2017年02月08日
「私はできる!」黄金の法則
おそらくタイに来る直前(2001年)に読んだB・スイートランド氏の本を再読しました。桑名一央氏の翻訳です。三笠書房の知的生き方文庫にある1冊ですが、この文庫シリーズは何冊も読みましたよ。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「夜の闇の中で、彼は恵まれた生活をしている知人たちと自分自身とを比較してみた。そして、その知人たちのだれもが、彼がもっていないものはやはりもっていないことを発見したのである。
ただ一つ、「私はできる!」という強い確信をのぞいては。」(p.21 - 22)
多額の負債があり、その資金繰りに悩んでいる男が、成功している自分の知人たちと何が違うのかを自問した結果だそうです。そしてこの答えによって、この男は輝かしい人生を手に入れたと言います。
それこそが、スイートランド氏が主張する「黄金の法則(ゴールデンルール」です。つまりそれは、「私はできる!」という強い確信なのだと。
スイートランド氏は、潜在意識を活用するために、この強い確信が必要だと言っています。ある意味で「引き寄せの法則」でもあり、当時流行っていた潜在意識系の考え方でもあります。私は、こういう本を何冊も読んでいたのですね。
スイートランド氏は、知識を吸収するためにもリラックスすることが重要だと言います。そして、リラックスる方法について語ります。
「そもそも、リラックスするのに意志の力などまったく必要ない。あなたの肉体はあなたの召使なのだから、力など使わなくても、喜んであなたに仕えようと待ち望んでいるのだ。」(p.60 - 61)
自分の手や足を動かすのに意志の力は必要ないと言います。だから、リラックスするのでさえ、それは必要ないのだと。これは、リラックスすると思えばリラックスできると信じる、というところから始めるということだと思いました。具体的には、身体の一つひとつの部位を意識しながらリラックスするよう命じていく方法を説明しています。
緩むことで能力が開花することも、多くの人が言っています。力むのは無理をしているからですし、結果に執着しすぎているからです。だから気楽に、楽しみながら安心していることが重要なのだと思います。
「意識は主人で、潜在意識は召使いである」(p.77)
成功に導いてくれるのは潜在意識の働きですが、潜在意識に何をせよと命じるかは意識の働きだと言います。そして潜在意識は、意識の命令に対して忠実に実行する召使いなのです。
「あなたが第一にするべきことは、強い信念をもつことだ。
「私は人生に成功し、人に好かれ、人柄の点でも健康の点でもすばらしく魅力的になれる」という信念を。」(p.101)
意識がそれを知っている(=確信している)とき、潜在意識はそれを命令として受け取り、その通りに実現するのです。だから私たちは、自分の素晴らしさを確信することが重要なのですね。
このことは、心理学的にも言えます。自己肯定感だとか自尊心と言われますが、そういう自分に対して高い価値を信じることが大切なのです。
「億万長者の最大の資産は、彼が「成功を意識している」ことである。
言葉を換えて言うなら、「自分は成功することを知っている」ことである。」(p.107)
自分は金持ちだと知っている(=確信している)人は、たとえ破産するようなことがあっても、いつでも復活することができるのですね。
「だから、第六歩は、幸福な心で問題に近づくことである。
そう、あなたは幸福な心をもつことができるのだ。普通なら心を乱されるような問題にぶつかったときも。」(p.144)
これは悩みを克服するための7つの手順の中で語られています。まずは自分の態度を決めること。状況や出来事がどうかではなく、自分がそうありたい態度でいることが重要なのです。こういうところも、「神との対話」で語られていることと一致しますね。
「自分の中に積極的な考えを植えつけ、その考えをしっかりともちつづけるならば、ちょうど植物が花を咲かせるように、臆病はあとかたもなく消え失せ、かわりに力と勇気が満ちてくるのがわかるだろう。」(p.203)
「私は大胆なのだ」という言葉を口にすることで、潜在意識を教育するのだと言います。結果がどうなるか見守るようなことはするなとも。つまり、結果にこだわることなく、その教育(=アファメーション)を続けるのです。そうすれば徐々に、その結果が伴ってくるのですね。
「不安な考えが頭の中にしのび込んできたら、あまりそのことを考えないようにするのだ。
「不安は害をおよぼすだけ」と知ることである。」(p.205)
不安は害悪であると言い切っています。そして、不安を頭から追い出すことで、不安や心配から逃れることが重要なのだと言います。心理学でもスピリチュアルでも、不安や心配はよくないと言っていますね。
「「忘れてしまった」と言うことは、結果的に、あなたの潜在意識に「なにもするな」と告げていることになるのである。あなたは「忘れてしまった」という頑固な考えで、心の扉を閉じてしまっているのだ。
かわりに、「もうすぐ思いだせるだろう」と言ってみよう。やがて、ほんとうに思いだすはずだ。」(p.220 - 221)
ついつい、「忘れた」「思い出せない」などと言ってしまいます。これも、潜在意識の働きを考えるなら、百害あって一利なしの言葉だったのです。
「そして「自分は記憶力が悪くなった」としょっちゅう口にすることで、ますます記憶力を悪くしてしまうのだ。」(p.221)
たしかに、そうかもしれません。「もう年だから」と勝手な理由をつけて、衰えを容認してしまっています。そういう傾向があるとしても、自分がそういう状態の奴隷になる必要はないのです。
読んでいると、まるで中村天風さんが言われているような内容だと思いました。常に積極的な考え方をする。そのことによって自分が身体や環境の主人になる。そう生きることで、道が開かれるのだと。
久しぶりに読み直してみて、この本も素晴らしいなあと思いました。そして、私はずっとこういう考え方をインプットしながら、徐々に自分の消極的な姿勢を変えてきたのかもしれないと思えてきました。
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