2018年01月09日

幸せの神様に愛される生き方



博多の歴女こと白駒妃登美(しらこま・ひとみ)さんの新刊を読みました。白駒さんは、特に日本の歴史を伝えることで、日本人の誇りを取り戻すための講演を行われています。その白駒さんも、一時はガンで死を覚悟されたことがありました。しかし、そこからの大ブレークだったのです。

そんな白駒さんが、運を引き寄せる方法を伝えようとして書かれたのがこの本です。その前には、バリ島の兄貴こと丸尾孝俊さんとの出会いもありました。そしてそのことも、この強運と関係があったようです。帯には、「夢に描いた願望を越えて夢にも思わなかった「強運」のつかみ方!」とあります。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

日本人が歴史に刻んできたのは、「天命追求型」の生き方と言えるのではないでしょうか。
 「今、ここ」に全力投球をして最善を尽くした時に、道が開ける。こうして天命に運ばれていく生き方が、日本人の生き方の一つの特徴だと思います。
」(p.29)

西洋の成功哲学は、目標を定めてそれに向かって突き進むもの。一方の日本人は、特に目標を定めることなく、与えられた場所で懸命に生きることで花を開かせる。そういう違いがあると言います。


自分が下りのエスカレーターを駆け上がっていた時には、夢に描いたものしか現実になりませんでした。でも、人の応援をすることで、その人たちの応援を受けることができるようになると、まるで流れるプールを泳いでいるかのように、みんなの後押しで押し流されていく感覚なのです。いろんなことが加速度的にどんどん叶っていって、結局は「夢にさえ思わなかった、夢を超えた、もっと素敵な現実」がやって来るようになるのです。」(p.32)

自分で目標を立てて必死に頑張るやり方でも、夢を叶えることはできると言います。白駒さん自身、そうやって成功してきたのだとか。しかし、自分が目標を立てることをしなくても、他の人の応援をしていたら、他の人からも応援されるようになり、いつしか思ってもみなかった大きなことができるようになった。それが、日本人に合うやり方だ。そう、白駒さんは言います。


私たちは、いいことだけが贈り物で、悪いことは試練なのだと思ってしまいますが、本当は、いいことも悪いこともすべてが天からの贈り物なのです。その時点では悪いことだと思っても、後になれば「あの時の、あの出来事のおかげ」と、すべてに感謝できるようになる。後から考えると、「なんて辻褄が合っているのだろう」と気がつくのです。」(p.54)

白駒さんは、「ぽんちゃん」(白駒さんはガンのことを「ぽんちゃん」と呼んでいます。)にならなければ、出版することはなかっただろうと言います。好きな歴史の話をして回ることも、「ぽんちゃん」のお陰なのですね。


江戸時代の経営者は、「商売繁盛」は決して願わなかったそうです。
 では、江戸時代の経営者が何を祈ったのかというと「諸国客衆繁盛」です。
」(p.76)

つまり、全国のお客さまの繁盛を祈ったということです。自分につながる人たちの幸運を祈る。そういう姿勢があったから、日本は世界でダントツの長命企業が多いのだと言います。実に世界の200年企業の6割を日本の企業が占めているとか。もちろん、単一国家が2千年以上続いているのは日本だけですから、国の繁盛の土台にも、そういうことがあるのだと思います。


私は、一つには、「共生」の思いの強い人を「粋」というのかなと思います。自分と他者との共生。あるいは、人間と自然との共生。
 利休という人は、茶の湯を茶道にまで高め、その茶道を通じてひたすら自己を磨き上げ、究極の「粋」を生きた人だろうと思っています。
」(p.135)

利休の前半生は、堺の商人としてお金儲けをすることだっそうです。それがあったからこそ、わびさびという対極とも言える世界を極めることができた。不幸のどん底がわからなければ、幸せの絶頂も極められない。利休は、他との共生を徹底的に極めることで、茶道を成したのだと言います。


それ以来、私は「だからこそ」という言葉を心のなかで口癖にしようと、心がけています。

 例えば、「両親の仲が悪い、だからこそ」と言ったら、「私はこんなに不幸だ」とは言えません。「だからこそ私は幸せな家庭をつくろうと思って、努力しているの」というように、プラスの言葉しか使えないのが、「だからこそ」なのです。
」(p.140)

すぐに「でも」「だって」と言い訳をしていた白駒さんは、「だから」という接続詞に変えようとしたそうです。しかし、「だから」だと良い理由も悪い理由も探すことができます。そこで考えたのが「だからこそ」という接続詞だったのですね。これなら、悪い理由は出てきませんね。


何をやるのかも大事ですが、もっと大切なのは、どんな思いでやるのかということ。
 どんな花が咲くかは、種子で決まっています。それと同じように、どんな結果になるかは、その動機、その思いの純粋性が大きな影響を与えるような気がするのです。
」(p.178)

どうやるかではなく、なぜやるか。子孫や他人の幸せを祈ってやれば、もっと大きく報われる。バリ島の兄貴と出会った白駒さんは、兄貴の動機の純粋性に感動したそうです。

独立戦争で亡くなった人々の栄誉を称え、彼らの御霊を慰める英雄墓地が、バリ島にもあります。兄貴は、お忍びでしばしばお墓参りにいらしているようです。どれが日本へのお墓か、慰霊に訪れた人がわかるように、紐の鉢巻を準備してお墓に巻いてくれたのも、兄貴です。」(p.175)

白人国家が有色人種の国家を蹂躙し、植民地化していく。アジアでは、タイと日本しか、植民地化されなかった国はありません。日本は、アジアの解放を1つの目的として、大東亜戦争を戦いました。ですから終戦後も、やがてやってくる旧宗主国に歯向かう現地の人たちを助けようと、多くの日本兵が現地に残り、共に独立戦争を戦ったのです。その英雄を、兄貴は大事にしたいと思っておられるのですね。

兄貴のもとを訪れる日本人に、私は声を大にして伝えたいです。「みんな兄貴にやり方を訊きに来るけれど、大切なのは、”やり方”よりも”あり方”。私たちは、兄貴の真心をこそ見習うべきです」と。」(p.181)

自分が成功したいから、兄貴に近づく多くの日本人がいます。でも、兄貴はそんな人も排除せず、優しく歓迎してくれます。そんな中で白駒さんは、「やり方」ではなく、兄貴の「あり方」に学ぶべきだと言います。兄貴の「あり方」とは、「恩返し」であり「恩送り」なのです。


兄貴曰く、
「一生つきあうという覚悟でいると、人に不平不満を持たなくなる」
 なるほど、この覚悟を聞いて、兄貴の人柄や人づきあいの謎が一つ解けました。兄貴は、人の悪口を一切言いません。肩書や実績で人を見ることをせず、いつでもその人の本質を見て、とことん向き合ってくれます。
」(p.192)

白駒さんはそれまで、運を良くするには「縁を大切にすること」や、「恩を感じるセンサーを育むということ」などのポイントがあると考えていました。さらに3番目に、「勘(直感)を磨くこと」も重要だと考えていたとか。ところが兄貴と出会ったことで、その3番目が変わったのだとか。

兄貴は、人付き合いに直感は必要ないと言います。つまり、付き合う人を選別しないのです。その代わり、最初から一生付き合うという覚悟を決めていたのですね。ですから兄貴の周りには大勢の人が集まります。兄貴はすべての人を受け入れ、誰も責めず、切り捨てたりしないからです。


おそらく日野原先生を支えていたのは、医師としての使命感と、「受けて立つ」という気概だったのではないでしょうか。「受けて立つ」、これが日本人の生き方の本質だと思うのです。」(p199)

戦争体験から、常々、野戦病院をイメージして準備をしてきた日野原重明医師。その聖路加病院での準備が生きたのが、あのオウム真理教の地下鉄サリン事件でした。いつ役立つかわからないのに、そのための準備をして来られた日野原先生。それにしても、いざという時は「受けて立つ」という気概を持って望む他なかったのですね。


若者たちは、よく「自分探し」と称して、海外を放浪したり、アルバイトや仕事を転々と変えたりするけど、「君たちに必要なのは「自分探し」ではなくて「お手本探し」だよ。自分というのは、「今、ここ」にしか存在しないのだから、旅に出たり、仕事や環境を変えたところで、自分が見つかるわけではないよ。それよりも、こうなりたいと思えるようなお手本を持てれば、目標とするその人が、人生の岐路に立たされた時に、あなたを導いてくれるよ」と。」(p.208 - 209)

トリプルアクセルで結ばれた伊藤みどり選手と浅田真央選手の思い。他の人がどうかとか、それをして意味があるの?勝てる?とか、そんな世界を超越したつながりと思いがある。それが、「お手本」であり、あこがれの存在なのだと思います。

そこには、ただ自分が美しく生きたい、自分らしく生きたい、という思いしかないのだろうと思います。真央ちゃんは、キム・ヨナのことを見ていたのではなく、ずっと伊藤みどりさんの思いを追いかけていたのだろうなぁと思いました。どんなに失敗しても、自分はトリプルアクセルを跳ぶ。そこにどんな意味があるかなど、どうでも良かった。ただ憧れたから、跳び続けたのだと思います。


この本を読むと、兄貴と出会った後の白駒さんの熱い思いが伝わってきます。白駒さんが、これからの日本人に、若者たちに残したいこと。それは、強運を引き寄せたいなら、自分のことではなく、愚直に他人のために生きよ、という思いではないかと。

これまでの歴史のエピソードは控えめにして、新たな白駒さんの境地が表れている本だと思います。兄貴のファンでもある私は、この本をぜひお勧めしたいと思います。

幸せの神様に愛される生き方
 
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 23:19 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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