犬飼ターボさんの本を読みました。成功小説というジャンルでは、日本で草分け的存在の犬飼さん。その犬飼さんの成功者シリーズ3部作の第1部になります。
出版されたのは第2部の「チャンス」、第3部の「ドリーム」が先です。第1部が最後になっています。この第1部は、「チャンス」でメンター役として登場する弓池を主人公とした物語だと、「ドリーム」で語られていたのですが・・・。読んでみると違っていましたね。(笑)
「チャンス」と同様に、飲食業界での成功を夢見る中田功志が主人公で、弓池をメンターとして様々なことを教わるという内容でした。「チャンス」ほどは教わる頻度が少ない感じですね。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「「困った出来事が起きたら、『私は何を学ぶためにこの出来事を体験しているのだろうか?』と自分に問いかけるんだ」
コウジはノートに書いた文章を味わった。
「なんだか不思議な質問ですね。”何を学ぶために”ですか。そんなふうに考えたことはありませんでした」
「不幸が起こったのではない。自分が常に成長するために最適な出来事を引き寄せているんだ。この質問を続けていくと、全ての体験を選んでいるのは自分だという認識が育っていく」」(p.105 - 106)
出来事はすべて自分のために起こる。その認識を深めていくことが重要だと弓池はコウジに説明しているのです。
「弓池は3つの意識について説明してくれた。
意識……思考であり、知覚し考えている自分のこと。
潜在意識……過去のデータが蓄えれれている。主に危険や苦痛から守るために働いている。
神性意識……全ては1つであることを知っている意識。それを体験するために出来事を起こす。」(p.110)
自分の思考が出来事を引き寄せるのですが、その思考を生み出す意識に、この3つがあると説明します。そして、ほとんどの場合は潜在意識や神性意識で出来事を創造すると言います。
「神との対話」などで言われているのも、まさにこの通りです。神性意識というのは、魂と言ってもよいでしょう。ですから、自分の意識(顕在意識)で考えたことではないようなことが起こるのです。
しかし、たとえ自分の意識が自覚してないとしても、この3つの意識は「自分」そのものです。ですから、自分がその出来事を選んだことには違いなく、またその目的は、自分のためになることだと言えるのです。
「でも君は、本当は自分で成功すると認めたいんだよ。ところが、その認めたいという想いを自分で認めていないから、他人に認められたいと思った。これは、自分で想いを認めないと、代わりに誰か他人に認めてほしくなるという心の作用なんだ。『自分を認めたい』という想いを認めないと、『認められたい』になる。『役立ちたい』という思いを認めないと、『感謝されたい』になる。『自分を愛したい』という想いを認めないと、『愛されたい』になる」(p.131)
他人の評価を得たくなる(執着する)のは、自分が自分を評価していないからです。本当は自分で自分を評価したいのだと気づかないと、自分を評価できません。まずは自分の本当の欲求に気づくことが重要なのですね。
「(そうだ、あのときも大好きだと言ってくれた。今も……僕は愛されているんだ)
それに気づくと、自分でも驚くような答えがふと浮かんできた。
愛を学ぶため。
今、この出来事は愛を学ぶために体験している。」(p.300)
すべての出来事は、究極的には「すべては1つのもの」であることを学ぶために、思い出すために起こります。そしてそれは、「愛」だということです。この世はすべて愛だったことに気づく。そしてそれを体験する。それが、起こる出来事の目的なのですね。まるで「神との対話」で語られているような内容です。
本の帯には、「実話をもとにした、心が軽くなるビジネス小説」とあります。この小説に出てくるエピソードのほとんどは、犬飼さんがインタビューした実話だそうです。事実は小説より奇なりと言いますが、そういうことがあるのでしょうね。
物語形式なので読みやすく、また主人公に感情移入して、自分がその場で生きているかのように感じます。そして主人公とともに苦悶しながら学び、成長していくのです。犬飼ターボさんの成功小説は、わかりやすく真理を伝えてくれます。
【本の紹介の最新記事】