2015年05月22日

「非常識」でコミュニケーションはラクになる



心屋仁之助さんの本を読みました。と言っても、これはほとんどがマンガで描かれています。

タイトルには、「人間関係や仕事、恋にも有効! マンガで学ぶ心屋仁之助の」という説明がつきます。

内容はコミュニケーションを良くすることに絞っていますが、結局はすべてに通じることなんですね。

マンガで描かれているために読みやすく、また章ごとに解説文もあるので、わかりやすくなっています。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を説明しましょう。

コミュニケーションが下手くそな人の一番の理由は
人から受け入れられていないという大前提があるからなんですよ
」(p.17)

つまり、「自分は受け入れられていない」という思い込みが、何かの出来事に対して「やっぱり自分はダメなんだ」「コミュニケーションが下手だからだ」という解釈をさせるのです。

心屋さんはそう指摘して、この本で「必要以上に怯えている「心」を変える」ことを伝えたいと言います。


他人の行為を嫌悪することがあります。それもまた、自分の記憶(トラウマ)から反応しているだけだといいます。

反応して「嫌い」と思ってしまうのですから、そう思わないようにするために、心屋さんはこういう方法を勧めます。

そういう時は「嫌い」って言葉を「反応」って言葉に置き換えてみてください」(p.44)

「なんでこの人はこんなことするの!?だから嫌いよ!」と考えるのではなく、「どうして私はこの人に「反応」してしまうんだろう?」と冷静に見つめてみることだと言います。

具体的な答がわからなくても、自分が勝手に嫌いになっているだけなので、それを一時的にやめてみようと思えば良いのだそうです。


まずはね、自分のことを褒められない人は
他人のことも褒められないのね
」(p.55)

褒め上手になりたいと言う人は多いでしょう。その技術を学ぶ以前に、自分が自分のことを嫌っていたら、他人のことも好きになれないのだと言います。

ですから、まずは自分を好きになって、自分のことを褒めることが重要なのです。

それには人に褒められた時に
「そうでしょ」って言うこと
」(p.58)

自分が褒められたとき、「とんでもない」「いや私なんて」などと、否定している場合ではないのです。

「ありがとう」「嬉しいです」というように、受け止めることが大切なんですね。


信頼してもらうのに役立つのが最初に言った
「失礼なヤツになる」ってことなの
」(p.72)

気を使われるとしんどいものです。だから相手を楽にしてあげるために、正直になる(デメリットを言う、弱点をさらす)ことが大切なのです。

その正直に言うことの最たるものが、気を使わずに思ったことをずけずけと言うこと。つまり「失礼なヤツ」になることなのだそうです。

「こいつはそういうヤツだ」「面白いヤツだ」と思われたら、もう何も気にすることがなくなりますからね。

誰にでも欠点はあるもの。それを隠そうとするから信頼されないのです。信頼はコミュニケーションの基盤ですから、信頼を得るためにも「失礼なヤツ」になることが重要なのです。


そして気を使わせないためには、「タメ口」を使うことが重要だと言います。もちろん相手は上司など、通常ならタメ口を使えないと思っている人です。

人間関係は、自分を映す鏡です。自分がタメ口を言ってフレンドリーになれば、相手もまたよろいを脱ぐのです。

だからね他人に対して「あの人が」って言いはじめた時には
「自分が」って言い換えて考えてみてください
」(p.91)

自分の姿を、他人が見せてくれているだけなのです。


過去のトラウマから、何かあるとすぐに「やっぱりオレはバカにされる人間なんだ!」と自己卑下することがあります。

けれども、それは真実ではないと言います。「バカにされる人」という人はいないのです。

昔病気になったって言っても「病人」という生き物ではないですよね?
つまりバカにされた経験を持っていたとしても「バカにされる人間」ではないと気が付かなきゃいけないんです
」(p.97)

単に自分の一時的な「経験」にすぎないのに、それを「存在」と結び付けてしまう。そこが間違いだと指摘します。


報われようとして頑張ってしまう人が多いですが、心屋さんは「頑張る」と「報われる」は本来関係がないと言います。

これは子どもの頃、親の愛情を得たいがために、親に気に入られようとして頑張ってきたことが習い性になっているのです。

S原さんがまずね「私認められたくて頑張ってたんだなあ」
「認められなくて悲しかったなあ」という過去の思いを受け入れることで
まずその気持ちを成仏させてあげなきゃいけない……
」(p.108)

自分の感情をしっかりと受け止め、自分を許してあげることが重要なのですね。

まず頑張らなくても認められるってことを信じる
次に認められるための目標を立てることをやめる
」(p.111)

このようにすることで、「頑張らないと報われない」と思って疲弊していたスパイラルから抜け出し、新たな世界が開けてくると言います。

楽しく好きなことやっていたら「なんか知らんけど」
大きい結果がついてくるっていう面白いスパイラルに入るのよ
」(p.112)


頑張ってしまう人は、人に頼ることができません。自分でやらなきゃと思って、つい頑張ってしまうのです。

そういう人に対して心屋さんは、次のようにアドバイスします。

一番簡単なのは「助けてください」って言うこと
助けてくださいを言い換えると「相手に迷惑をかける」ってこと
」(p.123)

自分の弱点を堂々とさらすことなんですね。そうすることで相手に、活躍の場を与えることになります。

好かれる人というのは、相手に活躍の場を与えている人と言えるでしょう。


次に、失敗したときの心構えを説きます。告白したとき、フラれる可能性もあります。

自分はその人にフラれたけど「フラれる人間」ではないってこと
「一回フラれた体験をしただけ」ってことをちゃんと思わないといけない
だから「フラれたなあ」ってしっかり感じるのも勇気なんですよ
」(p.130 - 131)

上手く行くときもあれば、上手く行かないときもあります。上手く行かなかったときこそ、考え方が重要になるのです。

その時「うまくいかなくても自分は大丈夫」なんだって信じることを
自信っていうんです
」(p.132)

上手く行かなくても大丈夫という自信を持てたら、何も怖いものがなくなりますよね。


私たちは、素晴らしい人と出会うことがあります。そのとき絶対的に持っていてほしいキーワードとして、「すでにそうである」を知っておいてほしいと言います。

つまり自分が素晴らしい人に出会ったということは
自分がそういう人間なんだってことを受け入れる瞬間なんですよね
」(p.138)

たとえば素晴らしい人で「人気者」のCさんと出会ったとき、「Cさんと同じくらい人気者だし!」と笑っていえるかどうか、そこがポイントなのだと。

それが笑って言えるようになると、自分が「人気者」になり始めるのだそうです。

「羨ましい」って思う人と出会えたら、もうすぐそこに到達するということなのです。

だからね自分が素晴らしいと思うものを見た時は
自分の人生の予告編を今見てるんだって思っちゃえばいいんです
」(p.140)

そう考えると、なんだかワクワクしてきませんか?

笑っちゃうのは体が知ってんのよ
僕の言葉を聞いて体が先に喜んでんのよ
「気付く気付く!」って
」(p.144)

喜んで調子に乗ってもいいのだと、心屋さんは言います。

いや調子に乗ったほうがいいの!
もっと調子に乗ったほうがいい!
」(p.145)

本当は自分のことを「素晴らしい人間」だと思っているのに、それを抑えて表面上謙虚なフリをしていると、それはかえって傲慢なことなのです。

その逆に、傲慢なフリをして「自分は素晴らしい」と表に出せば、謙虚になるのだそうです。


その人との関係が改善できれば解決ですよね
その一番簡単な方法は
「あの時イヤだった」って本人に言うことですよ
」(p.158)

問題解決の答を、自分が一番よく知っていると心屋さんは言います。

よく知っているけど、一番やりたくないこと。だから本音を抑圧してしまうのです。

でも、それをやらなければ変わらない。自分を変えることができるのは、自分だけなのです。

勇気を出すかどうか最後は
自分が決めることなんです
」(p.160)

でも、やろうと思っても「怖い」という思いが湧いてきます。

でも、その”怖さ”自体も、実は過去に体験した自分の記憶が生み出しているものなのです。
(中略)
つまり、”怖さ”の正体はすべて気のせいで、「思い出し笑い」ならぬ「思い出し怖い」をしているだけなんですね。
 この勝手な被害妄想を止めるには、方法は一つ。
 勇気を持って今、乗り越えるしかありません。
」(p.163)

「神との対話」などでも、「不安は幻想だ」と言っています。怖さ(不安)というのも、実は存在しないものなのですね。


心屋さんは、これまでの「常識」、今までの「正しい」の逆に、本当の答があるという体験をしてきたと言います。

たとえば、「面白くない」「話が下手」な人間だと自分が思っていたら、その「真逆」にしてみることを勧めます。

「面白くない→ホントは面白いのかも」「話が下手→話がうまいかも」というように考えてみるのですね。

そうしたら、現実が変わってきたと言います。他の人から「面白いですね」「話がうまいですね」などと言われるようになったのだと。

そう、僕は、自分自身のことを「大勘違い」していたようです。みんなも同じなんです。
 「と、いうことにして」以来、今までに学んだようなテクニックはすべて捨てました。
」(p.173)

結局、「ダメだと思っている自分」というのも幻想で、そう思い込むことで自分らしく生きられなくなっているのかもしれません。

そう考えると、要は勇気を出して自分らしく生きることが、重要な気がします。


マンガで描かれていますが、内容はとても深いものがあります。

わかりやすく教えてもらえたことを、とても感謝しています。

「非常識」でコミュニケーションはラクになる
 
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 21:16 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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