2015年04月02日

お金はいつも正しい



ホリエモンこと堀江貴文さんの本を読みました。

友人から勧められてネットで探したら、もう販売されていませんでした。それで中古で買ったのですが、文庫版が売られていたのですね。

いろいろ叩かれることが多かったホリエモンですが、Twitterのツイートなどを読むと、非常にまっとうなことを言われていると感じていました。

そんな彼がお金のことを書いていると知ったので、これは間違いないだろうと興味をもったのです。


ではさっそく、本から一部を引用しながら内容を紹介しましょう。

誰もがこのプロセスで銀行の発行する銀行券が価値ある実物資産だと思い込んでいますが、よく考えてみてください。あるのは信用だけで、お札は銀行が発行した単なる紙切れに過ぎません。銀行が潰れれば価値はなくなります。
(中略)
 つまり、お金とは「信用そのもの」をわかりやすく数値化したものであり、実は信用こそがその実体なのです。」(p.14)

まずこのように、「お金=信用」だと定義します。これも1つの考え方ですね。

信用は相対的なものです。例えばある人物の評判を聞いた場合、100人に聞いて100人がすばらしい人だと評価するケースは稀でしょう。ある人はすばらしいと称賛するかもしれないし、ある人は悪口を言ったりするかもしれません。」(p.15)

つまり信用は相対的なものだから、人それぞれに価値基準が違うのです。

お金はそれを1つの数値で示したものです。本来はいろいろなパラメータで変わってくるものを、1つの物差しで表してわかり易くした。

それはそれで便利なのですが、それによって、お金そのものに力があると勘違いするようになるのでしょうね。


これからは、会社に縛りつけられるのではなく、個々人が独立して仕事をしていく生き方が主流になってほしいとボクは思っています。インターネットが普及していなかった10年以上前は難しかったかもしれませんが、いまなら十分可能です。」(p.34)

神田昌典さんも、会社がなくなるという話をされています。あるプロジェクトに対して、スキルを持った人間がネットを介して集まり、それぞれの仕事をこなすことでプロジェクトを完成させる。

そんなふうに、会社としてではなく、プロジェクトごとに仕事が遂行されるような時代が、もうすぐやってくるのかもしれません。


小学生の頃は強制的に預金をせざるを得ない状況のボクでしたが、大学生になって親元を離れてから、貯金は一切やめました。アルバイトである程度まとまったお金を持つと自動車を買ったり旅行に行ったりとパーっと使って見聞を広めるように務めました。
 そもそもコツコツとお金を貯めるのが性に合わないというのもありますが、お金を使って得た経験は会社を立ち上げた際、役に立ったと思います。会社の立ち上げには全額借金で出資をしてもらったのですが、借金を負ったことで逆に良いプレッシャーが高まりました。結局、1年で予定以上の売上を計上し、利益を出して自分の役員報酬もたくさんもらうことができ、借金は1年で完済しました。
」(p.48 - 49)

このようにホリエモンは、貯金をするより使って見聞を広めることが重要だと言います。

私も今は、この考えに賛成です。私もホリエモンと同様、子どものころは強制的に貯金をさせられてきました。

ホリエモンとの違いは、そこに違和感を覚えなかったということですね。ですから、50歳になるまで、ずっと貯金することを考えてきたのです。

ギャンブルに限らず娯楽に使う借金は意味がありません。借金はあくまでもその金利を払っても元がとれるような場合にのみ活用すべきなのです。」(p.65)

ホリエモンは、自動車ローンは活用すべきだと言います。金利が安いし、車を得て体験することに意味があるからと。

一方で住宅ローンには否定的です。そもそも持ち家というのは重荷になるだけで、ライフスタイルの変化に対応しづらいもの。ローンでそれを買えば、さらに縛りつけられますから。

もしやりたいことや欲しいものがあるなら、借金をして時間を短縮すべきです。すでに書きましたが、起業したときも全額借金で始め、あとに儲けて1年で返済しました。もし、お金を貯めて起業しようと思ったらタイミングを逃していたかもしれません。」(p.180)

借金は、目標達成までの時間を短縮するためにするのですね。


以前に誰かが、「消費のための借金は良くないが、投資のための借金は良い。」と言っていました。邱永漢さんだったかもしれません。

私もそう思い、自己投資も含めて、資産(投資用マンション)への投資なら借金をしました。けれども、ギャンブルはもちろんですが、単に生活費や消費のための借金はしてきませんでした。

完全とは言えないものの、まあそこそこ上手くやってこれたのではないかと思っています。



もちろんそうなった場合は国がある程度の社会保障をすべきです。最低限の社記保障はセーフティネットがカバーするとして、それなりの生活水準を維持したり、好きなことを自由にやる上では常にキャッシュフローが潤沢にあるにこしたことはありません。
 そうするためには「お金にお金を稼いでもらう体制をとる」ことが必要なのは間違いありません。まだまだ日本人に染みついた「貯金は美徳」という考え方を払拭するには時間がかかりそうですが、その概念が否定される時代が来るとすれば、それはやはりバランスのよい資産形成をすることに収斂(しゅうれん)するでしょう。現金、預金は当座の資金需要を賄うくらいの最低限にとどめておき、分散投資するのです。
」(p.52 - 53)

ホリエモンが、年取って資産形成ができてなくて貧乏な人は自己責任だから救う必要がないと、やや冷たい意見をツイートしていました。

それを読んで私は、自己責任はそのとおりだが、救う必要があるかどうかは別問題だと、意見を言ったことがありました。

おそらく私は、ホリエモンのすべてのツイートを読んでなかったか、彼の意見を理解していなかったのでしょう。

ホリエモンは、自己責任であってもセーフティネットで救うべきだという意見を、ここでは述べていたのです。

日本人の金融リテラシーの低さは、お金の稼ぎ方を知らないことにも原因があると思います。日本人の労働者の多くがサラリーマンや公務員です。そのため、「お金は稼ぐものではなく、もらうもの」と思い込みがちです。黙って働いていれば、口座に振り込まれているのがお金、そんな感覚の人がずいぶんいるのではないでしょうか。」(p.179 - 180)

これは私も耳が痛いです。ただ就職すれば稼げると、安易に考えていたのですから。だから多くを分け与えてくれない経営者に不満を持ち、不平や愚痴を漏らしていたのです。

「だったら自分で稼いでこい」と言われると、グーの音も出ませんでした。本当はサラリーマンであっても、自分でどう稼ぐかを考えるべきなのですね。



そもそも結婚というものは農業が産業の主体だった時代に農地を長子相続させ、細分化したり、荒地になったりするのを防ぐための仕掛けでした。誰もが結婚できるように一夫一妻制が定着しただけの話であり、現代のようにほとんどの人が農業に従事しない時代に結婚制度はそぐわないとボクは思います。」(p.94)

もし公的に結婚を認めてもらうことで精神的な安定を得たいというのであれば、それは実は結婚には向いていないと思います。そういうタイプの人ほど離婚する可能性が高いとボクは考えています。なぜなら、本人同士の結びつきに自信がない裏返しだからです。やはり経済的メリットが存分に活かせる人ほど、現在の結婚制度には向いていると思います。」(p.95)

農業との関係はわかりませんが、ホリエモンの結婚観には賛同します。

法で縛りつけなければならない結婚制度のどこに愛があるのでしょう?

経済的なメリットというのも、これからはあまりなくなっていくかもしれません。

単にルームシェアなどのメリットなら、結婚している必要はありませんからね。

余談ですが、結婚経験者のボクからのアドバイス。結婚に一番必要なのは、我慢強さです。他人同士が法的に結びつけられて生活をするわけですから、数々の衝突が生まれます。それを我慢できない人は結婚という形で生きることに窮屈さを感じると思います。」(p.96)

さすがホリエモン。鋭いところを突きますね。私も同感ですが、それを「我慢」にしているうちは、まだまだだと思います。

自分と違うことを「喜ぶ」くらいでなければ、一生を添い遂げるなど難しいことです。仮にできたとしても、それでは十分に満足はできないでしょう。



上の世代は年功序列型賃金システムや終身雇用制度、退職金制度などで賃金支払いの先送りをしてきた結果、多くの資産を確保し、抱え込んでいます。それが、現在の経済状況を悪化させているのは間違いありません。」(p.119 - 120)

こう言って、世代間格差の問題を取り上げています。たしかにこういう一面があることを、私も否定できないと感じています。


こうした不公平感をなくすために、1人当たり5〜10万円をすべての国民に毎月配るという「ベーシックインカム制度」を提言してきました。
ベーシックインカム制度は最低所得を保証するだけで、あとは原則自由が基本です。解雇などの規制も緩和されるので企業の経営自由度は上がります。稼ぎたい人はどんどん稼げばいいし、それを邪魔しないことで、さらに伸びる可能性があります。
」(p.133 - 134)

これには驚きました。「神との対話」シリーズでも提示されていた案です。人が生きていくのに、「仕事をしなければならない」という制限を取っ払うということには、私も大賛成ですね。

これが実現すれば、日々の暮らしに困窮しているのに「生活保護を受けたくない」というプライドから申請できないといった問題も回避できますし、申請を受理してもらうために何度も福祉事務所の窓口に通うストレスもなくなります。そもそも審査の必要がないので福祉事務所も負担から解放されます。」(p.134 - 135)

多くの人は、生活保護を受けなくて済むようになるでしょう。けれども、障害があって働けないだけでなく医療負担が大きい人は、やはり生活保護のような支援が必要だと思います。

それ以外の人は、元気なら路上生活でもして食費だけでも生活して行けます。数人が一緒になってルームシェアすれば、居住も問題ないでしょう。

最低限のお金をもらって、あとは自由にさせてもらう。私は、とても良い案だと思います。

ベーシックインカム制度があると、みんな働かないようになるんじゃないかという意見もありますが、そんなことは絶対にありません。ボクは夢を実現するためにもっともっと働くでしょう。そういう社会であればこそ、人の役に立ちたいという人たちは思いっきり人の世話を焼くことができます。」(p.136)

これも「神との対話」シリーズで指摘されてることですね。働くことの意味が、「生活のため」から「自分らしく生きるため」にシフトするだけです。

そしてそうなることで、人々はもっと幸せになりやすくなるでしょう。だって、稼ぐことを二の次にしても、他の人を喜ばせる活動ができるのですから。



お金はいつも正しいのです。使う側が間違っているから、おかしなことが起こるだけです。金銭が原因のトラブルなんて一番くだらないことです。」(p.185)

お金は使うものであって、使われるものではありません。お金の奴隷になるのではなく、主人として振る舞う。そのためにも、お金に対する正しい知識、考え方が重要だと思います。

お金はいつも正しい
 
posted by 幸せ実践塾・塾長の赤木 at 15:51 | Comment(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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