口腔内の清浄を保つことが免疫力の増加に関係しているという情報を目にしたので、そういう関係の本を探してみました。
それらの中でもっとも気になった本を購入し、読んでみました。その1つがこの本です。決め手は、変な歯ブラシがついてくること。
著者は歯科医師の梅田龍弘氏。付いてきた歯ブラシは、歯科医院専用のワンタフトブラシです。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「口の中の歯垢(細菌)を除去することで免疫力が上がり、いろいろな病気で飲み続けていた薬が不必要となり完治してしまった例は多くあります。内科だけでなく耳鼻咽喉科、小児科、皮膚科の先生も、治りにくい鼻炎、気管支炎、アレルギー、喘息、アトピー等が治ってしまうので驚かれています。」(p.3)
歯磨きの目的は、歯垢を取ること。そして、そのことによって免疫力が上がる。これがポイントのようです。
まずは歯垢は取りにくい、という認識が必要なようです。安易に考えているから、歯磨きがおざなりになります。
また、歯磨きの目的は歯垢を取ることであって、食べかすではない、という認識も重要ですね。
その上で梅田氏が指導する「95%歯垢を取る除菌治療」では、歯ブラシ(ワンタフトブラシ)、歯間ブラシ、フロスを使って歯磨きすることを勧めています。就寝前に最低でも30分かけてしっかりと磨き、朝は簡単にささっと磨くのが良いようです。
「歯垢は、食べてすぐにはできません。4〜5時間経ってからできます。そして歯垢は、寝ている間に増えます(寝ている時には唾液の分泌が少ないからです。唾液には殺菌抗菌作用があります)だから寝る前の歯みがきが一番大事で、時間をかける必要があります。そして朝起きてすぐ(朝、口がねばつくのは細菌が増えているからです)はカンタンに。合計2回のみです。」(p.8)
まずは歯垢染色液で赤く染めて、しっかりと歯垢を落とす歯磨きを実践するところから始まります。こうすることで、本当に歯垢を落とせる磨き方が身につくのだとか。
本書では、「スウェーデン式歯みがき」というのも勧めています。これは、ワンタフトブラシを使ってしっかり2分間磨き、そのあとで普通の歯ブラシで1分間まんべんなく磨くというもの。
簡易的な方法ですが、ワンタフトブラシを使うことで、かなり歯垢を取れる方法のようです。
しかし、ワンタフトブラシでも届かない歯間は、すき間は歯間ブラシで、歯と歯の接触面はフロスを使わないと歯垢が取れません。したがって、より完璧を目指すなら、歯間ブラシやフロスの併用が望ましいことに違いはないのです。
そして、もう一つ重要なポイントとして、口呼吸にならないようにすることが重要だと言います。
「ところが口呼吸を常時繰り返すことで唾液が蒸発してしまうと、そのバランスが崩れ、悪い細菌ばかりがどんどん増えてしまうほか、口腔内に乾燥した冷たい空気や細菌が直接体内に送り込まれるため、鼻呼吸なら100%近くカットされるはずの細菌などが体内に侵入します。
その結果、歯周病、むし歯、口腔内乾燥、歯の着色、全身ではいびき、睡眠時無呼吸症候群、リウマチ、ぜんそく、花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、肺炎や腎炎、さらに糖尿病や高血圧症、白血病、悪性リンパ腫、潰瘍性大腸炎などの原因になります。」(p.22)
まさに口呼吸恐るべしですね。私も口呼吸になりがちなので、少し気になりました。
そして、歯みがきがしっかりできてないと、細菌が鼻の粘膜に着いて炎症を起こしやすく、鼻呼吸ができないことになるそうです。
また、舌の筋肉の衰えから舌が下がって、いびきの原因となり、呼吸が苦しいので口呼吸になることもあります。その予防としては、「すまいる体操」「ベロ体操」を勧めておられます。
口臭や歯の着色、歯並びにも、口呼吸は悪い影響があるとのこと。歯磨きをきちんとして、舌や口の周りの筋肉を鍛えて、鼻呼吸できるようにしたいものです。
ワンタフトブラシが付いて、口腔ケアのポイントが簡潔にまとめられている本だと思いました。
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