2017年02月28日
CHANCE チャンス
犬飼ターボ(いぬかい・たーぼ)さんの本を読みました。実は以前にも読んでいて、別のブログで2007年3月に読んだ本として紹介していました。2005年7月に出版されていて、日本人の成功小説としては、草分け的な存在ではないかと思います。
犬飼さんは、このような成功小説を書かれると同時に、その教えをハピサク道(ハッピー&サクセス)として広めておられます。詳細は、犬飼さんのWEBサイト「犬飼ターボのハピサク道」をご覧ください。
この本をまた購入することにしたのは、いつも行く「サロン文庫」に、犬飼さんの成功小説を寄贈したかったからです。そして、このブログでも紹介したいと思って、改めて読んでみました。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
最初に、大まかなストーリーを説明しますね。主人公は泉卓也。自分で中古車販売業をやっていますが、なかなか上手く行きません。そんな時、フェラーリに乗った弓池と出会います。成功者の弓池から、少しずつ成功する方法を学んでいく卓也。そしてついには、・・・。
「最も重要な成功する方法は”常に学び続けること”。学ぶ気持ちを持つことが大切だ。同じ1週間だったのに、数年分の学びをしただろう。つまりいつでも体験から学ぶことができる。」(p.53)
弓池から出された課題をクリアした卓也に、弓池はこう言いました。自ら動いて体験し、その体験から学び続けること。それが成功するために重要なことなのです。
「『自分は成功者だ』と思っている人は、現実に成功する行動を取るものだ。そう思っていない人は、反対の行動を取るんだよ。」(p.68)
成功者になる前に、成功者であることが必要なのですね。最初に自分の在り方が「成功者」であれば、現実はその考え方にしたがって、「成功者」という状態を引き寄せてくるのです。
「本来は、どんな人も成功者として生まれているんだ。それが真実だ。経済的にも豊かになれるし、健康的で、良好な人間関係で、豊かな精神も持つことが出来るという完全な存在なんだ。もし、自分がすぐに成功者だったと思い出せるなら、その人は短い期間で成功するだろうね。
もしすぐに思い出せなくても大丈夫だよ。考えを変える方法があるから。それはさっきの法則を逆に体験するんだ。考え、言葉、行動という順序を逆さまにして、行動、言葉、考えの順にするんだ。」(p.68 - 69)
こういうところは、まさに「神との対話」そのものですね。「神との対話」では、思考、言葉、行為で創造すると書かれています。また、根となる思考を変えるには、この順番を逆にして、行為によって言葉が変わり、言葉が変われば思考が変わる、ということも書かれています。犬飼さんが「神との対話」を読まれたかどうか知りませんが、本質的なことが書かれていると思いました。
「人から拒絶されるのではないかとか、愛されないのではないかという恐怖から人を従えても、決して幸せにはなれない。意図したことは良いことも悪いことも現実になってしまう。だから他人の笛でダンスを踊らないことだ。自分の旋律に合わせて踊らなければならない。」(p.96)
むやみに他人の価値観に従ってしまうのは、その動機に恐れ(不安)があるからです。自分の価値観にしたがって行動し、体験することが重要なのです。
「どんなことが起きようと、すべては順調に進んでいることを覚えておくんだ」(p.150)
「もしすべてが予想通りにしかならなかったら、何の興奮もないだろう。予想しなかった展開の中にこそ新しい可能性が生まれるチャンスがあるんだ。」(p.150)
「結果への執着を捨てるということさ。目標や計画に縛られなくていいんだ。現在の中にだけチャンスがあるんだ。過去は記憶であり、未来は予想であり、現在とは気づきだ。だから目標や計画は予想であってそこにチャンスはない。目標や計画通りにいかない中にこそチャンスが眠っている。結果に執着していなければ気づきによって障害がチャンスに変わるんだ。」(p.150 - 151)
思い通りにならない現実こそが完璧だということです。思い通りにならなからこそ、予想を超えた素晴らしい体験ができるのです。自分の枠が広がるのです。そのためにも、結果に執着せずにいることが重要なのですね。
「自己嫌悪に陥ったようだね。それもやめるんだ。もう自分の間違いに気づいたのだから、いじめる必要はないだろう。(中略)大切なのは自分を許してあげるということ。間違いに気がついた自分を責めるのではなく、褒めてあげるんだ」(p.163)
罪悪感を抱かないことが大事なのです。間違ったらやり直せばいいだけ。間違ったことに気づくということは、成長したということなのです。
「すべての出来事は、自分が引き寄せているんだ。自分を成長させるためにね。君が生まれてきた理由も、私が生まれてきた理由も本質的には同じだ。それは私たちが『本当の自分に気づき、よりよい自分を創造するために』生まれてきたんだ。この世界は私たちが本当の自分を示す舞台みたいなものだ。君はどの国に生まれるか、どの親の元に生まれるか、どんな身体的特徴を持って生まれるか、どんな環境で生まれるか、そのすべてを自分で選んで生まれてきたんだ。よりよい自分を創り出すために最適な環境を選んでね。出来事に偶然はない。それは自分が自分自身に与えた学ぶチャンスなんだ。」(p.167)
これも、「神との対話」などで語られているような本質的な内容です。この世は自分が演じる舞台であり、そこでどんな自分を演じるかは自分次第です。より本来の自分を思い出し、それを演じて、体験していくことが目的なのです。
「「成功するということは、成功する自分になることだ」という言葉をかみ締めた。そして、相手が成功する自分になるのを助けた時、相手だけではなく助けた自分も大きな成功を手に入れることができるのだ。
”他の人の成功に貢献した時、最も大きな成功を手に入れる”
それが愛そのものであると感じた。」(p.286)
卓也に成功する方法を教え、指導してきた弓池の行動は、愛そのものだと卓也は感じたのです。
「彼は”不安”ではなく、”愛”を選ぶ生き方を、身をもって示したのだ。」(p.286)
誰かが成功すれば自分の成功が減ると考えるのは、不安を動機とした考え方です。逆に愛を動機とするなら、相手を成功させるために最大の努力を惜しみません。その結果として、自分が思っていた以上の成功を成し得るのです。
成功小説は、物語の中で成功するための考え方を説くものです。物語なので読みやすく、その情景がありありと思い浮かぶことで、記憶に定着しやすい方法だと思います。
最初にこれを読んだ時、非常に喜んだことを思い出しました。「神との対話」は難しいという人には、こういう小説がお勧めかもしれませんね。
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