今回買った最後の絵本を読みました。作者は長田弘さん、絵は荒井良二さんです。荒井さんの絵本は、すでに「なんていいんだぼくのせかい」という作品を紹介しています。
荒井さんは、絵本界では有名な方のようですね。帯に「子どもの本のノーベル賞「アストリッド・リンドグレーン賞」 日本人初 受賞作家・荒井良二の絵本!」と書かれていました。
この本もまた、かなり哲学的なと言うか、詩的な絵本になっています。
「どこかで よぶ声が しました。
でも 見まわしても だれもいません」
絵は、森の中の様子が描かれています。動くものは小鳥と蝶。何の声だかわかりません。どんな物語になっていくのでしょう?
「すがたの見えない 声が いいました。
「いっしょに さがしにゆこう」」
何の声だかわかりませんが、大事なものを探しに行こうと呼びかけます。そして、様々なものを見ては、それが大事なものだと言うのです。
最後にまた、森の中へ戻っていきます。そこで、おそらくその声の正体だと思われる存在が示されます。しかし、その姿は描かれていません。
何らかの価値観を押し付けるものではなく、自分の心の中に深く入っていくように誘う、そんな内容の本だと感じました。
これを読んだ子どもたちが、どんなふうに感じるのか、私にはよくわかりません。しかし、決まった答えがないからこそ、考える力が身につくとも言えますよね。
この絵本もまた、何とも不思議な内容でした。最近の絵本は、こういう傾向のものが増えているのかもしれません。
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