さとうみつろうさんの最新刊を読みました。
さとうさんの本は、以前に「神さまとのおしゃべり」を紹介しました。
コミカルな神様との対話が面白かったのですが、今度はお猿さんも登場します。そして、自分でどんどん書き込んでいって理解を深めるという、ワークブック的な作りになっています。
まず最初に、袋とじになっている部分があり、そこで主人公のみつろうは神様に、成功するために(失敗しないために)やっておくべき10個のこと、みたいなものがないかと尋ねます。
すると、神様は明快に答えます。それは、「○○○○○○」だと。
せっかく袋とじになっているので、この答えは自分で本を手にして読んでみてくださいね。
ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。
「なぜなら、「嫌だなぁ」と思っている時、あなたはいつだって、本心とは違う行動をしているんです。
「やりたいこと」と、「違うこと」をしているから、「嫌だなぁ」と思うわけです。
ということは、「嫌だなぁ」という出来事の反対側を探せば、あなたの「やりたいこと」が必ず見つかることになります。」(p.22)
まず「嫌だなぁ」と思うことを探し、それから「嬉しいなぁ」と思うことを、リストアップするよう求めます。「嫌だなぁ」をリストアップするのは、「やりたいこと」を見つけるためなのです。
前回紹介した神田さんの本でも、まず「やりたくないこと」を書き出してから、「やりたいこと」を書き出すよう勧めていました。
「やりたくないこと」の裏返しが、「やりたいこと」になるんですね。
「要するに、不幸とは「やりたいことがやれていない状態」のことなんです。」(p.71)
「そう、幸せとはつまり、「やりたいことがやれている状態」のことなんです。」(p.72)
このように、幸せと不幸を定義していきます。
ですから幸せになるには、「やりたい」のに「やれてない」ことが、やれるようになればいいんですよね?
では、どうして「やりたこと」ができないのでしょうか?
「それが、悪魔からの提案、「先にナイものを手に入れて、その後で「やりたいこと」をやれば?」です。」(p.100)
「朝ゆっくり眠りたい」というような「やりたいこと」ができないのは、「遅刻してもいい環境(仕事、お金など)」がまだ「ナイ」からだと思っています。
だから、まずその「ナイ」ものを手に入れよう。そう考えてしまったのですね。
そのために私たちは、たくさんの「我慢」と「義務感」を背負うことになりました。
「−−「やりたいこと」をやるために、「やりたくないこと」をやる−−
字に書いてみると、その明らかな矛盾に気づけます。「やりたくないこと」をやっている間、「やりたいこと」はできないのだから。
未来におあずけなんてせず、「やりたいこと」をすぐにやればよかったんです。」(p.156)
やりたい「朝ゆっくり眠る」ことをやるために、やりたくない「朝早く起きる」ことをしているのですね。
「ナイ」ものを得るために自分に義務を課し、我慢を強いて、あれはイケナイ、これもイケナイと制限しています。だから、「やりたいこと」ができなくなっているのです。
「だってそもそも、「○○してはイケナイ」って書いてあるのだから、「やれない」のは当然でしょうに(笑)。やってはイケナイんだから。
こうして、抱え込んだ数だけ、「やりたいこと」ができなくなるのが、義務感なんです。
ということは、あなたが抱えている義務感「○○しないとイケナイ」は、全てが、本当はいらないものだったことになります。
そう、全てはあなたの、ただの思い込みだったわけです。」(p.158)
信念も価値観も、自分が選択しただけのことです。絶対的なものではありません。
その自分が受け入れた価値観によって、自分を制限する義務が生じているだけです。自縄自縛とは、まさにこのことですね。
「前提の思い込みである「〜してはイケナイ」を消す方法は、簡単です。
あなたが勝手に、「〜してはイケナイ」と思い込んだのですから、あなたが勝手にその逆側を自分自身に許可すればいいわけです。
やり方は、「〜をしてもイーとしたら、どうする?」と自分自身に質問するだけ。」(p.170)
たとえば、「会社に行かなくてもイーとしたら?」と問えば、「朝ゆっくり眠っている」という答えが出るでしょう。
しかしここで注意しなければならないのは、その前提となる「イケナイ」が消えない限り、「イー」とは思えないということです。
「ということは、この前提にある「綺麗にならないとイケナイ」という思い込みを消せない限り、あなたは「化粧しないでもいい」とは思えないという構図なんです。」(p.166)
なので、1つずつ「イケナイ」を辿って行って、最初の思い込みを消すことで、抱え込んでいるすべての「イケナイ」を消せるわけですね。
こうして、根本となる「イケナイ」という思い込みを消していくと、最後には「幸せにならないとイケナイ」が残ると言います。
この思い込みを消して、「幸せにならなくてもいい」となったとき、すべてのことを受け入れられるようになります。
そして、そうなると、「これほど幸せなことはないよ。」と感じられるのです。
そして最後のまとめで、「やれている「やりたいこと」をもっと探す」ことを勧めています。
「そして、不思議に思うかもしれないが、やれている「やりたいこと」を探す癖が身体につき始めると、やれていない「やりたいこと」もドンドン、やれている「やりたいこと」へと移っていく。要するに、あなたの夢がドンドン叶っていくのだ。」(p.231)
幸せは「なる」ものではなく、今「ある」ものに「気づく」ことだと言われます。
ですから、今「ある」ものを探しているうちに幸せになり、幸せな状態でいることで、それまでできなかったことも、できるようになるのでしょうね。
さとうさんらしいコミカルなところがたっぷりで、しかもワークブック的に実践しながら理解を進められる本になっています。
少々言葉が回りくどくて、すぐに意味を理解しづらい部分もありますが、じっくり取り組んでみてはいかがでしょうか。
【本の紹介の最新記事】