絶望を小さな希望へ変えられます。
」(p.6)

文庫化に寄せて、3.11の津波で両親を失った女性のエピソードを、鎌田さんはこのように語ります。どんな状況や出来事に対しても、絶望する見方もできれば、希望を持つ見方もできます。だから否定的に捉えず、肯定的に捉えるよう意識することが大切なのです。


すべての人に見捨てられたにもかかわらず、一人の看護師が彼のどこか一つでも信じ、支えたいと思ってあげたことで、生きる希望が生まれ、未来への可能性が開けたのです。周りの人たちが悪いレッテルを貼ったとき、「にもかかわらず」、その人のいい点を認めてあげることができる勇気ある人間になりたいものですね。」(p.22)

周りの人から見捨てられたアルコール依存患者さんが、1人の看護師の支えてあげたいという思いによって、奇跡的に断酒した事実を取り上げています。「困った人」という見方をすれば、その人はさらに「困って人」になろうとするでしょう。しかし、他の人と同じような見方をせず、その人の良い点を見ようとすることで、奇跡が起こるのです。

鎌田さんは、サービス業に携わる人はクレームを受けることも多いが、こういう「にもかかわらず」という考え方が必要なのだと言います。


患者さんは誤解した。なぜ誤解してほめてくれたのか、ここが大事です。紙パンツに感動していたからです。一ついいことがあると、人間はいい方に解釈してくれるのです。」(p.192)

大腸がんの内視鏡検査で、鎌田さんが患者さんから感謝されたエピソードです。他の病院では、下半身丸出しのまま30分くらいの検査を行いますが、そこでは紙パンツを履いてもらい、少しだけ穴を開けて内視鏡を入れたのです。これは、1人の看護師が、患者さんの気持ちを慮って始めたものでした。

さらにその患者さんは、その検査中に痛くて苦しんでいた時、看護師さんがラジオのスイッチを入れ、自分が好きな演歌を聞かせてくれ、痛みを忘れることができたと言うのです。自分が好きな演歌のことまで知っている。すごい病院だと感動されたのでした。

しかし、実際はそうではなかったようです。内視鏡がS状結腸を越えられずに担当医が冷や汗をかいていたので、看護師は、リラックスさせるために医師が好きなクラッシック音楽を流そうとし。ところが、演歌が流れてしまったのだとか。あわてて変えようとしたら、患者さんが嬉しそうな顔をしているのが見えたので、そのままにしたのだと。

偶然の産物ではありますが、この看護師さんは、つねに周りの人の様子に気を配って、より快適にしてあげようとしていることがわかります。そういうホスピタリティの思いが、こういう結果を生んだのでしょう。


『フィールド・オブ・ドリームス』−−生きがいを見出せる場所はどこにでも転がっています。生きている意味が見つかれば、どこでも生きていけるのです。
 そして、自分のためだけに生きると、喜びは少ないということも忘れないでほしいのです。失敗のように見える人生を価値ある人生に変えるのは、実は簡単なのではないでしょうか。それは、誰かのために生きてみることかもしれません。誰かのために生きる。この生き方で、あなたもうまくいきだすかもしれません。
」(p.209)

鎌田さんは、都落ちしてはダメだと言われたころ、要請を受けて長野の万年赤字の病院へ赴任しました。そこでスタッフたちと協力しながら、病院の経営を建て直されたのです。

出世コースからは外れたかもしれませんが、面白い人生を歩めたと鎌田さんは言います。「人間到る処青山あり」と言うように、どこへ行っても自分らしく生きることはできます。そこで、自分のことだけを考えるのではなく、ホスピタリティ、つまり他人のことを中心にすることで、より有意義な人生になると鎌田さんは言われるのです。


TVなどでお見かけする鎌田さんは、いつもにこやかな感じです。しかし、以前は常にイライラしておられたのだとか。ある時から、常に上機嫌でいることを心がけるようにして、変わっていったと言われています。

私たちも、自分の思い1つで、自分の人生を変えていける。そう勇気をもらえる1冊でした。

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タグ:文庫 鎌田實
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 15:32 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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