福島正伸さんの本を読みました。
この本は、1月にセミナーに参加したとき、会場で購入したものです。福島さんのサインがもらえることもあって、併せて2冊購入した中の1冊です。
そのとき、「バンコクからこの福島さんにお会いしたくてやってきました」と言ったら、とても感動してくださいました。
もちろんあとで、「他にも予定はあるので、それは冗談ですけどね。」と付け加えたのですが、午後のセミナーの冒頭で、「わざわざバンコクからこのセミナーに参加するために来られた方がいる。感動しました!」とおっしゃられました。
さすがに福島さん。感動して自分をノセるようにしておられるのだと感じました。
さて、この本は、会社を良くするための方法として、「理想の会社」をイメージしましょう、という内容になっています。
ありありとイメージしたものが実現するからです。
そのイメージをするための方法として、物語にしましょうと提案されています。
おそらく以前、私はこの本を読んだことがあると思います。内容に記憶があるので。いつ読んだか覚えていませんが。
そのときも、物語にして描くことを、素晴らしい方法だと感動したはずです。けれども、その実践をしていませんでした。
今回、またこの本を読むことになったのは、きっと実践してみなさいということだと思います。今の私に、もっとも必要な本かもしれません。
なお、この本は理想の会社を実現するためのものですが、これは何も会社だけに限りません。理想の人生でも良いし、理想の家族でもかまいません。理想の学級、理想の学校、理想の地域社会、理想の手芸サークルなどなど、何にでも応用可能だと思います。
では、気になった部分を引用してみましょう。
「理想を描くときに大切なことは、それができるかどうかよりも、ワクワクするかどうかです。一見、できそうにないことでも、ワクワクすることができれば、理想に向かって進んでいく勇気が湧いてきます。そして、どうしてもやりたいと思うことであれば、どんな困難が待っていようとも、恐れることなく挑戦していくことでしょう。なぜならワクワクして、勇気が湧いてくるほど、困難は小さく見えるようになるからです。
その結果、理想が現実化していくのです。ワクワクする理想ほど、現実化する可能性は高くなります。」(p.14)
福島さんは、非常に現実的な観点から、「ワクワクする」ことを勧めています。ご存知のように、バシャールも「ワクワクする」ことを勧めていますが、それは本来私たちがやるべきことであり、魂が導くことだからです。どちらの観点からも、「ワクワクする」ことが重要なのですね。
「そして、困難の先には感動が待っています。困難があるからこそ、感動があるのです。困難がなく簡単にできることは、楽かもしれませんが、それでは感動を得ることはできません。
困難は、とらえ方ひとつで人生を大きな感動に包みこんでくれるものにもなります。そのためには困難を前向きに受け止め、成長の機会とすることが、大切なことなのです。
さらに、仲間と一緒にその困難に挑んでいくことで、感動を何倍にも大きくすることができます。感動は、他人と一緒に味わうことで、一人で味わう時に比べて、いくらでも大きくなっていくからです。そして、日々感動を味わいながら生きることが、生きがいのある人生になるのだと思います。」(p.15)
ちょっと長くなりましたが、ここが福島さんの考え方の核心部分だと思います。セミナーのときも、そう感じました。
つまり、困難は感動のためにあるんですね。困難をなくしてはいけないのです。逃げずに挑んでいくものなのです。
さらに、それを仲間と一緒にやること。そうやって感動を大きくすることが重要なのです。一人でやるんじゃなく、仲間に出番を与えることです。
「私は、社員にとっての幸せとは、
「生活を維持するだけではなく、社内のすべての人々が強い信頼関係で結ばれながら、それぞれが自分の可能性を発揮して充実した人生を送ることである」
と、考えています。それは、ただ安楽に生きるということではなく、社会に貢献することで自分の存在価値をつくっていくことです。」(p.16)
この「社員」や「社内」などの言葉は、他の組織に置き換えることが可能です、「家族」「家族内」でもOKです。
つまり、ある集団に属する人々の幸せとは、互いに強い信頼関係で結ばれるとともに、それぞれが自分の可能性を発揮して、充実した人生を送ることなのですね。安楽に生きることを望むのではなく、自分の可能性に挑み続けること。そして、他人に貢献することなのです。
「会社が今、どのような状況に置かれていたとしても、理想を描くことはできます。そして、理想に向かって働くことができる社員は、疲れることなく本気で働くことができます。本気で働くことができる社員は、それだけで幸せだと思います。
つまり、会社が成長すると社員が幸せになるのではなく、社員が幸せになるほど会社が成長していくのです。」(p.17)
この言葉は、まさに私に対してのものかと思いました。今がどんな状況か関係なく、理想を描くのは常に今なのです。そして、理想に向かって働くことが、社員にとっての幸せなのですね。
「私たちは、言葉を伝えただけで、伝えたつもりになってしまうことがあります。しかしその感動のイメージを共有できていなければ、本当の意味で伝えたことにはなりません。」(p.19)
つまり伝えるのは、何をどうするという理屈ではなく、感動なのです。感動を生み出すのは、その場の臨場感。つまりイメージ(想像)なのです。
「そのために有効な方法が、理想の会社の状況を物語にすることなのです。」(p.21)
「物語(ストーリー)」の重要性は、神田昌典さんも「全能思考」で言われていました。他でも耳にすることがあり、重要なキーワードだと思っています。
「情報を共有するためには、まず自分が情報を提供すること。社員が仕事を楽しむためには、まず上司が仕事を楽しむこと。思いを共有するためには、毎日思いを伝えること。社員が会社に誇りを持つには、上司が社員に感謝すること。
こうすることで、会社全体に一体感が生まれ、最強のチームをつくることができるようになる。」(p.40)
私自身が肝に銘じる言葉だと思いました。まず自分がワクワクし、楽しみながら仕事をすることですね。そして、毎日、情報を発信し、思いを伝えようとすること。そして社員に感謝すること。実践しようと思います。
「信頼するというのは、相手がどのような社員であったとしても、そのすべてを受け入れることです。社員の行為に関しては評価することはあっても、すべての社員は人間として信頼、尊敬すべき存在です。その意味で信頼できない社員というのは、弊社には一人もおりません」(p.60 - 61)
「理想の会社」物語の、登場人物のセリフです。信頼するとは、人としてありのままを受け入れる、ということなのですね。つまり愛。愛が根底になければ、理想の会社は成り立たないのだと思います。
「ただ、ここでお伝えしておかなければならないことがあります。それは、真の意味での理想の会社は存在しない、ということです。
なぜなら、そもそも理想とは存在するものではなく、追い求め続けるものだからです。
(中略)
大切なことは、誰もが実現したくなる理想を描き、それに向けて改善・成長し続ける風土を創ることなのです。」(p.126)
最初から「こんなの無理だよ」と否定するのではなく、どうしたらそこに近づけるかを考える。理想とは夢であり、それを追い続けることが人生の目的でもあるのですね。
充実した人生を送るために、具体的な指針を示してくれる本でした。
あなたも、「理想の人生」の物語を描いてみませんか?
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