2017年05月17日

なぜ世界は日本化するのか



話題の本を読んでみました。帯には亡くなられた渡部昇一さんの写真があり、渡部さんが推薦されていることがわかります。著者は佐藤芳直氏。船井総研から独立された人気のコンサルタントです。

世界が日本化しているという認識はあまりなかったのですが、日本は世界を平和に導く役割があると思っていました。それでこの本に興味を持って、読んでみたのです。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

世界はどの国も、先進国になれば量から質を追求するようになる。質的なモノづくりに特化している国の中では、断トツで日本が先頭を走っている。質的な生活を追求するようになると、どうしたって日本と巡り合う。また、どこの国の民族も豊かさを目指す。豊かになれば人間は、量より質を求めるようになる。どの民族も、質を追求していくと日本にぶつかる。だから「世界は日本化する」のである。」(p.5)

これはよくわかります。新幹線はもちろんのこと、在来線でも1分違わぬ運行が当たり前の日本は、質の上で世界を凌駕しています。ETCの反応の良さは、タイのEasyPassと比較すると圧倒的に素晴らしい。自動改札機も、まったく話しにならないくらい、日本の方が優れています。

日本の製品やサービスは、いたるところに気遣いがあります。ですから、質的に日本が最高だし、いずれ世界は日本をお手本にするだろうというのも、納得できる気がします。


世界は分かっている。”日本”という効率的で、合理的で、経済性の高い国を創るためには何が必要か? 山手線や新幹線を造ればいいわけではない。”日本人”という社会資本がなければ、山手線も新幹線も走らせることができない。」(p.19)

質の高いモノやサービスは、「日本人という社会資本」から生まれると言うのですね。ではそれは何かと言うと、日本の文化に表れているものです。日本人の特性とも言えます。そういうものがないと、ただモノや仕組みを導入しても、上手くはいかないのです。

たとえば、東日本大震災の時の、被災者の秩序正しさです。あるいは、山手線がどうして3分間隔で運行できるのか? それは、ほとんどの人が秩序正しくしようと思っているからです。降りる人が先、乗る人が後という、日本人なら当たり前のことができない国がほとんどなのですから。

そういう日本人の文化、日本人の特性がなければ、質の高い社会は実現されないのですね。


文明と文化を一緒に導入するというセンスが、日本民族にはあった。源平以降、約700年続いた武家政権化の文化を、他国に強要されることもなく、自らの意志であっさり捨て去った。これが日本人のすごさだ。」(p.22)

自らちょんまげを切り、帯刀をやめてしまった日本。それが、発展のためには文化も導入するということなのです。

しかし、文化を捨てるというのは、簡単なことではありません。それなのに日本がそれをしたのは、「自分たちの魂に対する絶対的な確信があったから」だと言います。それを大和魂と説明しておられますが、ここはイマイチわかりにくいところですね。


産業革命以降、世界の国々は経済性、合理性、効率性を追求するようになった。やがて、日本が極めて合理的、効率的で美しい社会を築いていることを知る。そして、それを可能にしているのものが”社会資本”であることに気づいた。結果、世界は”日本人”という社会資本がどうして作られたのか、それを学び、その制度を導入しようとする。だから、「世界は日本化する」。」(p.42)

繰り返しになるのですが、日本の社会資本が作られた理由を、世界が学ぼうとしていると言います。その理由は「1番に歴史、2番に教育、3番にリーダーのあり方」だと言われます。

それらによって作られた日本人の特性は、「協調性」や「公」を大切にする心であり、聖徳太子の十七条憲法に表れていると言います。

他にも集団を強固にする家父長制度だったり、終身雇用制度だったり、日本にはそういう文化が根づいているのだと言います。


日本はなぜこんなに強いのか。一つの大きな結論は、日本には劣等感がなかったということだ。日本は世界で最も古い2600年以上の歴史を持っている。そして類例のない万世一系の天皇というご存在がある。日本には他国への劣等感がなかった。」(p.95)

敗戦によって、アメリカは日本を徹底的に解体して、二度と歯向かうことができないようにしよとしました。神話を教えることをやめさせ、教育を変えさせた。そして日本に劣等感(罪悪感)を植え付け、日本の文化を骨抜きにしようとしたのだと。


バブル崩壊後の日本は、失われた20年と言われるように、経済は停滞してきました。この原因を佐藤氏は、グローバリズムと称して、アメリカの真似をしようとしたことだと言います。アメリカが日本の良さを取り入れようとしているのに、日本は逆を行っていると言うのですね。

ですから、日本は昔の日本のままでいいのだと、佐藤氏は言いたいようです。そう直接言っている部分はないのですが、現代の日本は昔の日本の良さを忘れ、劣化してきていると言っています。なのでおそらく、昔の日本に戻れと言いたいのだろうと思うのです。


言いたいことはわかるのですが、共感できる部分もあれば、納得できない部分もあります。たとえば家父長制度です。昔は、父親の許可がなければ子どもは結婚できませんでした。そう佐藤氏も言っています。それは良いことなのでしょうか? 私には、そうは思えません。

私は、昔の日本に戻るべきとは思いません。もちろん、日本人に素晴らしい特性があることは認めます。けれども、単純に昔に戻るのではなく、さらに発展させて行くべきだと思うのです。明治に大胆に文化を変えたように、いつまでも同じ文化に留まるべきではないし、ましてや昔に戻るべきではないと思います。

日本が、世界の文化的リーダーになるべきだと、私も思っています。しかし、今のような閉鎖的な文化では、どの国も真似ができないでしょう。日本は、他国の文化を取り入れて発展させながら、もっと変わっていくべきだと思います。そして良い方向に進んでいると、私は思っています。

なぜ世界は日本化するのか
 
タグ: 佐藤芳直
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 16:23 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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