2015年09月29日
不安をなくす技術
また嶋津良智(しまず・よしのり)さんの本を読みました。
今度は「不安をなくす」ということがテーマです。
私も、不安を捨てることが重要だと言っているので、そのための技術というものに関心があります。なので、この本には大いに期待して読みました。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「完全に見えないからではなく、ぼんやり見えたから不安になるのです。」(p.23)
まさにその通りですね。「こうかもしれない」などと、薄ぼんやりと見えているから不安になります。
たとえば、高いところにいたとしても、周りがまったく見えなければ、不安になることはないでしょう。見えるから、「落ちるんじゃないか」などと思って不安になるのです。
「よいことにしろ、悪いことにしろ、何かに不安を感じたら、あなたはそのことに実現の可能性があると感じているということです。
つまり、ある出来事が不安かどうかは自分自身が決めているのです。
(中略)
それは別の言い方をすれば期待です。自分への期待です。
見方を変えれば、不安とは、自分自身に可能性を感じている証拠です。」(p.26 - 27)
これもそうですね。たとえば入試でも、合格するか不合格になるか、微妙だから不安なのです。もう絶対に受からないとわかっていたら、不安にはなりませんよね。
バシャールも、不安のドキドキはワクワクに近いというようなことを言っていますが、自分の可能性や期待が見えているからこそ、不安になるのだと思います。
「私たちがぼんやりとした未来に向かって生きている以上、不安は次から次へとタケノコのように地面から顔をのぞかせます。
しかし、それと同じような早さで、解決できますし、どうでもいい不安は忘れてしまうのです。このことに気づくと不安とのつきあい方が変わってきます。」(p.49)
たいていの不安は、何もしなくても解決するか消えてなくなるのだと言います。
それを実感するには、「不安ログ」と呼んでいるものを書くと良いのだとか。不安を書き綴り、あとから読み返すことで、その実感が得られるそうです。
「「営業マンは、カバン1つあれば、コンドームでもタイヤでも保険でも売れる。営業力があれば何でもできる」
半分冗談、半分本気でした。
ですが、こう言葉にすることで自信につながりましたし、よい思い込みにもなりました。」(p.100 - 101)
これを嶋津さんは「魔法の呪文」と呼んでいます。ポジティブな言葉を唱え続けることで、自分自身の思考を変え、現実を変えるのです。「言葉が現実をつくります。」と嶋津さんは言い切っています。
「不安と行動を考えたとき、2つの行動が考えられます。
1つは不安に向き合う行動であり、もう1つは不安から逃げる行動です。
(中略)
同じように、不安から逃げて、キャバクラ、ギャンブル、ホストクラブ通いなどしても、夢が覚めると不安が増えていきます。
(中略)
「これをやればうまくいく」と、はっきり見えていなくても、「このままではよくない」と思い、生産的だと思う「何か」をやってみるのです。」(p.106 - 107)
まず、不安から逃げても不安は消えないと言います。その場は忘れることができたとしても、夢から覚めればまた不安が襲ってくるからです。
そこでまた夢を見ようとすると、ギャンブル依存症とかアルコール依存症などの依存症になってしまうでしょう。
ですから、「不安に向き合う行動」をすることが重要だと言います。
ただ、何をすれば良いかははっきりとわからないこともあるでしょう。その場合でも、何か生産的なことをやることだと嶋津さんは言います。
「不安から脱出する唯一の方法は行動です。
そして、行動を起こすと自信がつきます。
心配し、行動すると、自信という資産が増えていきます。行動しないままでいると、自信という資産は増えません。」(p.110)
不安で怖くても、勇気を出して何か行動する。そうすることで不安も解消し、自信という資産も得られると言います。
「デンマークの哲学者キルケゴールは、
「不安とは対象がはっきりとわからないもの」
と考えました。まさに「夕闇にうごめく影」なのです。
これに対して心配は対象がわかっています。」(p.125)
不安を不安のままで置かずに、心配にすることが大事だと言います。
心配にすれば対象がはっきりとわかるので、そのための行動がとれるからですね。
「すべての不安をきれいさっぱり解決するのは、じつは無理です。
誰でも自分の力では解決することのできない不安を抱えているからです。
解決できたと思っていても、一時的に忘れているだけです。
でも、それで十分なのです。」(p.193)
不安を完全になくすことはできないけど、それでも十分だと言います。そこで完全主義になってしまうと、かえって不安に振り回されるからです。
不安があって当たり前という開き直りも、ときには大切だということですね。
嶋津さんは、不安に対してはまずそれを心配に変え、目標を設定して行動することだと言います。
そして自分でどうしようもない不安は、忘れること、見ないようにすることだと言います。
そうやって正しく不安に向き合っていけば、不安を解消しながら自信をつけ、自分を大きくしていけると言うのです。
とても参考になったので、私のセミナーでも使わせていただこうと思いました。
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