2017年03月03日

ぼくは13歳職業、兵士。



鬼丸昌也(おにまる・まさや)さん小川慎吾(おがわ・しんご)さんの本を読みました。NPOの「テラ・ルネッサンス」を代表するお二人です。

内容は、テラ・ルネッサンスの活動を紹介する本と言えます。特に少年兵が問題になっているアフリカで、どんなことが起こっているのか、私たちにどう関わりがあるのか、私たちに何ができるのかを、示唆してくれるものとなっています。

テラ・ルネッサンス関係の本としては、先日紹介した「僕が学んだゼロから始める世界の変え方」などがあります。併せて読んでみてください。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

この本は、子どもたちが直面している深刻な問題について書かれています。毎年50万人、毎分1人の命が小型武器によって失われています。とくに小型武器を持たされた兵士として戦わされてきた子ども兵の問題は深刻です。
 たとえそれがどんなに困難で恐ろしい問題だとしても、今の時代が抱えるこの絶望的な問題を、まず理解することが大切です。
」(p.4)

「日本のみなさまへ」と題された国連平和大使のジェーン・グドールさんの寄稿です。子ども兵の問題、それを支える小型武器の問題は、一朝一夕に解決するような問題ではありません。けれども、まずは「知る」ということから始めなければ、何も解決はしないのです。


アフリカでは、誘拐されて子ども兵にさせられる子どもが多数います。その中には、逃げ出して故郷に帰れないようにするために、あえて故郷で殺戮に加担させるというむごい手段がとられたりもします。そして、自分の家族、とりわけ親を殺すよう命じられたケースも。

そうやって地元を追われた子ども兵は、たとえ帰還しても地元から温かく迎えられることがありません。そのため、再び軍に戻ったり、暴力によって身を立てるようになってしまうのです。


ぼくたちは、ウガンダ北部のグル市で「ナイトコミューター」と呼ばれる不思議な現象を目撃しました。ナイトコミューターというのは英語で「夜の通勤者」という意味ですが、この名前の通り、夜になると周辺の村々から子どもたちが、ぞろぞろと市の中心街にやって来るのです。その数は、なんと4000人、多いときには6000人以上になるというのです。」(p.21)

なぜ、子どもたちが夜な夜な市の中心街に集まるのか? 誘拐されて少年兵にされるのを恐れるからです。その不安のために、大勢の子どもたちが、土曜も日曜もなしに、毎晩、安心して寝るために移動しているのです。こんなことが、考えられるでしょうか? この現実が、少年兵の問題の大きさをあからさまに示していると言えるでしょう。


紛争の犠牲者の約9割は小型武器によって殺され、1分間に1人が世界のどこかで小型武器によって命を奪われているのです。その数は年間50万人といわれています。
 また、冷戦後の約10年間に、約400万人が小型武器によって命を奪われているといわれていますが、その犠牲者の約9割が戦闘の巻き添えになった一般市民です。さらに、そのうちの約8割が女性と子どもたちだとされています。
」(p.66)

小型武器というのは、軽量で子どもでも扱える武器です。自動小銃と呼ばれるようなもの。こういう武器があるために、子どもが兵士になることが可能になっています。そして、大型の兵器が使われることが少なくなった現代では、この小型武器が戦闘でよく利用されているのです。


テラ・ルネッサンスなどでは、小型武器をなくすことで、間接的に子ども兵をなくそうとしています。もちろん、アプローチはそれだけではありませんけどね。

その道程は、果てしなく険しいようです。とりわけ、武器輸出大国のアメリカが反対姿勢を保っているために。これは、ある意味でしょうがないことだと思います。大型武器が売れないのですから、小型武器を売らなければ食べていけないという現実もあるでしょう。

それに小型武器は、何も子ども兵のために開発されたものではありません。大人でも容易に扱えるよう小型化されたのです。それだけ優位な武器ですから、ただ「廃止しろ!」と叫んでも、それだけでは難しいと思います。

また、小型武器をなくせば子ども兵がなくなるわけではない、ということも事実です。子ども兵は、兵員の補填目的でさらわれますが、大人に従順で洗脳しやすいとか、地雷を確認させるために歩かせるなどの使い道があります。ですから、実際に銃を持って戦闘に加われなくても、子ども兵の価値はなくならないのです。


そういう難しい問題はあるにせよ、一歩を踏み出さない理由にはなりません。まずは知ることが重要だと、鬼丸さんたちは言います。そして、誰にでもできることをいくつか提案しています。

まずは自分が始めること。
 そのことで周りや世界が変わっていきます。そうして、今が変われば、きっと未来も変わっていくでしょう。
」(p.142)

今すぐに解決する妙案があるわけではありません。しかし、必ずいつか変わって、みんなにとって真に平和な世界がやってくるのだと信じて、今日を歩むことはできます。


どう生きるかは、自分次第です。知らなかったことにして耳をふさぐこともできるでしょう。けれども間違いなく、世界では今も、多くの子どもたちが兵隊となって戦っています。そして傷つき、苦しんでいます。

さらに言えば、彼らがそうなっている原因の一端は、日本などの先進諸国にもあります。先進諸国が豊かさを享受するための資源の奪い合い。それが、アフリカの紛争の遠因になっているからです。

無関係と言い切ることもできます。どう考えるかは、自分が自分で決めることなのです。

ぼくは13歳職業、兵士。
 
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 17:23 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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