2014年06月18日
成功のための未来予報
神田昌典さんの本を読みました。
これは神田さんが、2013年12月に栃木県宇都宮市の白楊高等学校で全校生徒に対して講演したものと、編集部がインタビューした内容を追加して作成したものだそうです。
この公演の中で神田さんは、将来の日本や世界を支える若者に、10年後、30年後の未来を示すことで、希望を与えようとします。
「そして描いた夢を現実にする力−−それが「成功」する人に共通する資質なら、これからの時代に生きる高校生、つまり君たち全員は、「成功するために生まれてきた」と断言してもいいでしょう。
これまで夢を現実にするには努力が必要でした。でも、これからは、夢を現実にするには、努力がいらない時代になってしまったからです。」(p.12 - 13)
神田さんはこの本で、7つのものがなくなるという未来予報をしています。その7つとは、以下のものです。
お金がなくなる
会社がなくなる
病気がなくなる
国境がなくなる
学校がなくなる
貧困がなくなる
制約がなくなる
いずれも「ウッソー!?」と言いたくなる内容ですが、神田さんは実例をあげながら、そうなると予想する根拠を話しています。
「1万円札には福沢諭吉の肖像が描かれていますが、あれは紙という媒体に、お金を記録したものなんです。
(中略)
そう考えると、音楽の記録メディアが変わったように、お金もまた媒体が変わっていく可能性は十分にあるわけです。
では、紙幣に記録してあるもの−−そのお金の正体とは何でしょうか?
お金の正体は、感謝です。
(中略)
では感謝は、何によってつくられるか。
感謝は想像力です。
パンを食べたときに、そのパンをつくってくれた人が、どれだけ真心をこめてくれたかをイメージできるから、人は感謝するわけです。
(中略)
想像力のある人ほど、感謝の気持ちは大きくなります。
感謝は想像力によって膨らむわけです。
お金というものが、その感謝を記録した媒体であるとすれば、お金はイコール想像力だということをわかっていただけると思います。」(p.54 - 56)
このように言って、想像力を使えば使うほどお金は増えていくものであり、また記録する媒体も変わっていくと言います。
だからいずれ、紙幣という形でのお金はなくなるのではないかと予想されるのです。
また、世界から極度の貧困をなくすには、10兆円ほどあればよいと言います。
10兆円は大きな金額ですが、世界で支出している軍事費に比べれば、ごくわずかな金額です。
これからは中間層が増えてくるので、そういう人たちが年間1,000円ほどの寄付をして、それをノーコストで集められる仕組みができれば、簡単に集まる金額だと説明します。
そしてそのノーコストで寄付を集める仕組みが、すでに作られつつあるという情報も披露します。それは、携帯電話を使った仕組みなのだと。
また、その貧困をなくすときの中心として、日本やアジアが重要だと言います。
「全世界から貧困をなくすというときに、いちばん貢献できるのがアジアではないかと私はかんがえています。
アジアは、全世界の中の成長圏として位置づけることができます。
アジア全体が伸びていく中で、さまざまな経済的な問題が起こりますが、それを解決できる商品、サービスを生み出していくのも、やはりアジアです。
(中略)
アジアでも貧困に苦しむ人たちは多いですが、まず、このアジアから貧困をなくす。成長のあり方をアジアから変えることで、世界が変わります。
(中略)
「国境がなくなる」の章で、「アジア・ユニティ(Asian Unity)」の話をしましたが、「Asian Unity」は略すと「AUN」になります。
「AUN」=「あうん」というのは、ビッグバンのときの初めの音だといわれています。「新しい人類もしくは地球を生み出すのはアジアからだよね」という意味もこめて、「アジア・ユニティ」と名づけたのですが、「貧困をなくす」ということも、アジア全体で考えると、それができるだけの環境も技術も整っています。
あとは、やるかやらないかを決めるだけ−−本当に、それだけのことなのです。」(p.144 - 146)
最後に神田さんは、これからはますます制約がなくなって、自分がやりたいことをやりたいようにやって、誰もが自分らしく生きる時代になると言います。
「この本は、高校生のために話し、書いたものですが、高校生だから希望に満ちているわけではありません。そのチャンスは、17歳にも、40代、50代、60代にもあります。
これからの10年、20年で、貧困と戦争がなくせる。技術的にも環境的にも、状況は整ってきています。
その中で、自分は何をするのか。何を選択するのか。
それぞれの年代が培った経験、磨いた才能を、どれだけ社会に提供するかで、新しい日本、新しいアジア、新しい世界を築いていくことができます。」(p.157)
若者だけでなく、中高年にも未来がある。
そう力強く宣言する神田さんに、勇気をもらった気がします。
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