2018年11月30日

少食の実行で世界は救われる



1日青汁1杯だけという超少食で健康に仕事をされている森美智代さん(以前に「食べない生き方」など紹介しています)は、甲田療法を実践することで難病を克服されました。その甲田療法を提唱されている甲田光雄(こうだ・みつお)氏の本を読みました。

甲田療法では、断食や少食をメインに、生菜食などによって宿便を溜めないことが健康の秘訣だとしています。さらに、西式健康法と組み合わせることで、ほとんどの病気は治るとしています。

この本は、サブタイトルに「「甲田メソッド」の決定総集編」とあります。甲田療法のすべてが書かれているということで、期待して読んでみました。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

以来約四〇年余りの間、何万人という大多数の患者さんたちに断食療法の指導を行ってきましたが、その中でわかったことは、「宿便」が万病のもとであるということです。
 この宿便を排泄し、また溜めないように予防するのにはどうしたらよいかとの研究に全力を注いできたわけです。その結果、日常の食生活を「少食」にするのが、宿便を溜めない秘訣であるということがわかってきたのです。したがって、少食は、健康長寿の秘訣と断言しても間違いではないと確信できるようになったのです。
 すなわち「少食に病なし」であります。少食というのはなるべく動・植物の「いのち」を殺生しないという、愛と慈悲の具体的表現であるということもよくわかるようになってきました。この愛と慈悲の少食を実行する者に天は「すこやかに老いる」という幸せを与えたもうのであります。してみると、少食(正食)こそ健康生活の原点であると言えましょうか。
 さらに少食の実行で、二十一世紀の人類がぜひ克服しなければならない大問題、すなわち地球環境の汚染、それに世界の食料不足の危機などを解決することもできるということがよくわかってきました。
」(p.6)

ちょっと長かったのですが、「はじめに」に書かれているこの部分が、この本の結論です。もうすべてと言ってもいいでしょう。


筆者はこの五〇年余り前から、断食療法や少食療法の研究に全力を注いできましたが、その間、何万人というたくさんの患者さんたちに、断食・少食の指導を行なってまいりました。それら多数の臨床経験から「宿便」が万病のもとであることを確認できるようになったのです。
 その結果、認知症はもちろん、脳卒中や心筋梗塞、関節リウマチ、それにアトピー性皮膚炎なども宿便を完全に排泄することによって、予防もできるし、また根治もできると自信をもって言えるようになりました。
 中国の古い道書に「抱朴子(ほうぼくし)」という著書がありますが、その中に次のような小文がみられます。

 欲得長生腸中当清
 欲得不死腸中無滓

 これを意訳すると、「長生きをしたいと思ったら、腸の中はいつもキレイにしておかねばならない。不死を得ようと思ったら、腸の中に滓(かす)(宿便)を溜めていてはいけない」となります。
」(p.20 - 21)

ここも少し長く、また繰り返しになるのですが、具体的な病名と、甲田氏の考え方の根拠が表れているので引用しました。
「腹八分目で医者いらず。腹六分目で老いを忘れる。腹四分目で神に近づく」という水野南北の言葉もあるように、古今東西、昔から少食が健康に良いことは言われていました。しかしここで甲田氏が引用しているように、宿便が問題なのだという指摘は少ないかもしれません。


まるで麻薬中毒のようなものです。筆者はこれを「甘いもの中毒」と名づけていますが、この甘いもの中毒でいかほど苦しい思いをしてきたか。
 拙著に『白砂糖の害は恐ろしい』(人間医学社)という著書があります。この本の中で筆者が甘いもの中毒のため、いかほど苦しい思いをしてきたか、また、甘いもの中毒から抜け出すのがいかに難しいものなのかということを詳しく述べておきました。
」(p.27)

甲田氏も、白砂糖は中毒性があるという指摘を、実体験に基づいてされていたのですね。私は、すでに紹介しているように「白米中毒」などで、このことを知っていました。精製されたものには中毒性がある。心しておきたいものです。


食べものはじつは「いのち」であるのです。この大切な「いのち」を私たちは天からいただいて、生かされているのだということを、はっきり自覚しなければならないのです。
 このことが「食育」でのもっとも大切な基本とならねばなりません。
」(p.46)

1日30品目を食べましょうという指導がありますが、これは食べ物を栄養としてしか見ていないという指摘です。「いのち」と見れば、自ずと感謝の気持ちが起こります。

そして、自分の大切な「いのち」を犠牲にして私たちに捧げてくれた、動物や植物、つまり魚や肉、あるいは米や野菜などに、「ありがとうございます」、これからその「いのち」を「いただきます」という感謝のお祈りをしてから、箸を取っていただく。これが正しい食事作法というものです。」(p.46)

最近は、食前の「いただきます」を給食で指導するのをやめた学校もあるとか。私自身、忘れてやらないことが多いのですが、こういう「いのち」に対する感謝の気持ちは、持ち続けたいと思います。


冷え性の身体を温めるというのは、それで身体は冷えないけれども、冷え症は治らないのです。いや、温めれば温めるほど、冷えに弱い身体になってしまうのです。
 そこで、冷え性を治すには、冷える身体をむしろ積極的に冷やすという非合理的な方法を考え、それを実行する必要があるわけです。
 西式健康法の中にある、裸療法や温冷浴もその一つであります。
」(p.106)

私は冷え症ということでもありませんが、手足は冷たい方です。まあそれで苦痛ではないので、私はぜんぜん問題ないのですが、冷え症にこういう逆の対策が考えられるのですね。これは驚きでした。


そして、不思議なことに、一日数回もの下痢が何カ月間も続いているのに、断食中に大量の宿便が排泄されるという人も少なくありません。なんと不思議なことではありませんか。」(p.132)

これは潰瘍(かいよう)性大腸炎の治療で、3日間断食から始めて、慣れてくるにつれ10日間とか2週間の断食を行うという話の中で出てきます。下痢をするから宿便はないはず、ということにはならないのですね。


人間というものは、痛いところがあると自然と無意識的にそこへ手を当てるのです。
 これがまたたいへん気持ちがよいのです。「手当て療法」とはこのことかと、後日わかってきたわけです。
」(p.141)

手当て療法について触れているのはここだけですが、甲田氏も手当て療法の効能をよく知っておられたのですね。


白米めしは、胸やけが特にひどくなる。やはり白米ガユのほうが楽になります。ここでカユの効用を一つ覚えたわけです。
 ところで、玄米ガユで胸やけは楽になるが、痛みのほうはどうもあまりパッとしない。そこで今度は玄米を粉にして、玄米クリームにして食べてみると、胸やけもしなければ、痛みも出てこないではありませんか。
 「うん、これだ!」とわかったのです。
」(p.141)

これは胃・十二指腸潰瘍(かいよう)の治療の話です。玄米クリームというのは、玄米の粉末120gに水540ccを加えて煮て、クリーム状にして塩を加えたもの(1食分)を言います。胃や腸の病気には、これが一番いいそうです。


煮た野菜はどうか、これはあまりすすめられません。
 食物センイの多い野菜は胃にもよかろうと思われるでしょうが、やはり、胃の具合があまりよくないとわかるでしょう。
 野菜は煮てしまうと、少しアルカリ性になってしまうので、胃にはあまりよくないのです。
」(p.143)

これは胃下垂症・胃弱の治療で、玄米クリームのおかずに何が良いかという話です。甲田氏は、豆腐や白身魚のような消化に良いものを勧めています。


吸収されなかった食物の残りは全部「宿便」となって腹の中で腐り、それから猛毒が発生して体内へ吸収されるとなれば、それがいったいどのようなことになるか、よく考えてみてください。」(p.171)

いくら食べても太らないよう、吸収を阻害する薬をダイエットのために服用する人がいます。そういう人への警告です。
たしかに、問題が宿便にあるのであれば、吸収されるかどうかとはまた別のことなのです。食べ過ぎによって食物が腸内で渋滞を起こし、腸が拡張してそこに食物が溜まって腐敗発酵する。それが宿便と言われているのですから。


私たちは本来、やはり「神の子、神の分けみたま」であることは間違いございません。
 大宇宙の親神様の分身です。だから元来は光っているはずです(図4参照)。
 ところが、この本体にべっとりと厚く業想念が取り巻いているので、光るどころか曇ってしまい、いろいろな苦悩が現れ、それが不幸の原因となっているわけです。
 少食を実行しても、それがなかなかうまくゆかず食べすぎて失敗してしまうのも、貪欲という業想念に振りまわされてしまうからです。
 この業想念を浄化し、消え去るようにすれば、本来の「神の子」としての光明が現れ、本当に幸せな人生となってくるのです。
」(p.188)

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私たちが一方で「神の子」などと言われながら、もう一方で「罪根深重の凡夫」と言われる理由について、甲田氏はこのように考えるそうです。ですから、重要なのは「業想念」を浄化することで、そのためには「西式健康法の背腹運動」とともに「世界平和の祈り」が効果的だと言います。

この「世界平和の祈り」は、五井昌久氏によって作られたものだそうです。世界人類と日本の平和、人々の健康、幸せ、そして自分の業想念が浄化されること、すべての「いのち」が天命をまっとうすることを願います。その上で守護霊様、守護神様、大宇宙の親神様に感謝を捧げるという祈りです。

肉体の宿便を溜めないためには「腹七分目」の食事を行い、心の宿便(業想念)を浄化するには「背腹運動」と「世界平和の祈り」を行う。これを、甲田氏は勧めているのです。


その中で、平らな板の上に寝て、半円形の木枕を使用する。それに金魚運動、背腹運動のいずれも、背骨の狂いを治す効果があるのです。
 背骨の狂いは「万病のもと」といわれるほど、私たちの健康に大きな影響を及ぼすのです。
」(p.201)

西式健康法の紹介の部分です。四足歩行から二足歩行になったために、「必然的に背骨に狂いが生ずるようになった」と甲田氏は言います。ですから、常にこの狂いを直すようにする必要があり、これは人類の宿命だと言います。したがって、この西式健康法は、世界のすべての人が行う必要があるのだと言うのです。

う〜ん、これはどうかなぁというのが、私の正直な気持ちです。たしかに二足歩行によって無理が生じているのだと言われますけど、本当にそうでしょうか? そんな出来損ないを、神が創ったとは思えませんが。


それは病人が激減し医療費が大幅に、おそらく二〇兆円くらい節約できたとして、その金で補償費を出すということによいでしょう。」(p.221)

腹七分目の食事をみんなが実行するようになると、病人が激減し、食料品が売れなくなるため、食品製造企業、料理店、医療機関から反対運動が起こると甲田氏は言います。したがって、そうなった時は、減った医療費から補填してあげればいいと言うのですね。

う〜ん、これもちょっと賛同できない内容ですね。まず、仮に腹七分目運動が広まったとしても、そう急激に変化は起こらないでしょうから。それに、それらはもう必要ない産業なのですから、撤退してもらわないといけないのです。そこに補償費を出して存続させてどうするんですか。まったく無意味なことだと思います。

もちろん、すべての人が上手くいくよう考えたいという気持ちはわかります。しかし、変化によって不要になる産業というのは、必ず出てくるのです。レコードやビデオテープが無くなったように。


この他にも、世界の飢えている人々を救うのに「腹七分目」が役立つと言われてますが、これもちょっと違うように思います。食糧不足だから飢えている人が多いのではありませんから。貧困が原因です。仕事がないこと、経済が上手く回っていないことが原因です。実際、市場経済と関係が希薄な田舎では、飢えている人はそう多くはありません。

したがって、人口爆発による食糧危機に、「腹七分目」が解決策になるとは思えません。腹七分目であろうと、一定量を必要とするのであれば、それ以上に人工が増えれば同じことではありませんか。

まあそういうのは、甲田氏の本職ではないので、理論的な詰めが甘いのは仕方がないと思います。ただ、甲田氏が、このことで世界の問題を解決したいという気持ちを持たれていることは事実ですし、その思いそのものは尊重したいと思います。


たとえば三〇軒で一家に平均四人の家族が住んでいるとして、合計一二〇名の方が少食の実験に入る。
 これらの人々が少食生活に入ってから、どのように健康状態が変わるかを医学的に調べる必要があるわけです。
 健康になったとか、元気になったとかいってもそれはだめです。やはりだれがみてもはっきり納得できるようなデータをつくって、それを見せてあげることです。
」(p.224)

甲田氏は、全国に健康村を作って、そこで実験を行い、その成果をベースに政策として取り入れてもらうようにするのが良いと言います。そのためには、まずは一部の地域で20〜30軒程度の家を選び、実験をするのがいいと言われます。

この本を読んでいて、まったく数値が出てこない理由がわかったような気がしました。約50年間、数万人の人に対して断食療法や少食健康法を指導してこられたのに、科学的な検証はされてなかったのですね。だから改めてやらなければ他人を納得させられない。

最初に紹介した森さんなど、何人かの方については、その詳細がわかります。しかし、科学的に証明できるほどのデータは揃っていない、というのが現実なのでしょう。ちょっと残念ではありますが、ないものはしょうがありません。こういう実験を、ぜひやっていただきたいものだと思います。


私自身は、断食とか少食に、健康になるための効果があることは信じています。それは、不調の時に動物は食べずにじっとうずくまっている、ということからもわかるからです。また、人類も動物も、満腹という時はほとんどなく、空腹が常態化していて、身体はそれに適応しているということも、理屈でわかるからです。

なので、後はこれが科学的に証明され、世界の常識になればいいなと思っています。そして実際にそれが広まり、健康な人が増え、医療費が少なくなることも願っています。

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posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 15:06 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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