2015年04月28日

幸せになる法則を発見した人 丸山敏雄伝



倫理研究所創設者の丸山敏雄氏の人生をまとめた本を読みました。編著は同氏のお孫さんであり、倫理研究所理事長でもあった丸山敏秋氏です。

なお、敏雄氏の著書としては、以前に「万人幸福の栞(しおり)」を紹介しています。倫理研究所のバイブル的な冊子になっています。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

敏雄氏は、「時、所、人種に区別なく、守れば間違いなく幸福になり、はずれれば必ず不幸になる生活法則」としての倫理を確立するとともに、そのように生きた人です。

明治25年(1892年)5月5日に生まれ、昭和26年(1951年)12月14日、59歳で亡くなられています。

教育の職に付きながら、道徳的な生き方を追求し、教頭という地位を捨てて学究の道に戻るなど、生き方を求めた方のようです。

「ひとのみち教団」に加入し、幹部にまでなったものの、戦時中に検挙され、拷問を受けるなどの苦難も体験されています。

この裁判の中で、宗教に限界を感じ、宗教から離れることになります。それから独自の生き方を進むことになりました。

詳細は、本の最後に年表がありますので、そちらをご覧ください。


敏雄氏が亡くなる時、家族にこういう言葉を残したそうです。

急ぐな
 先のことを心配するな
 自然にまかせて処置をとれ
 これでよい
 喜べ
」(p.7)

私はこの言葉に、すべてが言い尽くされているように感じます。

この世はすべて完璧で、上手く行っているのです。だから慌てて急ぐ必要がないし、自然の流れに身を委ねれば良いのです。

そうわかっていれば、「これでよい」と言えるでしょう。これでいいのですから、喜べるはずです。

一言で言うなら、安心していることですね。愛の中に留まると言っても良いかもしれません。

私はこのことから、敏雄氏の言うことは間違いないと確信したのです。


朝起きて、最低の顔をしていないか。
 一日に一度かならず目が覚める。
 目が覚めるということは、生きていることの証。
 ああ、今日も生きていてよかったと、
 機嫌よく起きるのが本当だ。
」(p.10)

もっとも効果的に自分を変えるには、朝サッと起きることだと敏雄氏は言います。

では、どうすれば早起きができるのかというと、そんな秘訣はないと言います。ただ単に「やればできる」と。つまり、意思の問題なのですね。


喜んで支払えば、お金は入ってくる」(p.24)

しぶしぶと出し惜しみをすると、お金が入ってこないと敏雄氏は言います。

むしろ喜んで、気前よく使うことだと。「支払いは早く」「支払いは喜んで」という信念が重要なのです。


人の自然現象に対する心の持ち方や態度が、実は人間の幸福と不幸に密接に関連して、それを左右する、との着眼を敏雄は得た。そして、健康を損なう原因には、天候気候への嫌悪、不足不満、恐れが大きいことも突き止めた。」(p.81)

雨が降れば降ったで不平不満を言い、晴れたら晴れたで文句を言う。そういう考え方が、健康を損なう原因だと言います。

ですから、自然に順応し、自然に対して畏敬の念を持ち、自然に感謝することが、幸福や健康につながるというわけです。


宗教といえば、古来、一宗一派に閉じこもって、互いに排撃するのが常であった。しかし、これはもう時代遅れの宗教である。世界のどんな宗教とも相和し、相助けて、おのおのその特質に生きて進むゆたかな宗教、これが真実の宗教である。真理を伝えるのに、暴力は不要である。正しき者は反抗の必要がない。宗教が排外的偏狭を捨てて、その真実に帰ったとき、人類の救済が成就する。 (『歓喜の人生』より)」(p.115)

敏雄氏は、宗教の偏狭さこそが問題だと見抜き、宗教家の道を捨てました。

しかし、宗教そのものを否定したわけではありません。宗教が本来の姿を取り戻すことで、人類全体が救済されると見ているのです。


哲学者のカントは、人間の行なう善悪と幸不幸の一致はこの世において求められないと主張した。どれほど善を行なおうと、またどれほど悪を行なおうと、この世では、幸福になるか不幸になるかは、結びつかないというのである。
 丸山敏雄はそれに異を唱えた。道徳と幸福が一致(徳福一致)する生活法則を「発掘」することで、最高善を追求していった。
」(p.178)

戦後の困窮の中、人々の心は荒廃していたそうです。どうせ善いことをしても幸せになれないなら、悪いこと、ずるいことをしてもかまわないじゃないか。そういう自暴自棄の状況だったのです。

そこで敏雄氏は、研究を重ね、実証実験を重ねる中で、これを守れば幸せになれるという規則、つまり倫理を探しだしたわけです。

その内容は、「万人幸福の栞」に詳しいので、そちらをご覧ください。

ご覧いただければわかるように、これは絶対的な善悪というものではなく、「与えるものが返ってくる」というようなこの世の法則を示しています。

他人を自分の鏡だと考えるというのも、まさにそういう考え方です。


些細な出来事でも異変を感じたとき、敏雄はしばしば、その出来事が自分に知らせる「意味」を受け止め、気付いたことをそのまま実行する習慣が身についていた。」(p.182)

直感を磨くのに重要なことですね。起こることはすべて必然だとわかっていれば、不都合なことにも自分を良くするためのメッセージがあると思えるはずです。

ここには、移転するときにトラックが故障し、難儀をしたという出来事が書かれています。

そのとき敏雄氏は、この出来事に次のような意味を見つけたのです。

人世の救済に一身をかけよとのこと」(p.182)

普通なら、「なんてツイてないんだ」と嘆くような出来事です。しかし敏雄氏は、まず「これでよい」と受け入れるのです。

そして、「これから大業を為すのに、その準備はできているか?」と、天から問われていると考えたのでしょう。だからこのトラブルを、天からの励ましと受け止めたわけです。


まず第一に、喜んで朗らかに静かに、困難を迎えることである。いやなこと苦しいことを、どうして喜んで迎えられようか。それは、一応はそうである。苦難というものは、ひどい顔をし、いやな形をして、苦痛のすがたをとってはいるが、実は我らの敵ではなくて、味方である。というよりか、一ばん親身に我がためを思って、つっかかってくる正義の友である。」(p.199)

苦難に出合った時の態度を、敏雄氏はこのように語ります。これが幸せなるための法則、つまり倫理なのですね。

さらに敏雄氏は、苦難についてこう言います。

苦難はそのまま美である。幸福と苦難と表裏一体、善と悪と陰陽不二、ここに宇宙無限の美がある。それをそのとおり有るとおりに見ているのが芸術家であり、これをそのまま弾ずるのが音楽であり、詠ずるのが短歌である。
 ここまでくると、苦難はそのままで、美に光り、善に輝いてくる。苦難そのまま<がよい>のである。
」(p.200)

苦難を嫌わないどころか、むしろその中に美を見出す。あるがままで完璧だと見抜くようになると、おそらくこう感じるのでしょう。


苦難に直面した時、どうすればよいか。ブレイクスルーの秘訣がここにある。
「これがよいのだ」
「……がよい」
 まずはこうした言葉を口に出してみることだ。不平不満や泣き言を言う前に、「これがよい」と言ってみる。言葉を変えれば心も変わる。不思議に苦難を嫌う気持ちが薄れてくるだろう。苦難の本質をわきまえていれば、現実の苦しみがそのまま「有り難い」とさえ思えてくる。
」(p.202)

単なるポジティブ思考ではなく、ブレイクスルー思考が重要なのだと言います。

苦難は苦難のままにまずは受け入れ、それを味わえばよいのだと。

苦痛は、なかなか喜べるものではない。それは、自分本位であり、己にとらわれているからである。苦痛のただ中にとざされた時は、その中からぬけ出して、外から自分の姿を心を、静かに眺めてみるがよい。」(p.206 - 207)

観察者の立場に心を置くことですね。これは「あした死ぬかもよ?」ひすいこたろうさんが伝えたかったこととも、通じるものがあるように感じます。


戦後の大変な時期、このような精神的な運動をした人に、中村天風氏がいます。

天風氏も、絶対的な積極思考が重要だと訴えていました。苦難にあってもそれを喜ぶという考え方です。

期せずして、同じようなことを唱える人がいたわけですね。

私はこのことからも、天は日本を見捨ててはいないと感じます。

苦難は神罰でも仏罰でもありません。大変になるけど頑張れよという、天の励ましだと思います。

だから、単に苦しめるだけでなく、そこに救いの道が示されていたのだと思うのです。

幸せになる法則を発見した人 丸山敏雄伝
 
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 16:59 | Comment(2) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ありがとうございます。
素晴らしい解釈で良く解りました。
丸山敏秋様は丸山敏雄様の孫です。
息子様は丸山竹秋様です。
Posted by 藤田麻希子 at 2016年02月08日 05:05
藤田麻希子さん、コメントをありがとうございます。

ご指摘していただいた通りですね。
どこを読み間違えたのかわかりませんが、訂正しておきました。
ありがとうございました。
Posted by 赤木 (幸せ実践塾塾長) at 2016年02月08日 09:56
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

●コメントを書く前に、こちらのコメント掲載の指針をお読みください。

ランキングに登録しています。面白かったらボタンをポチッと押してね。
↓↓↓↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 自分らしさへ

スポンサーリンク