2017年11月19日

手をつなげば、あたたかい。



かっこちゃんこと山元加津子さんの本を読みました。前回、「違うってことはもっと仲良くなれること」「約束 般若心経は「愛の詩」」を紹介しましたが、この本も同じ時期に「読書のすすめ」さんで購入したものです。

かっこちゃんの本を読むと、そのピュアな心に触れてホッとします。そしてそれだけではなく、とても深遠な世界を垣間見せてくれるのです。今回のは特に、これはスピリチュアル系の本かと思うような内容でした。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

私は特別な宗教を信仰しているわけではありません。
 けれど、神様か仏様か、何か目に見えない大きな力があって、私たちが、すべて、一番いいようにつくってくださっているということ、だからこそ、宇宙の何もかも全部うまくいくようにできているのに違いないと、あの日、自分の中で確信したのだと思います。
 一つの物がそれだけであるのではなくて、何もかもが関わり合って、支え合って、しっかりとつながり合って、まるで一つの命のようにうまくできている。そして、私もその一部なのだということを、子どもだったので、しっかり言葉にすることはできなかったかもしれないけれど、感じたのだと思います。
」(p.8 - 9)

かっこちゃんが子どものころ、そういう体験があったのですね。大人になったかっこちゃんは、障害者の子どもたちなどと接する中で、この子どものころの体験を、追体験しているかのようです。それが、この本を読むとわかってきます。


象が未消化でウンチをしてやがて森をつくるということ、ウンチがアリ塚に変わること、みんなが食べ分けを行っていること、どの一つだって、誰かが設計図を書かなければありえないことのように、私には思えてきたのでした。」(p.26)

かっこちゃんがサバンナで体験したことです。自然界は共存共栄しています。それは偶然とは言えないと、かっこちゃんは言うのです。

「はじめにことばがあった」つまり、最初の一点には、この宇宙がどんなふうにできていくかという設計図があったのだ。そして、その設計図には、全体としても個としても、何もかもがすべてうまくいくように、私たちの周りで起きることも何もかもが、うまくいくように書かれてあるのだと思いました。」(p.33)

新約聖書に「はじめに ことばがあった」と書かれていたのだそうです。「ことば」は「ロゴス」と書かれているものもあります。その意味を調べている中で、これを「設計図」と読み替えるとぴったりくると感じたようです。


私、決めていることがあるの。
この目が物を映さなくなったら目に、
そして、この足が動かなくなったら足に、
「ありがとう」って言おうと決めているの。
」(p.134)

かっこちゃんの本によく登場する雪絵ちゃんの「ありがとう」という詩の冒頭の言葉です。雪絵ちゃんはMSという難病にかかっていて、発作が起きる都度、機能が損なわれていくのです。それでも雪絵ちゃんは、MSになってよかったと言います。MSの自分が好きだとも。そんな雪絵ちゃんにまつわるエピソードです。

そこで私は思ったのです。
 今、私たちが明日へ向かって元気に歩いていくことができるのは、過去に病気や障害を持って、そのために苦しみながらも生きていてくれた人がいるおかげなのだと。
」(p.137)

マラリアに感染しても、死ぬ人と死なない人がいます。その研究から、鎌状赤血球が関係しているとわかったそうです。調査すると、鎌状赤血球を持っていて重い障害がある人が4分の1、鎌状赤血球を持っていて症状がない人が4分の2、鎌状赤血球を持たない人が4分の1。

マラリアにかかったとき、鎌状赤血球を持たない人は亡くなります。しかし、鎌状赤血球を持ちながら症状のない4分の2の人は生き残ります。だから、村は全滅せずに済むのです。しかしそのためには、どうしても重い症状のある4分の1の鎌状赤血球を持つ人が必要なのです。その人がその障害を引き受けてくれたから、全滅を逃れられているということになります。

この話は、前に紹介した「1/4の奇跡」という本にも書かれています。同名の映画やこの本も、実は雪絵ちゃんの「このことをかっこちゃんが世界の人に知らしめて」という遺言から始まったのです。


人と人とが交わると、
人はいろんな大切なことに気づくことができて、
変われるのだなあと思うのです。

それが、人がいろいろに生まれる理由なのかな?
それが出会っていくことの意味なのかな?

誰かと出会ったとき、
長い時の流れの中、広い宇宙の中、
お互いが必要だから神様が出会わせてくださるのだなと
私はいつも思うのです。
」(p.143)

いろいろな人がいて、それが絶妙なタイミングで出会っていく。それは自分が変わるための神の図らいではないかと、かっこちゃんは言います。


つまり、私の中にも、誰の中にも、宇宙に存在するすべてのデータが入っているということになります。
 手は、手の部分をONにするスイッチのようなものがあって、そこがONになって細胞が手になるのと同じように、私が存在している(再生されている)のは、宇宙全体の中で、私の部分がONになっているからじゃないかなあと、いつもぼんやり考えています。
」(p.146)

動植物の細胞は、最初は1個です。それが分裂して私たちが目にする形になります。どうしてそうなるのか? それは、手の細胞は、細胞の中のDNAの手の部分がONになることで、手の形になるのだと言います。それと同じように、宇宙には無数のドットがあって、その1つのドットにはすべてのものの設計図が含まれていると言うのです。そのどこがONになるかによって、自分になったり、他の誰かになったり、花になったりするのだと。

スピリチュアル系でも、同様のことを言っています。個の中に全体があるのだと。ですから、たまたま私は「私」として再生されているだけで、スイッチが変われば「あなた」にもなるというわけです。


誰かを責めようとしたら、誰かの責任だと思うから前向きになれないけれど、「これはいつかの良い日のためにあるんだ」とか、「神様の計画の一つなんだな」と思ったら、自分に今できることをしようと思えるようになりました。」(p.173)

かっこちゃんでも、他の車に割り込みされるなどで、つい責めたくなることがあるそうです。しかし、そういうふうに思うと、「心がぎゅーって痛くなって苦しくなる」と言います。だから、上記のように考えて、誰かを責めないようにしているそうです。


ユダはもしかしたら、生まれる前に神様に「イエスを裏切る役をしてほしい。これからいっぱいつらい目にあわせてしまうけれど、そうしてほしい」と望まれて、ユダも、「わかりました。そうしましょう」と自分でユダになることを選んだのかもしれません。」(p.191)

これは斬新な発想ですね。しかし、言われてみると、そうに違いないと思えます。だって、すべて自分で選んで生まれてくるのですし、起こることはすべて必然なのですから。

つまり、どんな自分であろうとも、大きな宇宙が、その姿かたち、そして、この状況においてくれたといういことには、きっときっと大きな意味があるはず。
 私が私であることが、一番いいことだったから、私は今の私に生まれたんだと思うのです。そして、それは、「自分のことを好きでいていいんだよ」ということなんだと思います。
」(p.195)

ユダでさえそうなのです。どんな人にも、そうである必然性があるから、そのように生まれてきた。だからどんな自分であっても、あるがままの自分を好きになっていいのです。


私はこの世界の最初の一点に愛をこめてつくられた神様は、「必要なものを必要な形に、お互いが関わり合いながら、全体として一つになって生きていけるように世界をつくったのだから、すべて思い煩(わずら)わなくてもいいんだよ。大丈夫だよ」と知ってほしいと思われたのだと思いました。
 苦しみも悲しみも大丈夫だし、相手は自分の一部でもあるのだし、自分も相手の一部でもあるのだから、恨む必要もない。みんなで、愛でいっぱいの宇宙につながりながら生きていくんですよと、神様が伝えてほしいと思っておられるんだなと思いました。
」(p.219)

イエスや仏陀がこの世に現れたのは、神の愛だとかっこちゃんは言います。ですから、何があってもいつかのいい日のためにあるのだからと思って、安心していればいいのですね。

本当は、誰でも今が幸せなのだと、私には思えてなりません。
 花も蝶も、風が吹けば風に吹かれ、お日様が照ればお日様に照らされ、雨が降れば雨に打たれる毎日を送っています。あるときは、命を落とすこともあるかもしれません。けれど、本当は何も心配いらないのだなあと思います。
 生きることも亡くなることも、みんな神様の手のひらの上。
 本当はその手のひらの上で、誰もが幸せなんだと、今、そう思っています。
」(p.221)


私がこれまで様々な本から学んできた中で、究極の教えは何かと問われれば、それは「安心していること」だと思っています。かっこちゃんも、そういう考えを持たれているようですね。何が起ころうとも大丈夫。間違ったことにはならない。だから安心して、幸せでいればいいのだと。

かっこちゃんのことを、何かを持っている人だと思っていました。しかし、ここまで本質に迫る内容を聞かされるとは思っていませんでした。やはり、通じる人は通じるのですね。

手をつなげば、あたたかい。
 
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 10:08 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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