2017年10月10日

凛とした日本人の生き方



鍵山秀三郎さんの本をまた読みたいなぁと思って探したところ、「読書のすすめ」白駒妃登美さんのおすすめ本3冊の中に鍵山さんの本があることがわかり、ついでだということで3冊まとめて買いました。今回は、その3冊の中の一番薄い本です。

白駒妃登美さんのおすすめ本3冊

鍵山さんは、イエローハットの創設者としてより、掃除、特にトイレ掃除として知られているかもしれません。私が最初に読んだのは確か「凡事徹底」という本でしたが、平凡なことを徹底的に行うことを貫いて来られた方です。

そして、私にとって鍵山さんは、とても重要な方なのです。それは、鍵山さんが「少女パレアナ」という本を紹介してくださったからです。この小説を読んだことで私は、「見方を変える」ということを学んだのでした。

昨年、神渡良平さんが主催されている照隅会に鍵山さんがゲストで参加されるということなので、私もぜひ参加したいと思っていました。しかし、体調の問題があって、ゲスト出演は中止になったようです。ぜひ一度お会いしたいと思っているのですが、どうなることでしょう。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

聞く耳を持たない生徒に、どんなにいい話を聞かせても、理解してもらえないばかりか反発を買うだけでしょう。近ごろは、カリキュラムに基づいて教科書の内容を教えることが「教育」だと思いこんでいる教師が多いようです。何よりも相手の心を開かせ、「もっと聞きたい」「学びたい」という気持ちを起こさせるところに、教育の原点はあるのではないでしょうか。
 大切なのは「教化」ではなく「感化」です。
」(p.10)

コップに水を注ぐ前に、まずコップを上に向けさせるという言葉を例に上げています。では、具体的に感化はどうやって行うのか? 鍵山さんは、ご自身の両親を例にあげて、不満も愚痴も言わずに目の前のことに骨惜しみせずに取り組みことによって、「そこまでするのか」と思われることで感化できるのだと言います。


小・中学校で講演する時、私は子供たちにこう伝えます。「頭のよい人」とは、記憶力がよいとか頭脳の優れた人という意味ではありません。いつもよいことを考える人のことです。」(p.15)

つまり、徳のある人が本当の意味で頭の良い人だと言うのですね。「論語」にも「巧言令色鮮し仁」とあります。口先だけで徳がない人というのは、社会の役には立たないのです。むしろ迷惑かもしれません。


人を憎み、恨んだところで、結局、損をするのは自分です。「過去と他人は変えられない」と言われますが、自分の生き方次第で過去さえも変えることはできます。起きた事実は不変でも、自分の受け止め方を変えることで、その過去が持つ意味は変わるのです。
 私は今、過去のすべての災難や苦労を笑って話すことができます。とても幸せなことだと思います。
」(p.31)

「他人と過去は変えられない」とよく言います。たしかに、その通りです。だから自分と未来を変えればよい。普通はそう続きますが、鍵山さんのように、「過去は変えられる」と言う人もいます。それは、過去の事実を変えるのではなく、その事実の解釈を変えるのです。

解釈が変われば、不幸な事実が幸せな事実へと変わります。これが過去を変えるということです。そして鍵山さんご自身は、過去の辛く苦しい経験を、今は幸せな出来事として解釈されているようです。


下村湖人(しもむらこじん)先生の『青年の思索のために』は、何度読み重ねたか知れません。その中にこうあります。
 「私は苦悩のない世界に住みたいとは思わない。私の住みたい世界は、苦悩が絶望の原因とならず、勇気への刺激となるような世界である」
 苦しみは自分を鍛える試練です。感謝してわが身に引き受ける人こそ、経営者の資格があるのです。
」(p.54)

苦しみというのは、自分を磨き鍛える砥石のようなものです。「艱難汝を玉にす」という言葉がありますが、苦難に出会ってこそ成長するのだと鍵山さんは言います。

そして、人の上に立つ経営者は、他の人よりいっそうその苦難を乗り越えて自らを成長させる必要があるのですね。私自身が経営者でしたから、この言葉はとても心に突き刺さりました。


そんな私が、なぜ一度始めたことを途中で投げ出さず、継続できる人間になれたかと言えば、「掃除以外に自分が歩める道はない」と覚悟を決めたからです。人間の心はガラスのように脆(もろ)く、壊れやすいものです。しかし覚悟を決め、決断をし、集中力を高めて行動することにより、心を鋼鉄のように強くすることができます。」(p.58)

5人兄弟で甘やかされて育ったと鍵山さんは言います。宿題は上の兄弟がやってくれるので、自分ではやったことがなかったと。それが東京空襲によって一気に貧乏になり、地方で農家が見捨てた畑を耕すという生活になったのです。

もともと自分は器用ではないと感じておられたのでしょうね。だからこそ、平凡なことをとことんやることでしか自分の道は開けないと、強い意志を持つことができたのでしょう。


人生を価値あるものとするために、一番大切なことは何でしょうか。
 知識を高めることでしょうか。それとも財産を増やすことでしょうか。私は「後世に伝えるもの」を持つことだと思います。
」(p.116)

これは内村鑑三氏「後世への最大遺物」という講演で語られた内容にも通じています。つまり、人が遺していけるものとは、自分の生き方(生き様)だということです。

鍵山さんも、「言志四録」にある言葉を引用し、その生き様こそが重要なのだと言います。その言葉は、私も座右の銘にしている「佐藤一斎「言志四録」を読む」でも紹介したこの言葉です。

「当今(とうこん)の毀誉(きよ)は懼(おそ)るるに足らず。後世の毀誉は懼るべし。一身の得喪(とくそう)は慮(おもんばか)るに足らず。子孫の得喪は慮るべし。」(言志録89条)


鍵山さんは、荒んだ社員の心を癒やしたくて掃除を始めたのですが、最初の10年間は無視されたり否定されたりして、とてもつらかったと言います。次の10年になって、やっと賛同者が現れたそうです。そして30年経って、その取組が認められ、多くの賛同者が現れ、日本全国だけでなく、世界でもこの取組みが実践されるようになったと。

ですから、平凡なことを諦めずに淡々とやることだと鍵山さんは言います。それが効果があるのかないのか、そんなことは10年、20年と経たなければわからないのだと。効率よく「小さな努力で大きな成果」を狙うのではなく、「大きな努力で小さな成果」を目指すべきだと言うのです。愚鈍であれ。バカ正直に、目の前のことを黙々とやれ。これが、鍵山さんの教えであり、目指してこられたことなのです。

凛とした日本人の生き方
 
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 00:01 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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