何かを見て気になって、また英語学習の本を買ってしまいました。もう何冊も買って、通信教育を受け、それでもほとんど進歩してない私の英会話力。もう私には向いてないのだと思って諦めかけるのですが、そのたびに、新しいものを見つけては試してみる。その繰り返しです。今回もまた、同じことになるのでしょうか?
著者は、本城武則(ほんじょう・たけのり)氏。例によって英語はからっきしダメだったそうですが、飛行機の免許を取得するためにアメリカに渡り、最初はなかなか英会話が上達しなかったものの、あることがきっかけで話せるようになった、という体験の持ち主です。その体験から、英語上達の秘訣を会得し、その方式に従って英会話スクールを展開しておられます。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。なお、私が買ったのがKindle版のため、ページがありません。ご了承ください。
「自分 の 英語 に どれ だけ 自信 が なく ても 話し た ほう が いい し、「 自分 は 話せ て いる」 と 調子 に 乗っ て いい の です。 それ が、 英語 を 話す 最も 近道 なの です。」(Kindle の位置No.557-560)
英語上達のために、まず重要なのが自信を持つことだと言います。これもよく言われることですね。
「では、 どう すれ ば こんな 気まずい 結果 に なら ない よう に できる のか。 対処 法 は 1つ しか あり ませ ん。 それ は、 知ら ない 単語・聞き取れ ない 単語 が 出 て き た とき、 堂々 と「 今 なんて 言っ た の?」 と 聞き返す こと です。」(Kindle の位置No.653-656)
会話に知らない単語が出てきた時の対処法です。ともかくわかるまで繰り返し聞き直せと言います。相手は迷惑しないし、むしろ喜んでくれると。
これはどうかなぁという気はします。自分一人が話し相手ならまだしも、複数人いたら、話の腰を折る気がするので。
「しかし、 後に 僕 の 英語 の 先生 と なる ノルウェー 人 の 飛行 教官 が、 見る に 見かね て、 僕 に こんな 言葉 を かけ て くれ た の です。 「とりあえず、 自分 の 使い たい 英語 だけ 勉強 し なさい」」(Kindle の位置No.742-745)
これはたしかに言えると思います。英語の教科書や、よくある英会話教材では、まったく興味のわかない内容が延々と続くことがあります。本城氏は飛行機のライセンスを取るという明確な目標があったので、そこに絞って単語などを覚えていったのです。
「仕事 の 会話 と いう と すごく 難し そう に 思える のは、 専門 用語 ばかり だ から です。 それ は、 逆 に 言え ば、 専門 用語 さえ 押さえ て しまえ ば、「 知っ て いる 単語 だらけ の 会話」 に なる という こと なの です。 マクドナルド で 注文 一つ でき ない 僕 で すら でき た 簡単 な こと です。」(Kindle の位置No.778-781)
専門用語は、学校で習っていない単語がいっぱい出てきますが、一度覚えてしまえば、それが繰り返し出てくるだけなので、範囲の広い一般的な会話より簡単だと言います。たしかに、そうも言えますよね。まあでも、それでも私はできませんでしたけど。
「だれ でも 初めて の セミナー や スクール に 参加 する とき は、 周り が 知ら ない 人 ばかりで、 ドキドキ する もの です。 その 気持ち は わかり ます が、 これから 数 時間 を 共有 する 仲間 に なる の です から、「 こんにちは」 と 挨拶 し あう のは いたっ て 自然 な こと の はず です。 知ら ない 人 を 極端 に 避ける こと は、 海外 では まず あり え ませ ん。 むしろ、 挨拶 し ない 人 という のは 不審 者 に 思わ れ て しまい ます。」(Kindle の位置No.840-844)
日本人は、知らない人ばかりが参加するセミナーへ行くと、隣の席の人とさえ会話しないことがよくあります。どちらかと言えば、私もそういうタイプです。しかし欧米人は、知らない人というのは危険なので、真っ先に言葉を交わすと言います。だから、欧米人と会話することに遠慮は不要だと言うのです。
「実は、 日本語 の 文章 を 英語 に 訳す 際 には、 いくつ か コツ が ある の です。 その コツ を つかむ こと さえ できれ ば、 どんなに 難しい 文章 だろ う と、 だれ でも 簡単 に 英訳 する こと が でき ます。 自分 が 考え た 文章 を、 辞書 も 使わ ず に 英訳 する こと が でき たら、 きっと 感動 する はず です!」(Kindle の位置No.1248-1252)
いよいよ本城式の英会話のコツですが、まずは日本語で話したいことを考え、それを英訳するのだと言います。英語で考えるなんてことは不可能だと。
「 自分 で 考え、 難しい 単語 の 意味 を ほぐし、 簡単 な 言葉 に 置き換え て 話す こと が できれ ば、 中学生 レベル の 英語 力 でも、 立派 に ネイティブ と 話す こと が できる よう になり ます。」(Kindle の位置No.1359-1361)
そこで、まずは自分が話したい日本語の文を、簡単な日本語に置き換える。ここがポイントです。自分が知っている簡単な英語に翻訳できるよう、日本語で簡単な文を考えるのです。
これについては、私もそうだなぁと感じたことがありました。フィリピン人と日本語で会話していたところ、相手から「別の表現で話して」と言われたのです。「あなたは日本人だから、別の表現で置き換えられるでしょう」と。つまり、相手は日本語の語彙や表現方法が少なくて、日本人のすべての言葉が理解できるわけではないのです。相手がわかるような表現に、日本語がよくわかっている日本人が置き換えてやれば、相手も理解できます。
同じことをすればいいんですね。英語能力が低い自分のために、自分の英語力でわかるように日本語の別の表現を考えること。これについては私の友人も、5才児にわかるように話す、という英会話方法を教えています。きっと、同じことなのでしょうね。
「リスニング を 最も 早く、 かつ すぐ に 会話 の 場面 で 上達 さ せ たい! という 場合 に 有効 な 方法 は、「 発せ られる 英語 の 意味 を 日本語 で つかみ ながら 聞く」 という 方法 です。」(Kindle の位置No.2225-2226)
英語を聞きながら、それを英語として理解するのではなく、日本語で理解しながら聞くという方法です。
「この 2つ の 方法 を 合わせる と、「 聞き取れ た 英単語・表現 を、 瞬時 に 訳せ た 場合 は 日本語 で、 瞬時 に 訳せ ない もの は 英語 の まま で かまわ ない ので、 そのまま メモ し て いき、 同時に 日本語 で『 なに を 言っ て いる のかな?』 と 想像 し ながら 聞く」 という こと になり ます。」(Kindle の位置No.2407-2410)
全部を瞬時に日本語化できなくてもいいのですね。聞き取れた単語を、訳せるものは日本語で、訳せないものは英語のまま、記憶に遺すことです。
「言い換える と、 言語 的 常識 を 使っ て 背景 を 想像 し ながら、 聞き取れ た 単語・表現 を 断片的 に メモ し、 その 2つ の 情報 のみ を 使っ て、「 なに を 言っ て いる か?」 を ストーリー の 形 で 想像 する という こと です。」(Kindle の位置No.2441-2444)
その聞き取れた情報を元に、相手が言いたいことを想像します。ある程度想像できたら、仮に全文を逐次訳せないとしても、会話は成り立ちます。
これは私も実感しています。私もタイ語がそれほど話せないのですが、会話は適当に成り立っています。なぜなら、聞き取れた単語を元に類推しているからです。詳細はわからないものの、たいていの場合、それで困らないのです。
「もし 知ら ない 単語 が 出 て き たら、「 それ どういう 意味?」 とか、「 今 言っ た こと が わから ない」 と、 何回 でも 聞き返し ましょ う。 ネイティブ は、 聞き返せ ば 聞き返す ほど、 一生懸命 話 を 聞い て くれ て いる ん だ なと 思い ます から、 どんどん 聞き返し て いい ん です。」(Kindle の位置No.2535-2539)
ここでも、知らない単語に出合ったら、相手に聞き返せと言います。
「この こと を ネイティブ に 聞く と、 だれ もが 文法 は めちゃくちゃ でも、 大きな 声 で 話し て くれ た ほう が 断然 わかり やすい と、 口 を 揃え て 言い ます。」(Kindle の位置No.2645-2647)
英語は子音で成り立っている言語なので、大声で話さないと、ネイティブ同士でも何を言っているかわからないのだとか。だからネイティブはたいてい大声なのだと本城氏は言います。そんなもんですかね。
「海外 は、 日本 には ない 独特 の、「 英語 を 話し たく なる ワクワク 感」 や「 英語 を 話さ なきゃ という ドキドキ 感」 に 満ち あふれ て いる から です。」(Kindle の位置No.3024-3026)
本城氏は、まず海外へ1人で行ってみろと言います。英語を使わなければいけない状況に身を置く。その体験によって、英語を話したいという欲求が高まるからと言うのです。
「僕 が ここ で 言い たかっ た のは、 人 は 選択肢 が 2つ ある 状況 だ と−− いつか は 変化 する 必要 が ある という こと を 頭 では わかっ て い ても−−、 ついつい、 楽 な ほう を 選ん で しまう 生き物 だ という こと です。」(Kindle の位置No.3064-3067)
日本語でも何とかなるという選択肢があると、英語力が鍛えられないのですね。ですから、日本語で何とかするという選択肢を捨てることが、英語力を高めるのに重要なのです。
「1.まず「本当にあなたがしたいことはなにか」を考え
2.そのうえで、「本当は行う必要の”ないこと”」を考え
3.同時に、「そのことを行うには、今なにが一番必要か」を突き詰めて考え、楽しくやっていきましょうということ。」(Kindle の位置No.3339-3345)
本城式は英会話上達のためだけの方法ではないと言います。すべてのことを上手くやるために役立つ方法なのだと。そしてその本城式の核心は、この3つだと言うのですね。やりたいことを極め、そのために今、必要なことを探し、それを楽しんでやることです。
「本城式英会話術の本当の目的は、「だれでも正しい方法でやれば、(英会話に限らず)なんでも可能なのだ」ということを知ることなのだと、僕は思います。」(Kindle の位置No.3371-3374)
このように、英会話に限らず、すべての自分がやりたいことを達成するための方法。それが本城式なのですね。
私たちは何かやりたいことがある時、直接それをやろうとせず、それができるようになるための準備をしようとしてしまいがちです。英会話は、まさにそうですね。私たちは別に、英会話をしたいわけではありません。ネイティブと会話をしたいとか、1人でアメリカ旅行へ行きたいなど、本来のやりたい目標があるはずなのです。
これまでの英語学習では、その本来の目標をやろうと勧めるのではなく、その前に英会話を学びましょうというスタイルでした。その点、本城式はまったく違うアプローチだと感じました。
この英語学習法が私に有効かどうかはわかりませんが、生き方に大きな示唆を与えてくれるものだと感じました。なので、このブログで紹介したいと思います。この本を読んで気づいたのは、私の場合、「特に会話したいと思っていない」というところが、英会話もタイ語会話も上達しない最大のネックかもしれませんね。(笑)
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