牧野内大史(まきのうち・ひろし)氏の本を読みました。
私が牧野内氏を知ったのは、前に紹介したあさりみちこさんの本「宇宙とシンクロする生き方」の記事で書いたように、山川さんご夫妻との対談本がきっかけです。
それまでまったく存じ上げていなかったのですが、牧野内さんは企業コンサルティングもされておられるのですね。
そして少人数のワークショップなども行っていて、そこでセンタリングについても教えているのだそうです。
気になった部分を引用してみましょう。
「もし、人生が旅だとしたら
それは自分を変える旅ではなく
本当の自分に還る旅なのかもしれない」(p.13)
「それは自分とちがう誰かに「なる」のではなく、自分自身で「ある」ということ。
それは自分にはない知識を「知る」のではなく、自分を「思い出す」ということ。」(p.26)
「そう、「私を変えることができたら、私は幸せになれる」と考えながら、ニンジンを食べることなく人生を生きています。」(p.31 - 32)
「このセンタリングがわかってくると、これまでとまったくちがった世界が出現してきます。それは、周囲や思い込みに振り回されていた自分から、中心軸のぶれない、もともとの自分へとシフトしていくということです。」(p.32)
つまり、ダメな自分を変えていく、というプロセスではなく、本当の自分に戻る、というプロセスだということですね。その本当の自分とは、「神との対話」などでも言うように、「ひとつのもの」という存在なのでしょう。
「他でもない自分自身を大切にするということ、それがすべての扉のカギになります。」(p.36)
「自分を大切にする。この本質には、「ありのままの自分を感じていくということ」があります。」(p.36)
「センタリングとは、あなたのセルフイメージの根っこに触れるということです。」(p.37)
ダメな自分でさえOKだと受け入れること。それで完璧なのだとわかることが重要なのですね。
「ここで、あなたは感情の振り子を持っています。怖い、つらい、悲しい、生きている以上、こういった感情が起こってくる出来事があって当然、それは自然なことです。ここで大切なのは、その感情に振り回されないということです。
あなたの中には、ポジティブなものも、ネガティブなものもある。それが人間です。
その振り子の中心は、あなたが糸をつまんでいるあなたの指先。ここにあるんです。
その指を意識した瞬間、あなたの世界の次元はシフトしています。」(p.104)
「あなたの本当のパワー。それは、「自分がありのままに存在していて大丈夫」という確信です。その確信は、ずっとあなたにそなわっていた、すべての源泉です。」(p.121)
「わかる、という力はあなた自身の中にあるのです。その力を、自分以外の誰かに明け渡してしまうことが、どういった人生につながるかを考えてみてください。わかる、それは、誰も教えることはできません。自分で直接体験し、そして、わかる、それこそが「自分を知る」ということです。」(p.133)
「目の前の問題には、ふたつのアプローチがあります。
ひとつは、「それを変えなければならない」という考えからくる「何とかする」アプローチ。その問題は、とても困ったことで、打ち勝たなければならず、正さなければならず、思い通りにしなければならない、典型的な箱を閉じたアプローチです。
もうひとつは、「それがただ起きている」という「許す」アプローチです。変化や流れを物事の自然のなりゆきと考え、それをあるままに、さらに可能性が開いていることを認め、氣づいているという感覚。」(p.144)
「センタリングとは、「何かを起こす」在り方から、「何かが起きてくる」在り方にシフトすることです。それは起こそうとすることから自由になって、起きることも、起きないことも許しているということ。
すると、シンクロニシティ(意味ある偶然)が自然と起きてきます。」(p.145)
だから何が起ころうとも「これでいいのだ〜!」なのであり、「安心していること」なのです。
あるがままを、「これでよし」と受け入れる(=許す)ことによって、これまでの物事に反応する自分から、中心にいてそれを観察している自分へとシフトするということなのでしょう。
「今日、1日の終わりに自分の顔が映るほどの鏡で、自分を見つめてみてください。見つめることで、自分を味わってみてください。」(p.149)
鏡を見るということは、自分自身を客観的に見るということ。振り回される自分ではなく、そこにずっと存在している自分に気づくということなのです。
「あなたが今、取り組むのは、あなたの目の前で起きていることです。遠い未来や、今とは別の人生の出来事、過去世から背負ってきた記憶でもありません。
たった、今、起きていること。只今の自分です。その只今に取り組むことは、複雑なワークもセッションも必要としません。それは、とてもシンプルなこと。
ただ受けとるということ。見つめるということ。そして、味わうということです。」(p.153 - 154)
「そもそも、本質的な意味で責任とは、あなたを重たくさせるものではありません。それは、「自分に選択できる力がある」ということを意味している言葉です。」(p.186)
「責任とは、自分を責めるということではなく、自分責め、他人責めを手放し、目の前の人生に集中するということです。本質的には、責任とは、自分が100%選択できるパワーのことを言います。その責任は、制限としての「重さ」ではなく、もっと自由な「軽やかさ」を与えてくれるものです。」(p.187)
「責任」が悪者探しという意味で使われるなら、それは他者否定や自己否定、それにともなう罪悪感をもたらすことしかありません。
しかし、「自由な選択」を意味する言葉として考えるなら、そこには万能感が出てくるはずです。
この本には、センタリングのパーソナルセッションとしてのCDがついています。聞いてみましたが、要は瞑想のようなものと言えるでしょう。
瞑想は、「神との対話」でも勧めていますし、多くの人が勧めている方法です。
私自身は、まだピンとこない部分があって継続できていませんが、これもまた1つの方法だと思います。
本当の自分とつながるセンタリングを、あなたも試してみませんか?
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