女優として有名なシャーリー・マクレーンさんが書いたスピリチュアル体験小説です。
出版された当時(1986年)、話題になっていましたが、私はあえて読みませんでした。
UFOや霊界などに興味はあるものの、そういうものに深く首をつっこみたくなかったからです。
特異体験した人はわかるけど、私のようにそういう体験がない人にはわからない。
なんだか、自分がつまらない人間のように思えてしまうのですね。
そんな反発もあってあまり探求しなかったスピリチュアルな世界ですが、今はどっぷりはまりつつあります。(笑)
これも「神との対話」シリーズから「バシャール」などへつながってきたたためで、自然な流れでした。
この小説は最初、不倫の恋愛物語から始まります。
これが事実かどうかは知りませんが、有名な女優が自分を主人公にした小説で、こうまで赤裸々に心の動きを描くことが衝撃的でした。
そうした人間関係の中の心の動きが、スピリチュアルな世界へとつながって行くところが面白いです。
本のタイトルの「アウト・オン・ア・リム(Out on a Limb)」ですが、枝の先に行くという意味になります。
英語の格言なのでしょう。日本語では、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」とか「火中の栗を敢えて拾う」というものと同様でしょう。
危険を冒さなければ、得たいものは得られない。勇気を出して一歩を踏み出さなければ、新しい世界へは入れない。
シャーリーさんは勇気を出してこの本を書き、スピリチュアルな世界を世に広めようとされたのです。
この本で描かれているスピリチュアルな内容は、今となっては多くの人が語っていることと同じです。
それこそ「神との対話」シリーズや、「バシャール」で語られていることです。
それがわかるのも、私がそれらを読んだ後でこの本と出会ったからでしょうね。
「たぶん私が山で学んだことは、このことなのだ。限界を置かずに、ものを考えるということ。何事もあり得る、人は何でもできる、どこにでも飛んでいけるし、何にでもなれる。一人の人間の魂は、宇宙のすべてなのだ。この事実を悟るか否かは、私達一人ひとりにかかっているのだ。
人類の悲劇は、私達一人ひとりが神であるという事実を忘れてしまったことである。この事実を思い出せば、私達は恐怖から解放されるのだ。恐怖がなくなれば憎しみも消える。恐怖から私達は強欲になり、戦争や殺し合いをしているのだ。恐怖は私達の人生を悪に駆り立てる元凶なのである。」(p.379)
すべては「ひとつのもの」であること。恐怖、つまり不安をなくすことが重要であること。
言い方は違うものの、「神との対話」シリーズや「バシャール」をはじめ、多くの人がこういうことを言っています。
「死は人間の最後だ、という考え方は、人間の最大の誤解だろう。もし、人間は本当の意味で死ぬことはない、常に次のチャンスがあるのだ、ということを知れば、この世に怖れることは何もない、ということを私達は悟れるのだろう。」(p.379 - 380)
このように、輪廻転生があることが救いになると言います。
そこにはもちろん、単に輪廻転生するだけでなく、罰せられて永遠の地獄に落とされることはないという考え方も含まれます。
天国も地獄も、自分の想像の産物です。どちらでも、自分が想像すれば、それが現実として現れるのです。
なぜなら、私たちが創造者だから。
「バシャール」よりも前に、こんなに完璧な形でスピリチュアルな世界を伝えていたことに、改めて驚きました。
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