2017年02月18日
完全版 鏡の法則
ベストセラーとなった「鏡の法則」が、装いも新たに出版されました。野口嘉則(のぐち・よしのり)さんの本です。
この新装(リニューアル)版では、物語の後に解説が加わっています。これは、物語を読んで感動した人の中に、これを応用できないという悩みがあったからだそうです。どうすればこの物語のように、自分の問題を解決できるのか。その助けとなる解説を加えたのだと野口さんは言います。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「『現実に起きる出来事は一つの結果であり、その原因は心の中にある』という考え方があるんです。『私たちの人生の現実は、私たちの心を映し出す鏡である』と考えてもらうといいと思います。」(p.17)
栄子の夫の高校の先輩である矢口は、栄子から相談を受け、こういう不思議なことを言います。これがこの本のタイトルにもなるのですが、本の中でこの法則については詳しく語られていません。
野口さんは心理学を極められた方で、スピリチュアルな分野について語られる方ではありません。けれども、フロイトやユングなども潜在意識のことを語っているように、必然的につながっていくような感じがしますね。「神との対話」やバシャールに親しんだ人なら、「鏡の法則」はよく理解できますから。
この物語では、栄子の息子の優太がいじめられていることが栄子の心配の種ですが、その現実の原因が、栄子の心にあると指摘しています。自分にとって大切な人(息子)がないがしろにされるのは、自分が大切にすべき人(父親)をないがしろにしてきたから。このように、自分の心が現実に反映されるのです。
「『必然の法則』というのがありましてね、それを学ぶと次のようなことがわかるんです。じつは、人生で起きるどんな問題も、何か大切なことを気づかせてくれるために起きるんです。つまり偶然起きるのではなくて、起こるべくして必然的に起こるんです。ということは、自分に解決できない問題はけっして起きないのです。」(p.40)
これも心理学の域を超えているように感じますが、野口さんらしいところですね。経験則としても、こういうことはあるのではないかと思います。もちろん、スピリチュアル的には当然のことですが。
この物語で9割の人が泣いたと言いますが、泣き所は36ページからです。(笑)
私もかつてこれを読んで泣きましたが、今回も泣けて泣けて仕方ありませんでした。
解説では、この物語をどう応用するかが語られています。まず重要なのは、親子間の境界線を引くことだと言います。
「このように反抗期をしっかり全うできると、子どもは親との間に境界線を引くことができ、親の呪縛から脱することができます。つまり、心理的な自立が進むのです。」(p.94)
私は、反抗期がなかった子どもでした。けれども、大学に通うために一人暮らしを始めたことが、境界線を引くことに役立ったようです。親離れ子離れというのが、互いの自立に必要なのですね。
「罪悪感を抱えつつ親の期待を裏切っていく覚悟、罪悪感を味わいながらも親をがっかりさせていく覚悟が必要なのです。ちなみにこの罪悪感は、多くの場合、親との間に健康的な境界線が引けるのにともなって薄れていきます。」(p.101)
私も、親の期待に応えなければ・・・という気持ちが強かったのですが、徐々に薄らいだように思います。交際中だった妻を連れて行くことに反対した父と正面から対決したとき、最後のハードルを超えたように思います。
境界線が引けたら、感情を吐き出すことが重要だと言います。抑え込んでいた自分の感情を、しっかりと味わってあげることですね。相手にぶつけるのではなく、自分が味わうのです。
「彼女は高校生のころから、父親に対してほとんど口をきかないという形で反発してきましたが、自分の感情はずっと呑み込んだまま、吐き出していなかったのです。そこで、紙に書き出す作業を通して、反抗期のやり直しをしたわけです。」(p.107)
正常に反抗期があって、表立って親に反抗してきた人は、このステップは要らないそうです。私も、このブログにいろいろ書くことによって、自分の感情を味わい直したのだろうと思います。
以上の、境界線を引いた上で感情を吐き出すという2つのステップを踏むことで、相手(親)を許すことができるようになります。親の呪縛から逃れ、自立することによって、初めて親を許し、親に感謝することができるようになるのですね。
順調に行けばそうですが、必ずしもそうならないこともあります。でも、そういう場合でも、上手くできない自分を受け入れるようにと野口さんは言います。いつかは、必ず許せるようになります。他人を許すのは、自分を許すためであり、それは自分を解放して自由にすることだからです。
最後の部分に、「ゆるすための8つのステップ」として、ここまでの話がまとめられています。簡易版ではありますが、必要とする人に役立つと思います。また、野口さん自身も勧めておられますが、ここに書かれていることをより深く学びたいのであれば、以前に紹介した「「これでいい」と心から思える生き方」を読まれるのが良いと思います。
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