また、ひすいこたろうさんの本を読みました。これも編集者のひたかみひろさんとの共著で、文庫本になります。
「あなたの人生、これでいいのだ!」とサブタイトルがついています。「読むだけで、「夢」が「現実」に近づいてくる!」と、帯にキャッチコピーがあります。この本は、ありのままの自分を受け入れ、そうすることで人生が良くなる、ということを書いた本なのです。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「実は、僕らの魂は、80年間の休暇をとって、この地球に旅行にきていたのです。」(p.6)
まえがきで、このように言っています。旅なのだから成功も失敗もない。貧乏旅行だって貴重な体験。だから、私たちがやるべきことは1つだと言います。
「心を自由にして、いま、この瞬間を生きること。
過去を悔やむことではなく、未来を思い悩むことではなく、現在、いま、この瞬間をしっかり味わい、そして楽しむことです。」(p.6)
まさに「神との対話」などで言われている通りです。体験することが重要なのであって、何をするかはどうでもいいのです。
「心を自由にする方法は、簡単です。
あなたの人生で、いままで起きたことすべてのことを、
「これでいいのだ」
って受け入れることです。
それが旅の出発点であり、幸せになるための「スイッチ」です。」(p.7)
すべてのことを受け入れる。バカボンのパパのように「これでいいのだ〜」と言う。それが、自分を幸せにする魔法の呪文なのですね。
「かわいいのにモテない人たちは、自分の名前が好きじゃないというのです。」(p.19)
モテなかったり、恋愛が続かなかったりする人の共通点、それが自分の名前を嫌っているということ。名前は自分自身ですから、自分を嫌っているのですね。
そして自分を嫌っている人は、親を受け入れていません。どっちが先かは別として、自分を嫌う人は、他人を受け入れられない。だからモテないし、恋愛が続かないのです。
「心は見えないから、変えるのは難しい。
だから、まず、見えるところを変えてみるのです。それなら今日からできます。」(p.25)
自分を好きになるには、まず外見を変えて好きになるのが簡単だと言います。たとえば男性なら帽子をかぶってみたり、女性ならネイルをしてみるとか、普段しないようなことをしてみます。
その際、自分で選ぶのではなく、他の人に見立ててもらうのがコツだそうです。そうすることで、自分が気づいていなかったチャームポイントに、気づかせてもらえるからです。
「ブッダも、イエス・キリストも、孔子も、実はみんな同じことを考えていたように思います。
(中略)
結局、この3人の聖者が一番伝えたかったのは、自分を肯定すること。自分に”YES”ということです。」(p.32 - 33)
仏陀は「天上天下唯我独尊」と言いました。「この世界にたったひとりの自分だから尊い」という意味です。イエスは「隣人を愛せよ」と言っていますが、その前に「自分と同じように」と言っています。まず自分を愛することが大切なのです。孔子は、「名前が知られていないからと言ってくさるな」と言っています。自分のことを自分が知っていれば、それで良いではないかということです。
このように、3人に共通しているのは、自分を肯定すること、自尊心を持つこと、自分を愛することだと言うのです。
「絶対の自信なんかホントは誰ももっていない。ただ自信があるように自分に暗示をかけているだけです。」(p.42)
1000人を超える成功者に取材した結果、「彼らはすごくポジティブな人を「演じて」いる」ということがわかったそうです。演じるのであれば、今すぐにでもできますよね。
マンガ「天才バカボン」のストーリーが紹介されていました。私はまったく覚えていなかったのですが、とても驚いたので紹介します。
「天才バカボンのパパはママと結婚して子どもができた。パパが喜んで病院へ駆けつけると、生まれた子どもは頭のうしろがぜっぺきのダウン症の子どもだった。ショックを受けたパパは、ふらふらと道にでたところを車にはねられてしまう。
頭を強くうったパパ。
起き上がったときにいった言葉がこれです。
「これでいいのだ」」(p.56)
バカボンがダウン症の設定だったのか、私は知りません。こんな物語があったのかどうかも知りません。でも、さもありなんという気がします。
車にはねられたショックで、バカボンのパパは悟ったのかもしれませんね。それ以降は、何が起ころうとも「これでいいのだ〜」と言って、ひょうひょうと切り抜けていくのです。
「「大変」なとき、それは「大」きく「変」わる大チャンスなのです。」(p.62)
大変な時は、これまでと同じことをしていてもどうにもなりません。違うことをしなければならないし、自分を変えなくてはなりません。だからチャンスなのです。
「大切な人へ贈るプレゼントを選んでいる時間、そこには2つの幸せが隠れていたのです。
贈りものができるほど恵まれていることへの幸せ。
そして、プレゼントしたくなるほど、大切な人がいてくれることの幸せです。」(p.68 - 69)
アフリカには、プレゼントする側が「ありがとう」と感謝する風習を持つ部族がいるのだそうです。奇異なことに感じるかもしれませんが、上記のように考えてみれば、それもまた一理あると思えますね。
「相手の立場をちょっとでも想像してみる。すると、世界を優しく見ることができるようになります。
「あの人は機嫌が悪い」などと「印象」で判断するのは誰にでもできます。
でも、「なぜ不機嫌なのだろう?」「どうしてイライラしているのだろう?」と、その「理由」に思いを馳せることができたら、それが本当の優しさです。」(p.95)
アメリカインディアンの教えにも、「その人のモカシン(革靴)を履いて1マイル歩いてみるまでは、その人を批判してはならない」というようなものがあります。まさに、その人の印象ではなく、その人の事情を慮ってみるということですね。
「人生を楽しむとは、自分の可能性を楽しむことです。それ以上にワクワクすることなど、この宇宙にありません。
そのためにいちばん大切なことは、「人生を楽しむ!」と心から決意することです。
決めれば人生はそのとおりに動いていきますから。」(p.159)
重要なのは、人生を楽しむこと。苦労するために生まれてきたのではないのですから。
何とかなるという気持ちがあれば、人生を楽しむ余裕も生まれます。と言うより、余裕を持つことによって、人生は何とかなるのです。その安心感が、人生を創造するからです。
「さまざまな価値観を「それもいいね」「これもいいね」と受け入れることができる。だから、ケンカにならない。それができるのが「和」の心をもつ日本人ならではです。」(p.170)
キリスト教のクリスマスを祝い、仏教の除夜の鐘を撞き、神道の初詣で一年の安全幸せを祈願する。こんなことをするのは日本人くらいだと言われます。
「日本はかつて、「大和(やまと」の国といわれました。
料理では、違うもの同士を混ぜ合わせることを「和(あ)える」といいます。
「和」とは、自分とは違う価値観を楽しめることです。すると、みんなが「輪」になれるのです。」(p.171)
違うことを受け入れ、そのままに楽しめる。それが日本人の心。私もそうであってほしいと思います。
それにしては最近は、同質均一を求めてギスギスする風潮が強いように感じます。異常に他人にマナーを求めたり、ネットでの批判非難合戦など、目に余るものを感じます。
違いをそのままに認められたら、自分が自由になれるのですけどね。ぜひそういう日本の伝統を取り戻して、世界を牽引する国民になってほしいという気がします。
「僕らのいま生きている時代こそ、「革命のはじまり」と、歴史に記されることでしょう。
この時代に、この日本に生まれてきたこと。
そこに大きな意味があると思います。
時代は、いま、あなたが一歩踏み出すそのときを待っています。
革命は、はじまっています。」(p.177 - 178)
価値観は時代によって大きく変わります。ですから周りに流されることなく、自分らしく生きることが重要です。常識に従うのではなく、本音で生きるということです。
そうしたのが、幕末の坂本龍馬氏など、明治維新を推進した人々でした。彼らは、自分らしく生きることにワクワクしていたことでしょう。ワクワク生きる人々によって、時代は変わっていくのです。
「神様からもらった人生のシナリオは、一見、不幸に見えたり、つらいことに見えたりします。なぜなら、「優しい心になりたい」とお願いしたら、神様は「優しい心」が育つように、つらい環境をプレゼントしてくれるからです。人間関係に悩み、葛藤するなかから本当の優しさは生まれるのです。
自分がいまいる環境や身に起こることをすべて、「これは自分が神様にお願いしてもらったプレゼントだ」と受け入れると、あなたが望んだ、本当の望みが見えてくるはずです。」(p.182)
起こる出来事も環境も、すべて必然で無駄がありません。なぜなら魂が、自分の課題のために創ったものだからです。自分のためにならないことは、何1つ起こりません。
あとは、そのことを受け入れるかどうかだけです。神を恨み運を嘆くくらいなら、受け入れてみてはどうでしょうか? どうせ変えられないのですから。
「ピンチとチャンスは同じ状況だったのです。
あとは、あなたがどっちを「選択」するか。そこを決めればいい。」(p.228)
これは福島正伸さんのエピソードからです。福島さんは、何を尋ねられてもポジティブな回答しかしませんでした。その理由を尋ねられて、「決めているからです」と答えられたのだとか。
考え方というのは、その人の選択なのです。これを「意志」の問題です。決断の問題です。ですから、今すぐできるのですね。
「風に乗る方法、それは……、「このままでいい」と思うことです。
「このままでいい」とは、いま、この瞬間の、ありのままの自分を肯定すること。」(p.234)
自力で駆け上ることは不可能でも、風に乗れば簡単です。そのために必要なのが、今のありのままの自分を肯定することなのですね。
これでいい、今のままで十分だ、今とても幸せだ。そうありのままの自分を受け入れる。バカボンのパパのように、困ったことが起こっても「これでいいのだ〜」と言ってみる。そうやって、自分を受け入れるのです。
私は、たくさんの本を読んだり教えを聞いたりする中で、究極の教えは「安心すること」ではないかと感じました。そのことをメルマガで発信したりしています。この本もまた、そのことが間違いないと確信させられるものとなりました。
何があっても大丈夫。どんな状況でも心配ない。ただ安心して、あるがままを楽しめばいい。そういう考え方を、これからも発信したいと思いました。
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