バシャールの最新刊を読みました。これまでと同様に、チャネリングするのはダリル・アンカ氏で、今回、バシャールと会話をするのは出版元VOICEの喜多見龍一氏です。通訳・翻訳は島田真喜子さんになっています。3日間に渡って、バシャールと対談した様子が収められています。
これまでも、バシャールに関する本は数多く紹介しています。本田健さんが対談した「未来は、えらべる!」や、須藤元気さんの「バシャール スドウゲンキ」、ダリル・アンカ氏が来日した時のまとめの「BASHAR (バシャールペーパーバック@〜G)」、最近になって、さとうみつろうさんが対談した「その名は、バシャール」というのもあります。一覧はこちらにありますので、参考にしてくださいね。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「皆さんは今現在もこの非物質次元にちゃんと存在しています。非物質次元から離れることはないのです。
物質現実とは「自分が非物質次元を離れたという夢を見ている状態です。
だから、物質現実は「幻想」だと言われます。
自分が非物質次元の状態にありながら、物質次元の夢を見ている。だから、「死ぬのは、夢から覚めること」です。」(p.29)
「死」についてバシャールは、このように言っています。非物質次元とは、魂などの次元です。そちらが本体であり、物質次元つまり肉体はその反映に過ぎず、夢のようなものだと言います。だから「死」は、夢から醒めること。そう考えてみると、死ぬことが怖くなくなるのではないでしょうか。
「なぜ感情的な反応をしてしまったのか、その背景にある「観念・信念」が分かれば、その観念・信念を持ち続けたいのか、あるいは変えたいのか選択できるようになります。
そのことで人は丸くなることができ、成長することができます。」(p.43)
感情は魂の声だと「神との対話」では言っています。魂の声を聞いて、その感情が起こった自分の信念に気づけば、信念を変えることができます。そうすれば、また違う感情が起こる。それを成長だと、バシャールも言っています。
「私たちの社会だけでなく、皆さんの現実においても、すべては起きるべくして理由があって起きています。
その理由を理解し、それに対応していけば、私たちが起きたことに対応するのと同じような形で対応することができます。
つまり起きた内容そのものが大事なのではなくて、「それにどう対応するか」が大事だということです。
私たちの文明でも予期せぬ出来事は起きますが、それを私たちは、「お祝いして、好奇心をもって」捉えます。」(p.48)
思い通りにならないこと(=予期せぬ出来事)は、進化したバシャールの世界でも起こると言います。しかし、それに対する捉え方が違うのですね。私たちは、思い通りでなければ不都合なことだと考え、身構えてしまいがちです。しかしバシャールは、お祝いして、好奇心を持つと言っています。この違いが大事なのだと思います。
「「わたし」は、オール・ザット・イズのひとつの観点、見方として存在しているので、「わたし」はなくなりません。
今言っている死への怖れは、「これかあれか」という考え方をするので怖くなるのですが、実際は、「これとあれの両方」なのです。
死んだら神と一体になる、神と合一するという考え方があります。
そのときも、自分がなくなるのではなく、「わたしが神になった」という感覚になります。」(p.99)
「わたし」という個の存在が、死後も残るのかという質問への答えです。バシャールは、自意識はあると言い切ります。
このことは巻末にも考察があるのですが、まさにバシャールが言うように、どちらかではなくどちらもなのだと思います。そもそも「ひとつのもの(オール・ザット・イズ)」で、そこから分化したのが個々の魂です。では、どのレベルで意識しているのか、という問題なのですが、すべてと答える他ないと思います。したがって、自意識は残るけれど、そもそも個別ではないので、全体に融合することでもあるのです。
「自分の生きていた人生を振り返り、「あのときのあの選択はポジティブだった」、「あれはネガティブだった」というアセスメント(assessment情報分析)はありえますが、ジャジメント(judgment批判・判断)はありません。
それは学びであり、今後、スピリットの世界で、あるいはさらにその先で、どんな選択をしていこうかと決めることができるわけです。
そして、存在(=オール・ザット・イズ)は常に「無条件」です。それがポジティブかネガティブか、ジャッジせず、罰することもありません。」(p.108)
死後、地獄のようなものがあるのかという話です。この辺も「神との対話」と同様に、魂は自由に行い、それを分析し、再挑戦するかどうかを決めるだけです。審判して罰を与えて特定の行動をさせるなんて発想は、神(オール・ザット・イズ)にはないのです。
「そしてそのことで「自分の波動が上がる」と、「その病気が発生しうる周波数」を超えてしまうので、病気にならなくなります。
一番最初は、病気を「よりポジティブな形で活用」していきました。
つまり、最初の一歩は、病気になったのには、なにか「ポジティブな理由」があるはずだ、というところを見ていくことから始めたのです。」(p.170)
バシャールの世界では、病気というものは存在しないそうです。それは、「自分自身に正直でいる」ことができるからです。裏を返せば、自分に正直でないから病気になるのです。しかし、それができないレベルでは、まずは病気になったことにポジティブな面を見ることが、病気にならない状態へ移行するのに役立つと教えてくれています。
「すでにお伝えした通り、自分の最高の情熱にしたがって、自分の能力の最大限に行動して、結果にまったく執着しないことです。
これらをやっていくと、もっともっとたくさんの「シンクロニシティ」が起きてきます。」(p.177)
バシャールはいつも、「ワクワクすることをやる」と言っています。それは、最高の情熱に従うことなのですが、そこで自分の能力の最大限に行動することが重要だと言っています。つまり、ワクワクすることをやろうと決めたら、躊躇せずに思い切り行動することです。
さらに、結果に執着するなと言っています。つまり行動するのは、ワクワクする情熱からであって、結果への期待ではないのです。こういう点も、「神との対話」とよく似てますね。
「最初にやらなければならないのは、物事を、「実際よりもつまらなく感じさせてしまう観念・信念」が自分にないか、を見ることです。
それをやったうえで、今度は非常に正直に、自分の情熱や喜びやワクワクってなんだろう、ということを見ていきます。
そして、「自分の情熱で自分の生活が維持できない」と信じている間は、すまらない職場であっても、そこにいる必要があります。」(p.181)
ワクワクすることだけやっていれば、それだけで生活していけるのか? そういう問いへの答えになります。
結局、すべては私たち自身が創造しているのです。ですから自分が、こんなことをしていても食べていけない、と信じているのであれば、そういう現実(幻想)が創造されます。まあ、当たり前のことですね。ですからバシャールは、信じられないなら無理をするなと言うのです。
この本には、多次元世界のこととか、時間の概念だとか、かなり理解が難しいことが多々書かれています。しかし私は、そういうことを無理して正確に知る必要はないと思っています。なぜなら、所詮は三次元の世界に縛られて生きている私たちですから、それを超える世界を正しく把握することはできないからです。
もしそうなら、無理してそれらを知ったとしても、何の約にも立たないと思うのです。もちろん、多次元空間があるとか、時間は幻想だということそのものは、「ふーん、そんなものか」と思っているだけでも、役立つことはあります。つまり、本質的には現実は意味がない(=幻想)ことがわかるからです。しかし、それくらいでいいのではないでしょうか?どうせ理解できないのですから。
あと、フリーエネルギーについての記述もあります。これも、それはある、と言っているだけであって、どうすればそれが得られるかまで、詳しい言及はありません。いずれ、そういうフリーエネルギーを得て、戦争のない世界がやってくる。そう思っているだけでいいのではないかと思います。
質問者の問いに答えることがほとんどのため、どう生きるかより、この世の構造はどうなっているのか、という疑問に対する答えが多いように思います。そして、それらが明確に解明されることはないと思うし、実際にこの本でも、まだあいまいなままです。それなら、この世がどうかはさておき、どう生きるかにフォーカスして尋ねた方が役立つのでは? という気もしました。まあでも、これはこれで興味をそそられますけどね。
【本の紹介の最新記事】