2015年04月21日

聖なる予言



1994年に単行本として発売された「聖なる予言」ですが、もう一度読み直したくなって、文庫本を買いました。

著者はジェームズ・レッドフィールド氏で、翻訳は山川紘矢+山川亜希子夫妻です。

この本は、私が初めて手にしたスピリチュアル関係の本かもしれません。

著者のジェームズ氏は、自身の気づきをより多くの人に知ってもらうために、冒険小説というスタイルにしたのだそうです。

最初は、どこの出版社も相手にしなかったので、自費出版という形にしたのだとか。それが口コミで10万部も売れたため、大手の出版社が引き受けてくれたのだとか。


ではさっそく、一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

別の言い方をすれば、宇宙の基本物質はその核心においては一種の純粋なエネルギーであり、古い機械的な宇宙モデルとは相容れない方法で、人間の意思と期待に順応するということです。つまり、私たちの期待そのものが、私たちのエネルギーを世界へと流出させ、他のエネルギーシステムに影響を与えるというわけです。」(p.72 - 73)

アインシュタインは、「E=m×c×c」という公式で、すべての物質はエネルギーからできていることを示しました。

そして量子物理学は、素粒子などを観察するとき、物質が観察者の影響を受けることを発見しました。

このことから、エネルギーは私たちの精神活動の影響を受けるということが、ここで表現されています。

つまり、いわゆる「引き寄せの法則」であり、「思考が現実を創る」という考え方です。


「あなたが物の美しさと個性を感じると、あなたはエネルギーを受け取ります」と彼は言った。「そしてあなたの気持ちが愛にまで高まると、あなたはそうしたいと思っただけで、エネルギーを送り返すことができるのです」」(p.181)

すべての物はエネルギーからできていますから、エネルギーをやりとりすることができるんですね。

そして、私たちが愛に近づけば近づくほど、そのやりとりは効率的に行えるようになるのです。


愛の役割はずっと誤解されていました。愛とは善人になるために何かするとか、道徳的義務感から世界をもっとよい場所にするとか、あるいは快楽を諦めるべきだというようなことではありません。エネルギーとつながると興奮し、至福感を感じ、それから愛を感じます。この愛の状態を維持するために、十分なエネルギーを見つけることは確かに世界を助けますが、それよりもまず第一に、自分のためになります。それは私達にできる最も気持ちのよいことなのです」(p.185 - 186)

愛とは、自分のエネルギーが高まること。これも、「神との対話」を知っていれば理解できます。

つまり私たちは完璧な愛になろうとしているのですから、それは世界のためにもなるし、自分自身としても気持ちのよいことに違いありません。


どの人のドラマも、攻撃的なものから受身的なものまで、この分類のどこかにあてはまります。あまり攻撃的には見えなくても、エネルギーを取るために、人の欠点を見つけ出しては、ゆっくりとあなたの世界を侵害してゆく、あなたのお父さんのような人は、尋問者です。被害者よりは受け身の度合いが少ないものが、あなたの演じているよそよそしい傍観者のドラマです。ドラマは順番に、脅迫者、尋問者、傍観者、被害者となります。」(p.205)

人は、相手からエネルギーを奪おうとして、4つのタイプのドラマの、いずれかを演じると分析します。

脅迫者には被害者が、尋問者には傍観者が対応し、一方のドラマに巻き込まれることによって、対応するドラマを演じるようになるのだそうです。

ここで重要なのは、ドラマを演じる目的が、エネルギーを得たいためだということです。

逆に言えば、もし相手からエネルギー(愛)を得る必要がないとわかれば、ドラマを演じる必要性もなくなる、ということですね。


私たちは両親から肉体をもらっただけではありません。霊的なものも受けついでいます。あなたはこの二人の間に生まれましたが、両親の人生はあなたが何者かということについて消しがたい影響力を持っています。本当のあなた自身を発見するためには、本当の自分は両親の真実の間から始まっていることを、認めなくてはなりません。それがあなたが二人の間に生まれた理由なのです。彼らがどんな生き方をしたか、高い視点から見ることです。」(p.219)

あなたにとっては、霊性が問題なのです。あなたの全人生は、自分自身を成長させる道を見つけ出すためのものなのです。これはご両親が達成できずに、あなたに遺した問題です。」(p.221)

つまり、両親がそれぞれどんな信念(価値観)を持っていたかを知ることが重要だと言います。その信念の統合に、自分の使命があるのだからというわけですね。


それに気づくためには、観察者の立場に自分をおく必要があります。何か考えが浮かんだら、なぜと思わなければなりません。なぜ、この考えが今浮かんだのか? これは自分の人生の問題にどう関係しているのか? 自分を観察者の立場に置くと、すべてをコントロールしなければならないという気持ちがなくなります。すると、私たちは進化の流れに身をまかせることができるのです」(p.268)

よく生きるためには客観的な視点が重要だと、先日紹介したひすいこたろうさん「あした死ぬかもよ?」にも書かれていました。

ここではふと浮かんだ考え、つまり直感に注意することが書かれていますが、出来事に対しても同様です。

すべての出来事は意味を持ち、私たちの疑問に何らかの意味で関係しているメッセージを含んでいるのです。これは特に、私たちが悪いことと呼んでいることにあてはまります。第七の知恵は、どんなに否定的な出来事であっても、そこに隠されている本当の意味を読み取るようにと言っています。」(284)

どうして今、こういうことが起こるのか? それを、外因的に捉えるのではなく、内因的に考えることです。

しかも、それを自虐的に捉えるのではなく、ポジティブに、自身が進化成長するためと捉えることが重要なのだと思います。


あなたの体はあるレベルで振動しています。あなたのエネルギーを低くしすぎると、体が傷つき病気になります。ストレスと病気の関係です。愛は私たちの波動をあげる手段なのです。私たちを健康にしてくれます。愛はそれほど大切なんですよ」(p.276)

病気になるのも、私たちの波動レベルの問題なのですね。

そしてその波動レベルを高めるのに、愛が有効なのだと。

私は、レイキは愛だと言っていますが、レイキが病気に効果がある理由も、こういうところにあるのかもしれません。


エネルギーを充たし、自分の状況や問題に自分を集中させる。すると、直感という形で、どこへ行けばよいか、何をすればよいか導きを受け取ることができる。次に偶然の一致が次々に起きて、私たちをその方向へと動かしてゆく」(p.278)

すべての答えは、不思議な方法で他の人々によってもたらされるということです。」(p.278)

前に紹介した「「東の大富豪」の教え」でも、直感に従うことと、意味のある偶然の一致(シンクロニシティ)を見逃さないことが重要だとされています。

自分の直感を信じて、安心してそれにしたがうことが大切なのだと思います。

そして、出会う人は何らかのメッセージを携えている、ということですね。「神との対話」ではこれを贈り物と呼んでいます。


子供をありのままに見るということです。しかし、進化を学ぶために、子供は、常に無条件に、私たちのエネルギーを必要とします。子供にとって最悪なことは、子供を矯正しようとして、子供のエネルギーを奪い取ることです。これは、すでにあなたも知っているように、コントロールドラマを作り出します。」(p.294)

子供をしつけようとして矯正することの問題点を、エネルギーの観点から述べています。

そして、脅迫者が犠牲者を作り、尋問者が傍観者を作るように、ドラマを生み出すのです。


さらに、子育てに対して重要なメッセージがあります。それは、子供の人数が重要だということです。

それは一人の大人は一度に一人の子供にしか、注意を向けられないからです。大人の数に較べて子供の人数が多すぎると、大人はどうしてよいのかわからなくなって、十分にエネルギーを注ぐことができません。子供たちは大人の時間を得ようと競争し始めます」(p.295)

一人の子供に全部の注意を向ける大人が少なくとも一人はいなければ、子供を産むべきではないと、人は次第にわかるようになると写本は言っています」(p.295)

写本は、人間は血のつながりを超えて家族を拡大することを学ぶと、言っています。だから、誰か他の人が子供の面倒を見てもよいのです。全部のエネルギーが両親から来る必要はありません。実のところ、そうでない方がいいのです。しかし、誰が子供の面倒を見るにしろ、子供にはこの一対一の注目が与えられなくてはなりません」(p.296)

重要なのは、両親が愛情をもって育てるということではなく、1人の大人が1人の子どもに十分なエネルギーを注ぐことだと言います。

面白いのは、両親が与える必要がないばかりか、そうでない方が良いと言っている点です。

「神との対話」でも、子どもを産むには両親は若い方が良いが、育てるのは年老いた方が良いと指摘しています。つまり、子育ては両親がすべきではないということです。


まず恋が芽生えると、二人は無意識のうちに愛を与え合います。二人の気持ちは高まり、気持ち良くなります。『恋に落ちた』状態というのは、信じられないほど、気持ちが高ぶるものです。ところが残念なことに、こうした気持ちが恋の相手から得られるものだと期待すると、宇宙のエネルギーから切り離されてしまいます。そしてますます、エネルギーを相手から得ようとします。ただそうなると、エネルギーが十分にないように感じて、お互いにエネルギーを与え合うのを止めてしまい、自分のコントロールドラマに逆戻りしてしまいます。そして、相手をコントロールして自分流のやり方でエネルギーを奪い始めるのです。ここに至ると、二人の関係は普通の権力闘争のレベルに落ちてしまうのです」(p.306)

まさにその通り、という感じですね。愛を相手から得られるものと期待したとき、歯車が狂い始めるのです。


そして、異性のエネルギーを求めてしまう原因を、次のように分析します。

家庭でのエネルギー闘争のために、私たちはみな、大切な心理的プロセスを完成できませんでした。つまり、自分の中の異性を統合できなかったのです」(p.307)

私たちが異性に中毒してしまうのは、この異性のエネルギーをまだ必要としているからです。内的な源として私たちが汲み取ることができる神秘的なエネルギーは、男性と女性をかねそなえています。最終的には私たちは完全にその源に全面的につながることができますが、進化を始めたばかりの時には、気をつけなければなりません。統合のプロセスは時間がかかるからです。女性か男性のエネルギーを求めて、早まって人間のエネルギー源とつながってしまうと、宇宙からのエネルギーをさえぎってしまうのです」(p.307)

これは面白い考えだと思いました。つまり、自分の中の異性を統合できていないから、外的な異性を必要としてしまう、ということです。

写本は、彼女が本当に欲しているのは、男性エネルギーだと言っています。この男性エネルギーは彼女の女性面を補完するからです。この男性エネルギーから、彼女は完結した感覚と陶酔感を得ます。しかし彼女は、こうしたエネルギーを得る唯一の方法は、父親を性的に所有したり、自分の身近に引きとめておくことだと、まちがって思い込みます。」(p.308)

最初に異性の面を統合しようとする時、たいていは異性の親へのあこがれから始まると言います。

そして、異性の親からのエネルギーを得ようとして、やはり権力闘争に陥ってしまいがちなのです。

第八の知恵によれば、初めて進化し始める時、私たちは自動的に異性のエネルギーを受け取り始めます。それは宇宙のエネルギーから自然に入ってきます。しかし用心しなければいけません。もし、このエネルギーを直接与えてくれる人が現れると、私たちは真の源から自分自身を断ち切って、退歩してしまうことがあるからです」(p.309)

つまり本来は、宇宙のエネルギーから異性のエネルギーも受け取り、自分の中の異性を統合する必要があるのですね。

なぜ異性に惹かれるのかということを考える上で、面白い考え方だと思いました。


私たちがある人の姿や振る舞いを賞賛し、その姿や顔形が、より存在感を持ち始めるまで真剣に見つめ続けると、その時私たちは彼にエネルギーを送り、元気づけることができるのです。
 もちろん、最初のステップは、自分自身のエネルギーを高く保つことです。そうすると、自分の中へとエネルギーの流れをおこし、私たちを通して、他の人へと流してゆくことができます。彼らの全体性、すなわち内面の美しさを賞賛すればするほど、沢山のエネルギーが彼らに流れてゆきます。そして自ずと、大量のエネルギーが私たちに流れ込むのです
」(p.321)

まさに愛のことですね。愛を与えれば、愛は私たち自身を通じて流れていくために、そこを補うかのように宇宙から私たち自身に愛が流れ込みます。

これはレイキも同じです。患部がレイキを吸い取ると言われますが、吸われれば吸われるほど、私たちの身体にレイキが流れ込むのです。

レイキを行う者はパイプとなって、ただレイキを流す仲介役になります。でもそれによって、自分自身にも大量にレイキが流れるのです。


改めて読みなおしてみることで、この小説がスピリチュアル的な多くのことを語っていることがわかりました。

ジェームズ氏はこのあと、「第十の予言」などを書かれています。多分、そこまでは読んだと思いますが、その後は読んでいません。

スピリチュアル系はちょっと、という人でも、こういう冒険小説の形なら、読みやすいかもしれませんね。

聖なる予言

  

 
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 21:56 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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