つい先日、結婚ビザを取ろうとして失敗したばかりですが、じっとしているわけにはいきません。調べ直して、リタイヤメントビザを取ることにしました。
まず基本的に知識がない方のために書いておくと、タイの結婚ビザは、結婚しているだけでなく、年間40万バーツ程度以上の資力が求められます。これは外国人男性のみで、タイ人男性と結婚する外国人女性は不要です。(不公平だとは思いますが。)そのため、銀行預金口座に40万バーツ以上の残高があるとか、月収4万バーツ以上あるなどの証明が必要になるのです。
一方、リタイヤメントビザというのは、年金ビザと呼ばれたりもしますが、タイに外国人の(裕福な)お年寄りを呼び寄せるためのビザです。要件は、満年齢で50歳以上であることと、年間80万バーツ程度以上の資力が求められます。銀行口座に80万バーツ以上の残高があるか、月6.5万バーツ以上の年金受取が必要で、そのための証明書が必要になります。
前回、結婚ビザを取ろうとして失敗したのは、その提出資料の中に、賃貸契約の場合はオーナーのIDとカードコピーと住居登録が必要とされたからです。こんなの、オーナーにとっては何のメリットもないので、もらうのが大変だと感じたのです。リタイヤメントビザでは、それは必要ないとのことでした。(パタヤでリタイヤメントビザを取られた方は、必要だと言われて苦労したと、ブログに書かれていますけどね。)
そう考えてみると、リタイヤメントビザを取るより、結婚ビザの方がハードルが高いってことですよね。おかしくないですか?って思いますが、そんなことを言っても仕方ありません。それがタイのルールですし、ここはタイですから。
そこで気を取り直して、結婚ビザを諦めてリタイヤメントビザを取ることにしました。実は私、1回リタイヤメントビザを取っています。昨年、リストラされた時に、ビジネスビザ(Bビザ)から切り替えたのです。厳密にはBビザをキャンセルし、7日間の滞在猶予をもらってから、その日の内にリタイヤメントビザを申請したのです。
すでに3ヶ月間80万バーツ以上の預金残高があったため、1年間のリタイヤメントビザが問題なく取得できました。通常は、ノンイミグラントO(オー)というビザの3ヶ月ビザを取得し、そこから1年のリタイヤメントビザに切り替えるのだそうです。BビザはノンイミグラントBですから、そこでノンイミグラントビザ3ヶ月というのがクリアされたのでしょう。
今回、自分でリタイヤメントビザを取るにあたって、いろいろ調べました。そこでよくわからないことがいくつかあったのですが、自分で手続きする中で見えてきたことが多々あります。それについて書きますね。
まず、日本でリタイヤメントビザを取ろうとすると、けっこう大変なようです。そこで業者さんもお勧めしているのが、タイに来てノンイミグラントOの3ヶ月ビザを取得し、そこからリタイヤメントビザに切り替える方法です。業者によっては15ヶ月ビザと言ったりしていますが、この方法です。
その最初のノンイミグラントOの3ヶ月ビザですが、ラオスなど国外で取ってくる方法もあるようです。しかし、タイ国内で取得することも可能です。その要件は、お金をタイに持ち込んだという証明書があるということです。
いずれ1年のリタイヤメントビザに切り替える際は、銀行預金残高が3ヶ月以上キープされていること、というのが条件となるようです。その3ヶ月というのは、このノンイミグラントビザの期間を表しているのではないかと思います。
したがって、厳密には3ヶ月でなくても良いはずです。ノービザでノンイミグラントOを申請し、15日後にノンイミグラントの3ヶ月(正確には90日)ビザを取得しますが、60日後には1年ビザへの更新が可能になります。となると、最短だと銀行預金口座に80万Bをキープできるのが75日になるからです。(ただし、1年のビザが切れて更新する際は、きっかり90日(3ヶ月)が適用されるとは思います。)
●書類を整える
申請書類については、タイ政府のサイトを見るのが確かです。前の記事にも書いたようにグーグルが警告を出すので怖くて見られません。私は、業者の方や、自力でビザを取られた方のサイトを参照しました。「タイ リタイヤメントビザ 書類」などで検索してみてください。
以下、私が用意した資料です。
・ビザ申請書(ノービザから新規:TM87、旅行ビザから新規:TM86、継続:TM7)
イミグレーションの入り口のカウンターでもらえますが、ただリタイヤメントビザと言うとTM7しかくれません。
ひょっとしたら、新規でもTM7に書いていいのかもしれないと思ったのですが、今回の件で、やはり違うと感じました。TM87とかTM86と言って、正式な書類をもらう方が無難です。
これに申請用の写真(4cm✕6cm)を貼ります。
結婚ビザの時に書いたものをそのまま日付だけ変えて提出しました。申請理由に「リタイヤメントビザが欲しい(I want Retirement Visa)」と書けと言われたので、それを付け加えました。あとは携帯電話番号をサインの下に書けと言われて書きました。
滞在期間が残り15日以上という話もあれば21日以上という話もあります。私は、申請日を含めず残り22日で申請しました。
・パスポートとそのコピー
イミグレの資料には何も書かれていませんが、ビザの期限は、パスポートの期限より長くなることはあり得ませんので、1年を切っている場合は、先にパスポートを更新しておく方が良いでしょう。
コピーは、顔写真、最新の入国スタンプ、出国カード(TM6)、現在適用中のビザ、前回の入国時のビザと入国スタンプ、のページだそうです。
・月収6.5万バーツ以上の年金所得の証明書または80万バーツ以上の銀行預金残高の証明書
結婚ビザと同様、タイ語の残高証明書と、普通預金または定期預金の預金通帳とその全ページのコピーだと思います。
※銀行で、この残高証明書は何と呼ぶのかと尋ねました。答えは「ナンスー・ラップ・ローン・バンチー(หนังสือรับรองบัญชี)」でした。ナンスーというのは普通は本のことですが、書類のことも指すのでしょうね。ラップ・ローンは証明・保証する、バンチーは経理・口座です。したがって、前に「バイ・ラップ・ローン・ブランチ・タナカーン」と紹介したのですが、おそらく正確には「バイ・ラップ・ローン・バンチー・タナカーン(ใบรับรองบัญชีธนาคาร)」だと思います。バイは紙1枚、タナカーンは銀行です。
3ヶ月間維持とは、規則に書かれていないと思います。おそらくそういう運用なのでしょう。
私は3ヶ月維持していない(というよりノンイミグラント3ヶ月以上のビザではない)ので、外貨の持込み証明書(空港の税関でもらう)と両替の証明書(銀行や大きな両替商でもらえます)を付けました。結婚ビザの時は担当者にはじかれた両替の証明書ですが、今回も同じ担当者でしたが、外貨の持込み証明書と一緒にホチキスでとめてましたね。一応、用意した方が無難なようです。
(外貨の持込み証明書はスワンナプーム空港ではBと書かれたブースへ行き、マネー・ステートメントがほしいと言えば、だいたい伝わります。)
なお、残高証明書と通帳の記帳は、ビザ申請当日と書かれています。前日(前々日でもOKという話もあります)でもOKのようですが、今回はまずイミグレーションの下の銀行でもらいました。通帳もイミグレの下にある銀行のATMで、今回は3000Bを引き出してから記帳(UPDATE)しました。預金(あるいは出金)しないと記帳されませんので。
通帳に当日の記帳をした後で、そのページのコピーを取る必要があります。何ヶ所かコピーをしてくれるところがあるようですが、私はエスカレーターを降りたところに目立つ看板があったので、その看板を頼りに奥の左手にある店へ行き、1枚2バーツくらいでコピーしてもらいました。
・住居を証明する書類とそのコピー
賃貸住宅の場合は、その契約書とコピーが必要になります。
アパートは妻が契約しているので、契約書に私の名前はありません。それで何か言われたらと思い、結婚していることを証明する結婚証明書(タビアーン・ガーン・ソムロット)のコピーと、妻のIDカード(バット・プラチャーチョン)のコピー(表裏)を持っていきました。しかし、数日前に結婚ビザで見てくれた担当官だったということがあるのか、何も言われませんでした。
念のために結婚ビザで用意した地図もつけましたが、これも要らないとはじかれました。
※<2018年9月9日追記> リタイヤメントビザの審査が厳しくなり、住所を示す地図の提出が義務付けられたとの情報がフリーペーパーにありました。必要書類はよく変わりますので、最新の情報を入手するようにしてください。
・追加書類
何の書類かわかりませんが、ビザ申請の書類をその場で書かされました。と言っても、「Mr. Atsushi Akaki」という名前と、年齢、それから申請理由として「Retirement Visa」と書いてサインしただけですけどね。
●リタイヤメントビザを申請する
昨年、リタイヤメントビザを申請したのはLカウンターでした。今回、待ち行列の番号札をもらうとき、「リタイヤメントビザ」と言ってパスポートをチェックしてもらったらLカウンターの札をくれたので、これで間違いないと思っていました。
しかし、約1時間して呼ばれて行くと、またしてもものの1分でダメ出しされました。独り言のように担当官が言ったのは、「なぜTM87の人がここに来るの?」です。この言葉によって、あとでわかったことがありました。
そして今度は親切に待ち行列の番号札をもらうカウンターに案内され、そこで新たな番号をもらい、C1カンターの前まで連れて行ってもらいました。
前回、結婚ビザの申請で回されたところです。「また間違っているんじゃないの?」最初はそう思いました。しかし、先ほどの担当官の言葉がひかかります。それでやっと気づいたのです。このC1カウンターは、ノービザとか旅行ビザから、ノンイミグラントO(オー)のビザに切り替え、最初の3ヶ月ビザを発給するカウンターなのだと。申請書がTM87かTM86ということです。(LカウンターはTM7(継続)を受け付けるのだと思います。)
隣のC2では、最初に何かを提出し次に何かを受け取るという形で、番号が次々と呼ばれていました。もしC1と関係しているとすると話は簡単です。つまり、C1で申請した場合、2週間の審査期間を経て、正式に3ヶ月ビザを受け取るのですが、おそらくC2に受け取りに来たことを申請し、順番を待ってビザを受け取るのでしょう。(これは2週間後に私が受け取りに行った時に判明します。)
※判明しました。C2カウンターは無関係でした。C1カウンターで受け付けていました。詳細は、「タイ・バンコクで3ヶ月ビザを受け取りました」をご覧ください。
これで、前の結婚ビザの申請の時、担当官が「なぜリタイヤメントにしないのか?」とぶしつけな質問をした意図がわかりました。彼女(担当官)は、結婚ビザだとオーナーの書類が足りないから受け付けられないけど、リタイヤメントビザなら今の書類でそのまま受け付けられると言いたかったのでしょう。
書類をチェックしてもらい、いくつか追記したりして、今回は午前中にビザ申請が無事に完了しました。担当官にビザ代の2,000バーツを支払った時、これで3ヶ月のビザがもらえるんだとホッとしましたよ。
領収書には、今月20日に受け取るように書かれています。この日程は、他のサイトを読むと、その日しか受け取れないようです。万難を排して行く必要がありますね。
実はBビザの時、受取日に出国していてタイにいないということがありました。それで後から、すでに航空券を発券していることを伝えて、受取日を変更してもらったことがあります。ですから、本当は変更できるのです。おそらく、その日に受け取りに来る予定の人の資料を、それまでに準備するのでしょう。その変更が面倒だから、必ずこの日に来いと言っているだけのように思います。
まあでも、こちらもわざわざ面倒なことはしたくないので、指定日に受け取りに行こうと思います。これで、2月半ばくらいまでの90日間のビザを手にできます。60日を過ぎると1年ビザに更新ができるので、妻の実家へ引っ越すまでに、1年ビザに切り替えようと思います。
チェーンワッタナーのイミグレへの行き方は、前回の結婚ビザの顛末に書いてありますので、そちらをご覧ください。
バンコクでリタイヤメントビザを取得するなら自力でもできます。とは言え、前の結婚ビザの失敗などで慣れていたから簡単にできた、とも言えます。そう考えると、業者さんの助けを借りて一発で済ませるのも1つの方法ですし、失敗を重ねながら知識を増やしていくというのも1つの方法かと思います。
●番外編
チェーンワッタナーのイミグレの外に、こんな標識を天井に見つけました。
だいたい絵で意味はわかるのですが、赤丸の絵だけわかりませんでした。それで妻に尋ねると、イスラム教徒のための祈りの部屋だそうです。
そう言われてみて、なるほどと思いました。日本に比べるとイスラム教徒の数も多いので、こういう気配りが必要なのですね。そう言われれば、私がいた前の会社でもイスラム教徒の社員を採用した時、会議室を祈りの部屋として使ってよいという許可を出したことがありました。
いろいろ体験しながら、たくさん学ばせてもらっています。ともかく今は、3ヶ月のビザがもらえることになってホッとしています。
◇◆◇ 注 ◆◇◆
この記事に書かれているのは、記事が書かれた時点で私が集めた情報や、私が体験してそう思ったというものです。
したがって、これらの情報が絶対的に正しいとか、どこでも適用されるなどと思わないでください。
仮に正しいとしても、何があるかわからないのがタイです。その辺のことをご承知おきください。
2017年11月03日
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