レイキの先生から勧められて買った本です。著者は橋本豪(はしもと・つよし)氏。e-クリニックの顧問医師になっています。
自らが癌になり、それを克服したという体験を持たれています。その体験と、その他の実例をもとに、ガンとどう向き合っていけばよいかが書かれた本です。
なぜレイキの先生がこの本を勧めたかというと、橋本氏はレイキを治療の一環として使われていたからです。レイキだけでガンが治るとは言えませんが、レイキは心身を癒やして免疫力を高めることに、大いに役立つ方法だろうと思います。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「ガンを宣告されたときの私のように、「人生の主役は自分」=「死ぬわけない」と現実から目をそらしていたのでは、決して前には進めません。しかし、「人生の主役は自分。だからこそ、自分自身が病気と向き合い、自分自身が病気を治すリーダーになろう」というように、治療に主体的に取り組む気持ちが持てたら、それはガン克服への大きな一歩になるのではないでしょうか。」(p.2)
現実逃避するのではなく、正面から向き合う。そして、自分が主体なのだと考えて、他人に過度に頼らないようにする。ガンの治療に限らず、重要な姿勢だと思います。
「現在、ガンで苦しんでいる人に、私は自信を持っていえます。食事療法だけでガンは消すことができます。私がその証人です。」(p.24 - 25)
ゲルソン療法によって橋本氏はガンを克服されました。ゲルソン療法の中心は絶食(断食,少食)で、ガンに栄養を与えないことです。ただ、自分の身体を維持しなければならないので、最小限のエネルギーと必要な栄養素を摂ることは大事です。
そこで、カロリーの高い肉や魚、油もの、そして砂糖、塩、添加物を避け、イモ類、野菜、果物、キノコ類、未精白の穀物(玄米)、海藻などを中心とした食事にします。特に、人参と少量のリンゴとレモンで作るリンゴジュースや、キャベツや青野菜(クレソン、カブの葉、ピーマンなど)で作る野菜ジュースを大量(1日2リットル)に飲むことが良いそうです。
橋本氏は、自らがガンになって4つのことがわかったと言います。1つ目は、原因は1つではないということです。食事、飲酒、喫煙、ストレス、活性酸素など、様々な要因が長年重なってできるもの。ですから治療においても、1つだけ正せば良いというものではない、と言うのです。
次に、自律神経のバランスを崩すことが病気に関係していると言います。
「どうやら病気の発症と治療には、自律神経が大きくかかわっているようです。ガンを克服するには、自律神経のバランスを整える必要があるといえそうです。」(p.34 - 35)
そして3つ目は、医師にたよるだけでは、ガンは克服できないということです。
「というのも、手術・抗ガン剤・放射線という現代医学の三大療法は、急性期には多大な力を発揮し、ガンの進行を遅らせる時間稼ぎになる一方で、人間が本来持っている自己治癒力を低下させてしまいます。治療によって低下した自己治癒力のケアまでは、医療機関ではやってくれません。何よりも、ガンは自分自身の生活の中でつくりだされた病気です。それらを正すのは自分にしかできないのです。医師だのみではない、「自立した心」を持つことは、ガンに打ち克つために絶対に必要だと思います。」(p.35)
最後4つ目は、自分が変わる勇気が必要だということです。
「ガンになった原因が、それまでの生活にある以上、それを変えなければ同じことのくり返しになってしまいます。生活習慣はもちろん、生き方や考え方を変えるのは決してたやすいことではありません。それでも、自分が変わらなければ状況は決して変わりません。」(p.36)
ガンという状況も、自分自身が創り出したもの。そういうように原因が自分にあると受け入れて、自分が変わることが重要なのですね。
「私は精神的な安定を求めて、さまざまな治療法の情報収集に務めました。
まずとり入れたのは「レイキ療法」です。レイキとは、人間の体を含む万物すべてがこの世に生み出されるときの宇宙エネルギーのことです。レイキ療法の世界では、私たちは絶えず宇宙エネルギーの流入・循環・流出をくり返すことで、心身の健康を保っていると考えられています。そこで、この宇宙エネルギーの流れをよくすることで、心身をすこやかにしようとするのがレイキ療法です。」(p.48)
「結果的に、レイキ療法は精神的不安定を立て直す手段の一つとしてとても役立ったと思います。私はやり方を教えてもらって、腫瘍のあるおなかにエネルギーを当てることと、朝陽や星空に向かってレイキの言葉を唱えながら免疫力を高めることを実践しました。すると、しだいに体が温かくなってきて、気持ちが落ち着くのを感じました。脳にα波が出るのだと思います。さらに続けていくと、手がビリビリしてくるのを感じるようになりました。まるで、ものすごく元気な大木の横を通ったときのような、満ちあふれるエネルギーを浴びたような感覚です。指の先までビリビリと感じるということは、やはり通りがよくなっているのかもしれません。」(p.50)
このように橋本氏は、レイキ療法を取り入れることを勧めておられます。
「「考え方を変えなさい」といきなりいわれても、すぐに実行できる人はまずいないでしょう。そこで、私が提案するのは「行動すること」です。じっとしたまま頭の中だけで考え方を変えるというのは、悟りの境地に達したお釈迦様ならいざしらず、私たち凡人にはとうてい不可能です。私たちが考え方を変えようと思ったら、行動を伴うことで、新しい考え方に慣れていくことが得策です。」(p.101 - 102)
これは「神との対話」でも言われていますが、根になる考え方を変えるには、まず行動を変える方が楽なのです。たとえば積極的な考え方をしたいなら、積極的な考え方をする人がとる行動を意図的にすることで、徐々にその考え方が身に付きます。
ここで橋本氏は、その考え方を変える行動の例をあげています。食生活を見直すこと、爪もみや足湯、深呼吸などの治療法も行動を変えることになると言います。そして、もう少し精神面にアプローチする方法として、レイキも勧めています。
後半に、ガンを克服された他の方の体験談が載っています。
「ふだんの生活でも、楽しいこと、好きなことをして、心を喜ばすことを心がけてきました。「○○すべきだからする」のではなく、「楽しいからする」という生き方が、ガンになってから、すっかり身につきました。」(p.135)
義務感から行動するのではなく、自発的に楽しいから行動するようにする。こういう考え方の変化が、ガンの治療に効果的だと感じておられるのですね。
「ガンになったときに、その事実をどう受け止め、どのように考えるか、ガンを克服するためにはそれまでの自分の考え方をどう変えていけばよいのか、それがいちばんのキーポイントだ、と多くの人が答えているのです。
ガンを宣告されて相談に来られた人に、私が最初にアドバイスするのは「もう少しいい加減になりましょう」ということです。」(p.161)
ガンになられる方の多くが真面目な方で、義務感で行動するタイプの人なのだそうです。ですからそういう人たちは、「考え方を変えること」が、ガン治療にもっとも重要なポイントであると答えたのでしょう。
橋本氏は最初に、食事療法だけでガンは消えると言っています。しかし、この本全体でもっとも重要だと言っているのは、考え方を変えることです。食事療法もまた、考え方を変えた結果でしかないのですね。
レイキだけでガンを克服できるということはないかもしれませんが、レイキもまた、ガン治療に役立つことを橋本氏は言われています。私も、レイキをそういうものとして役立てていければと思いました。
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