随分と前に購入した小宮昇(こみや・のぼる)さんの本を読みました。2年近く前に新刊で購入したのですが、積ん読(つんどく)状態で放置してました。遅ればせながら、紹介したいと思います。
小宮さんはカウンセラーですが、「神との対話」もよく読まれており、スピリチュアル的な考え方にも精通されています。本の帯には宝地図の望月俊孝さんの推薦もあり、交友関係も広いようです。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「幸せな人生になるか不幸な人生になるか、それを左右するもっとも重要なカギは人間関係なのです。」(p.1)
「人間関係に恵まれて楽しく幸せに生きるためにもっとも大切なことは、「一緒にいてラク」ということなんです。」(p.2)
人間関係が重要だということは、アドラー心理学でも言っていますね。小宮さんは人間関係において、「一緒にいてラク」ということが重要な要素だと言われるのです。
どんな人が一緒にいてラクなのか、逆に疲れるのか。前半にそういう分類があります。その最初に、内向的で自分から声をかけられない人が疲れる人の例としてありました。まさに私のようなタイプですね。
「なぜならこういう人は「わたしからあなたに与えることは拒否します。わたしに一方的に与えてください」と言っているのと同じだからです。自分から人に「声をかけること」「関心を向けること」は拒否し、人から一方的にそうしてもらうことを求めているのです。」(p.15)
耳が痛いですが、そういうことだと思います。
「あなたも、人に与えることをすればするほど人望が得られ、一緒にいてラクどころか、求められる人になるのです。」(p.17)
「自分がどう思われるか、を心配するんじゃなく、「いいことを与えよう」と相手に集中しましょう。あなたが人に与えられるいいことって、たくさんあります。」(p.18)
「「あなたと仲良くなりたい!」というメッセージを行動で伝えること。言い換えれば、「好意を向ける」「関心を向ける」こと。それが、「一緒にいてラクな人」になって人から好かれるために、いちばん強力です。」(p.18)
まず自分から人に与えること。それもたいそうなものじゃなく、好意とか関心を向けるだけでいいし、それがもっとも強力なのだと言います。
自分から与えることは重要ですが、そこには3つのポイントがあると言います。
「一つ目は、人に自分から進んで良いこと・ものを与え、人のために何かをするのは、そんな自分が好きだと思えるからするんだ、ということ。それがしたいから、するのです。」(p.27)
「二つ目にお伝えしたいことは、受け取ることも与えることだということです。人が厚意や優しさを差し出してくれたときには、感謝してたっぷり受け取りましょう。
自分を大切にしない人って、受け取るのが苦手なことが多いもの。」(p.28)
自分が与えたいから与えるのだという姿勢と、相手の好意はありがたく受け取ることですね。そして3つ目はこういうことだと言います。
「それは、あなたが何かをしてあげたとき、相手が感謝してくれるかどうかに重点を置くと、人に振り回されてしまう、ということです。ですから、「良いことを与える自分でいる」ことを中心に置いてほしいな、と思います。」(p.29)
「ですから、「ラクな人、と思ってくれるかな?」「好いてくれるかな?」と相手の反応を気にするよりも、「良いことを与える自分でいる」ことを中心軸に置くよう、心がけてください。」(p.30)
1つ目の重なる部分がありますが、相手の反応を気にしない、感謝を求めない、ということです。結果を気にしすぎず、行動に意識をフォーカスすることが大切なのです。
「誰かがあなたの意見に反対したとき、あなたという人間を否定したわけではありません。あることがらについて、あなたと異なる意見を持っただけです。
また、誰かがあなたを批判したり、あらぬ疑いをかけたりしたとしても、それはその人があなたの人間性をよく理解して、あなたのことを「信頼に値しない」と判断しているわけではありません。単にその人は過剰に攻撃的だったり疑い深かったりする人か、何かを誤解しているだけなのです。
ですから人の意図を正しく理解するように努めましょう。」(p.54)
人というのは、他人の行為を勝手に誤解して腹を立てたりしがちなものです。そうされるのが嫌なら、自分はそうしないようにすることですね。
「幸せな人は自分の欠点を隠さず、人にこころを開き、おおらかでゆとりのある生き方をしているため、周りもラクでいられます。
だから、一緒にいてラクな人になるには、自分の幸せ度をアップさせることが大切です。」(p.63)
まず、自分が幸せであることが重要なのです。
「多くの人々を追跡調査して幸せ度を調べたところ、いま幸せに生きている人は、去年もおととしも幸せだったことが分かりました。そして幸せな人のほとんどは、来年も再来年も、たぶん十年後も幸せなんです。同様に、いま不幸な人は去年も不幸だったし、おそらく十年後も、同じくらい不幸なんです。」(p.64)
「幸せ度が年月を経ても一定だということは、幸せ度は、出来事によってはあまり変化しないということでもあります。」(p.64)
これは面白い指摘ですね。「幸せ度」というのは、出来事によって決まるのではない、というこです。そのために、一定の「幸せ度」をキープするのですね。
「幸せ度をアップするには、良いこと、うれしいことに意識的に注意を向けることが大切です。プラスのことに努めて注意を払うほど、それが習慣になります。」(p.68)
つまり自分の意識的な選択によって、今の幸せばかりか将来の幸せも決まるのです。
「意識して、幸せなことを探しましょう。それによってあなたはより幸せな人になります。するとあなたは、周囲の人々にとって一緒にいてラクな人になります。」(p.74)
本書では、「感謝ノート」をつける方法など、幸せなことに注意を向ける方法を紹介しています。
「ただ、「堂々といてください」と言われても、他人に対する怯えを消せと言われても、それができないから苦労している、と思うかもしれませんね。
それであれば、試してほしいことがあります。
それは、「わたしは周囲の人たちから愛されている」と信じ込むことです。」(p.80)
心屋仁之助さんなども、こういうことを言われています。自分は愛されていると自分に言い聞かせることで、自分に信じ込ませるのです。
カリフォルニア大学バークレー校の心理学者チームが、ある女子大の卒業生を追跡調査したそうです。そして、彼女たちの卒業アルバムから笑顔かどうかを基準に分類して分析したところ、面白い結果が出たそうです。
「つまり、大学生のときに笑顔の多かった人は、それから何十年たったときでもより幸せだったのです。
このことだけでも、笑顔を多くする十分な理由になるんじゃないでしょうか。」(p.126 - 127)
笑顔を作ることによっても、幸せになれます。
本書の後半には、聞き上手になるという意味で、カウンセリング手法の「傾聴」についても詳しく説明してあります。
「一緒にいてラクな人」になるための様々なアプローチがありますが、どれか1つでも実践すれば、人生が変わると思いますよ。
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