最近また注目されていると言われるオグ・マンディーノ氏の本を読みました。
この本は、以前に単行本で読んだことがあります。1999年4月に読んだと、別のブログの記事に書いていました。
今回は文庫本を購入したのですが、内容はすっかり忘れていました。なので、とても新鮮な気持ちで読めました。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
ただしこれは小説ですから、あまりネタバレにならないようにしたいと思います。
「廃品になった人間をさがしているのです。他人だけではなく、自分自身にさえ捨てられてしまった人間、偉大な可能性をもっているにもかかわらず、自分を愛する心を失い、より良い人生を求めようとしなくなった人たちのことです。そういう人を見つけたら、新たな希望と目的意識をあたえて、生きながら死んだ状態から蘇るのを手伝うのです……わしにとって、それこそ、この世で一番の奇跡なのです。」(p.35)
本を出版し、成功を収めた主人公のオグに、自らをラグピッカー(不要品回収業)だというサイモンは、このように語りました。
つまり、打ちひしがれて自暴自棄になったような人を見つけ、そういう人を再生させるのが自分の仕事だと言うのです。
「けれども、人を失敗に導く、自尊心の欠如というのはつねに、精神医学の諸学派が認める三つの標準的な感情の問題、つまり不安、罪の意識、劣等感といったものの複合体が原因となっている普遍的な病なのだ、ということにだんだんと気づくようになったのです。」(p.83)
これまで100人の人を再生したというラグピッカーのサイモンは、その手法の核心部分の認識を、上記のように語ります。
つまり、不安、罪悪感、劣等感など、「神との対話」でも語られ、斎藤一人さんなども指摘する問題こそが、自尊心の欠如をもたらすのです。
「あるメッセージを二十分間、一度読むだけではほとんど効果がないことは認めます。けれども、同じメッセージを毎晩、眠る前に読みつづけてごらんなさい、心のなかにたくさんの秘密の通路が開きます。……そして、夜の間じゅう、それらの考えがあなたの存在のあらゆるレベルに浸透するのです。」(p.99)
潜在意識にメッセージを届けるには、顕在意識がもうろうとしている時のほうが良いそうです。顕在意識がブレーキをかけないため、スムーズに届きやすいからだと。
ですから寝る前に同じメッセージを自分に与えるということ、つまりアファメーションすることは、効果的な方法だと思います。
「それから、彼は立ちあがり、厳しい表情でわたしを見すえて指でVサインを作ると、ウィンストン・チャーチルが言った次のたったの六語からなる言葉こそ、これまで述べられたもののうちでもっとも偉大な成功の秘訣だと語った。
”Never, never, never, never give up!”(決して、決して、決して、決してあきらめてはならない!)」(p.106)
チャーチルの言葉は知りませんでしたが、私も成功のコツは諦めないことだと思います。このことは、ブログの他の記事にも書いています。
「幸福と成功に導く第一の秘密を教えてあげましょう。あなたは今このときでさえ、偉大な栄光を達成するために必要なすべての恵みをもっているということです。それらはあなたの宝であり、今日から、新しいより良い人生の基盤を作るための道具なのです。
ですから、自分の恵みに感謝し、すでに自分が偉大なる創造物であることを認識してください。それが、この世で一番の奇跡をおこない、生きた屍から蘇るためにあなたがしたがわねばならない第一の法則です。」(p.183)
これは、毎日読むべき20分の「神の覚え書き」と呼ばれるメッセージの一部です。法則は3つあります。その中の1つ目が、上記の内容になります。
もちろん、これだけ読んでも、「それはわかるけど、なかなかそう思えないから…」と言いたくなるでしょう。小説の中では、そう思えるようになるための具体的な話も含まれています。
このように、問題は自尊心の欠如であり、自分を愛せないことにあるのですから、それを取り戻させれば良いということになります。
そのためのメッセージ、つまりアファメーションが、「神の覚え書き」なのです。
斎藤一人さんは、言霊の力を借りて劣等感をなくすのだと言われ、「私はスゴい!」を1日100回唱えるようにと説かれています。
つまり、今はそう思えないとしても、繰り返し自分に語りかけることによって、いつしかそう思えるようになるようにすることが、重要なことなのです。
自己啓発の分野では草分け的なオグ・マンディーノ氏の本を読んで、さすがに的を射ているなと思いました。
そしてそういう内容を、上から説くのではなく、物語という形で自然に受け入れさせようとする点が、さらに素晴らしいと感じました。

【本の紹介の最新記事】