2016年04月21日
「続けられない自分」を変える本
友人でもある大平信孝さんの本を読みました。これで3冊目ですね。これまでに、「本気で変わりたい人の 行動イノベーション」と「今すぐ変わりたい人の行動イノベーション」を紹介しています。
大平さんとは、2011年6月に行われた箱根出版ブランディング合宿で同室になったのが出会いでした。考えてみれば私も、あのセミナーに参加したことが今の活動につながっています。
大平さんは、アドラー心理学を活用したコーチングによって、数多くのクライアントを成功に導いています。
前回までの本もそうでしたが、どうしたら変われるのか、どうしたら行動を習慣づけられるのかを、独自の方法を提示してわかりやすく説明されています。
ではさっそく、一部を引用しながら本の内容を紹介しましょう。
「行動することは何よりも大切です。
そして、それを何かしらの「結果」につなげるためには、
「行動を続けられるかどうか」
が重要なのです。
逆にいえば、結果が出るまで続けさえすれば、あなたが望むことは実現できます。」(p.5)
私も、成功のコツは2つしかなく、「始めること」と「続けること」だと言っています。結果が出るまで続けることが、何よりも重要なのです。
しかし、多くの人が続けることができず、自ら諦めてしまいます。大平さんは、実に100人中96人は続けないと言い切ります。
つまり、トップ4%の成功者になりたければ、続けることができればいいわけです。
「実際、ほとんどすべての成功者は、習慣を味方にしています。実は成功するかどうかと、才能や知識、能力、意志の強さとは関係がありません。
結局「やり続ける人」がすべてを手に入れるのです。」(p.7)
そのために、習慣を味方にする技術が必要になってくるというわけです。そしてこの本は、そのためのものである、ということですね。
「今日から考えるべきは、
「どうすればできるだろうか?」
それだけでいいのです。」(p.27 - 28)
私たちは、続けられない自分を「ダメな自分」と責めてしまいがちです。しかし、そう考えることは意味がないだけでなく、害悪ですらあるのです。
「本書でお伝えしたいのは、「習慣化した未来の自分」を先取りして、実感していく=味わうことです。」(p.35)
大平さんは、成功した未来の自分から逆算するという考え方が、習慣化するためのポイントだと言います。
今を出発点として積み上げるのではなく、未来から逆に考えていく。その方法が、この本では示されています。
「「できる・できない」で捉えている人は、一喜一憂します。
「やる・やらない」で捉えている人は、一喜一憂しないのです。」(p.48)
「できる」から「やる」のでは、今持っていない能力を発揮することができません。ですから、それを「やりたい」かどうかで考え、「やりたい」から「やる」と決めてしまうのが重要だとよく言われます。
大平さんも同様に、「できる」かどうかを行動の根拠としている人は、結果に一喜一憂すると言います。結果にとらわれてしまうのですね。
そして、結果にとらわれると、また「できない」自分を責めたり、環境や他者せいにして自分を正当化するなど、いずれも「継続する」という目的をまっとうできなくなってしまうのです。
「これからご紹介していく、エモーショナルハビットを実践する前に、ひとつだけ大事な注意点があります。
それは、「続けられるという前提(マインドセット)で、行動を始める」ことです。」(p.57)
心の中に「どうせ無理だよ」などの弱気があると、ちょっとしたことですぐに断念してしまいがちです。それでは、どんなに効果的な方法であっても意味がないのです。
「本書の冒頭でお伝えしたように続かない理由は3つだけ。
@本当は続けたいと思っていない
A自分には続けられないと思い込んでいる
B行動するときに、「面倒くさい」「続けるのが難しい」と感じている。
結局、「続かない自分」というのは、
前提のマインド設定が違っていただけなのです。」(p.58)
マインドセットという言葉はよく聞かれますが、「心の持ちよう」とか「気構え」のような意味です。何をするにおいても重要となるようですね。
「成功者の伝記を読んだり、成功者のドキュメンタリーを見たりして、「オレも頑張ろう」と思ったけど、結局その気持ちが消えてしまって、何も変わらなかった。
その原因は、「熱が冷めたから」「日常に戻ったから」ではありません。
すぐに行動に移さなかったからです。
感情を味わいつくしたら、すぐに何かしらの「行動」に移すことがとても重要なのです。」(p.100)
以前の本でも、大平さんはこのことをしつこいくらいに強調されていました。この考えから、「10秒アクション」や「50秒セルフトーク」という短時間でできる「1分間イノベーション」が生まれています。
今回の本ではそれを進化させ、「1分間のエモーショナルハビット」という誰でも簡単にできる行動習慣化手法を提示しています。簡単に言えば、50秒で感情を味わい、10秒で行動するというものです。
ですからここで、感情を味わったならすぐに行動することを説いているのです。
「大切なことはいつもシンプルです。
私が心からお伝えしたい、たったひとつのこと。
それは、「よりそう」ということ。
自分の心の声、理想の未来の場面で、その感情を味わいたいという熱意によりそう、ということです。
心の声によりそうことで、自然と夢に向かう行動の人生が出現します。
最優先すべきは、心の声によりそい、真摯に耳を傾けること。そこから生まれるのは、後悔のない生涯です。」(p.184 - 185)
死ぬ直前に後悔するのは、本当はやりたかったことをやらなかった、ということだそうです。やってみて失敗したことは、あまり後悔しないそうですね。
その「本当はやりたかった」という心の声に寄り添うことが大事だと、大平さんは言います。
ちょっとした勇気のなさ、低い自己評価による自信のなさが、本当にやりたいことをやらせない方向に働きます。
しかし、そうすることで後悔するのは、自分自身なのですね。
ここでは、習慣化のための手法である「エモーショナルハビット」の詳細は紹介しませんでした。また、それ以外にもたくさんのポイントや手法が、この本には書かれています。
すべてを実行する必要はないと思いますが、この中からどれか1つでも実行に移せば、強力な味方になるだろうと思います。ぜひ本書を手にとってみてください。
この記事へのコメント
コメントを書く
●コメントを書く前に、こちらのコメント掲載の指針をお読みください。