たまちゃん先生こと、小玉宏さんの本を読みました。
と言っても、これも自費出版です。出版したのは「ココロが元気になる出版社」の健ちゃんこと大島健作さん。島根県で大島建材店をされていますが、今は「お役立ち屋」という肩書で、人々を助けて喜んでもらうという活動をされています。
この「次代を切り拓く先生方へ」など、たまちゃん先生の小冊子などは、書店では販売されていません。健ちゃんのWEBサイトでお求めくださいね。
たまちゃん先生の小冊子は、これまでに第1弾「いつも心に太陽を」、第2弾「小さな一歩が世界を変える」そして第3弾「未来の扉を開く心の授業」の3冊を紹介しています。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「人が幸せになるのを阻む最大の要因は、劣等感です。
劣等感は、生まれつきのものではないんですから、
自分のせいではありません。
小さい頃から劣等感を植え付けられて、刷り込まれてきたのです。
その劣等感があなたをいつまでも苦しめます。」(p.17)
自己肯定感が低いとか、自尊心がないなど、表現方法はいろいろありますが、要はこの劣等感です。たまちゃんは、親や周りの大人が、命令して従わせようとすることによって、この劣等感が生まれると言います。
「人間というのは、ほめられたくて生きています。
ほめることは、自己存在感をストレートに与えることです。
ほめることが「愛」なのです。
欠点を言われながら成長することはできません。
ほめられると、能力以上の力を発揮します。
そしてそれが、成長の原動力となるのです。
親や教師の役割は、目の前にいる子どもに、
「大丈夫。あなたなら必ずできるよ。
たとえ今はできなくたって、失敗は学びなんだから、
落ち込む必要なんてまったくないんだよ。
しかもね、失敗が多いほど、人に優しくなれる。
そんな人に成長できるって、とっても素敵だよね」
って応援し続けることなんです。
「成功するか失敗するか」が重要なのではなく、
「やるかやらないか」こそが最も重要なんです。」(p.18 - 19)
子どもを励まし、失敗することも素敵なことだと伝える。失敗が素敵なことなら、成功しようと失敗しようと、どっちでもよくなります。だから、大丈夫なのです。安心して行動できるのです。
「「ありがとう」は、
感謝の言葉であると同時に、
自分自身を肯定する言葉なのです。」(p.86)
褒められたら、それを謙遜するのではなく、感謝して受け取ることです。それをやっていると、自己肯定感が高まるのですね。
「親や教師って、
自転車に乗り始める時の補助輪のような存在だと思うんだ。
いつの日か、
補助輪を外して一人で上手くバランスを取って
乗れる日がやって来る。
でもそれって、
親にとって、あるいは教師にとって、
すごく嬉しくて誇らしいことだよね。」(p.87)
子育てや教育の目的は、アドラー心理学でも言うように、子どもの自立なのです。自分の頭で考え、判断し、行動する。そのためには、安全な失敗を繰り返さなければなりません。たまちゃんは、自立のことを「子離れ」と表現しています。
「誰しも、
自分の正義に従って動くのですから、
正義が敵対する相手が信じているのも、
自分なりの正義です。
(中略)
誰だってみんな、
自分が正しいと思って
行動しているのです。」(p.93)
正義は人の数だけあります。常識も、価値観も、倫理も、すべて同じです。そのことに気づくことが、とても重要なのです。
「事実は
一つかもしれないけれど、
解釈は
無限大にあるんだよ。」(p.111)
出来事はニュートラル(中立)です。それにどういう意味を与えるかによって、「良い出来事」にもなれば「悪い出来事」にもなるのです。
「幸せになるのはとっても簡単です。
ただ「幸せです」って
言えばいいだけですから。
(中略)
「幸せ」と言っていれば、
苦しいことの中にも
幸せの光を見出すことが
できます。」(p119)
幸せは意思なのです。自分が幸せと思うかどうか、それだけの問題なのですね。
「自分の力だけで
叶えられる夢なんて
誰も手伝ってくれないけどさ、
とてつもない夢を
抱えてる人を見ちゃったらさ、
思わず駆けよって
手伝っちゃうもんなんだよ。」(p123)
小さな夢は、自分の力で叶えられるでしょう。でも、大きな夢を見たら、多くの人が手伝ってくれる。だから、大きな夢を見た方が素敵だと言うのです。
「歴史を創りあげてきた科学者は全員失敗してるんです。
だけど彼らは決してへこたれなかった。
たとえ誰から認められなくても、
死ぬまでへこたれなかったんです。
それどころか、「いつか必ず分かる日が来るんだ」って、
みんなそう言い残して死んでいくんです。
すごい信念ですよね。」(p.145)
ここには、電気抵抗の単位にもなったオームの人生が取り上げられていました。涙無くして読めないほど、オームに感謝したくなる内容です。
今では誰もが当たり前のように使っている物も、これまでのたくさんの科学者たちの、くじけなかった夢の賜物なのです。そのことを思っただけで、ありがたくて泣けてきます。
そんな話を理科の授業でされたら、子どもたちの目の輝きが変わるのも、ある意味で当然のように思います。人の生きざまが、人に感動を与えるのですね。
この他にもたくさんのメッセージや話が、素敵な写真とともに収録されています。
この本はもともと、たまちゃんが執筆・出版してきた「人の心に 感動と 生きる希望の火を灯す」「一燈照隅 〜足もとを照らす人になる〜」の2冊をもとに、再編集して作ったものです。先生方が元気になって、ワクワクしながら授業できるようにとの願いから、この本が作られました。
電子書籍でも読めるそうですが、健ちゃんは最近になってこの本の存在を知り、自分で出版したくなったのだそうです。それで、そのオリジナルの他にいくつか付け足して、この第3版にしたということのようです。
6月25日、一時帰国して帰省した時、島根県三刀屋市で行われた「たまちゃん先生講演会」に参加しました。そこで、予約していたこの本を受取ることができました。
おかげで、たまちゃんのサインもいただくことができました。私の質問にも答えてもらえて、とてもラッキーでした。
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