2016年05月01日

私が一番受けたいココロの授業

 

「みやざき中央新聞」に紹介されていた本を読みました。講演録になっていて、講演者は上田ビジネススクール(通称ウエジョビ)という専門学校の副校長になられた比田井和孝(ひだい・かずたか)さん。そして奥様の比田井美恵(ひだい・みえ)さんも、共著者になっています。

美恵さんは、ウエジョビの創設者である佐藤勲(さとう・いさお)氏の三女であり、現在はウエジョビの校長になられています。

この本のタイトルにある「私が」というのは、美恵さんのことだそうです。夫の和孝さんの授業を聞かれて感動し、これを広めたいとメルマガに書かれるようになったのがきっかけだとか。

最初の本は、「私が一番受けたいココロの授業」で、今回私が読んだのは、その続編になる「講演編」「子育て編」になります。



もともとは「就職対策授業」として、生徒たちに対して行った授業です。それがきっかけとなって、今では全国で講演活動もされているそうです。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

もちろん、「やり方」も大事かもしれませんが、
その「やり方」の前に、もっと大切なものがあるんです。
それは、「やり方」の土台になる「あり方」なんです。
「あり方」と言うのは、「心のあり方」です。
」(「講演編」p.10)

どんな心構えでやるのか、何のためにやるのかというような、基本姿勢のことを「あり方」と言って、それが「やり方」よりも重要だと言います。

「講演編」では、どういう経緯で「就職対策授業」が生まれたかが書かれています。卒業した生徒が就職した後、幸せそうでないケースが見られたことが、きっかけとなったそうです。

専門学校は「やり方」を教える学校です。しかし、それだけ教えていても生徒が幸せになれないのだとしたら、何か違うのではないかと感じたのだそうです。

仕事の技術以前に、人間として重要な土台がある。そのことに気づいた和孝さんは、それを生徒にただ伝えるだけでなく、共感し、実行してもらえるような授業にしたいと思い、工夫を重ねたのだそうです。

その授業の様子を妻の美恵さんに話したところ、「一度自分も受けてみたい」と言われ、その内容がメルマガとして発信されることになりました。


和孝さんは、単にかくあるべしという説教をするのではなく、いろいろな人の実話を元にして、そのストーリを話します。そのストーリーから、普遍的な「あり方」を導き出すような伝え方をしておられます。

その中には、ウエジョビの卒業生の話もあります。たとえばある卒業生は、採用試験の日に台風の直撃を受け、通常のルートでは東京の試験会場へ行けなくなったのだそうです。

普通なら会社に電話をして、事情を説明して延期してもらうでしょう。しかし彼は、それをせず、他のルートを探したのだそうです。台風の進路を避けるようにして、遠回りで東京へ行く。通常なら180kmのところを400kmのルートで、必死に運転して会社へ行きました。

それによって彼は、競争率が非常に高い難関の会社に合格したそうです。無理な状況を言い訳にせず、どうすればそれができるかを考える。そういう心構えのある社員は、会社としても魅力的ですからね。

和孝さんも、就職対策授業を始めるときは、いろいろ葛藤があったそうです。説教臭い話なんて、誰も聞きたくないと思うからです。

でもね、みんなのために…
みんなの本当の幸せのためには絶対伝えなきゃいけないと。
…自分がやらなきゃどうするんだ! って思って、
思い切って始めました。
」(「講演編」p.78)

できるかどうかではなく、やりたいかどうかが重要なのです。やりたいならやる。やると決めてから、方法を探すのですね。


ですから、結局子供たちに幸せな人生を歩んでもらおうと思ったら、
もちろん勉強も大事ですが、勉強ができる、できない以上に
周りの人を喜ばせることに喜びを感じられる、
そういう子に育てなきゃだめだという結論になるわけです。

「周りの人を喜ばせる」ということは、
「周りの人に与える」ということですよね。
「与える生き方」をしていく中で、幸せって得られるのかなと、
そんな風に思いました。
」(「講演編」p.116)

和孝さんの講演の大きなテーマが、「与える者は与えられる」なのだそうです。無条件に与えれば、与えられるのだと。

これはバシャールなどの、与えたものが返ってくるというこの世の法則とも一致するし、これはまさにだと思います。究極的に人々は愛に近づこうとしている気がします。


だから、こんな本を書いていると、「著者はよっぽど人間性が高いに違いない」と思われてしまいがちですが、実は逆なんです。もっともっと人間を磨いて、たくさんの人に「与えることができる人」になりたいからこそ、こんな風に授業実録や講演録を書いて、一生懸命に勉強しているんです。」(「講演編」p.174)

美恵さんは、こう語ります。教える者が、もっともよく学ぶと言います。私もそれは実感しています。学びをシェアすることで、さらに学びが深まるし、それが他の人のためにもなるのですね。


ただ、お母さんたちには、
子どもに勉強をしてもらう原点は
「子どもに幸せになってもらうため」だった
ということを忘れないようにしてほしいんです。
」(「子育て編」p.22)

人の役に立って、人から必要とされることで、人は幸せになれると言います。アドラーの、貢献感が幸せにするというのと、同様だと思います。

そのためには、やはり重要なのは「やり方」ではなく、「あり方」なのですね。勉強するのも、いい大学に入るのも、「やり方」に過ぎません。その前に「あり方」をしっかりと自覚していなければ、間違った方向へ進んでしまう可能性があるのです。

だから、親自身が、
「人を喜ばせるように行動する」ってことですよね。
親自身が、
「人を喜ばせることを心から楽しむ」ってことですよね。
」(「子育て編」p.27)

指示やアドバイス、説教などの前に、親が手本を見せることが大切だと言います。それによって、親の「あり方」を子どもに伝えることができるのだと。


ずーっと自分のためだけにやってきたその勉強は、
将来、やっぱり自分のためだけに使うようになるんです。
自分の損得のためだけに使うようになるんです。
いかに楽をするか、いかに得をするかって。
そんなことに頭を使うようになるんです。
そんな人に「いい仕事」ができるでしょうか?
」(「子育て編」p.35)

「やり方」だけで「あり方」が伴っていないと、いい仕事もできないし、他人の役に立つこともできないのです。どうすれば楽ができるか、どうすれば得するかと、自分のことのために頭を使うようになる。それでは、幸せになれないんですね。


親の大きな役割の一つは、子どもに
「お父さん、いつも楽しそう! 大人っていいなぁ!
僕も、早くあんな大人になりたい!」と思わせることです。
」(「子育て編」p.62)

いつも「疲れた」と言ったり、会社や近所の悪口や愚痴を言っていたら、子どもは「大人になりたい」とは思いませんよね。子どもから希望を奪うのは、今を幸せに生きていない親たちなのです。


「根拠のない自信」があれば、何か壁に当たった時に、
自分で解決して生きていけるっていうことです。
」(「子育て編」p.106)

児童精神科医の佐々木正美さんの話からだそうです。私も「根拠のない自信」の重要性を説いていますが、多くの方が同じことを言われていますね。

では、どうすれば子どもに「根拠のない自信」を持たせられるのか? その方法を、佐々木さんはこう言われたそうです。

できた時に褒めること以上に、
できなかった時に、抱きしめてあげることが大事なんですよ
」(「子育て編」p.107)

いい結果だからと褒めただけでは、根拠のある自信しか生まれません。悪い結果でも「自分は大丈夫だ」と感じられて初めて、人は「根拠のない自信」を持てるのです。

それには、結果に左右されない親の受容が必要なのですね。つまり、無条件の愛です。

…つまり、子どもを丸ごと受け止めて、
「あなたの存在そのものに価値があるんだよ」
というメッセージを子どもに伝えると、
子どもには「根拠のない自信」がちゃんとつくんですね。
子どもには、そういう「無条件の愛情」が大事なんです。
」(「子育て編」p.108)


結果に左右されない親の受容は、実はなかなか難しいことです。「7つの習慣」という本には、コヴィー博士夫妻の失敗談が書かれているそうです。

勉強やスポーツが苦手な子どもを助けようとして、夫妻は最初、励ましたり応援したりしたそうです。からかう人がいれば、その人に対して怒ったりもしたとか。しかし、かえって子どもは自信をなくしたように見えたそうです。

そして、二人の心の奥底に「息子は基本的に劣っている」
という意識があったことに気づいたんです。
」(「子育て編」p.131)

その無意識の信念があったので、子どもを励ましたり、守ったりしなければいけないと、夫妻は感じていたのです。

息子を肯定し、愛し、成長を楽しむ事こそが
親の役割だと考えるようになっていったんです。
子どもに対する見方を変えてからは、
自然と子どもとの時間を楽しめるようになっていきました。
」(「子育て編」p.132)

ダメな状態でも大丈夫だと思える。そうなって初めて、ありのままの子どもを受容できるのですね。

そのとき、子どもを励まさなければとか、守らなければという意識は、親からなくなります。無用な心配をしなくなるのです。つまり、子どもを信じることです。それによって、子ども自身もそのままで自信を持てるようになるんですね。


親が助けたい気持ちをグッとこらえて、
子どもにあえて失敗させて、痛い目にあわせて、困らせるんです。
それが子どものためなんです。
そういう経験を重ねて
子どもは、失敗しても自分で立ち上がるチカラ、
困ったことが起きても自分で解決していくチカラ
を身につけていくんです。
」(「子育て編」p.142)

子どもに失敗させることは、子どもの力を伸ばすだけでなく、親自身も成長していくことなのだろうと思います。


「子育て」の真の目的は
その子を、将来、幸せな人生を歩める子に育て上げる
ってことですよね。

そのために親がしなくてはいけないことは、
「一緒に幸せな人生を歩む」ということです。
そして、「その人生を楽しむ」ってことですよね。
」(「子育て編」p.167)

子どものために最善のことをしようとすると、それは実は、親自身が成長することになっているようです。

親が成長していけるように、未熟な子どもが授けられるのかもしれませんね。子育ては親育てと言うように、親自身がより素晴らしい人間に成長することが重要なのです。


よく知っている野口嘉則さんの話なども語られていました。中には、「それはちょっとどうかな?」と感じる部分もありましたが、実際に子どもを育てながら、その体験から生まれる話には、説得力があると思います。

子育て中の親御さん、教育関係者だけでなく、部下育てが必要なビジネスマンなどにも、お勧めしたい本だと思います。

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posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 17:04 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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